3月日記

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2025/03/01(土)

色々感想



魔男のイチ(ジャンプ掲載)
少年漫画の序盤に出てくるサイコパス系キャラクターが
主人公に執着する流れって、HUNTER×HUNTERからだっけ。

逃げ上手の若君(ジャンプ掲載)
さすがに行為のシーンはスキップして、
うれし恥ずかし翌朝描写になると思ってたが、
それすらもなく、合戦だった。
朝チュンならぬ、いくさスンだった…。
若、雄々しくなったりせず、ますます中性的に美しい…。

だんドーン(モーニング掲載)
わおー、この現代でも色々言われている薩摩の男女観…。
問題点が分かっている上手い漫画家さんが描かれているので
楽しく読めるけど
(連載最初からずっと、えぐい部分をユーモアで包んでいる)、
当時はよかった的作家さんが描かれていたら
目も当てられなかったろう。
それはそれとして川路の妻ちゃん、
どんなタイプにキャラクターメイキングされるのか楽しみ。

きのう何食べた?(モーニング掲載)
シロさんのお母様が亡くなられたんだけど、
親が亡くなるときって本当にあんな感じで、
短いながらリアルな描写でした。
あ、快方に向かうんだな…と思ったらふと亡くなる。
結婚式が済んで、わだかまりも解けた状態で、
ケンジさんが家族葬に呼ばれる関係になっていたのが
不幸中の幸いだよ。

ショーハショーテン(SQ掲載)
グルメ漫画の、食べた人間のリアクションを描くことにより
読者に味を感じさせるのと同じく、
笑う観客を何ページにもわたって描くことで、
ギャグの増強をしている。

チ。
なるほどそういう!
知らずに見られて本当に良かった。
いい原作、いい脚本、いい演技だった。
津田さんが非常に重要な場面を演じられたのだが完璧だった。
感情が昂ぶっているが、
視聴者がノヴァクさんに感情移入してしまうほど強くてはいけない。
ノヴァクさんが場を支配している印象になってもいけない。
声のよれ具合、こもり具合でそこをコントロールなさっていたと思う。
すごかった。

相棒
次週片桐仁さん登場。レギュラーになってほしい!

サンデーの「界変の魔法使い」
もうずっと休載しておられるなとは思っていたが、予定通りらしい。
HUNTER×HUNTERのように、連載と休載を繰り返すとのこと。
うーん、静かなお話なので、キッズ達がついてきてくれるか心配だ。







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2025/03/02(日)

映画かんそう
「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」

ジェームズ・マンゴールド監督
無名だったボブ・ディランがその実力を認められ、
瞬く間に頂上に登り詰める期間を描く伝記映画。
私はボブ・ディラン氏に関しては
ノーベル文学賞を取られたことくらいしか知識になかったが、
マンゴールド監督目当てで行った。

スターに関する伝記もの映画って、売れすぎるとみんなおかしくなって、
精神か体がやられてしまったりすることが多いけど、
ボブ・ディラン氏は大衆にうんざりしつつも
比較的健全に淡々と曲を作られていて、安心して見ていられました。

ラストまでばれ

なので映画としてはやや平板と言うか、
ラストシーンをあそこにもってきたのは、
監督的にも「ここくらいしかない…」という感じで苦しそうだった。
いやでも死傷者が出て裁判になるくらい人と喧嘩したり、
破産するくらい無茶をやったり、死ぬくらい薬物に依存するとか、犯罪とか、
ないならそれに越したことはない
(一度交通事故で活動休止しておられる。あと盗作指摘が数多くあるそうです)。

フォークという音楽についても全然知識がなかったが、
弾き語りで自分の考えや人生を語るというジャンルなんですね。
ディラン氏は言語化が天才的に巧かったと理解しました。
表層を撫でただけで核まで理解できる。
自分がそう考えていなくても切実な詩を書ける。
ただ、私は音楽に疎すぎて、
終盤のシーンで聴衆が何に怒っているのか
いまひとつ理解できなかった。
ええやん別に…突然テルミンで演奏を始めたら
怒っても仕方ないけどさ。
(ニューポート・フォーク・フェスティバルで
聴衆が怒った理由については
諸説あるそうですが。でもあのフェスの会場外の雰囲気、
文化的でいいですね)

エドワード・ノートン演じるピート・シーガー、とても良かった。
音楽も大切だけどコミュニケーション能力も大事だ。
当時のミュージシャンの間で、
日本人女性を妻にする流行でもあったのか…?
と調べたけどそうでもなかった。
あとウディ・ガスリー、一体なんの病気をされてたのだ?
と調べたらハンチントン病とのことでした。
シルヴィはスーズ・ロトロをモデルにした
架空のキャラクターだそうなんですが、
優しくてでも決断が早いところが素敵でした。
「フリーホイーリン・ボブ・ディラン」のジャケットに2人が写っていて、
見たら2人とも高校生か下手すると中学生みたいだった。

関係ないけどチェルシーホテルが出てきて、ワー!って思った。





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2025/03/03(月)



2025/02/12に書いた香港風叉焼ですが、
たくさん作って冷凍しておいたうちの1枚を
賽の目に切って、炒飯にした。
うめーーーぇぇ!めちゃおいしかった!
具は叉焼とにんにくだけ。味付けは塩胡椒と味覇だけ。
シンプルですが正解だった。

ちなみに黒いのはイカスミソースをかけたハンバーグです。
ダークマターではない。










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2025/03/04(火)

映画かんそう
「シック・オブ・マイセルフ」

彼氏がアーティストとして成功しつつあるカフェ店員の女性が、
自分も脚光を浴びたくて薬物を飲み、皮膚がただれ、
奇病にも負けず生きる女性として注目され、
望みが叶ったかに見えたが…というあらすじ。
重度のミュンヒハウゼン症候群のヒロインを描いている。
ノルウェー・スウェーデン・デンマーク・フランス合作。
私はホラー映画だと思って鑑賞したのだが、
たぶんホラーではなかった。
「ドリーム・シナリオ」の監督だそうで、なんとなく納得。
嘔吐と、犬をいじめる描写があります。

承認欲求モンスターという評価を見かけたが、
この女性の場合、
自分を認めてほしいという欲求もあるが、
もっと幼児っぽい、ともかく見てほしい、ヨシヨシしてほしい、
構ってほしい…というすごいパワーを感じました
(注日を浴びるためにアレルギーの虚言をしたり、
犬に噛まれようとしたりする。犬も災難だワン)

ラストまでばれ

私を見てほしいという欲求がたぶん平均より低めなので、
私にとってこの映画は岩をひっくり返したらウジャウジャしていた
何か気持ち悪い虫みたいな感じです。
特に自分の葬式の様子を空想しながら興奮してセックスする描写が
ウギャー!っていうくらい気持ち悪かった。
あと虚言癖のプロセスもよく分からないな。
周囲の知能を低く見積もりすぎていて、
ばれないと思っているのか、
それとも時間を連続して認識していなくて、
ばれることは想像の外にあるのか、何なんだろう。

後半、主人公に都合のいい妄想世界のシーンが多くなってきて、
現実を見失いそうになる。
でも主人公の彼氏も、主人公の親しい人も、
主人公を雇うモデル会社のひとも、みんな善人とは言いかねるので、
不愉快な100分だった。
エゴ強め人間多めの世界で、
ジェットコースター的に駄目になっていく女を見たい人にはおすすめ。







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2025/03/05(水)

映画かんそう
「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」

バーセル・アドラ、ハムダン・バラル、ユヴァル・アブラハム、
ラケル・シザール、4人が
ヨルダン川西岸地区のマサーフェル・ヤッタ
(Masafer Yatta)から
村民たちを追い出そうとするイスラエルの迫害弾圧を
4年にわたって記録した映画。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞。
昨年の授賞式でパレスチナに言及した
スピーチへの非難署名が行われたりしたので、
てっきりアカデミー賞は
ユダヤマネーの下僕だと思ってたからびっくりした。

イスラエルの主張では、
マサーフェル・ヤッタの村民たちは
土地が軍の演習場と定められた後に住み始めた
違法な住人であるということらしいが、
村民たちの主張はイスラエル占領前から
ずっとここにいたというもの。
村民たちの主張を裏付ける記録が国連にもあるそう。
イスラエルの軍人たちは突然やってきて
村民たちの家を重機で破壊します。
命令書を携えて。
井戸をセメントで埋め、學校を壊します。
大工道具を押収し、発電機を奪っていきます。
違法な家、違法な道具、違法な井戸、違法な発電機だから。
マサーフェル・ヤッタの住人たちの訴えはすべて却下されます。
村民たちは非武装闘争の道を選び、
黙々と建物を再建し、抗議し、デモを行います。

ラストまでばれ

イスラエルの入植者がやってくるのですが、
普通に武装していて、
普通に非武装のパレスチナの人を撃つ瞬間が映っています。
いかにも短慮そうなイスラエル人男性が撃った後も
「お前も撃つぞコラ!」という感じで銃を構えます。
彼はおそらく罰せられなかったでしょうから、
せめて個人情報が割られて、
本名入りのTシャツにでもなって
世界中で売られればいいのに…と思いました。
(それと歴史修正されないよう、
撃たれた人の実在を証明する書類や診療の記録などを無限コピーして
分散して保存したほうがいいよ…)

印象的だったのはトニー・ブレア氏が7分間視察した学校は
破壊されることはなかった、というの。
自分たちの行いが正しいと信じているなら、
ブレア氏視察の直後に爆破すればいいものを、
弱いものは踏みつぶすくせに立場の強い者には忖度して、
最悪のザコ仕草だな…と思いました。

イスラエルの入植者たちは
逆に自分たちが正義の側だと思っていて、
このドキュメンタリの共同監督である
イスラエル人のユヴァル・アブラハムを撮影し、
「敵を助けるイスラエル人か。
Facebookにあげればお前は皆から非難される」
と自信たっぷりに宣言します。
1000万人の正義と80億人の正義は違うし、
真逆の場合もある、
ということがもしイスラエルに伝われば、
人間は本能的に多数派が好きだから、
1000万人の何割かは
少しだけ国外の意見を気にするようになるかもしれない。
受賞をきっかけに、できればそうなってほしい。

このドキュメンタリー、
パレスチナ人青年とイスラエル人青年の友情ものにしようとしている…?
という気配が少しあったのですが、
バーセル・アドラ氏のほうが
フラグクラッシャーのような気がする。
いつか(イスラエルの)僕の家を訪ねてきてくれよ…
という誘いはたぶん
「奴隷の息子たちとかつての奴隷所有者の息子たち」
てき名セリフイメージだったのでしょうけど、
通行すら制限を掛けられてるアドラ氏にしたら
「無理やん!」って言いたくなるのもまあ分かる。
(記録映像内では結婚もできるかどうかわからない…
って仰っていたアドラ氏、
その後結婚なさってお子さんも産まれたそうで、
おめでとうございます…。大変とは思いますが)

なかなかつらかったシーンは
「自分たちが土地の正統な所有者であると
映像などから証明できれば、
アメリカがイスラエルに圧をかけてくれる」
と過去のアドラ氏が言うところ。
このドキュメンタリーに対してまあ色々な意見があると思います。
「内容が虚偽かもしれないのに信じちゃってバカ〜」とか
「自分の生活で精いっぱいで
遠い国の大変なひとのことまで考えられない」とか
「自分の住む地域の、食うや食わずの子供をまず気にかけろ」とか色々。
私は全員の意見が一致するより
バラバラのほうが安心できるのでそれはいいです。
でも冷笑、お前はだめだ。
アメリカが世界警察を辞めて、
弱っている者を殴ってカツアゲを始めた今、
あなたの資産が50億あるか、
またはあなたが高所得の異性愛者&
健康な白人男性であったりしない限りは、
今後「侵略略奪をやめろ、民族浄化をやめろ」と
事あるごとに意思表示したほうが利口だと思います。
遠いパレスチナの人々かわいそ〜とかそういう他人事ではない。
あなたの家、私の家をブルドーザーがバキバキに破壊している映像を
snsにあげても、誰も見てくれない、
または「おとなしく従って出て行けばいいのに」
というコメントしか来ない世界にしないように行動するんです。

Basel・Adra氏Xアカウント
https://x.com/basel_adra

Basel・Adra氏インスタグラムアカウント
https://www.instagram.com/basilaladraa/










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2025/03/06(木)

微妙に昨日の続きの話ですが、
日本人は世界情勢や社会活動に興味のあるタイプが極端に少ないので、
ほかの国とは違ってパレスチナのためのデモが少なく、
イスラエルの人が安心して旅行に来られる、という話を聞いたことがあります。

それが事実にしろデマにしろ、私はへそ曲がりなので、
そう聞くと
「おっ?そうでもないところをお見せしなければな!ガハハ!」
と思ってスイカのチャームまたはパレスチナカラーのグッズを探しておるところです。








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2025/03/07(金)

映画かんそう
「ANORA アノーラ」

ストリップダンサーのアノーラ、
通称アニーは店で仕事中にロシアの富豪の息子に気に入られ、
自宅へ出張の依頼を受ける。
更に1週間の専属契約を結び、
ゴージャスな遊びに明け暮れた2人は
とうとう勢いのまま結婚してしまう。
幸せの頂点にいて浮かれるアニーだが、
事態は悪い方向へ…という
古典的ラブストーリーとシニカルなコメディが
合体したような話でした。

女性の乳や尻やストリップダンス、
男女のピストン運動のシーンが豊富にあるので
見たい人は見に行くとよい。

第97回アカデミー賞、作品賞、監督賞、
主演女優賞、脚本賞、編集賞を受賞。
うーん、私には合わなかったので、
え…?作品賞?脚本賞?編集賞…?という感じ。

嘔吐があるよ。

ラストまでばれ

追跡チームの男3人が気の毒かわいかった。
アメリカの最近のストリップって、
個室で行うのが主流なんかな?専属契約、
1週間で220万円かあ…!ああいうの、
税金ってどうなるんだろうね。

御曹司は悪い子ではないんだろうけど、
ずっと楽しいことだけをしていたいタイプ。
現実にもいますね。
楽しくないことについては絶対関わらない、逃げる、
または攻撃して排除するタイプ。

でもベイカー監督、実のところ
愚かな娼婦と彼女を導く中年男の関係性萌えなのでは…?
という疑惑が生まれた。
「フロリダ・プロジェクト」は好きでしたけども。
いつか美しく強く賢く恐ろしい、
他人を支配するタイプの娼婦も描いてほしいですね。

終盤がものすごく間延びした印象だったのですが、
なんか名前の意味がどうのこうのだべって、
翌日は男がアニーに指輪を返してあげて、
よっこらセックスが始ま〜〜るよ〜〜〜〜
みたいなの必要…?
終盤で突然「男はつらいよ イゴ次郎 亜米利加編」
みたいになって私は戸惑ったわ。

ゴミのように扱われて瀕死の自尊心を癒すには
手近にいる他人を蹂躙するしかなくて、
アニーにはその手段がセックスしかなくて、
でも上手くいかなくて、
自分が本当にやりたいのはそういうことじゃないと分かって…
って流れなんだと思うけど、でも長すぎるよ…。
アニーが啖呵切って威勢よく出て行って、
でも外に出たら涙が出てきて、
イゴ次郎がサングラスを渡して、
空映して終わり、の方が淡白で良かった気がする。

ロシアの富豪の笑いの沸点低すぎなところは少し面白かった。

関係ないけど頭部に衝撃を受けたひとが嘔吐を始めたら
病院で頭部を撮ろうね…
(あのシーン、単純にゲロおもろいギャハハなのか、
命に係わる可能性があるのに放置するロシアムーブひどい
ギャハハなのか、なんなの…?と思いながら見ていた)。











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2025/03/08(土)

色々感想

逃げ若(ジャンプ掲載)

行為そのものや露出で表現されたものより、
セリフだけで表現してあるエロティズムが好きだな。
まさかジャンプで私好みのえろが読めるとは思わなかった…。
他の作家さんも後に続いていいよ。

布帛包って初めて聞いたけど、
鎧のパーツで、南北朝時代からメジャーになったのだな。

カグラバチ(ジャンプ掲載)
向かい合ったエレベータが同時に到着して、
乗っていた2人が斬り合うってなにげに作画が難しいよな。
めっちゃ画角がキマっていて、
いますぐ動画で見たいくらいだけど外園先生、
たぶん映画っ子だな。

だんドーン(モーニング掲載)
天然タイプのめちゃかわドドド正道ヒロインだった!
ちょっと意外。作中一番かわいいので、作画コストが高そう!

相棒
友達になってくださいと手を差し出されて
握手に応じない右京さん、さすがだぜ!
(なにが右京さんの気に障ったのか?
やはり植民地支配の肯定ともとれる発言だろうか)

税金を食らって肥え太る怪物の話、トクリュウ、
貧困、助成金横流し、芸人上がりの都知事等々、
社会批判の濃い回でした。
片桐さん、似合ってる!
「グレイテス都プロジェクト」で
ちょっとイラっとしましたが(笑)さあ後編どうなる!?






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2025/03/09(日)

映画かんそう
「ウィキッド ふたりの魔女」

ジョン・M・チュウ監督。
ミュージカル「Wicked」の映画化。
「オズの魔法使い」のストーリーの裏側を描く話なので、
一切なにも知識がないまたは忘れたかたは、
おおまかなおあらすじを読んでおいたほうがいいかも。
映画は前後編、二部作です。

西の悪い魔女の死のニュースで喜びにわくオズの国で、
国民を祝福する南の善き魔女。
しかし1人の子供が彼女に尋ねる。
「あなたと悪い魔女が友達だったというのは本当?」
善き魔女グリンダは、
学生時代ルームメイトだった
悪い魔女エルファバとの出会いを語り始める…というあらすじ。

有名作品中で敵対しているとされた2者が
実は親友だった!の元祖ではないか?
(X-MEN ファーストジェネレーション、
トランスフォーマーの例のあれ、等々)
昨年の映画世界興行成績、
6位とかそのあたりにランクインしていた。
「Defying Gravity」という、
超エモーショナルナンバーがあるので納得の順位です。
あれが流れたら、たとえサザエさんの映像でも泣く気がする。

図書虐待シーンがあります注意。
本の上に食べ物を置いたりする映え写真などが苦手な人が見たら
悲鳴を上げるかも。

ラストまでばれ

すごく豪華な美術で楽しめました。
2人の部屋や、エメラルドシティ、図書室。
小道具も良くて、グリンダのメイクボックスやエルファバの眼鏡など、
商品化してほしいくらい。衣装もよかった
(コリーン・アトウッドさんデザインだと思ったけど違った)。

アリアナさんの演技、いけ好かないんだけど憎めなくて、
残酷でずるいところもあるけどちょっと馬鹿で天然でまっすぐな、
絶妙なグリンダでした。コメディ演技が堂に入ってた。
シンシアさんは、顔立ちは派手で強いと思うけど
眼鏡で下方修正されて見事な地味子ぶりだった。
何といっても歌唱力。
エルファバの魔法のパワーと歌がシンクロしていた。
グリムリー発動シーンの呪文のイントネーションが好きです。
ところでエメラルドシティの魔法書の舞台劇に出ていたひと
「この顔、イディナ・メンゼルさんでは…?」
と思ったらやはりカメオ出演なさってた。
元祖エルファバ、そしてエルサ。最強魔女声なんですね。

「ウィキッド」はファンタジーファンタジーした表面からは
想像つかないほどテーマが重いですが、
エルファバの話、冒頭からして不倫ですからね。
スクールカースト、ルッキズム、薬害、
そして民族差別は動物にして多少柔らかくはしてありますが
職を奪い子供に言語を学ばせないという、
現実にもある国家の犯罪です。
オズの民もシズの学生もデマと扇動に弱すぎるように思えますが、
きっと現実の自分たちのリテラシーもあの程度なんでしょう。
(人間は、一人ひとりは賢くても、数が増えると
それに比例して知能が下がってしまう。
それはなぜかというと、
「多数派に属したい」と多数が無意識に考えており
(野生では、群れから弾かれた個体は死ぬ)
「現在の多数派はアホだ!」と個々が判断すると、
皆がアホな振る舞いを始めるからです。つらい)

映画が終わった後、後ろの列の女子2人が
「どう考えても一緒に行く流れやったやん!?」
とお話しされており、心の中で「せやな…」と思いました。


後編(第二幕)ばれ

スペシャルエディションとして
「フィエロ お前さえいなければ」
を作詞作曲して歌いたい私が。お前さえいなければ。
本当にお前さえいなければ。
劇団四季の舞台で見たのですが、
見終わって大変落ち込んだのを覚えています。
ネッサローズのあれやこれや、ボックについても、
あんまりなので、映画版は全体的に改変してほしい。
できればエルファバとグリンダが
オズをボコす方向でお願いします。

今回冒頭の歌を聞いて、エルファバのことを民衆が
「誰にも愛されない」と歌っているのですが
(3/24追記:この歌詞はグリンダ先導の歌でした!
つまり…あとで回想すると…てきな…)、
聞いているグリンダはそれが事実でないことを知っていて、
むしろ愛を得られなかったのは自分なので、
どんな気持ちだったろうとか想像しました。
それでは歌います「フィエロ お前さえいなければ」
(「アイーダ」の時も同じことを言ったような気がする)

ところでオズのやつ、余罪があるのでは…?
ほかのカラーの子供たちがいるのでは…?








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2025/03/10(月)

今日はハリー・ポッターシリーズの登場人物である
ルーピン先生と、
MCUキャプテン・アメリカシリーズの登場人物
バッキー・バーンズの誕生日です。

3月10日は毎年寒くて雪が降ったりしてたけど、
今年は暖かったな…。



はい、それで二次創作をしたよ!

どっちも長年かけてもの凄い長さの二次創作を書いていて、
独自設定がもりもりなので、
過去作を読んでないと分からないよ!





ルーピン先生の誕生日の話




バッキー・バーンズの誕生日の話(性行為の描写があるよ!)











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2025/03/11(火)

映画かんそう
「プレゼンス 存在」

ある家に住み着いた幽霊が、
越してきた4人家族に対して干渉する様子を
幽霊視点で描いた作品。
ソダーバーグ監督がホラーを撮った…?
と思って見に行ったけど、監督らしいサスペンスだった。
なんと監督自らがハンディカメラで撮影なさったとのことで、
タイトな予算で確実に利益出してこ!
みたいな意気込みを感じました。

冒頭、なめらかに移動する幽霊の視点で少し酔ったので、
ちょっと目をそらしながら見ていた。
しかし今思えばあそこも監督が
スササササって歩きながら撮ってたかと思うと少し面白い。

ラストまでばれ

そして今思うと冒頭は強烈なミスディレクション。

この映画は問題あるお母さんの解像度が高すぎる。
自分の能力に自信があり、
違法行為ですら上手くやれると信じている。
自分をリーダーとして立ててくれる男性を選び結婚したが、
夫をどこか軽んじている。
息子と娘への愛情に明らかに差がある。
それは息子をスポイルしている。
メインプロットと同等くらいに強い印象を残す母役は
ルーシー・リュー。

ごんぎつねとA GHOST STORYを足して割ったような
不思議な話でした。
私は幽霊がクロゼットに隠れるので、
強盗かなにかに殺された子供だと思っていた…。
しかし兄が女子に対し
イジメのようなことを行っていたのを知って
幽霊めちゃ怒ってたけど、なんだったの。
あと霊能者の言葉「窓が開かないことが問題」
とかそういう、あれはなんだったのか。
あそこの窓が開いたら
事件発生前に幽霊は外に行けたのか?
だとするとパラドックス発生しちゃわない?

比較的裕福で、比較的会話も愛情もある家庭でも、
トラブルがあってその解決に動いたほんの少しの隙に
捕食者が現れるという怖い話でもあった。

私はラストに楽観的になれないので
「一回くらい妹の味方になってやれ!」
という自分の言葉をこの先父親は何度も反芻するだろうし、
母親は責めるだろう。
そしてたぶん気持ちが乱れるたびに
「お前だったらよかったのに」
と母親は言ってしまうのではないかと思っている。






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2025/03/12(水)

来日版がとってもとっても良かった
「SIX」の日本キャスト版も行ってきました。
物理的に胸郭が小さく、子供の頃から高い音程、
謙虚な喋り方を躾けられる日本女性に、
果たしてクイーンたちのあのどっしりとした強さと
自信が演じられるんだろうかと
少しだけ心配していましたが杞憂でしたね。
イメージ通りのタフなクイーンズでした。
もはやパブロフの犬的な反応で、
オープニング音楽が始まると同時に泣いてました。

歌詞の翻訳は色々工夫があったと思う。
「Don’t Lose Ur Head」が「頭冷やして」になってたり、
「No No No No No No No Way!」が
「ありりりりりりりえない!」になっていたり。
ただ「I don't need your love」が「愛さなくてもいい」
になったのは主語が曖昧な印象なので、
「あなたの愛は必要ない」に比べると
決別感がなくなってふんわりしてる?気がしました。
東京と大阪のお客さんの違いなんですが、
驚いたことに、大阪のお客さんのほうが
服装もノリもおとなしかった。これは驚き。
東京は軽めのクイーンズコーディネイトの方をお見かけして、
カーテンコールの時は全員立ち上がり軽く踊っていたが、
大阪はそんなことなかった。
その代わり全曲手拍子がついて、アットホームな感じだった。

入場の際にライトスティックを渡され、
カーテンコールの時に振ってくださいと言われました。
これって…ミラクルライトでは!?
嬉しかったのでめちゃ振りました。






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2025/03/13(木)



それで記念に何かグッズが欲しくて買いました
アン・ブ リンのピンズを。
好きなクイーンと、曲が好きなクイーンと、
デザインが好きなピンズがばらばらで悩みました。
このかわいいピンズを付けて
「いやならスルーしてね☆」って精神で生きようと思います。








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2025/03/14(金)

6人目の王妃キャサリン・パー。
舞台「SIX」 でトリを務める、
唯一ヘンリー8世に首を斬られず、死なず、
離縁飼い殺しにもされなかった王妃で、
大変教養ある方だったそうですが
(彼女が主人公の「ファイアーブランド」という映画が
最近公開されました)、
さぞや悠々自適の人生を送られたのだろうなと思って調べたら、
歌にも出てきたヘンリー8世と結婚する前に
キャサリンが付き合っていた元カレの
トマス・シーモア、ヘンリー8世の死後に即彼と結婚なさってた。
それはいいとしてこの元カレのトマスが
ヘンリー8世と同等くらいにカス男で、
キャサリンと仲が良かったので引き取った
義理の娘エリザベス(のちの女王)、
この子に色目を使い始め、
寝室に入り浸ったり尻タッチしたりしたので
キャサリンはエリザベスを家から出し、
その後出産で亡くなったそうです。
せっかく修羅場をかいくぐって生き延びたのに、
また別の地獄に飛び込んでしまうなんて。
教養が高くても男運はまた別なんですね。
英国王室に詳しい人には常識かもしれないですが、
私は今まで知らなかったのでしょんぼりした…。













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2025/03/15(土)

色々感想

逃げ若(ジャンプ掲載)
先週から松井先生すごいロボットになってますが、
ジャンプ史上初、セックスで特訓して戦闘力があがる主人公だー!
ちゃんと暗喩のコメディにしてあって、
子供が読んでも問題ない。すごい。
アダルトなディズニープリンセスみたいよ若。

だんドーン(モーニング掲載)
おっとい嫁じょ、知らなかった。
丸く収まるケースを述べたのち、
悲惨なケースについても書かれている。
略奪婚は過去日本全国に風習があったそうなのだが、
やるならせめて1人のちからでやれよ…と思う。

相棒(最終回)
政治家への忖度で捜査を取りやめることへの批判が入りましたね。
今シーズンの最終回なので、やったれやったれ!
という勢いがありました。
ミステリー要素はあまりありませんでしたが、
怖い刑事役の右京さんと、優しい刑事役の亀山さん、
なかなか新鮮でした。右さん、俳優並みの演技力!

大物ヴィランみたいな人が花の里にまでやってきた!

ファイブスター物語18
バランシェファティマが1人ずつ登場して
膨大なページ数を消費するの、
他の作家さんがやったらぶっ飛ばされるでしょうけど、
FSSだと感無量だわ…。
ヨーンの物語にようやく決着が付きそうです。

ファティマは純粋で優しく美しいが、
人間の女は不細工で心が醜い対比の
典型のようなキャラクターだったが、
トモエも随分古株だった。
退場はあっけなかったが少しだけ花を持たせてもらった(のかな?)







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2025/03/16(日)

映画かんそう
「ロングレッグス」

オズグッド・パーキンス(Oz Perkins)監督
FBI特別捜査官であるヒロインは連続殺人事件を捜査していた。
その事件はいずれも円満な家庭の父親が突如妻子を殺害し、
自殺するというもの。
現場にはロングレッグスという署名の入った手紙があり、
その筆跡は家族の誰のものでもなかった。
ある日ヒロインは一人暮らしの自宅に何者かの気配を感じ取り…
というあらすじ。

センスの良い作品だった。
あとオカルトサイコホラーへの愛情が感じられてにっこりしました。
予告ではサスペンスっぽいけど、
完全にホラーなのでミステリ要素を期待して行くと
がっかりするかもです。

嘔吐がありますよ。

予告
https://www.youtube.com/watch?v=Z03AyAkracY

監督はアンソニー・パーキンスの息子さんで、
「サイコ2」のノーマン・ベイツ幼少時代役で出演なさっている
(ええー!)。
キングの短編映画化「The Monkey」が秋公開なので楽しみ。
オリジナル要素を相当盛らないと、2時間にならないからね。

ラストまでばれ

私は「シャイニング」+「羊たちの沈黙」だと思った。
シャイニングは「妻と子を躾けてこそ一人前の男だ」
とホテルにそそのかされ、
ホテル管理人が連続して妻子殺しに及ぶ経緯があるが、
ポータブル版オーバールックホテルで、無敵だった。
ヒロインさんは最初から認識能力があやしくて、
大丈夫なのかなこのひと!?というハラハラ感がありました。

私はヒロインさんがママだと思い込んでいる人物が
ニコラスさんだと予想しましたが違って、
ずっと地下におったんかーい!同居おじさんかーい!
でかい音でびびらす演出は嫌いだけど、
ニコケイはまあいいか…と思った。

お母さんは一人で娘を育てて、
不審者即ライフルを持ち出すところから分かるように
強い人でもあったんだろうけど、
強大な力をずっと見ていて魅入られてしまったんだな。
最初は確かに娘を救うための行為だったろうに。
ていうかでも捜査で「家族以外の第三者がいた形跡はなかった」
って言ってたけど、めちゃくちゃ居るじゃん第三者が!
でかい荷物があるからそんなに遠くには停められない駐車跡とか、
訪問の音を聞いた隣家の証言とかあるだろうがよ。
やつがなんとかしてくれたのか?
そういえば「誕生会に遅刻だよー!」
って電話くれたのもやつか?
(ニコケイは死んでる)親切な友達のようなやつ…。











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2025/03/17(月)

映画かんそう
「Flow」

アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞したラトビアのアニメ。
Blenderを使用して5年以上かけて作製されたとのこと。
人間の絶滅したらしき世界で生きる猫が、洪水から逃れ、
仲間と出会うお話。
人間は出てこず登場キャラクターは動物のみ。
その動物も言語を喋るタイプではないので、
汚らわしい人間や、その思考を見たくないひとにおすすめ。
大自然と動物をぼうっと眺めたい人にもおすすめ。

大洪水のシーンがあるので注意。
エンドロール後に1シーンあります。

ラストまでばれ

スタート時点で木の上に舟があったので、
増水からの減水、また増水を繰り返している世界なんでしょう。
未知の水棲動物がおり、
また遺跡が現在の世界にありそうでないので
地球ではない可能性もあるが、
でも人間が交配で作った犬の品種がそのままいるから
やっぱり地球かな?たぶん温暖化で大陸が減り人間は滅んだ。

動物は、現実の動物より知能が高い。
舟の舵をとって行きたい方向へ進んだり、
あのメンバーを加えるのは好ましくない、
くらいの意思の疎通をしたりしている。進化したのかも。

ヘビクイワシが浮かんだシーンで宇宙猫になったが(私が)
一応帰ってから調べると、ラトビアにはラトビア神道があり、
「魂を天空神から、肉体を地母神から、
命を運命神から授かって生まれ、
死ぬとそれぞれに返すのだが魂は神々となる」
という考えがあるようで、
そういうイメージなのかな?と思った。
石柱の周囲のおびただしい小舟は、
あれみなさん天空へ還った人々のものなのかも。
でも舟のメンバー全員で行けないのはなんでさ!

ラスト、陸上生物の終焉かなと私は解釈した。










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2025/03/18(火)

映画かんそう
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」

原作小説も映画もものすごくヒットしていた様子なので見ました。
女子高生のヒロインがタイムスリップして
第二次大戦中の日本へ行き
特攻隊員の男性と親しくなるというラブストーリーもの。
特攻の無意味さを教わって知っているヒロインが、
命がけで国を守ることの意義を学ぶ映画だったらどうしようと
思っていたが幸いそうではなかった。
ヒロインは終始一貫、特攻は無意味で、
日本は戦争に負けると言い続けた。警官相手にも。見上げた根性だった。

ラストまでばれ(真面目に感激した人は見ないほうがよいです)

ヒロインと特攻隊員の男性が親しくなる過程は、
ピンチを救う×3(最初の出会いを含める)
素敵な景色を見せる×1
希少価値の高いプレゼントを贈る×1
食べ物をおごる×1だった。
そういえば「三体」で奴がヒロインにルーブル美術館を見せてたな…
などと思い出した。変な慣習だ。
今のオリジナルBLとかだと2人が急速に接近するのって
幾つくらいイベントが入るんだろう。
いや、でも現実はなにか良いものをもらったり、
おいしいものを食べさせてもらって
その人を好きになることってないような気がするけどどうかな。
森の熊とかじゃないんだしさ。

主旨としては特攻で亡くなった方が夢見た世界に
私たちは生きているのだから、
贅沢を言わず生きなければならないとか、そういう結びだった。
たくさんの人に支持されるのは
やはり尖ったところや難解なところのない、
こういうお話なのだな。
ただ現状への不満などをすべて絶ってしまうと
何も改善しないので文句言うのも大切だと思う。

あと自分の子供がいても
命を捨てて他人の子供を助けちゃうかもしれないひとは
せめて高額の生命保険に入ってください…。








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2025/03/19(水)

庭に植えたローズマリーは増える方。
ちょっとくらいルームフレグランスの代わりに活けたり、
ジャガイモと焼いたり、
サルシッチャに入れたりした程度では焼け石に水です
(どっちもおいしかったです)。
そこで大量消費のため、ガバっと刈って蒸留酒に漬けました。
いわゆるハーブ酒です。
たぶんローズマリーだけだと難易度の高い味になるのが
目に見えているので、
果実酒の王、レモン様にもご助力いただきました。
黒いのは、私が黒砂糖を入れたからです。
さて、ローズマリーどっさりと、
レモンと、黒砂糖。
制作者の性格がよく表れた自由な取り合わせですが、
数年後どんな味になっているか楽しみですね!










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2025/03/20(木)

映画かんそう
「教皇選挙」

ローマ法王の急死により教皇選挙が執り行われる運びとなったが、
誰も知らなかった新たな枢機卿の存在、
明らかになるスキャンダル、陰で行われる密談、
駆け引き、等々、事態は困窮を極める…というあらすじ。
2016年の同名小説を映画化。

「裏切りのサーカス」脚本
ピーター・ストローハンが脚本を書いているので、
空気は静かで重く、画は美しい。
裏サーが好きな人は観るといいと思う。
裏サーよりはややエンタティンメント寄り。なおかつ破壊的。

仕事で調整役をやっているひとは胃が痛くなるかも。
ローレンス枢機卿の呼吸の音がずっとしているのだが、
彼は教会への信頼をなくしつつあり、
上司(故法王)への尊敬だけを頼りに義務を果たしているが
時折とてもつらそうだった。

法王候補の顔と名前を覚えておくと、
票の推移が分かるのでより面白いかも。

ラストばれ

買収って弱みを握られるのも同然だし、
そんな馬鹿な…と思ったけど、
そもそも買収を避けるためにコンクラーヴェがあるのか。
買収を防ぐ新ルールが必要な気がする。

30年前のたった1度の過ちで…のおっさんは、
「他の性スキャンダルあるんとちゃうん?」
という匂わせで黙ったので、あるんでしょうね…。
べそべそ泣いてたシーン、聖職者とは…と考えてしまった。

テデスコ枢機卿、いま必要とされているのは
獣どもと戦える強いリーダーだ、と演説して拍手が起こったが、
アニマルって言ったのでびっくりしてしまった…。
これテロリストは白人のキリスト教徒ですよって
ローレンス枢機卿が最後に言って、
彼が法王になるラストかと思ったが違った。
更にもっと、ある意味過激なラストだった。
私はカタルシスを覚えたが、
カトリック保守層的にはどうなんだろう。

ローレンス枢機卿が故法王の予測通りに動いて最良の結果となり、
彼自身も教会への信頼を少し取り戻せたようなのは良かった。
現実でもあんな風に収まるといいんですけど、
でも全員が納得する結末などないからな。








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2025/03/21(金)

映画かんそう
「白雪姫」

ディズニーによる同名アニメ実写化。
監督は(500)日のサマー、
アメイジング・スパイダーマンのマークウェブ。
脚本でグレタ・ガーウィグが参加なさっています。
2012年ユニバーサル版「スノー・ホワイト」は
武力vs武力!戦う白雪姫!でしたが今回そこまでの改変はない。
主役はリメイク版「ウエスト・サイド・ストーリー」のマリアや
「ハンガーゲーム0」のルーシーを演じたレイチェル・ゼグラー。
このかたの歌声は高音も儚い印象にならず強いので、
意志のあるヒロインを表現するのにぴったりです。
今回7人の小人にわりと尺を割かれていますが、
個性強い皆さんが楽しそうに生活なさっていてよかった。
特におとぼけがかわいかった。

ラストまでばれ

改変点は細やかで、
・白雪姫はドワーフたちの小屋の掃除をせず、
 掃除の楽しさを教えて彼らに掃除をさせる。
 その代わり居候もしない。
・白雪姫を目覚めさせるのは突然現れた死体愛好家の王子ではなく、
 皆のために食料を盗む盗賊団のリーダーで
 事前に白雪姫と出会っており、
 同意のうえでキスをしそうになるシーンがあった。
・白雪姫は未来に国を統治する女王として教育を受けており、
 国に対する責任感を持っている。
 白雪の名は、赤子の頃に吹雪にも負けず元気に育ったから。

とかそのあたりかな。

これは現実の話になってしまうのだが、
敵が攻めてくるというフェイクニュースで国を動揺させ、
軍備を増強し、花(白雪)は繊細で美しいが弱い、
お前たちを守れない。必要なのは強いリーダーである。
と演説する女王役をガル・ガドット氏にキャスティングしたところに
何らかの含みを感じる。
あと「教皇選挙」でもほぼ同じ内容の演説があった。
(この映画が暗に示している 「敵」が同じなのでは?)
それと最近自分の国の市民に銃口を向ける
軍や警察の動画を見る機会が増えてきたが、
終盤の展開はアンサーのひとつではないかと感じた。

白雪姫の女優さんが
「この映画の白雪姫は王子様なんか必要としてない」
とかそういう趣旨の発言をして燃えたらしい。
まあ今後は、リッチで心身ともに強く美しい白人男性が冒険をして、
ついでに白人美女をゲットするエンタテインメントが
増えていくだろうから、
反ポリコレの人は心に余裕をもって着席してほしいものです。
アジア人は今後は画面に登場しないか
稀に登場しても悪漢にボコされるかわいそうな弱者
または空気の読めない面白系黄色人種役という状態に
徐々に移行していくだろうけども。

川にはまってびしょぬれになった白雪姫のポケットから
乾いたパンがでてきたシーンが話題になっていて笑ったが、
擁護するとしたらあのスカートの物凄い襞が蓋代わりになったのでは? というのとあと林檎摘みの昼食に持ってきたパンなので
腐りにくい、あのカチカチのパンなのでは?
という理由くらいかな思いつくのは。












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2025/03/22(土)

色々感想

カグラバチ(ジャンプ掲載)
斉廷戦争経緯。
小国が攻めてくる→日本応戦→小国も一枚岩ではなかったので
戦争に疲弊し和平条約→
剣聖が発狂して小国を皆殺し→封印
剣聖がラスボスなのかな?剣聖も主人公のお父さんLOVEなのかな?

剣聖が死んだら他の契約者も死ぬという頭のおかしいシステム
「命滅契約」、
説明するのに「親機と子機のように」って言ってたけど、
作者さん若いのに親機と子機とかよく知ってたなあ。

チ。(最終回)

知について色々考えたアニメだった。見られてよかった。
知は邪悪なので、人は皆知識など学ばず一次産業に従事すればよい、
というクメール・ルージュのような暴挙と、
知的探求心を優先させた結果歴史的大虐殺を引き起こした
ロスアラモスの危うさ、
そのちょうど中間を求めて我々はまだウロウロしている途中なのかも。

ラファウが出てきたので、
かすかに干渉し合える多元世界なんだなーと
私は思いましたがどうなんですかね。
しかし23話の結末が鮮やかすぎたので、
あそこで終わっても綺麗だったな…と思いました。
(アントニ司教の嘘の可能性はあるけども。
地動説弾圧はある司教の個人的コンプレックスの結果であり、
拷問や処刑は教会の総意ではなかった=
この漫画の内容は史実と合致しないので
ファンタジー的なものだと思われていたがそうとも言い切れなくなった)





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2025/03/23(日)

映画かんそう
「ネムルバカ」

女子大生の入巣は、先輩のルカと女子寮の相部屋に住んでいる。
ルカは音楽の道を志しバンド活動にいそしんでいるが、
人生の目的が見つからない入巣は
取り残されるようなぼんやりとした焦りを覚える…というお話。
お金のない女子2人が、飲んだり食べたりくだを巻いたり、
だべったりする日常話。分類するなら青春映画だと思う。
性愛の相手ではないが、BIGな感情を持つ関係を描いている。

日頃、同性相手であれ異性相手であれ、
性愛・家族愛>>>>>>>>>>中略>>>>>> それ以外
という作品を何千と見ているので、
なんかスカッとしました(この映画では性愛の扱いは軽く、
悉く失敗する)。別に性愛の相手でなくても
執着や嫉妬や庇護欲や愛情は湧きますよね。
同名漫画の映画化。

最初に宣材の写真を見た時
「ベイビーわるきゅーれのぱくりやないか!!!!!!!!」
と憤ったのですが、監督が阪元監督だったので着席しました。

ラストまでばれ

改変点は
・ピートモスのメンバーの登場及びラストの演出
・入巣の性格。セリフは同じだけど、かなり現代リアル女子風
 原作の入巣は、漫画の女子キャラクターっぽい性格
・ルカ先輩の性指向明言シーン削除
・ネムルバカの種明かしタイミング
といったところかな。

ファミレス「ハチノス」とか、妙なところが原作に忠実。
映画のほうがエンタテインメント的に盛り上がりが強く、
原作は淡白だと思う。好み次第かな。私は映画版が好きです。









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2025/03/24(月)

ジャングリア沖縄
https://junglia.jp/

USJアトラクション「ホテル・アルバート」以来、
その制作会社である株式会社刀の動向を追っているのですが、
今年の7月、沖縄北部に「ジャングリア沖縄」という
ドでかいテーマパークを作ると聞いて、
「だ、だいじょうぶなのか…?」とビビっています。

観光の目玉がない沖縄北部にテーマパークを作り、
沖縄が日本の観光シーンを先導していこうという感じの
コンセプトらしいのですが、
公式サイトを見ても、落ちる系アトラクションが多い・
なんか風呂がある・ジュラシックパークもどきがある…
ことくらいしか分かりません。
海外の人が行きたくなる感じなのかなこれ?
縁起でもないけど万が一失敗したら誰がどうなるの…?






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2025/03/25(火)

今のところたぶん関西で唯一のパレスチナ料理店、
Bisan京都店さんへ行きました。
ファラフェルやサラダをピタパンにはさんで、
ホンモス(フムス)や、オリーブ、
ペースト料理などを自由にはさんで食べるサンド、
色々な味がしておいしかった!
ブッハやカサラックなどの蒸留酒をいただいて、
デザートにクナーファを食べました。
食べたことのないものを食べると、
なんか回線が増えるような感覚があります。

そのときにドキュメンタリー映画
「No Other Land」の話などもしていたのですが、
なんと昨日24日に4人の監督のうち1名が
イスラエル入植者に集団リンチを受け、
救急車を呼ぶも軍に連れ去られ消息を絶った…
と他の監督たちがSNSで報告なさって、
「えー!映画監督を暴力で…!?まさかこのまま…」
と思っていましたら、たった今、
無事自宅へ戻っている途中だという報告があり
安心したところです。
怪我の有無はまだ分かりませんがご無事でよかった。

しかし同じく24日に、朝日新聞現地通信員の29歳の記者の方は、
自宅をイスラエル軍に爆撃されて亡くなったとのことで、
まだ全然安心できる状況ではないのでした。
というかアカデミー賞を受賞したばかりの映画監督を
集団リンチなどしたら
自分たちの立場がやばくなるからやめようと言う人が
1人もいなかったのか…?











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2025/03/26(水)

突然ですけど、お店で出てくるみたいな
均一の色をした出汁巻きを焼く方法が分かりました。
生クリームを使う。ただそれだけです。
(ただし出汁巻きを作ったことがないとか、そういう場合は無理です)

・たまご3個
・生クリーム55cc
・めんつゆ10cc
・みりん5cc
・(濃い味の好きな人は鶏ガラスープのもと少々)

出汁巻きのコツは、「面倒くさくてもちゃんと泡だて器を使う」
「面倒くさくても1巻きごとに油を引く」だと思います。
そう、卵料理の中でも面倒くさいNO1だと思います。
生クリームを使うと材料費がはね上がるので、
特別なお弁当の日とかにどうぞ。






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2025/03/27(木)

鯛よし百番の見学会に行ってきました。
1918年から1925年の間に遊郭として建てられ、
1951年にオーナーとなった菊池三郎氏が大掛かりな改修を行い、
1954年に宴会場となった。登録有形文化財です。

https://hyakuban.jp/

長い年月ずっと見たかった建物なので大満足です。
運よく全部屋無人の時間帯だったので、
2階のすべての部屋を見て回って、ものすごい量の写真を撮りました。
日光東照宮を模した待合室は、
オーナーが大工を引き連れて日光まで行き、デザインを再現したそう
(眠り猫もいます)。















注意
建物外観を見学した時の日記にも書きましたが、
この地域は大阪でも飛びぬけて治安がよろしくない場所なので、
見学会参加をお考えの場合は複数人でいらっしゃるか、
もしくは店の前までタクシーでお越しください。
以前と比べるとかなり改善しましたが、
やはり昼間から泥酔して叫んでいる感じの方もおられましたので…。







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2025/03/28(金)

たぶん比較するとぶっ飛ばされると思いますが、
数寄屋建築の傑作と、遊郭や置屋を交互に見学していると、
頭の中で自動分類されて、夜の歓楽のための建築物は閉じていて、
内側だけで完結した人工的な仕掛けや美を追求するんだなー、
と思いました。
遊郭は入り口近くに橋が作られている建物が多いそうですが、
ここからはワクワクする別世界ですよ、というサインなのだそうです。
そこに外界の自然を取り入れると、
風景にタグ付けられた過去や家族のことが思い出されて、
人間を買うという行為にマッチしないんでしょうね。
桂離宮などは (総工費や職人や設計思想など
レベルが違いすぎて比べると処されそうですが)
ものすごく人工的に、偏執的なほど、
あらゆる自然を取り込もうとしていた。面白い違いです。





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2025/03/29(土)

色々感想

だんドーン(モーニング掲載)
岡田以蔵登場。
天真爛漫なサイコパスという設定になったようです。
田中 新兵衛が金のために淡々と人を殺すタイプの人斬りなので
差別化されてますね。
それにしてもこんなにたくさん性格異常者が出てきて
キャラかぶりがないのはすごい。
猿の文吉殺し、肛門に竹の棒、尿道に竹串(釘)を刺されてたんですね…。


ブルーピリオド(アフタヌーン掲載)
鑑賞者が食べることで完結する芸術作品って儀式的ですね。
しかしこれだと毒物の混入が可能なので、
相当気を付けて警備しないとだ。


魔法使いの約束(最終回)
うーん、刀剣乱舞みたいに
1本メインの筋があったほうがいいような気もしたが、
別に未プレイ勢に向けて作られてる訳じゃないならこれでいいのかも。










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2025/03/30(日)

映画かんそう
「ミッキー17」

ポン・ジュノ監督
エドワード・アシュトン「ミッキー7」の映画化。
借金のために命を狙われているミッキーは、
取立人から逃げるために他惑星への移住計画に志願し、
契約書もよく読まずにサインしてしまう。
彼が移住に参加する条件は、非人道的で危険な業務に従事し、
死ぬたびに肉体と記憶を再生するというものだった…というあらすじ。

単一ではない雑多な味がします。
まず残虐だけどユーモアもある豊潤な人体損壊、
社会的弱者であるミッキーの被虐描写。
メインの筋には関係ない複数のサイコパス。
人間の性の悪さと善性。ナウシカ。
スーパースーパーダーリンのヒロイン。
自分×自分。トランプ大統領。
悪は処されたり処されなかったり。
ゆるく、ほどほどの勧善懲悪。
これらが猛スピードで走ります。心地よい起承転結。
私は好きなので、私と好みの似た人、
特に悪趣味と残虐への耐性が強い人にすすめます。

注意。嘔吐があります。

ラストまでばれ

18がいつ、どういうきっかけで17を救おうと思ったのか、
自分を愛そうと決めたのか、
1つの出来事としては描かれていないので、
映画が終わってからも考え込んでしまう。
ボタンのところだろうか。いや、もっと前だな。
ミッキーの運命を決める赤いボタンは作中に3つ登場する。
子供の頃のトラウマのボタン。自分を殺すかもしれないボタン。
そして今後は権利を侵害されないためのボタン。

ミッキーは生来のものか、あるいは事故のせいか、
または生育環境のためか、降りかかる災難を回避する知恵がない。
(ひとむかし前の日本の流行のヒロイン像みたいだな…と思ってた。
白くて美しいが受動的で不幸に対して無力。
救済者を一心に崇拝し、献身的)
SFホラーやサスペンスで、頻繁に
「契約書の豆字を全部読みなよ…」って思いますが
今回のは酷かった。
どのミッキーも気の毒だったけど、
プリントアウトされたミッキーをスライドさせる
ローラーコンベアの設置忘れが地味に酷かった。
人体損壊、人並みに好きです。
なのであらすじ上必要なやつは
「ビジネス損壊だな。がんばれ」と思うし、
過激な作品をつくってやったぜという自己満足のための損壊は
「公害だな」と思いながら見てます。
でも損壊の造形にこだわった損壊や、
キャラクターの構築に必要な損壊は
目を七色に光らせて見ています。この映画は後者です。

この映画、微妙に見逃されている悪があって、
まず薬物が絶対悪としては描かれていないのと
あとミッキーの窮状をそもそも招いた幼馴染の密売人が
ちゃっかり再起している。
あと人間が苦しみながら切断されるところを見るために
金貸しをやっている大金持ちは、
相変わらず切断を楽しんでいるだろう。
この移住計画のおそらくスポンサーであろう宗教団体は
責任者のケネス元大統領=トランプ大統領
(支持者が赤い帽子をかぶっている)を
別の人間に挿げ替えて移住布教計画を続行している。
なんかほどほどにゆるくて味がある。

この世の中には、なるべく大勢が
全員少しずつ不自由しながら共存したい派と、
奪われる前に奪え!強い者が取るのは当然!派と、
あと圧倒的多数のどっちでもいい派がいて、
左右にぐらぐらしながらバランスをとっているのが
人間世界なのだなと思った。
この映画には、大胆な行動は起こさないが
善意がないではないナード勢の男女がでてきて
バランスを変える一因になってた。

最後、デザートのシャーベットみたいなノリで
幽霊(の夢)を出してくるのは面白い。
東洋的な、死因をアピールしてくる(手首を切った)霊で
私は嬉しかったが、他の観客はどうだったろう。

まったく関係ないけどニフルヘイム(ニブルヘイム)で
7と言えばFFですね。

類似作品について(類似作品内容のねたばれになります)
この映画とほぼ同一メインプロットのSF映画に
2009年ダンカン・ジョーンズ監督の「月に囚われた男」があります。
月で資源採掘の仕事をしている男が、
もうすぐ契約期間が終了し、妻と娘に会えるのを楽しみにしている。
しかし徐々に体調が悪くなってきて、
そうこうするうちに自分に瓜二つの男が現れ、
記憶も同一で…というあらすじです。
「ミッキー7」がこの映画に
全く影響を受けずに書かれたとは考えにくいけどな…?とは思う。
まあそれはともかく「月に囚われた男」は
SFサスペンスとして純度が高く優れた作品です。おすすめ。









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2025/03/31(月)

鯛よし百番ですが、喜多八の間、潮来の間、
千代の間、由良の間、淀の間、紫式部の間など、
様々な趣向の部屋がありました。
遊郭時代は女性がその部屋で客をとっていたようです。
例えば船底や櫂があしらわれていたり、
石山寺の意匠が取り入れられていたり、
部屋の中が屋形船を模していたり、井戸があったり、
四十七士の紋があったり。

すべて合わせると1つのモチーフが分かるとか、
そういう趣向かと思ったんですが、そうでもなかった。
1階の牡丹の間、鳳凰の間、紫苑の間は、
元々はオーナーの部屋だったそう。

隣の洋風建築っぽい建物、
ずっと関係ないビルだと思っていたけど、
実はここも鯛よし百番で、
中身は木造建築で前面だけ洋風っぽくモルタルなどで覆って細工した
「看板建築」といって、当時流行の技法だったらしい。



あとこの屋根の合わせ目に下がっている平たい細工物、
「懸魚(けぎょ)」といって、火事よけのお守りらしい。
知らなかった。











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