愛ノレケ最終回記念雑記 嫌なら読まなければいいとは私も思うのですが。 「10年ぶりに小説でも読んでみるか」 という(読書嗅覚のまったくない)人が、この本を手にとって 「なんだこりゃ。でも天下の日経新聞連載の有名作家で しかもナントカ賞の選考委員やっている作者なんだから この本が特別つまらないという訳ではないんだろうな。 ということは「読書」がつまらないんだろうな。 無料のTVの方が、よっぽど面白いじゃないか」 と思って永久に本屋さんには近付かないとか そういう事態を引き起こす作家さんは、 申し訳ないですがあまり沢山いてほしくありません。 ささやかながら発表の場があるので、 「私はおかしいと思います」と手を上げておきます。 「一度も読んだことはないけど話のタネに あらすじだけ知りたいわ!」という方へざっくり御説明。 悪口で、見苦しい内容だという事を最初に述べておきます。 これが新聞で連載されていたという脅威の事実に 驚いて下されば幸いです。 一度大ヒットを飛ばしてその後はイマイチの 50半ばの小説家が、自分のファンであるという 30半ばの3人の子持ち主婦と出会い、 不倫関係に陥るも、最中に「殺してぇ」と言われて 首を絞めたらついうっかり死んでしまい、 裁判に突入して懲役8年を言い渡されるという話。 (詳しく知りたい方は過去日記05年5月15〜17日・7月6日・9月15日なども 併せてご覧下さいませ……こうなるとファンみたいでござるな) 大人の純愛を描くという触れ込みで始まりました この小説ですが、何と言うか……それ以前に 子供の年齢設定が変わったり マンションの間取りが変わったり 登場人物が同じ話を2度したり 言葉や漢字の間違いが無数にあったり 書いている人が色々と大丈夫なのかが心配になりました。 それと主人公は靴の裏にくっついたガムのように嫌な人間で、 ありとあらゆる人間(男性)を常に心の中で小馬鹿にし、批評し、 女性に対しては 「女は短大出くらいが丁度良い」「信号を歩く女がみな腰をくねらせている」 「盆踊りを踊っているときの●●●はどうなっているのか」 「下着は白のスリップ以外許さない」「パンツも履いてはいけない」 「女は自分を開発した男に対しては、命を投げ出すような愛を捧げるようになる」 など、途中から女性蔑視を軽やかに超越して異常者の思考まで飛翔なさり 時折読む者の目玉を飛ばしてくださいました。 いつも自尊心と仲良く脳内会話し、恋人を殺した後は それを主食にご自愛に励まれ、時折は悦びを知らぬ(予測)美人検事を ●●なさる様を副食になさる事もありました。 そしてそれを「国家への反逆だ!」とか「やつれているのは裁判のせいではなく、 2回も御自愛したせいだとは誰も思うまい。エヘン」 「検事をするなら悦びを知らなくては!」と優越感に浸ったりされました。 恐ろしいのは、作者がこの主人公を 狂った犯罪者として描いているのではなく、 恋 に 殉 じ た 純 粋 な 男として書いているつもりな点です。 さて主人公の男も変ですがその恋人の女もかなり変です。 躾をしっかりされた古風な女性というキャラクターの女性ですが 従順と言うか自我がありません。 目が空洞の粘土の人形みたいなものが思い浮かびます。 ともかく何もかも言いなりで何も知りません。せっせと主人公を褒めます。 3人の子持ちですが週に3回男の家に通います。 夫に子供をまかせて休日も男と遊びます。 全国の主婦の方が激怒したと聞きます。そりゃあそうでしょう。 男と運動をした後も、風呂に入らず水一杯飲まず帰ります。 血のついたシーツは自分の家に持って帰って洗濯します。 ……古風か?血のついたシーツを抱えて電車に乗る女が? 実は妖怪か何かじゃないのか!? そういえば裁判中の主人公に 知人女性から手紙が届くのですが 「女は絶頂にいるときは死にたくなるもの。 あなたを男尊女卑だと言ったり、死んだ彼女を 馬鹿でふしだらだと言ったりする女性評論家や主婦は 本当の悦びを知らない女だし、自分達が男尊女卑です。 あなたを酒の肴にして面白おかしく話す男性は 女性を本当に快楽に導いたことのない男。 殺された女性は幸福だった。羨ましい」 とこういうような内容でした。 From作者to作者の手紙としか思えません●辺先生。 まあそう、相手のする事なら何でも気持ちが良くて 何をされてもいい、もちろん殺されてもいい。 むしろ今死ねたら幸せ、と思うことはあるかもしれない。 (よく知らないけどね☆) しかし間違っても 会えば会話もなく即ベッド。 恋人への関心はほとんどなく。 興味を持つのは顔と体と性体験くらい。 たまに喋るのは下半身話と愚痴。 デートはおろかレストランにさえ滅多に行かず ひたすらベッド。 他人へは嫉妬か軽蔑の感情しか持たない。 いつも不満だらけ。 こんな年寄りの貧乏男を相手に 女性がそんな状態になることは99%あり得ない。 そしてまた別の場面では獄中の主人公のところに 息子が訪ねてきてこう言います。 「裁判のときは格好良かったよ」 「父さんは悪くないよ」 「悪いのは相手の人だよ」 という3連コンボ。 その後で届いたバーのママからの手紙には 「あなたのような才能のある男性を巻き添えにして、 女性も満足なさっているでしょう」とか書いてあります。 ……。 ………………。 なんかこの小説に出てくる登場人物はみな モラルがおかしい、 というか明らかにイコール作者なのです。 若者の格好をした作者や スリップ1枚の作者や スーツを着た作者が 自分を相手に変な会話しているようにしか読めないのです。 あれ?ところで 肝心の「愛」は 話のどこに? リアリティなく人間が描けておらずストーリは陳腐で 取材がいい加減で気持ち悪い人ばかり出てきて えろもぬるい上に日本語が間違っていて不愉快な文章は ……とりあえず小説とは呼びたくありません。 あと、男性の方へ声を大にして申し上げたい。 (ルケ感想を書く上で羞恥心とかそういうものは芦ノ湖に沈めた) 相手の了承なしに行うハメ撮り・ハメ録は犯罪です。 その場で関係終了&グーで殴打&レコーダー破壊 という筋書きになるのは間違いないです。 それと粘膜付近にブランデーというのは、 人によっては大変なことになるので パ ッ チ テ ス トをなさってから(笑)。 周囲に勘違いなさった男性の方がいらしたら 是非とも訂正を御願い致します。 (はー、すっきりした) 2006.01.31 |