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---------------------------------------------------------------- 2025/06/01(日) ビアガーデン 覚書なのですが、ビアガーデンがスタートしている広告などを見て 「そうか…真夏にやったら死ぬもんな…」と思って 5月の後半に行ったんですけど、 さすがに早すぎたらしく寒くて、ブランケットを配布していました。 お客さんは皆耐えきれず、 飲み放題の時間を随分残して帰っていき、寒さに強い私達と、 ほか数組だけが残っていました。 5月は早かったな…6月くらいがちょうどいいかもな…。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/02(月) 以前より金沢の乙女寿司さんに行ってみたかったのですが、 電話がつながらない、席に空きがない、の連続で、 予約を取るのに1年以上かかってしまいました。 特にメニューなどはなく、おまかせで下記のお寿司が出ました。 甘エビ アラ アカイカ メジマグロの漬け 小鯛の昆布締め トロ アジ ノドグロ ボタンエビ ウニ お味噌汁 鰻 飯部分が少し小さ目で、 宝飾店のアクセサリーのようにぴかぴかの、 湿度も脂ののりも完璧な、美しいお寿司でした。 特にウニは口に入れた時に 「あっこれ今まで食べたウニの中で一番おいしい。 呑み込んだらなくなるから呑み込みたくない。えーん…」 という感情が走馬灯のように流れました。 鰻が「デザートです…」みたいな位置にいるのが面白いですね。 回転寿司も、パックの寿司も、 おいしいやつはおいしいと私は思うけど、 握ったばかりの湿度と、30センチほどの移動にはかろうじて耐えるが 口に入るか入らないかのうちにホロッと崩れる強度、 これだけはうまい寿司屋の寿司にしか出せないんですよね。 (まあ矢が刺さらなそうな硬さの寿司を出す寿司屋もあるけど…) いま反芻して溜息をついてます。おいしかった…。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/03(火) せっかくなので「東のすきやばし次郎、西の小松弥助」 と称えられる小松弥助さんへも行ってきました。 マグロの漬け アカイカ マグロ 水茄子 甘エビ ウニ 甘鯛 ハマグリ うなきゅう巻 お吸い物 (追加注文 アジ) というラインナップでした。 こちら、職人さんが握ってくださったお寿司を 手で受け取ってそのまま食べるというルールなので、 落っことしたらどうしよう…とびびっていましたがなんとかなった。 ちなみに乙女寿司さんの入口、 少し分かりにくいですが店舗の南側に細い小道があって そこから入ります。 小松弥助さんは金沢茶屋別館という建物の中にあって、 準備が整うまでそこのロビーで待ちます。 どちらのお店も「お寿司のほかに、 お酒のあてになるものを作りましょうか?」と質問されます。 他のお客さんは、あてを希望されるかたのほうが多いので、 調整のため待つケースもありますが、 大将が上手くコントロールして先に進めてくれる場合もあります。 そしてどちらのお店にも シャキシャキ包丁をふるっている女性スタッフさんがおられて、 嬉しかったです。 あちこち食べ歩いてお寿司のことがだんだん分かってきましたが、 単においしいお米の上に、おいしいお魚を乗せただけでは、 おいしいお寿司にならない。そうなんです…。 まずい寿司を出している寿司屋は、 1日店を休んでおいしい寿司を食べに行けば そのことが一発で分かるのに…。 そして若いうちはおいしいお肉をたらふく食べるといいです。 やがて年を取ったら、肉と同じくらい強い脂を感じさせるのに 口の中でスッ…と溶けて、胃の中でもファッ…と消化できる お高級なお寿司を食べるのがいいですよ。 我ながらめちゃ為になるアドバイスですよこれ。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/04(水) 金沢駅の中に農口尚彦研究所のお酒を飲める店があると聞いて 行ってきました。 代表作が「菊姫」、日本酒の神様と言われている杜氏さんです。 (辛口のお酒を作られるので私の好みからは外れてしまうのですが、 おいしいことは理解できます。辛口好きの人にはたまらん味でしょうね) SAKE食堂 https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17014382/ そちらのお土産のデザインが大変おしゃれで、 何本も買ってしまいました。 ![]() それと昨年の地震で大打撃を受けられた宗玄酒造さん、 昨年のお正月に純米大吟醸宗玄を飲んで「うめー!」って言ってたら 即地震であんまりだと思ったのですが、 このブルーボトルの純米大吟醸「宗玄」が復活するのかどうか、 現地のかたとお話してたら 「今年または来年に仕込めるところまで来てるらしいけど、 出来上がっても県外には出回らないかも。 または争奪戦で値段がすごいことになるかも」 ということでした。雄町を買って帰った。 ![]() ---------------------------------------------------------------- 2025/06/05(木) 以前切手または写真で金沢のメジャーな料理を見たのですが、 おでんにバイ貝が入っており、 「どうしておでんにバイ貝が…?食べたら分かるだろうか…」 という疑問を持っておりました。 それで実際食べてみたのですが謎は深まるばかりでした。 久しぶりにバイ貝食べた。 ![]() 黒百合 https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17000022/ よい雰囲気のお店だった。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/06(金) ずっと見たかったレアンドロ・エルリッヒの 「スイミング・プール」。 リアルなプールの底の風景というよりは、 イメージのプール、絵やイラストの プールの光やブルーを再現してあるんですよね。 よくあんなに紋様を表現できるな、 水底から見る人間のイメージを人工的に再現できるんだな、 わぁー!という感じでした。 制限時間がなければずっと眺めていたかった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 入場券の取得がスピード勝負で、 9時になると同時に秒でタップです。 慣れてない人はあらかじめ練習しておいたほうがいいかも…。 あとお天気は晴れの日が絶対おすすめです。 金沢21世紀美術館も地震でかなり傷んだ箇所があるようで、 2027年春から約1年間休館して改修工事に入るそうです。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/07(土) 色々感想 ヴァンパイドル滾 (サンデー掲載) 新人のグループを自分たちのライブのエンドロールのおまけ的に歌わせて、 自分たちは終了後に即ミーグリを開くという (客席ガラガラで歌わせる)そんな恐ろしいイジメ、 本当にあるんですか…? Gundam GQuuuuuuX ラ、ララァだ! ララァはアムロがシャアを殺さない世界をなんとか作りあげて、 それでシャアを待ってる…? ファースト世代はシャロンの薔薇≒エルメスだったのか! ってなるけど、未見の方には「なに…?」だよね? 高級娼館が出てきました。迷い込んだマチュに対して、 「まだおぼこいが、ここに置いときゃ売れる顔なんだよな」 という経営者の発言がありましたが、 高校生を即店に出そうと言わないだけ、 日本のアニメの倫理も前進したんですかね。 あでも娼館には男子娼夫も置いた方がよかったかも。 アイドルプリキュア 妖精二匹が大人っぽいお姉さんに変身する展開はとても熱いけど、 ニチアサくんは、(自分のorみんなの)大切な記憶を代償に 力を得る展開を多用しすぎだよぉ。 お手軽エモエモツールみたいになっちゃってるよぉ。 前橋ウィッチーズ えっあなたがラスボス的な? 5人の中の誰かが闇落ちしたほうが ドラマとしては盛り上がると思うけど大丈夫かな? ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー 巨大ロボのオスとメスが不同意生殖(抽象的)をして 子供が生まれました。メスが悪人で加害者です。 うーん、子供が見て面白いだろうか?とは思う。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/08(日) 映画かんそう 「MaXXXine マキシーン」 「X エックス」「Pearl パール」と続いてきた タイ・ウェスト監督のシリーズ完結編。 1985年、農場での大量殺人事件の生き残りマキシーンは 人気ポルノ女優となり、更に上を目指していた。 そんな彼女をストーキングする、謎の黒皮手袋の男が現れ… というあらすじ。 実在のシリアルキラーによるナイトストーカー事件や、 ハードロック、ヘヴィメタルへの世間の白眼視、 芸能界と反社のつながりといった1980年代の文化風物と、 アルジェント監督をはじめとする イタリア流血映画の手法を絡めたサスペンスといった感じ。 (空手道場が映ったが、当時流行ってたんだろうな。 「ベスト・キッド」が1984年にありました) 当時存在しなかった(と思う)、 ホラー界で名の知れた女性監督というフィクションを さりげなく混ぜてある。 マキシーンは当時の絶叫クイーンやファイナルガールとは違い、 向かってくる敵は叩きのめし、 ゴアゴアにしちゃうダーティーなヒロイン。そこのところ結構新しい。 光の点滅するシーンが結構長いです。 エンドロール後に1カットあります。 ラストまでばれ 玉袋って、靴で踏んだくらいで中身飛び出すほど弱いの…? いくら何でもあんなケーキみたいな耐久性じゃないよね? 時系列は Pearl=若いころのパール X=パールとマキシーン MaXXXine=その後のマキシーン こういう順番。別に過去作を見てなくても 話が分からないってほどではない。 敏腕ホラー映画監督をエリザベス・デビッキさんが演じるのですが、 ミア・ゴスさんとの身長差が30センチほどに見え、 ミア・ゴスさん小さいんだな…160センチくらいかな?と思ったら、 彼女も177センチと長身だった。デビッキさん、身長伸びた…? ところで火サス方式で、 黒皮手袋の人物はデビッキさんだと思ってたら違って 「誰!!!??」となりました。 忘れてましたがXのエンドロール直前に出てたんですね。 別に仲は悪くないような、不思議な関係です。 ミア・ゴスさんは昨年、 この映画の端役の男性の頭部を 撮影とは無関係に蹴ったという内容で訴えられていたと記憶してますが 結局どうなったんだろうか。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/09(月) 映画かんそう 「ノームの夜〜並行食堂〜」 小林賢太郎監督 小林さんの初監督作品!と思って映画館へ行ったのですが、 2024年シアターコントロニカ公演の「並行食堂」の映像に、 撮りおろしのシーンとアニメーションを加えて編集した映画でした。 ねたばれ避けに前情報を全然入れなかったので知りませんでした…。 秋に見に行った「並行食堂」とつながりのある世界の話なのかな? と漠然と考えていた。まあ小林さんへ課金したということにします。 「並行食堂」は言語を物理パズルのように扱う、 いつもの小林さんのスキルに加えて、案外身体的な笑いも多い、 バランスのとれた舞台でした。 未見のかたで舞台コントお好きな人にはこの映画オススメです (舞台鑑賞経験まったくなしだと、ちょっと苦しいかもですが)。 山歩きの途中で濃霧に巻き込まれた男性は、 山小屋を見つけて避難するが、小屋には先客の男がおり、 彼はその男性から不思議な体験談を聞かされるというあらすじ。 内容ばれ 去年の自分の舞台感想を読み返しましたが 「いまひとつだな?」と思った2コントは映画で削られていて、 うむ…と後方古参ヅラになりました。 ビゼーのハバネラが冒頭でかかって笑ってしまった。木魚! ---------------------------------------------------------------- 2025/06/10(火) 「マーベルスタジオ インフィニティ・サーガ コンサート・エクスペリエンス」に行ってきました。 めっちゃ良かった…。 各テーマソングをメドレーで聞くコンサートだと思ってたけど、 各キャラクター別に編集されたエンドゲームまでの映像を、 生オケ劇伴で鑑賞するコンサートだった。 演奏がやんで、皆で映像に見入る時間もありました。 帰り、皆ベッショベショに泣いてたよ…。 ![]() 入場時に配布された白いブレスレットを皆で装着するのですが、 これがシーンに合わせた色に光って壮観だった。 フェニーチェ堺、大ホール収容人数約2000人が舞台装置となって、 炎になり、雷になり、インフィニティストーンになり、 本当に綺麗だった。 (写真撮影は開演前なら可) ![]() 内容ばれ オープニングはもちろんマーベルロゴと共に鳴る例のあの音楽! 誇張なしに100回は聞いているいつものあれが オーケストラで演奏されている! なぜだか面白くて、笑いがこみ上げました。 約10年分の映像をすごい速さで流していくので、 「若い!」「変わらない!」 「このときはいかにもまだ無名の役者さんだ!」とめまぐるしい。 まとめて聞くと名曲が多い。そしていい役者さんに恵まれた。 脚本も。後になるほどグレードアップしているのが分かる。 アクションの組み立てもそうだ。 昔は普通の平らな林の中で殴り合いをしていたそういえば。 各々の動きやポーズはリズムがあって快い。よく考えられている。 だいぶ客観視できるようになったが、 サノス、ヒーローたちの技の受け手としてよくできている。 あれだ。プリマをリフトする男性バレエダンサーのようなものだ…。 私はチームキャップなので、 終盤の、ヒーローたちの愛情シーンダイジェストで、 キャップとバッキーの抱擁シーンを入れてくれてありがとな… という気持ちでいっぱいです。 「キャプテンアメリカを称えようぜ!」の直後も、 キャップのターンで入れてくれたよね…。 誰の構成か知らないけどよく分かってるな。 でもキャップのターンで 「Star Spangled Man」がメインなのはどうかと思ったんですよ… 彼の人生って結局、メインテーマの曲調の 威風堂々としたものでは全然なくて、 「Taking a Stand」の、暗雲が凄い速さで流れていく中で 一瞬差す光みたいなそういう(早口)物語を生きた訳ですし… つまり何が言いたいかというと「Taking a Stand」が聞きたかった!! 聞きたかったヨォ〜! ところで「ブラックパンサー」の曲って 民族楽器(とくにパーカッション)やコーラス多めですが、 オーケストラの編成にそれらはなく、録音との合奏になってました。 「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」の ウガウガウガチャカ…とかもそうですね。 金管楽器が多めでしたね。勇ましい曲が多いからかな。 ナターシャの演出がすごく良くて、 ヴォーミアの崖から落ちるところで これまでの彼女の名シーンが走馬灯のように流れたのですが、 その中に「ブラック・ウィドウ」のエレーナとの幼少期のシーンと、 あとドラマ「ホークアイ」のエレーナがサノられるシーンが入っていて、 ナターシャの落下が自己犠牲と献身じゃなく、 「絶対妹を助ける!」という 強い意志と保護欲を感じさせる編集になっていて、 一番泣きました。間違いなくファンの丁寧な仕事! 終了して退出するとき、 頬が涙でピカピカ光っている人がたくさんいた。 「すごく良かった…」「よかったね…」「よかった…」 と皆さん口々に言っていた。 大満足のコンサートだったし、 何度も言ってるがMCUを見てきてよかった…!と思った。 本国版のコンサート映像をチラッと見たが、 巨大スクリーンとオケを覆う半円形のドームに プロジェクションマッピングで劇中の雷や リパルサーレイなどのエネルギーを拡張投影し、 最終戦のポータルが開く場面では巨大なポータルを映し、 リアルに花火まで上げていた。 なるほど母体がディズニーだぜ…本業…と思った。 コンサート予告映像 https://www.youtube.com/watch?v=ZD94OIELqNA ---------------------------------------------------------------- 2025/06/11(水) 平野耕太大博覧會に行ってきました。 「HELLSING」と「ドリフターズ」中心の展示で、 立体ものと動画が少し、あとは圧倒的生原稿、 生原稿、生原稿の連続でした。 ヒラコー先生、意外と(失礼ながら)原稿が綺麗! (汚れが少ないという意味ですよ!) 写真撮影可。動画撮影不可。 ![]() ![]() ![]() ![]() 先生の作品の魅力は何といってもネームのキレ、 リズムの良さ。そして癖が強くてパワーのある絵! 一回見ただけで覚えちゃうんですよね…。 原稿を拝見しながら「暗唱できるわこれ…」と思ってました。 ところで展覧会とは関係ないのですが、 暴力、武器、軍事学を扱う作品が多いため、 ネット右派が戦争を語るのに引用されたりするのですが、 そういうときにブチギレた先生が繰り出す皮肉もまた リズムが良くて好きですね。すぐ消されるんだけども。 人数制限があって快適に見られましたが、 チケットに書かれた入場時間+20分くらいかかりました私は。 あと当日券で入ろうとしていたけど、券売ブースなどはなく、 ローチケで買ってアプリをDLし、提示して入場という流れでした。 急いでいる人やモバイルの調子の悪い人は注意。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/12(木) 映画かんそう 「ザ・コンサルタント2」 特殊な生い立ちと技能を持つ敏腕会計士クリス・ウルフが 社会悪を締め上げるシリーズ2作目。 というかこのシリーズは一風変わっていて、 メインのあらすじよりもキャラクターを優先するというか、 それでいてキャラクター萌えという訳でもない渋いお話なので、 本当に独特。詳しく書くとねたばれになるのであれですが、 兄弟ものがお好きな方には強くおすすめします。 劇場公開されると信じて疑っていなかったが、 日本では配信のみの公開となりました (本国では劇場公開された)。 財務省金融犯罪取締局で出世したメリーベスの元上司が 死体となって発見されるが、 遺品から彼はある事件を追っていたことが分かる…というあらすじ。 ラストまでばれ メインのあらすじがとても数奇な話で魅力的なのだが、 たぶん違う構成にしてアナイスのエピソードを増やした方が もっと劇的だったと思う。でも大量の兄と弟エピソードを優先させた。 せっかく再会したのに8年間連絡をくれなかった兄。 誕生日もスルーだった兄。めっっっちゃ怒ってる弟。 戸惑う兄。でも兄が来てくれって言ったら 地球のどこにいても飛んでくるし、でかい図体で並んで寝るし、 兄が踊ったら大喜びで自慢しちゃう。 世界共通の価値観として、あらすじ・構成は、 人物造形・エピソードよりも上位にある、 という評価基準がありますが、 その基準で判断すると成程この作品は 配信オンリーになってしまうのかもしれない。 うーん、でもサスペンスをメインにして、 よくある中の上のエージェントアクション作品になるよりも、 唯一無二の物騒兄弟映画であってほしいと個人的には思います。 あとJKシモンズ演じる上司さん、悠々自適の老後を選ばず、 どうしてあんな修羅道に入ったんだろうね。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/13(金) 映画かんそう 「リロ&スティッチ」 2002年同名アニメーション映画の実写リメイク。 宇宙の彼方で開発された生物兵器626は、 邪悪な存在として処分されるところ、からくも脱出し、 地球のカウアイ島に落下する。 両親を亡くし姉と2人暮らしていたリロは、 保護犬収容所で不思議な生物と出会う…というあらすじ。 登場人物が増えたり減ったり、 またエピソードもそれなりに変更されているが、 ヌルッと自然に変えてあるので違和感がない。 お子様と一緒に楽しめる、よいファミリー映画でした。 ラストまでばれ 旧作では児相のやりかたがあまりにアバウトかつ横暴だったのが、 具体的になり納得できる流れに。 (そのためにキャラクターが2人に分かれた) あとナニと彼女の人生にもきちんと敬意が払われている内容になった (才女であるとか大学へ行くことが素晴らしいという価値観は 西洋的かもしれないけど)。 ナニの描写が増えてよりリアルな人物造形になったけど、 仕事を台無しにされるシーンは気の毒で正視できなかった…。 スティッチの暴力が、幼児の感情の爆発をキャラクター化したもので、 リロがスティッチを通して自分を俯瞰して見る視点を学んでいること、 また姉の立場に立って考えられるようになりつつあるのが、 より分かり易くなった気がした。 旧作にはなかった兵器の使い方がうまくて、 にっこりしたラストでした。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/14(土) 色々感想 超条先輩(ジャンプ掲載) 終わってしもた!?嘘でしょう? まだまだ膨らませるところがたくさんあるのに!? 作者先生のご結婚と同時に終了!? ヴァンパイドル滾 (サンデー掲載) 滾の逃げた仲間たち、別に卑怯とかゲスとかそういう描写はされず、 落ち着いたら戻ってきた。優しい世界。 エナジードレインを習得したんだね。アイドルは天職なのでは。 シルバーマウンテン(サンデー掲載) 幻獣の整形外科話になるだろうか? もしそうなら面白いだろうけど膨大な知識が必要になりそう。 人間とは骨格や筋肉が全然違う幻獣の、 凝りや痛みの設定を作らないといけないもんね。 前橋ウィッチーズ 記憶消えちゃったー! エンディングは誰もいないバージョンでした…。 Gundam GQuuuuuuX 「キシリア様ってエスニック好きかな」 私の手料理を食べてくれるかな、 じゃないということは何度かお届けしてるってことですね。 それで自分も食べたいって言ったエグザベ君に 「好きな人にしか作らない」って言ったー! そしてどう見ても風呂上がりのキシリア様が、 どう見ても風呂上がりのニャアンの髪をブラッシングしている…。 でもニャアンが優秀なニュータイプだから 手駒として厚遇しているだけなんですよね…。 キシリア様のコスチュームデザインが伏線になった 面白い暗殺回でした。これちゃんと終われるんですかね。 映画で決着!になりそう。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/15(日) 映画かんそう 「国宝」 吉田修一さんの同名小説が原作。 李相日さん監督。奥寺佐渡子さん脚本。 吉田さんの小説を原作とする、李監督作品は 「悪人」「怒り」に続き今回で3作目。 主演吉沢亮さん、横浜流星さん。 暴力団一家に生まれた喜久雄は出入りで親を失い、 縁あって名門歌舞伎役者の家に引き取られる。 生まれ持った才能と集中力で女形としての地位を得ていく喜久雄だが、 その歌舞伎名門一家には正式な跡取り息子がいた…というあらすじ。 技術と血筋に苦悩する、2人の歌舞伎役者の半生を描いた骨太な作品。 歌舞伎と世襲がテーマなので海外でも評価されそう。 舞台のシーン、特に2人の共演のシーンは美しいです。 漫画で譬えると歌舞伎版「ガラスの仮面」ですね。 ラストまでばれ 最後のほうにチクチク嫌味を書くので、 貶し文句を見たくない人は最後を読み飛ばすといいですよ。 片側が浮上すると片側が沈む、シーソーゲームみたいな運命の2人。 皮肉にも喜久雄があんなに欲した血筋が、俊介を殺してしまった。 (というか糖尿病予防啓発ムービーになりそうな怖さだった。 糖尿病、なりやすさの遺伝も確かにあるのだが、 やっぱり食生活と生活習慣も大きいと思う。 極端な飲酒と美食を控える習慣を教え込んでいたら あるいは俊介は助かったかも。 大量吐血も症状のひとつだそうです。怖ぇぇ) 芸のためなら何もいらないと言い、 実際妻子も女も切り捨てた喜久雄ですが、 俊介に関しては感情が乱れまくり、 1つの地位をめぐって対立している彼等は、 とうとう最後まで互いを憎まなかった。 感情をぶつけ合うにしても、 育ちのいい人々は言葉尻が柔らかいのがよかったです。 (邦画の酔い散らかした怒鳴り・泣きわめきシーンは、 恥ずかしくてつらい) あとご挨拶のシーンがたくさんありましたが、 手をついてお辞儀をする所作がみなさんきれいだった。 喜久雄のドサ回りのターンで、 女形としての喜久雄に岡惚れした男とその仲間2人の挙動が怖かった。 人間国宝になった喜久雄のニュースを見て彼等はどうしただろうか。 飲み屋の持ちネタとして今も武勇伝を語ってるのかもしれない。 芸に魅入られて人間を越えていく人々を描いた格調高い映画の今作ですが、 女性描写は相変わらずのあれで、 まあ監督の過去作品である程度分かっていましたが、 息子だいしゅきママと、献身股開き女たち、 お父さんスゴイ!娘、等々オールスターだった (性暴力がなかっただけましかな〜???)。 母子で捨てられた娘はさすがに最後でお父さんを刺すかな? お父さんは刺されたまま舞台で舞って死ぬかな?と思ったけど、 お父さんスゴイ!でずっこけた。 まあ20世紀終わり頃の、 女性に自己実現の手段とSNSがなかった時代の 最後のファンタジーということでいいですよ…ホホホ。 関係ないけど監督は強烈なntr萌えだと思う。 「オタクくん見てる〜?」でめちゃくちゃ興奮する性癖持ちだと思う。 ところでヤクザバトルの冒頭シーンで 床の間に飾ってある鏡餅に目が釘付けになったのですが、 ウエディングケーキみたいな超でっかいオブジェ鏡餅、 串柿が1mくらいあるスーパーロングなやつで、 家に帰ってから 「長崎 鏡餅」「暴力団 鏡餅」で検索しまくりました。 というか串柿はどちらかというと関西の風習なので、 串柿に似た何かだった可能性もある。なんなのあれは。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/16(月) 映画かんそう 「JUNK WORLD」 監督脚本 堀貴秀さん PG-12 前作「JUNK HEAD」から4年。 大部分をおひとりで撮影された1とは違い、 大幅にスタッフが増えたので(?)製作期間が短くなった! 地上世界に人間、地下世界で人工生命体マリガンが暮らす世界。 地下で異変が起こり、人間とマリガンの会合がもたれることとなる。 その会場を何者かが急襲し…というあらすじ。 相変わらず独特の造形センスと世界観をもつ映画。 増えた予算で、キャラクターの動きが滑らかになり、 衣装のグレードがアップし、そして残虐描写の質が向上した。 関係ないかもだが性器ねたはパワーアップした。 エンドロール後にワンシーンあります。 というかエンドロールが制作風景なのでお見逃しなく。 言語は、音声を聞きながら字幕の情報を追える人には ゴニョゴニョ版(字幕版)をおすすめします。 ラストまでばれ まさか時間ものになるとは思ってなかった…! そして細かい伏線があるのだが、 なんか「気持ち悪い生物が突然出てきたけど、 この世界だとよくあることだな…」でスルーしてしまった。 (フックがかかって発進できないところは編集ミスだと思ってました) 最初に出てきた時はなんか不気味な小さい生物だったけど、 二幕を観たあとだと可愛く見えますね。 バステト!三部作ラストで生きててほしい。 ゴニョゴニョ語は言語として成立してるんだろうか。 とりあえず「ガッテンショ」しか分からないや…。 1から壮大な2を経てまた1の冒頭に戻ってきたわけですが、 どう落ちるんでしょうか。 最終作は2029年頃ですかね。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/17(火) 粉ミルクや食料、医療品を積んで、 パレスチナ自治区ガザを目指していた英国船籍の民間船 「マドリーン」号は、6日にイタリアのシチリア島を出発して、 9日に到着目前のところをイスラエルに拿捕されました。 乗っていたのは環境活動家グレタ・トゥーンベリさん、 欧州議会議員リマ・ハッサンさんをはじめとする、 ジャーナリスト、俳優、人道支援団体の代表者の人達でした。 SNSで「私たちの発信に注目してください。 貴方がたの関心が集まれば集まるほど、私たちは安全になるのです」 とポストされていて、私はハラハラしながら押せるボタンを全部押した。 グレタさんは22歳。 「白人の」「若い」「女性」。 世論的に手出しできない最強のステータスで、 殺してしまうと完全に悪の権化の位置に立たされるのは不可避である。 グレタさんは聖女として教科書に載り、何度も映画化されただろう。 自分を駒にしたナイトフォークをかけている…と私は恐怖しました。 殺せないし、自治区に入れる訳にはいかない。拿捕しかないのです。 公海上で英国船籍の船を拿捕。 映画にでてくる悪の国家並みの国際法違反です。 でももはやイスラエルに正気の人が少なくて、 「誤爆でーす。事故でーす」ということにして 船を爆破する可能性もないではない…と恐れていましたが、 ご無事でよかった…。 日本は、我慢・工夫・助け合いで丸く収まる事を美徳とし、 抗議する人に対してやや嫌悪があり、 特に女性が改善を訴えると全方向から、 同性からも叩かれる傾向にあるので、 日本でのネット上のグレタさんの評価は、 dis多めだなあと常から思っていました。 しかし今回だけは黙っている人が多く、賢明だと感じました。 どう皮肉を言っても、命懸けで海に出た若い女性に比べると、 快適な部屋でモバイルをシュッシュしているほうが ザコに決まってますからね。 それでも「領海侵犯するほうが悪い」(してない) 「わざわざもめ事を起こすなんてバカ」 「お金を貰っている」「(なんかエロ妄想)」 とか頑張っている人がいないではなかった。 発信すればするほど存在の虫のような卑小さが際立つだけだよ… なぜか私が恥ずかしいよ…。 政府は動かないので、国籍を越えて市民たちかつながろう。 抗議しよう。という考えが急速に広まりつつあるように感じる。 リマ・ハッサンさんがフランスに戻られた時のスピーチ、 短いながらも心打たれました。今ならネットで見られます。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/18(水) レモンの蜂蜜付けをパンに載せて追い蜂蜜を掛け、焼くとおいしい。 ![]() ---------------------------------------------------------------- 2025/06/19(木) 映画かんそう 「ドールハウス」 監督脚本 矢口史靖さん 事故で5歳の娘を失った主婦は、 骨董市で偶然見つけた人形を娘の代わりとして心の安定を取り戻す。 しかし新しい子供を授かってから、 夫婦の周りで奇妙な出来事が起こり始める…というあらすじ。 超超超王道のホラーで、サービス精神にあふれ、 皆でキャッキャと楽しめるタイプの作品です。 髪伸びる爪伸びるを始めとする、 人形ホラーで使われるあらゆる演出がギュッと詰まって全部乗せ! 味変もあり飽きさせません。 ラストばれ 最後の真実が分かる前に「親が無理心中を図ってきて、 子供の自分は死んで、親は助かったって、ひどくない? そんな親と一緒に甕に入りたいだろうか。私なら嫌だな〜」 と思ってました。 (父親の無理心中未遂は支配欲に狂ったモラハラで、 母親の場合は愛ゆえっていうのはおかしい) まあ「子供は母親のことが大好きに決まってる」 っていう思い込みを利用した展開ですね。 あと埋めれば何とかなる、 供養すれば鎮まるという思い込みで失敗するホラーが増えているので、 みんなホラー映画を見て学ばないとだよ。 そりゃあアヤちゃんだって 美男美女で令和の優しいパパとママのほうがいいに決まってるよね。 瀬戸さん演じる令和パパの、気遣いの細やかなところがよかったし、 美しくて上品な令和ママの長澤さんが 楳図かずお先生画の顔になるところもよかった。 何より夫妻がいがみ合いの喧嘩をしないのがストレスフリーだった。 (あと風吹さん演じるお義母さんが無事でなにより) 呪禁師さんが到着したあたりから ちょっと別の番組が始まった感じでした。 予告の「金平糖の精の踊り」からの 「山の魔王の宮殿にて」のつなぎかたが巧いなと思ったのだが、 本編では特に使われてなかった。そこはちょっとだけがっかり。 ところで序盤の不審者や、近所の子供たちが メイちゃんの死を知っているのに隠して逃げ帰った風の演技は、 終盤回収されると思ってましたが、特に触れられなかった。 続編ねたでしょうか? メイちゃんアヤちゃんがユニットを組んで 大人になった近所の子らに復讐?再びやってくる呪禁師? とかそういう? ---------------------------------------------------------------- 2025/06/20(金) あの人の本棚(8) 京極夏彦先生の回を見ました。 よく話題になっている、 本を手放したことがないという先生の本棚です。 得も言われず美しい配置だった。 普通の住宅だとたぶん床がやられるので、 基礎からして特別なんだろうな。 京極先生、最初は少し息が苦しそうで心配になったが、 途中からはいつもの、立て板に水でした。 膨大な本を何とか棚に収めるために、 常に位置を入れ替えているそうで、 「整理整頓をすることで隙間を作っていくというのは、 きちんと生活をすることとほぼイコールなんです」 とのこと。説得力があって煙に巻かれてしまう。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/21(土) 色々感想 逃げ上手の若君(ジャンプ掲載) 突然話のスケールが大きくなってMCUみたいに!? ところで解説にあった、 「日本は意外と武家の君主殺し、親殺しは少ない」 というの、そうかな?と思ったんですが、 そういえば本能寺以外思い浮かばない。 ヴァンパイドル滾 (サンデー掲載) 怖いけどかわいい=コワイイ、たしかに今だと流行りそうな気はする。 芸能プロダクションが、 売り出したいアイドルユニットのために実写に向けて動いてそう。 前橋ウィッチーズ えっお母さん?お母さんですよね???? まさかの丸く収まりそうな気配がしてきた。 Gundam GQuuuuuuX シャアがプリキュア変身して 話題を独り占めするかと思われたが、 結局最後の「BEYOND THE TIME」が全部もっていった。 若い視聴者、大丈夫だろうか? 年寄りたちが夜中にネット上で奇声をあげてて怖くない? ---------------------------------------------------------------- 2025/06/22(日) 映画かんそう 「罪人たち」 監督脚本:ライアン・クーグラー 主演マイケル・B・ジョーダン MCU「ブラックパンサー」で大絶賛されたコンビが 再びタッグを組んで、またもや絶大な支持と高評価を受けた吸血鬼映画。 1930年代。シカゴで大金を得た双子の兄弟は、 故郷の南部に戻り、酒と音楽を提供するクラブをオープンさせる。 演奏家のスカウトも、食料と酒の手配も完璧で、 最高の夜になるかと思われたが、 音楽に惹かれてやってきた人ならざる者の訪問を受け、 一転して恐怖の夜に変わる…というあらすじ。 高評価も納得のすごい映画でした。 監督の強いメッセージ性と信念、主演俳優への信頼、 ブラックヴァンパイアホラーと音楽の融合。 ただし完全に通好みで、受け止めるのにエネルギーが必要な作品のため、 なんかスカッとする普通の娯楽映画を求めている人向きではない。 あとホラー映画のフォーマットが使われてはいるが、 恐怖表現を追求しているわけではないので、 優れたホラー映画を見たい人には肩透かしかも。 エンドロールの後に映像あり。 ラストまでばれ 双子の兄弟はマイケル・B・ジョーダンの一人二役。 私は「へー、この弟役のひとは マイケル・B・ジョーダンに顔が似てんな〜」と思ってた。 「エイリアン・コヴェナント」といい、 映画監督は何故かミューズ俳優を分裂させたくなるものらしい。 この映画の音楽のとらえかたがすごく独創的で、 「我々が歌い踊るとき、祖霊もまた踊り、 子孫も同じく歌うだろう。音楽は血であり、 肉体と同様に受け継がれる」というような内容を映像で表現した。 そもそも音楽と吸血鬼と同胞への友愛と反差別、 下手な監督ならバラバラに分離して大惨事だったと思うが、 ものすごい腕力で捻って一つにまとめた。 この映画の吸血鬼は、招待されなければ建物の中には入れないし、 にんにくも効く。あと心臓に杭を打たれれば死ぬのだが、 キリスト教を恐れたりはしないし、水の上も渡れるようだった。 アイルランド出身の吸血鬼のようだが、キリスト教のことを土地の簒奪者と表現していた。 それ、時代はいつ頃の話?それとも犠牲者の記憶? (「宣教師がアフリカに来た時、 彼等は我々に目を閉じて祈ることを教えた。 我々が目を開いたとき、彼等は土地を持ち、 我々は聖書しか持っていなかった」 ケニア共和国初代大統領ジョモ・ケニヤッタ) 命懸けで吸血鬼と戦った主人公たちだが、 結局最後は吸血鬼と人が抱擁を交わし、 共に過去を懐かしみます。一方、KKK団は皆殺しにされる。 単純に人間vs吸血鬼という映画でもない。 (関係ないけど「有色人種でないといい役がもらえないが、 それでも仕事をしたい人が絶えない名監督」 はあとちょっとだけ増えていいと思う) (でも今回一応主人公の仲間側ではあったけど、 そんないい役柄ではなかったね、アジア人) なぜか吸血鬼たちの歌が耳に残っている。 「ダブリンへのロッキーロード」 https://www.youtube.com/watch?v=2yKLnfYqOIs 主人公たちも、KKKの奴らも全員吸血鬼にして(意識を一つにして) 争いをなくすと言っていたが、それって人類補完計画ですね。 確かにそれくらいしないと、 野蛮でアホな人類は永久に殺し合いを続けるのかも…。 最初に吸血鬼を追っていたチョクトー族は MCUの「エコー」の主人公マヤの出身だけども、 あの話も祖霊と一族の話だったので、 監督の目くばせかな?と思った。 吸血鬼と音楽と兄弟といえば 「フロム・ダスク・ティル・ドーン」が思い出されるけど、 インタビューで影響を受けたと監督が言っておられました。 「マイティ・ソー」ねたばれ 「アクアマン」ねたばれ 「クレイヴン・ザ・ハンター」ねたばれ 「デイブレーカー」ねたばれ 「フロム・ダスク・ティル・ドーン」ねたばれ 「ウォーキング・デッド」ねたばれ 正義vsヴィラン、 人間vs吸血鬼またはモンスターの兄弟ものというと必ず、 100%兄が人間または正義の側で弟がヴィラン またはモンスターだなあと思ってましたが、 例外はウォーキング・デットですね。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/23(月) 映画かんそう 「28年後」 監督ダニー・ボイル 脚本アレックス・ガーランド 2002年「28日後…」2007年「28週後…」の続編。 傷口や粘膜から感染し、人間を狂暴化させるウィルスが蔓延し、 生き延びた人々が団結して生きている小さな島で、 12歳になった少年は父に連れられて英国へ渡り、 狩りを教わる…というあらすじ。 「罪人たち」も素晴らしかったが、 こちらもなかなかどうして巧みな作品 (共通点も少しある。侵略者への攻撃と種族の結束、 子孫への慈しみ)。 生き残った人々の島、ホーリー島は文明が後退してしまって、 宗教集落のような、個の権利が縮小された生活で 辛うじて成り立っている。 その生活を悪いものとは描かないし、 かといって善良なものとも描かれていない。 三部作予定だそうで、終盤に次回への引きみたいなのがあります。 嘔吐あり。 ラストまでばれ(前作のねたばれもあります) 未熟なものが地獄をめぐり成長していく形式、 アレックス・ガーランドさんの十八番なんですね。 レイジウィルスが世界に広がったという前作ラストでしたが、 英国以外はなんとか封じ込めた模様(すごいね?)。 その代わりに英国は打ち捨てられて救助が受けられない状態。 予告に出てきた色違いのレイフ・ファインズ氏が 激ヤバ王国の王みたいな話だとなんとなく思ってたが、 ちょっと変わり者なだけで、わりといい人だった。 あとアルファが田中脊髄剣を使ってきたので少し笑ってしまった。 続編で知ってる人の脊髄剣を持ってたら嫌だね。 父から子へ継承される教えの尊さと欠点、 母から子へ継承される教えの尊さと欠点、 必ずやってくる死、そして新しい命、というような話でした。 冒頭の神父の息子が、 ラストに出てきたサイコパス集団のボス (かつ処刑の実行者)なんだよね…突然のマシュー・ヴォーン風味。 劇中、印象的に使われていた詩の朗読、 世界情勢がどんどんきな臭くなっていく今聞くと、ぞわぞわとしてくる。 ラドヤード・キップリング「BOOTS」(1915) https://www.youtube.com/watch?v=RNZ5qylG3qk (3分少々なので最後まで聞いていただきたいです) ---------------------------------------------------------------- 2025/06/24(火) 映画かんそう 「メガロポリス」 監督脚本フランシス・フォード・コッポラ 未来のアメリカを古代ローマに擬えて展開するSF。 アメリカ共和国の都市ニューローマにて、 財閥の一門出身の天才建築家カエサルは、 荒廃する都市を理想の街に変えるべく努力していたが…というあらすじ。 監督が私財186億円を投じて製作されたらしい。 ラストまでばれ 悪を気取るカエサルは、実は深く傷ついた少年のような心を持つ、 上流階級出身の天才です。 そんなカエサルには過去の女(美しい妻)と、 現在の女(恋人の悪女)と、 未来の女(市長の娘。のちの妻)がいます。アハハ。 アダム・ドライバーの演技力にかかれば 大抵の脚本は何とかなってきたのだけど、 この映画はどうにもならんかった。 アダム・ドライバーりょくの敗北を初めて見た…。 アメリカをローマに譬えるなら、 戦争に公衆衛生にオリンピッピ、共和制の終焉、 等々皮肉の利いた展開が可能だったと思うんだけど、 監督はあまり社会に興味がないような、どうもそういう感じで、 人物がときどき警句、金言っぽいことを述べると場面転換… の積み重ねで終わった。 演説をするのが必ず富裕層の男性たちで、 民衆および移民は扇動されて怒ったり、興奮して賛同したり、 知性がないような描かれ方。 いま現実が厳しすぎるので、 あまりにもぼんやりしているように見える。 社会に興味がないのは別に悪ではないけど、 だったら一族のお話にした方が良かった。 タイトルに都市の名前を冠するべきではなかったかもだ。 あと年齢詐称女子がインドネシア出身だったとバレるシーンは、 ちょっとスタッフ止めなよ!と思いました。 なんでカルタゴシティとかにしないの。 植物の造形にヒントを得たカエサルの都市計画、 なんとなくガウディを思わせた。 でも貧富の差の拡大、都市の荒廃は、 美しい箱モノをいくら作ったところで解決しないのではないか。 入ったら15秒で殺されるビルとか、 強盗に遭う確率150%とかああいう。なんかそんな気がします。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/25(水) 映画かんそう 「Mr.ノボカイン」 R15+指定 信託銀行の副支店長の主人公は先天性無痛症を患っており、 それに加えて性格的なものもあり、 友達はネットゲームを介して1人だけという消極的な生活を送っていた。 ある日、職場の気になる女性といい雰囲気になり、 有頂天になる主人公だが、突然押し入ってきた銀行強盗に、 彼女が人質にとられてしまう。痛みを感じない体だけを頼りに、 彼女を取り戻すことができるのか… というロマンチックコメディ残虐アクション映画です。 「ザ・ボーイズ」の主役ヒューイを演じるジャック・クエイド、 それと椅子の男ネッドを演じるジェイコブ・バタロンが 出演しているので見に行きました。 主人公は本当にいいやつで、 その体がボロボロに…というか不可逆な壊れ方をしていって、 でも主人公はニコニコしているのがとてもシュールだった。 痛みを感じない利点を活かしたアクションのアイディアが多彩だった。 陰の者で自分に自信がない主人公とヒロインの恋愛部分は とっても可愛かった。 主人公の友達を演じさせたら世界トップクラスの ジェイコブさんの演技も唸ってたぜ。 痛いのが苦手なひとはやめておいたほうがいいです。 嘔吐があります。 ラストまでばれ エンドロール後に、この映画はフィクションであって、 CIPAを笑いものにする意図はない、協会的なところに協賛している、 というようなテロップが出ましたが、 実際に患者のいる難病ではなく、 後天性のレアケースにしておいたほうがよかったと思いますよ…。 映画としては面白かったのでそこは惜しかったよ。 子供の頃のクラスメイトで 無痛症を馬鹿にして暴力をふるってきた男に (ガールフレンドさんが)一泡ふかせてやったり、 尿意と便意がないから時間を目安に自己管理しないとならないとか、 ああいう描写はよかったです。 あと、性的快感を得ている演技をする女性のイメージを重ねた 爪剥ぎ拷問シーンとか、独創的なブラックコメディ、 秀逸だったので心から笑いたかった。 それと、世の中には「病気で(たとえばアレルギーで)食べられない」 と申告している人に、 「これは大丈夫だから!」「本当においしいから!」と アレルゲンを無理やり食べさせようとする人が意外に多いらしいので、 それをますます増やすようなシーンはよしたほうがよい。 チェリーパイはおいしそうだったけど!おいしそうだった! CIPAの人、体温の上昇が分からないのが致命的のようで、 子供のうちに亡くなることがあるらしい。 あと怪我があまりに重なるので、関節が変形し、 歩行が困難になるそう。皮膚疾患も。 この映画の主人公は綺麗な手足をしていたので、 保護者が大切に育て、成人してからは注意深く生活してきたのだろう。 それでも誰か、特別な人に側にいてほしいというのは 病気とは関係がない。彼の願いが叶う、ハッピーエンドでよかった。 「ザ・ボーイズ」では日本のポルノのヒロインみたいに 肉体的精神的に酷い目に遭いまくりのジャック・クエイド氏でしたが、 今作製作陣も彼には何がよく似合うか、完全に分かってるアレだった。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/26(木) ドラマかんそう 「世にも奇妙な物語35周年SP 〜伝説の名作 一夜限りの復活編〜」 人気が高い5作品を再放送した。 私はタモさんがストーリーテラーではなかった深夜放送の頃から 1話も逃さずシリーズ全作を観ている(はず)。 なので全話知ってると思っていたが、 「ロッカー」は記憶になかったなー。 「BLACK ROOM」2001年 留学中の息子が実家に帰ってきたら自宅の様子がずいぶん変わっていて、 父と母の様子がおかしいというシチュエーションコメディ劇のような シュールなSF。お母さんの樹木希林さんが、 めっちゃうまいのでシリアスギャグが決まりまくりでした。 「夜汽車の男」2002年 夜汽車の中でお弁当を食べる男が、 おかずと主食の配分に悩む話。これは私は原作の漫画がとても好き。 揚げ物の中身が予想と違うのって、頻繁に起こりますね…。 「ロッカー」1990年 人を殺してロッカーに隠れたら、開かなくなって、 廃材処理で潰されてしまうという、今の世にもでは、 ちょっと見かけないような単純な話。 「美女缶」2005年 缶詰めと水を混ぜると美女になって、 短期間の恋を楽しめるという商品の話。一缶お幾らくらいなんだろうね。 「恋の記憶、止まらないで」2019年 この話は好きなので、歌も歌えます。 売れないシンガーソングライターがヒット曲を手掛けるが、 無意識の盗作だったという話。 最近はさすがに黒髪ロング、白ワンピの霊も減ってきました…。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/27(金) キムパプ(キンパ)を巻きました。 しかしなんか暑さでぼんやりとして集中できず、 具材が真ん中に収まりませんでした。 2022年3月に初めて巻いたやつのほうがうまく巻けている。 一度全部牛肉にして巻いてみたいのですが、 たぶん形が保てず、切るそばから崩れていくでしょうね。 ![]() ---------------------------------------------------------------- 2025/06/28(土) 色々感想 カエデガミ(ジャンプ新連載) 顔がない神様、台湾のホラー映画のあれやね。 それはそうと、顔が元に戻るのは 連載5回目くらいがよかったのではないか。 ヴァンパイドル滾 (サンデー掲載) 今どきのアイドル下積みは、サウナの熱波師までやるの? 体調管理大変ね…。 たしかに、イケメンアイドルグループのメンバーが、 突然仲間に噛みついたら、 ファンサの営業BLだと思ってしまうかもしれない私も。 そして拍手してしまうかもしれない。 「仲が…いいんですね…」って言ってしまうかもしれない。 リアルな漫画だ。 だんドーン(モーニング掲載) 川路嫁、うわばみなのか〜。史実面白い。 あと、J-POPの歌詞に頻出の「キミを守りたい」 「君を傷つけるものを許さない」、 実際の圧倒的暴力を前にするとシオシオになる人の%は 結構高いと思うが、川路さんは言ったこと全部実行しそうですね。 ショーハショーテン(SQ掲載) 主人公がずっと思い続けてきた女子、 1話冒頭からの伏線だったのに、 あっさり彼氏がいてびっくりした。 そういえば原作が大場つぐみさんじゃなかったんだった…。 Gundam GQuuuuuuX シャリアくんが二次創作で見るような儚い未亡人とかではなく、 私情を挟まず冷静に立案実行できる男だったところ、 「リバじゃん…」と突然好感度が上がりました。 そのうえで若者をアシストし、庇い、 かつての上司の尻を叩き、かつての部下に投降し、 暗躍していた結果を出し、 全てにとって一番いいルートを選んだ。 ついでにどのカプのフラグも折らなかった。 すごいよ…。(遠景のシャリアが仮面をつけているの、 全然気付かなかった。 あとセイラさんをエスコートしているのがランバ・ラルとかも) でも最終回で一番とんでもなかったのは 質量保存の法則が崩れたところ…。 原子の数が基本変わらないから質量が保たれてるわけで…。 (体積だけが増えたならわかるけど、 「質量の増大が確認できます」って言ったからね) エンディングが実在する世界で嬉しい。 もうなんかシュウジとか気にせずに ずっと2人で楽しく暮らしたらいいよ。 ガンダムもそうだそうだと言っています。 キャリアも人生も全部がめちゃくちゃになっても 娘を愛してるとか、親の愛は偉大だー、 というよりマチュのお母さんの愛が偉大だー! 前橋ウィッチーズ 乗っ取った子へはもう少し厳しくしても良かった気がするが、 まあいいや。未成年へのセクハラ野郎が処されたようで安心しました。 小市民 綺麗に終わった〜。春夏秋冬と、 尺もぴったりなように感じました (季節は、ずれたけど)。2人には敵対してほしさも少しある。 ---------------------------------------------------------------- 2025/06/29(日) ゲキシネかんそう 「バサラオ」 2024年、劇団新感線夏秋公演の映画館公開です。 脚本:中島かずきさん。主演生田斗真さん、中村倫也さん。 鎌倉の執権キタタカの密偵を務めていたカイリは 役目に嫌気がさし職を離れる。 故郷に戻った彼は桜の木の下で踊る美貌の男、 ヒュウガと出会う…というあらすじ。 美貌だけで出会う男女を惑わし、のし上がっていく男ヒュウガと、 彼の参謀役を名乗るが腹の底の読めないカイリの、 ダークな国盗り物語です。 にこにこしているけど何を考えているか分からない中村倫也さんは やはり良い。 以前の新感線での役どころは、胸に熱い友情を秘めた男でしたが、 今回は…ちょっとサスペンスみたいでした。 南北朝をモチーフにしている。 ラストまでばれ 南朝、北朝(この芝居では東西朝廷)どっちの帝も死んだ!アナーキー! 主役お二人とも衣装替えが沢山あって贅沢でした。 私はサキド様の衣装が好きです。 兵を率いる武将2人が女性なのは令和の新感線だなーと思いました。 信と義と忠に引き裂かれるクスマは、 昔だったら橋本じゅんさんが演じておられそう。 (クスマってたぶん楠木正成ですよね) 今回は主役2名の関係性が殺伐としていたので、 そのぶん女性たちのシスターフッドで、 さりげなくバランスをとられていた。 結局カイリが果たしたかったのは復讐なのか、 それとももっと昔から抱いていたヒュウガへの加虐の劣情なのか、 分からないままでしたけど、美しくて醜い、印象的なラストでした。 カイリの一人称で読んでみたいような気もします。 (生田さん、全公演で一体何回キスなさったんだろう… 片っ端からチューチュー大変そうだった!) 「バサラオ」予告編 https://www.youtube.com/watch?v=g3msDhuPBgQ ---------------------------------------------------------------- 2025/06/30(月) 読書かんそう 「鹽津城」 飛 浩隆先生 日本のSF小説界のトップクラスの作家のお1人であることは間違いない、 飛先生の8年ぶりの作品集。 あちこち持ち歩いてゆっくり読みました。 「未の木」 「ジュヴナイル」 「流下の日」 「緋愁」 「鎭子」 「鹽津城」 収録作品は、上記6編です。 小説の描写には、でっかいイメージと、 こまかいイメージがあるのだが、先生は両方が最上級。 あと、幻覚の描写が抜群に巧い。 集中を誘導されて、幻覚にのめり込んだところで、 手を叩かれてハッとする。手品みたいに。 その瞬間は登場人物と完全にシンクロしている。 でも、長い文章で読者を没入させるのではなくて、 最適な単語を使って、最短で書かれるのがすごいのです。 内容ばれ 私は先生の食べ物の描写が好きで、 過去作のビリヤニのくだりとか、暗唱できそうなくらいです。 今回の食べ物の形容もまたよかった。 なんとなくですが、ポルノの影響を受けた 古い男女のセックスシーンをなるべく回避なさろうとしてるのかな? と思った。 女性が男性の肉体を、自分の快楽を引き出すために動かす (男性は驚く)描写があったのですが、 (脱線)そういえばBLでも受が攻の肉体を、 自分の快楽を引き出すために一方的に動かすってあんまりない。 逆はあっても。 男性目線ポルノの影響を完全に脱却して、 なおかつ愛情あるセックスの描写ってたぶんすごく難しいんだな。 ほかには、男女どちらも妊娠可能になった世界で、 父を妊娠させる息子のエピソードがあって、 行為は2人の関係を親密にすると思っていた息子が、 軽く失望するくだりは色っぽかった。 (あとホモソーシャルと合体した出産が嫌な感じだった) 今回のテーマは、相互に影響する別の世界だと思うが、 私は「海の指」が好きなので、 あの世界は独立したものであってほしかった。 そこはちょっと残念です。分かりにくい譬えですが 「リング」でウェイウェイしていた心が 「ループ」を読んで着席した感じです(笑) 過去作ではあまりなかったような気がするのだが、 今作にはほんの少し政治的なことが書かれている。 なにか心境の変化がおありだったのか、 たまたまかは分からないけども。 ---------------------------------------------------------------- |