3月日記

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2022/03/01(火)

映画かんそう
「ロン 僕のポンコツ・ボット」

バブル社の発表した子供むけモバイルロボット「Bボット」は
持ち主の嗜好をSNSから読み取り、常にネット・SNSにアクセスしていて、
共通点の多い友達を見つけてくれる。
自由にスキンを変えられて、Bボットを使ったゲームも楽しめて、
またたく間に子供の必需品となる。
父と祖母の3人で暮らす主人公は、価値観の違いからBボットを買ってもらえず、
友達がいなかった。
しかしある日、廃棄処分のBボットを父親がくすねてきて…というあらすじ。

最初から挙動のおかしなロンは主人公を振り回しっぱなしなのですが、
ロンはベイマックス顔で文句なくかわいい。
少年と、風変わりなロボットの友情の話です。お子様には文句なくおすすめ。
友情の話だからなのか、音楽はヘンリー・ジャックマン。

MCUやスターウォーズのキャラクターデザインが出てくるので
ピクサーorディズニー作品だと勘違いしていたが
ロックスミス・アニメーションという英国のスタジオ作品だった。
サラ・スミスとジュリー・ロックハートという2人の女性が2014年に設立したらしい。
(ただしサラ・スミスは会社を離れた)

バブル社はどう見てもApple社で、
Bボットの発表イベントとか演出がすごく上手くて
ここに出席してたら買ってるだろうな…という感じ。

ラストばれ

しかしジョブズがものすごい悪役なんですけどいいのか(笑)。

主人公のプダウスキという姓はポーランドの由緒正しい名のようですが
ポーランドの女性というのは、
主人公のお祖母ちゃんみたいに皆タフなのだろうか。
そして反共産のひとが多いのだろうか。

ラストですが、SNSの虚飾に生活を支配されて内実はむなしい子供たち…
リアルこそが健全で善良!っていう結論はちょっと古風に思える。

あとロンの最後の行動、少し唐突なような…。
いや、単に私が寂しくて不満なだけかもですが。






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2022/03/02(水)

読書かんそう
「兇人邸の殺人」今村 昌弘さん

ミステリ同好会の剣崎比留子&葉村のシリーズ3作目。
1作目から因縁のある組織、班目機関の元研究員が、
とあるテーマパークの片隅の建造物で余生を送っているのだが、
定期的にその場所へ従業員が呼ばれ、
そして呼ばれた者は二度と帰ってこない…という情報を得た2人は、
依頼を受けてその建物の調査に同行する。
しかし予想外のアクシデントがあり、その建物に閉じ込められた彼等は、
またもや連続殺人に巻き込まれ…というあらすじ。

このシリーズは毎回ややホラー寄りの条件下で
クローズドサークルを扱います。
屋敷の見取り図と本文を交互に見ていましたが途中でやめた。

トリックばれ犯人ばれ

葉村くんの騎士ムーブと自省がちょっと面倒くさい気もした。
しかし比留子さんが男子だったら一大ジャンルになってただろうに惜しいな。
美少女探偵に夢中になって明智さんのことなど
もうすっかり忘れたの!?と思ったけど、ちゃんと反芻描写があったのでヨシ!(確認)

でも班目機関が強化人間を作っていたというのは、
「(MCUの)ヒドラじゃん!」と思いましたし、
強化人間同士のラブ&片思いは大歓迎でした。
もう少し短かったらよかったかな?
あとなんで一人称持ち回り制にした?

テーマパーク内に建つ怪しい研究所風の建物、
ということで富士急の慈久病院を連想しました。
もし映画化したらコラボイベントができるのではないか。
長い廊下の向こうにシルエットのおかしな人が立っていて、
武器を片手に持って走ってきたら相当怖いと思うのです
(良いスピーカーを幾つか設置して足音と振動を演出)

重元さんというのが誰か、まったく思い出せなくてすぐさま検索しましたが、
そう考えたひとが沢山いたのでしょう。検索候補に出てきました。





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2022/03/03(木)

読書かんそう
「忌録:document X」阿澄思惟 さん

以前、第2回 21世紀新鋭詩文学
グランド・チャンピオン決定戦で優秀作品賞をとった
「みさき」を読んだとき(当時作者名は「る」さんだった)
WEB特化した怪談だな?!と思いました。
たとえば「ことりばこ」や「八尺様」などは語りによっても
8割ほどは怖さが再現できるけど、
「みさき」は、語るのが難しいというか半分以上の情報が失われてしまう。
怖いというより、薄気味の悪い話が多いです。
怪談に明確なオチを求める人にはやや不向きかも。

「光子菩薩」
冒頭を読んだときに「これ最後にお札が出てくるぞ!」と思いました。

「忌避(仮)」
火事だったのに救急車を呼んでしまった、という解釈でいいのかな。

「綾のーと」
文中にリンクがいっぱいあって、動画やブログにつながっていて、
本当のブログみたいで面白かった。紙の本では不能なネタですね。
私は霊に警戒していたら、ブログのコメント欄に粘着していた
正体不明の人物に加害された(?)というラストかと思ったのですが、
案外少数派なのかも。




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2022/03/04(金)

ハリウッドのユニバース商法の快進撃はまだまだ続いています。
はじめのうちは「あんなものは子供の漫画」
「もうブームも終わり」と悪態をついていた巨匠たちも、
最近は「良質の映画を撮っても客はマーベル映画に行ってしまう」と悔し紛れの皮肉。
しかし様々なユニバース映画が現れては消えてゆき、
まずまず成功していると言えるのはDCEUとMCUだけなことからも分かるように、
誰にでも出来ることではなさそう。
巨大な資本と、いい映画監督が無名のうちにオファーする目、
いい脚本家を集める貪欲さ、それと勿論原作への愛情と理解、
社会規範を牽引するという自負、
(何度も言ってますが「ブラックパンサー」を撮り
女性キャラクターとスタッフの比率を増やした功績は大きいと思う。
製作者出演者のセクハラ発言、パワハラを許さない姿勢も)があってこそだと思います。

日本でマーベル映画のようなユニバース世界を作ろうという企画が
立ち上がったと最近耳にしたんですけど、
理念を抜いて形だけ真似ても、儲からないからやめておきな…と思いました。
ニチアサみたいに合わせやすい世界観ならともかく。

たとえばチェンソーマンと呪術廻戦と鬼滅の刃とヒロアカとワンピとナルトと
ドラゴンボールと銀魂とBLEACHとJ0J0世界を融合させて
集英社ユニバース映画を撮ろうってなったときに、
設定を思いつきます?私は無理です。
主人公を新しく作って各ワールドを回らせるという
ファミコンみたいな話しか思いつかない。
おもしろいユニバース創造はむずかしいんですよとても…。

堤幸彦氏、本広克行氏、佐藤祐市氏
プロジェクト『SUPER SAPIENSS(スーパーサピエンス)』
https://www.chunichi.co.jp/article/420673

MCUがスタートしたころのケヴィン・ファイギ氏は30代、
しかし彼等の平均年齢は60前後…。




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2022/03/05(土)

色々感想

呪術(ジャンプ掲載)
「なんで自分なんかのために必死になるんですか?」
って、自己評価低い系でも最強、乙骨先輩!
スペック高い人に言われると、ムカっとくるひともいるかもですね。うん。
友達のために必死になるのは理解できるんだよね先輩は…。

Dr.stone(ジャンプ掲載)
そうかクライマックスなのか!
ホワイマンの正体はバチバチにSFで良かった。

平家物語
清盛の絶命のシーン、もっと残虐描写があった気がするが
抑え気味だった。

ゼンカイジャー
万能の神がラスボスという珍しいラストだったけど
明るい終わり方で、最後まで爽やか戦隊だった。
ライダーがドロっとしているのでちょうどよかったです。

鎌倉殿の13人
現在の価値観で見るとサイコパス義経なんですが、
当時からすると痺れるあこがれるカリスマなんだろうな。
初めて見るタイプなので今後が楽しみです。
頼朝とうまくいくわけがない!(笑)

相棒
米沢さん再登場。まさか犯人起用じゃないかとハラハラしたが
違ってよかったです。
予告ですが、相棒は気軽にキャラクターをブスブス刺すのはやめなさい。

ミステリと言う勿れ
おっと風呂光さんと整くんをカプ売りするために登場人物の1人と入れ替えた!
これはちょっと賛否ありそうですね。

コナンの服部君と舞妓さんちのキヨちゃんの現在地が今週すごく近い!
たぶん、すれ違ってるよ!












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2022/03/06(日)

ユニバース化といえば、昨年秋にロバート・ダウニー・Jrが、
シャーロック・ホームズのユニバース構想があるとインタビューで述べたそうだが
これは、色々なホームズがアッセンブルするという意味か、
それとも他探偵と共演するという意味か、どっちなんでしょうね。
ちなみに現在上映中のエルキュール・ポアロは20世紀スタジオ配給で
ダウニー氏のホームズはワーナー配給。いきなり暗礁にのりあげた。

ミステリファンが知っている探偵ではなく
一般の人が、興味を持って映画館に行くくらい知名度の高い名探偵というと案外数が少ない。
ホームズ、コロンボ、ミスマープル、CSI、メンタリスト、ジェシカおばさん…?
しかしスーパーヒーロー集結映画よりも難易度が更に上がるので
(全員頭がよいから)脚本が難しそうだなと思います。






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2022/03/07(月)

名探偵ユニバースよりはもう少し作りやすくて
権利関係もクリアできそうなのがホラーユニバースですが、
パっと思いつくのが、
「ソウ」「死霊館」「インシディアス」「マリグナント」が
アッセンブルするジェームズ・ワンユニバース。
最高でしょう!……と思ったんですが、

ソウ(ライオンズゲート)
死霊館(ワーナー)
マリグナント(ワーナ−)
インシディアス(ユニバーサル)

バラバラやがな…かろうじてマリグナントと死霊館はコラボできる。
有名ホラーって案外配給会社が違います。
パラノーマル・アクティビティ(パラマウント)
エイリアン(20世紀フォックス)
ハロウィン(ユニバーサル)
13日の金曜日(パラマウント)
(意外とディズニーが有名ガチホラーシリーズを持ってない)

そして物理の殺人鬼と実体のない悪魔悪霊は分別したほうがよいので
なかなか組み合わせが難しそうです。
そうそう、ユニバーサルが「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」で
ダークユニバースを始めようとしたけど、光の速さで頓挫したのは記憶に新しい。
ちがう、まず人気パイセンたちの胸をお借りするんだよユニバーサル…。

有名ホラースターたちが夢の競演をする脚本で、
本当にうまい!と思ったのは2012年「キャビン」。
あれはホラーファンの間でも別格とする人が多いし、
誰がどれだけ出ても収拾がつくというミラクルな話でした。





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2022/03/08(火)

映画かんそう
「Fresh」

マッチングアプリでデートした男が大ハズレで
意気消沈していたヒロインは、スーパーで出会った
控え目で礼儀正しいハンサムのスティーブに惹かれてデートをする。
仲良くなったスティーブに誘われるまま、
郊外のコテージに向かうヒロインだが、それは恐ろしい罠だった…というホラー映画。
グロ表現、女性への加害表現、嘔吐、ご注意。

ジャンルとして女性監禁ものサスペンス&ホラーがあるけど、これもその系譜。
今風なのは女性同士の連帯が強く描かれるところ。
ここ数年の流れにこの映画も乗っています。
メイン男性キャラクター=俺という鑑賞スタイルの男性にはおすすめしません。

ラストまでバレ

彼女たちの監禁理由が結構斬新で、あり得るような気がした。
被害者は全員若い女性で顧客は全員男性というのは矢張り、
美食のためと言うより嗜虐がメインなんだろう。

2回会って1回寝ただけの人の車に乗って遠出するとか
ヒロインさん正気か!?って思いましたが、
夜道で鍵を握る警戒心はあるようなので、
ハンサムは万能の身分証明書なのだろうか。

たとえ変態カニバのひとでも、
美学に生きる男性が初めて異性の理解者を得たと思って恋をし、
同志にと見込んでのあの反撃ならちょっとは同情しますが、
普通に妻子持ちで、仕事のパートナーの仕事の連絡を再三無視して
商品に手を出してウキウキ不倫デートであの惨状とか小物もいいいところなので、
最後はすっきりしました。推しですけど。
セバスチャン・スタンの楽しそうな演技が見られて満足です。

友情こそ至高!エンドでッコリしましたけど、
親友さんの元カレの人、登場する意味はあったのか?

殺した女の胸を切り取ったひとのエッセイを、昔に読んだ記憶がありますが
「ブヨブヨの黄色い脂肪の塊だった」という記述だったような…。
あと雑食の動物の肉は臭くてまずいとかも読んだ気がする。








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2022/03/09(水)

SNSで逆ロールキャベツなるレシピを見かけて作ってみた。
ニンジンとキャベツとピーマンの千切りを、
一晩白だしに漬けて豚肉で巻いて焼くという感じに少しアレンジした。
しかし加熱で野菜が縮んでロールが緩んでしまったので、
ちょっと難しかった(爪楊枝で刺した)味はおいしかったです。













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2022/03/10(木)

今日はルーピン先生のお誕生日です。
今風の推し活って二次創作したりするより
お菓子を作って写真をあげたりするのが主流なのでは!?と思って、
シリウスの時と同じくお菓子を、今回はクッキーを焼いてみました。
なんと電子レンジを新しくしたらオーブン機能が付いていたのです。
そうしたらなんと画伯クッキーが出来上がってしまいました!
アイシングクッキーって買って食べた時に
「とっても硬いな?」って思ったことありましたが、
極力膨らまないレシピになっているのでしょうね。
色々腑に落ちました。
製菓用通販サイトで食べられるインクのペンとか買って、色々楽しかったです。

先生は、今年の誕生日は何も事件が起こらず、
シリウスとのんびり温泉にでもつかっていると思います。

キャプテン・アメリカの親友の人も、お誕生日!おめでとう!
(こちらの作品は書きあがったがhtml化する気力がないので明日アップします…)







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2022/03/11(金)

犬狼クッキーに使わせていただいたレシピはこちら。
普通に丸形のクッキーを焼くにはとっても簡単でしかもおいしいレシピです。
とくに出来立ての状態は、市販のクッキーに勝るような気がする。

https://www.kyounoryouri.jp/recipe/12752_













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2022/03/12(土)

色々感想

ウィッチウォッチ(ジャンプ掲載)
すり抜ける魔法を利用した校内立体鬼ごっこ、
いかにも先生らしい話、からのここにきてタイトルバーン!で
ウワー!カッケェー!ってなりました。

金カム(ヤンジャン掲載)
土方さん死亡。杉本に近藤さんを重ねるという、
ちょっと物議を醸しそうな最後でした。
尾形が左胸を刺された。
心臓が右にあるとかでない限りは致命傷。

黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ(モーニング掲載)
藤田先生の黒博物館の新作、今回はメアリー・シェリーが題材でした。
生活に疲れた人妻と、口シアの女兵士の死体を使ったフランケンシュタインとの
女同士のマイフェアレディものになるかもしれないのでワクワクするー!(違うかもだけど)

あとメアリ ・シェリーの著作をざっと見てたら、
ウイルスによる人類滅亡ものも書いておられたんだな。
スケールのでかい話ばかりお書きになる作家さんだ…。

平家物語(アニメ)
そういえば先週、ぶりぶりぎっちょうが出てきた。
あれを見ると万城目 学さんを思い出すんですよね。

リバイス
父親がむかし悪魔と契約してて、その時の悪魔が捨てられたと逆恨みして
妻子を皆殺しに来たわけね…はい。要するに昔の男回ね。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ
ピンクの人、見ていると不安になるフォルムだな。
アメリカの怪異トールマンみたい。
盗作の件、もっとやってない!っていうアピール必要なのでは。

鎌倉殿の13人
これまで散々誰に対しても言ってきた、リップサービスの
「よう来てくれた」だけど、
坂東武者たちの「領地が大事。お前は二の次」というアンサーを突きつけられて
孤独を痛感した上での弟との出会いだからこそ出た真の「よう来てくれた」なんだよね。今回は。

三谷さんの脚本が上手いのと、大泉さんへの信頼が厚いのと。
今後北条がたが「そいつはヤバいから捨てなさい!」と言うのに
「この子は、なんも悪いことしてないもん!」って泣く頼朝とか見られるだろうか
あと主人公が完全に調整弁というか、周囲の主張の強い人たちの意見の中庸を探る役で、
覇気に溢れた大河の主人公に慣れた人には違和感があるかもしれないが、
平成中期以降の現代っ子にはああいう人柄のほうが親近感がわくのかもしれない。

大事な娘をあんな男にやれるか→だから殺すっていうの、
価値観の違いがいいですね。みんな狂ってる(現代の価値観からすると)。


長年好きだったアーティストが陰謀論支持者だったケース、
また増えたのですが、今回はもう人と共有するのもつらいというか、
シマソーの時はまだ知らないかたに知らせないと…くらいの気力はあったんですが
詳しくない人の暇つぶしの話のタネにされるのですら耐えがたく、
思わず呪ってしまいそうなので仄めかしで終わります。
なのでこの件、お知らせいただかなくても大丈夫です。
いま猛烈につらいひとは分かりますよ!と心の中でうなずいております。




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2022/03/13(日)

映画かんそう
「THE BATMAN ザ・バットマン」

ノーラン版以来10年ぶりほどのバットマン単独映画。
今回はロバート・パティンソンがブルース・ウェインを演じます。
マット・リーヴス監督。

幼い頃に父と母を殺された富豪のブルース・ウェインは、
ゴッサムの悪を狩り続けることで復讐を果たしていた。
そんなゴッサムに市長選が近付いていたが、
現職市長が殺されるという事件が起こり、
その犯人はバットマンに宛てたメッセージを残していた…というあらすじ。

ミステリのフレーバーと、ホラー(「ソウ」とかああいう系)のフレーバーがたっぷりまぶされていて
私の好きな感じでした。
(でもミステリやホラーではなく、演出や音や小道具、照明がとてもそれっぽい)
ゴッサムの治安の悪さは過去最高で、司法と行政が機能不全に陥りかけでした。
そして過去のバットマンたちって、みんなちゃんとした大人だったな…と今回思ったんですが、
過去最高に壊れかけたブルースで、どうしていいか分からずに困っている子供のようでした。
ロバート・パティンソン氏、よくこのジャストの年齢、ジャストの体型、ジャストの演技力で
バットマンを演じてくれた。
あのティム・バートンの絵から抜け出たような陰鬱な眼、真一文字の口、
図体ばかり大きくて、不安そうなふるまい。いつ死んでもいいという虚無の目、
スタッフさんはよく撮ってくれました。永久に残る。すばらしい。

今回の映画はDCEU世界に属さないようです。なので単体映画として見られます。
時間は3時間で、ちょっと長め。
最近のヒーロー映画と比べるとダーク、ノワール寄り。お好きなかたは映画館へ。
自然災害描写があるので、フラッシュバックを起こす危険のある人にはすすめません。

ラストまでばれ

ものすごく偏ったニッチ路線の印象なんだけども案外バランス感覚にも優れていて、
親から受け継いだ資産を持つ富豪の主人公に、
正常な社会生活を送れないような過剰ともいえるペナルティを課したり、
富める孤児と資産ゼロの孤児を対比させたり、
貧困白人層右傾武装と、不殺のバットマンをうまく対比させたり、
復讐に憑かれた自分が、ゴッサムをさらに荒廃させていると気付いたブルースが
闇から出て光に向かう選択といい、安定感があった。
監督の過去作「クローバーフィールド」とか「猿の惑星」とかなんですよね。納得。(「モールス」もだけど…)
私は予告から勝手に「実は彼はブルースを失ったロビンで、贖罪のためにバットマンを継承したのでは?」
「それで自分はブルースだと思い込んでいるのでは?」「アルフレッドは合わせてあげているのでは?」
「リドラーはそれを暴こうとしているのでは?」
と予想してましたが大外れでしたね。財団の会計士と会おうとしないのも伏線かと思ったんですが
普通にお仕事放棄しているブルース・ウェインだった!

今回のアルフレッドが一番疑似親子ぽかった。
私にとっては股間からヴィブラニウムおじさんなのですが、さすがに全然面影もなく、
長年の育児の苦悩が推し量れる演技でした。カフスボタンを渡すところ、よかったです。
ゴードンは金のにおいの全然しない、清廉潔白なゴードンでした。
ブルースが懐くのが分かる。
先代のウェイン夫妻、父がウェイン家、母がアーカム家の血統という設定、
一応過去のコミックでもあったらしい。母の事件、続編で扱われるだろうか。
セリーナとの関係は、一対一の恋愛関係になれるほどブルースが成熟していないので
女の子が年上の小学生の男女の友情みたいでしたけど、
最後人として他人の身を気遣える余裕の出来たブルースに感涙した(とアルフレッドが言ってました)。

今回のバットマンは、何回か「訳分かんねえ!」「やべえやつ!」と悪人に言われていますが
本当にモンスター的な登場、動きで、
バットモービルとかもデュラハンの馬コシュタ・バワーやバスカヴィルの犬のような出現演出でよかった。
それで警察署や事件現場にもノシノシやってきて証拠品にべたべた触って怒られるの、
シリアスギャグ手前の趣がありました。
アクションはちょっとモッサリしてたけども、高所から飛び降りる時に躊躇する雰囲気で、
フライングスーツがあるのになぜ?って思ったら飛行中目測を誤って高架に激突していたので
ふきだしてしまった。もしかして過去にも失敗しておりあまり上手でないという自覚があるの…?
ややどん臭い気味のアクション、新鮮でいいと思います。
スーツの防弾機能は優秀でどこまで防げるのか見たくなった(至近距離ライフルとかも防いでたね?)。
コリン・ファレルはどこに出ていた?と思ったらペンギンだった。
あとバリー・コーガンはもっと分からなかった。
ポール・ダノのリドラーは、ああいう人間が本当にそこにいるみたいな超技巧演技だった。

なんか、ヒーローというよりも乙女(ゴードン)と一角獣みたいというか、
ゴッサムの麒麟のようなバットマンでした。
女怪(アルフレッド)に育てられ、清廉潔白な主以外には従わぬ聖獣てきな…。
主が病めば彼も病むし、ゴッサムが病んでもやはり病むのです。ともかく病む。(十二国記ねたです)

最初と終盤で使われるアヴェ・マリアそして予告でも使われた「Something in the Way」はとってもとってもよかったが、
セリーナとのラブっぽいシーンで流れるメロウな曲は、申し訳ないがアホみたいな使い方で、
しかも繰り返されるので、アホなの……?と思った。無音のほうがまだましだ。

蛇足ですが、ヒーロー登場の前座のために虐げられる、弱くて惨めなアジア人男性のシーン、
これがこの先100本続いたらアジア人男性の人にも、
ヒーロー登場の前座のために犯罪被害に遭う女のシーンを100回見て「お前たちはこれに飽きないのか…?」
と聞きたくなる気持ちが分かってもらえるだろうか。
「じゃあハリウッド映画見ずにアジア人の映画を見てろよ」って言われて終了するんですけどね、フフ。


エンドロール後に1シーンあります。





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2022/03/14(月)

映画かんそう
「ポゼッサー」

クローネンバーグ監督の息子さん、ブランドン・クローネンバーグによる
SFホラー映画。イギリス・カナダ合作。
日本劇場公開長編映画としては前作「アンチヴァイラル」以来9年ぶり。

ホラーなので注意は必要なかろうとは思いますが
ものすごいメッタ刺しのシーンがたくさんあります。

ヒロインのターシャは、ターゲットの身近な人物に人格転移を行って暗殺し、
転移した人物を自殺させることにより元の肉体に戻るという組織に属する、
優秀な殺し屋だった。
しかし殺人は徐々に彼女の精神を蝕み始め、
ある日、とうとう…というあらすじ。

人格転移の手段は、器具や調度品などよく練られておりかつシンプルで説得力があった。
憑依先での生活がやや長く感じられたかな?

内容ばれ

最初のターゲットのひと、ワインスタインがモデル…?

2番目のターゲットの人、延髄を刺されて眼窩も刺されてたと思ったけど
あれで助かるもの?

「アンチヴァイラル」がアメリカで今回がイギリス・カナダですけど、
たしかに何か雰囲気が違う…。私は前作のほうが好きかも。





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2022/03/15(火)

映画かんそう
「仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル」

「仮面ライダー オーズ」10周年記念作品。
全国40館という絞った公開で、ものすごい混みっぷりでした。

グリードという異形の存在でありながら人間に味方し、
戦いの末に消滅したアンクは突然意識を取り戻す。
彼は古代オーズによって世界が滅びかけているのを知り、
共に戦った映司と再会するが…というあらすじ。

副題を「-なんでも許せる人向け-」にしたほうがよかった気がする。
脚本は毛利亘宏さん。

ラストまでバレ

キャストのみなさん10年前とお変わりなく、お元気そうで何よりです。
懐かしい彼等を、再び肉体を使って表現してくださってありがとう。

映司がなぜか死んでいて、アンクと映司の別離エンドな訳ですが、
邦画では最強の集客力を誇る病死別離ねたっぽいやつで特オタを泣かせてやるぜ…
という目論見だったんだろうか?でも前者を好む層と後者はあまりカブらない気がするし、
そうするには映司の解像度があまりにも荒くて、「誰?」という感じだった。
火野映司というひとはかなり変わった人で、
悪意が抜け落ちて神になりかけの人間というか、チャンネルが開きっぱなしというか、
そういう精神状態にある人なんだろうなと私は本編放映時に解釈してました。
でもこの映画の火野さんは、読み切り少年漫画の主人公みたいに普通の善人だった。
上手い書き手の作った、テンプレでない架空の人物、特に頭の良い人、極端な悪人善人、変人は、
作者の手を離れると途端に動かなくなる。
脚本が靖子さんではないので、靖子さんだったらなあという感想です。

せめて映司の死体を映したりせずに、割れたメダルとかふんわりした状態になって、
アンクがそれを持って旅に出るとかだと良かったですね。








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2022/03/16(水)

無印の冷凍キンパがおいしいと聞いて何回か買いに行ったのですがいつも欠品で、
自分で巻こうと思って巻きました。
レシピはこちらを参考にさせていただきました。
https://oceans-nadia.com/user/253470/recipe/385650

冷凍したかったのでレタスの代わりに少し茹でた三度豆を使いました。
牛肉と間違えて豚肉を買うというあり得ないミスをしたため、
リーズナブルキンパになってしまいましたが、初めてにしてはなかなか上手く巻けました。
お肉は、辛いのが好きなので、コチュジャンの代わりに豆板醤を使いました。
ごはんを薄く広げることができずに一本につき200g×4本、800g必要でした。
ごはん800g!恐ろしい。

調理時間は全部で2時間くらいかかりました!












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2022/03/17(木)

読書かんそう
「物理学者、SF映画にハマる」
高水 裕一さん

バック・トゥ・ザ・フューチャーシリーズ、
デジャヴ、TENET、ターミネーターシリーズ、
HEROES、ゼロ・グラビティ、ファースト・マン、
オデッセイ、インターステラー、スター・ウォーズシリーズ、
メッセージ、V、という各章のSF映画を題材に、
タイムトラベル、宇宙空間での移動、物理法則、宇宙人を主なテーマとして語ったエッセイ。
このかたが本のために急遽映画を見た人ではなく、
元々映画好きなんだろうなあという本文でした。
(タイムトラベルの記述でアベンジャーズと多元世界について触れないのは
大きな欠損だと思いますが、最初のほうをスルーしているうちに
もう手を付けられるボリュームではなくなっていたというのは分かりますよ)

章のタイトルになっている作品は全て見ているので、
ネタバレを気にしないで読めるぞー!って思ったのですが、
章のタイトルになってない作品が
「◯◯◯という映画は◯◯◯◯◯◯という、かなり意外なラストなので是非見てください」
という風にスッと書かれているので
そこは要注意です(私は鑑賞済みだったけども)。
結果ではなく過程が重要という学者先生の感覚かもしらん。
あと某有名シリーズの人物設定について事実と違うことが書いてあったりするのでそれも注意。
これはネットでも多数指摘があったので、重版では直ってるかもだけど。
光文社では校正とかってないのか?

内容ばれ

地軸の傾きが一定しておらず、止まりかけの独楽の軸のように、
ゆらゆらしているというのは知らなかった!
地軸の傾きを算出することにより今が西暦何年ごろなのか分かるのだそう。
あとホーキング博士がタイムトラベラーを招待するイベントを開かれていたのも知らなかったなー。
それと、時間を戻ることより止めるほうが難しいというのは意外でした。
喩えとしてジョジョやスペック(ドラマ)が出されていた。どちらも好きな作品。

「TENET」が好きなので、随所に出てきて嬉しい。物理学的にも興味深い発想なのだろう。
「インターステラー」のように別次元に出たとして、
時間に干渉できるようになる気がするのは素人考えらしい。

多次元の説明で、膜理論が出てきて、これはまだ学者さんの間でも賛否両論あるようだが、
カーテンの喩えが分かりやすかった。
我々はシャワーカーテンの上の水滴で、カーテンの表面ならどこへでも行けるが、
カーテンレールや、バスルーム空間に飛び出すことはできない…という。
たぶん錯覚ですが、色々かしこくなった気がしました。
あと懐かしくて該当作品の自分の感想を読み返しました。







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2022/03/18(金)

ドラマかんそう
「池松壮亮×金田一耕助3」

今回は尖った演出がやや控えめだった。
でも横溝先生女体化って初めて見たかもだ!?(設定的には男性なのかもだけど)

女の決闘
ドラマとは関係ないが太宰治が同名小説を書いているのを初めて知った。
夫の浮気相手に妻が決闘を申し込む内容でミスディレクションですね。

蝙蝠と蛞蝓
この話はまるで記憶にない。ロジックで面白いミステリですね。
栗原類さんの存在感が面白かった。

女怪
この話はすごく記憶に残っている。
子供の頃は「えっちな話なんだな」と思っていたが
今見ると「不幸で怯える美女萌え、本人の承諾なしSM行為、
暴力から逃れる殺人であっても死罰が妥当」という
当時の女性観、人権が見える話だなと思いました。

恋に舞い上がる金田一さんのイメージは、私とは解釈違いだが
相変わらず演技力は高かった。





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2022/03/19(土)

色々感想

高校生家族(ジャンプ15号掲載)
ただ単に学校にみんなでお泊りするだけなのに
すごいスペシャルな感じだった…。

エクソシストのキヨシ(ジャンプ16号掲載)臼井彰一さん)
人気のパターン、メンタル最弱のパワー最強もの。
面白かったです。この人はたぶんワンピが好き。

あかね噺(ジャンプ16号掲載)
落語で体幹の話が出るとは思わなかったな。

堀越先生がコメント欄で「お腹が空かないようになってきました」
っておっしゃってて、えっそれは大丈夫なやつ…?って心配になりました。

黒博物館(モーニング掲載)
フェミニストの開祖の母と、アナーキズムの開祖の父の間に生まれた
サラブレッドの奇想作家という印象をメアリ・シェリーに対して持っているので
ごく普通の主婦らしい作家の、乙女っぽい創作というのはちょっと解釈違いですが
女王陛下を、ロシアの女性暗殺集団から守るというのはワクワクします。

金カム(ヤンジャン掲載)
尾形は母の毒殺と父の割腹の傷を受けているのではないかという考察を見た。
なるほどそれはすごい…と思った。
とどめは勇作さんの受けた傷になるのではという。

アシリィパさんがとうとう殺意を持って武器をとり、眼のハイライトが消えちゃった!

ゼロの日常(サンデー掲載)
初心者だけど世界レベルのブレイクダンスを披露する安室さん…!
格好いいけどガチャピンみも少しある。

金色のガッシュ!!2雷句誠さん
あの人気長編漫画の続編。WEBで読めました。
1話が、ほぼヒーロー登場前の弱者虐待で終わっており、
魔物の女児の腕が折れたりぶたれたりが続いてウーン…ってなってしまった。

ワートリ(ジャンプSQ掲載)
今のお話、企業の研修みたいで面白いのと同時に
ちょっと嫌な汗が出ます。

陰陽師(オール讀物3・4合併号)
清明と博雅の関係が進展したという噂を聞いて買った。
夢枕先生は博清なんだなあということが分かった。
弁舌巧みな人が、好きな人にぐっと迫られて言葉が出なくなっちゃうのは可愛いね

相棒
ドラマで変化球なしの男女のベッドシーン久しぶりに見たわ。
コンドームは付けなくていいてきなやり取りがあって、また高齢のひとの脚本…
って思ったら輿水泰弘さんだった。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220318/k10013538141000.html
現在のロシア国内の状態を、国外にいる匿名の人が語った話だが
3割の国民が正確に状況を理解し戦争に反対していて、
6割の国民は戦争が起きている事、自国が侵略をしている事を知らず、
1割の国民が戦争を支持しているという比率、
鵜呑みにはできないけどリアルだなと思いました。
日本が侵略戦争をやらかしてもそういう比率になりそうというか、
(過去に実際やらかしていて、国民はそれを支持していた)
他の多くの国でもそうなりそう。





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2022/03/20(日)

映画かんそう
「ガンパウダー・ミルクシェイク」

ザ・ファームという組織に所属するサムは殺しを稼業としていた。
同じく殺し屋をしていた母は15年前に姿を消して以来連絡がない。
ある日、ファームから金を横領して逃げた会計士の始末と金の回収を命じられたサムは
仕事を遂行するが、会計士は何者かに娘を誘拐されて横領を指示されていたと知る。
会計士に娘の保護を頼まれたサムは……というあらすじ。

面白かった!
「ジョン・ウィック」「キングスマン」の女子版!
シスターフッドアクション映画のクオリティがどんどん上がってきて
この映画はジャンルでも上位に入るレベル。
主演はカレン・ギラン。
180センチの超スタイル、ロングリーチのパンチとキックは説得力があるし、
なおかつギャップのある童顔。主人公!って感じ。
殺し屋の支援組織であるダイナーや図書館に勤務する
アンジェラ・バセット、ミシェル・ヨー、皆プロフェッショナルで格好いいです。
残虐描写OKなかたは是非。

苦手要素注意書き(内容ばれ)

裂傷の縫合、刺殺、切断。
8歳の子供に車を運転させ、殺人を手伝わせる(反撃しないと殺される状況ではあったが)。
本の破壊。

ラストまでバレ

ボーリング場のアクションの時は、殺さないように命じられているハンデがあったとしても
さすがに男性3人とガチファイトして圧勝できる説得力のある組み立てではない…
アクションはあまり期待できないかも…
と思ったが、笑気ガスでラリッた男たちVS麻酔の効いたサムの
遠心力頼みのバトルはすごく馬鹿馬鹿しくて、かつ凝っていて良かった。
サムの殺しっぷりは古い顔見知りでも全く容赦なくて時々ブラックで、
ヴァンパイアマスクの男の胸を刺し貫いたり、ああいうのでキャッキャしてしまうので
ガーリー残虐アクションが見られて嬉しいです。
あと恋愛も病気も貧困も夫婦仲も絡まない、
プロフェッショナルな母娘の共闘アクションが見られたのも嬉しい。

最近は師匠役の多かったミシェル・ヨー様が鎖を拳に巻いてのアクション、
ウヒョー!ってなりました。眼帯姿で泡を吹いた。
(でも半袖のワンピース姿の時に、ものすごく痩せておられたので心配になってしまった)
図書館が好きです。児童書のコーナーとかすごかった。子供が来ないのがもったいないよね。
司書さんの中ではマデリンを応援していた。目を合わせて「ふふ」って笑う癖がチャーミングだった。
あと私も斧が好きなので……。

ラスボスがしょぼいのが唯一の欠点かな?
女家族ばっかりで疎外感!って愚痴りだすのとか、ああいうシュールなセリフは脱力系で良いと思います。
あの人、奥さんには息子の死を隠すって言ってたけど、数日でバレたと思う。嘘ヘタそう…。

サムのTシャツとか、シリアルの箱とか、時々日本語が書いてあって
各国の言語に差し替えられるようになっているあれか?と思ったけど違うようだ。
画面に日本語があると、読めるまでじっと見ちゃうので、字幕を読み逃した。
サムの趣味なのかな?










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2022/03/21(月)

映画かんそう
「SING/シング ネクストステージ」

「SING/シング」続編。イルミネーション製作。
興行師のコアラのバスターが采配するシアターは連日チケットが売り切れる人気。
都会から一流芸能会社のスカウトがやってくる日、彼は自分たちのショーに自信を持っていたが
しかし彼女は一幕で帰ってしまう。
諦めきれないバスターは都会へオーディションを受けに行こうと団員に持ちかける…というあらすじ。

妻を失って以来、歌を辞めてしまった伝説のロックスターの吹替がB'zの稲葉さん。
でもタロンさんやスカヨハの歌は聞きたいし、ボノが歌うし…とすごく葛藤しましたが
結局吹替で見ました。
歌のシーンはさすがに背筋がぞくっとするほどの圧がありました。さすがだ…!
でも一体どういう伝手で、どういう心境でオファーを受けられたのだ。
松本さんを人質にとられたとかかな?

後半のショーのシーンが煌びやかで圧巻なので、この映画は映画館での鑑賞をおすすめ。

終盤までばれ

前作は微妙にモラルが低めなのが気になったのですが
今作はクリーンだった。好きです。
やはり躊躇なく仲間から金を盗む男を仲間だとかなんとか言われても心が動かない。
バスターは相変わらず山師だったけど、まあ酷い目にも遭ったからな…。

本格的な悪人はオオカミ社長だけで、あとは悪い人じゃないのはいい。
オオカミお嬢様とか、振付師の人とか。
オオカミお嬢様の吹替の人、すごい特徴のある声で、演技も上手かった。

稲葉さんは、記憶よりやや高めの声で、なんだか新人声優みたいだった。
演技は、出だしは少し不安になる感じだったが
心なしか終盤はこなれていた(ような気がした)。
歌が始まったら、もう、そりゃあ、あなたが王者で、伝説のスターですよね!
はい、ごもっともです!あなたを引っ張り出せた時点でこのショーは勝ちです!
というものすごい説得力でした。

エディがでなかった…!?
せめて電話で愚痴を言うシーンくらいはあってもいいじゃん…?








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2022/03/22(火)

水を入れたヤカンを重しにして、アルミホイルでフタをし、
フライパンで焼くホットサンドを再び作った。

「紫蘇・塩サバ・マスタード・玉ねぎ」






「牛肉・ピザチーズ・マスタード・玉ねぎ」





どっちもおいしかった

メンチカツ&キャベツとか、ハンバーグ&トマトとか、
ナス&チーズとか、スクランブルエッグ&きゅうりとか、色々夢が広がります。





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2022/03/23(水)

映画かんそう
「ホテルレイク」

2021年の韓国のホラー映画。
ヒロインは、母が自殺し父親の違う妹を引き取って暮らしているが
求職のために母の友人のホテルオーナーのところに妹を預けることになる。
オフシーズンのホテルは客の姿がないが、
ヒロインは次第に奇妙なものを見るようになる…というあらすじ。

そのホテルには奇妙なルールがあるという。
絶対に上を見上げてはいけない。
絶対に一人で歩き回わってはいけない。
絶対に405号室に入ってはいけない。

…というキャッチコピーが面白そうだったので観たのだが、
なんと驚いたことにこのルール、映画の中には存在しなかった。
配給会社さんが勝手に付けた(?)ようだ。
上を見てはいけない、というのはよく分からない。

内容ばれ

首吊りの幽霊が見えるから?
真相は、なんかうん、薄々分かってたよ…という感じのやつ。
韓国版シャイニングなんだなあと思って見てました。
精神的に弱い主役が仕事のためにホテルに来て、
霊の出る部屋があって、子供が取り込まれそうになって…てきなの。

突然霊感少年が出てきて、サッと去って行ったが、
韓国にも芸能事務所のねじ込みとかあるんだろうか。

一番最初の霊が少し怖かったですが、あとはあまり……。




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2022/03/24(木)

以前書いたと思うんですけど、生まれてから1度も頭痛が起こったことがありません。
でも第6波もたけなわのころ、突然頭が痛み始めて、それが半月ほど続きました。
しかし痛いだけなので、鎮痛剤を飲むほどではないし、
肩こりの酷いのが上に昇っているだけでこれは頭痛ではないのかも?
なにしろ頭痛の経験がないので頭痛がどういうものか分からない。

でもまあ頭の輪切りのやつやってみようと思って病院に電話しました。
すると「現在、発熱と頭痛のあるひとの予約は受けられない。
当日来てもらって、発熱頭痛のある人専用部屋で待ってもらう必要がある」
という返事で笑ってしまったんですが、
私が重篤な脳の病気である可能性と、頭痛発熱部屋で感染症に感染する可能性だと
後者のほうが高そうだな?と思って諦めました。

あ、ちょうど来月に健康診断だったので、
オプションでMRIとMRAを付けて予約ができましたのでご心配なくです。
しかし似た理由で検査を先延ばしにして深刻な状態になるひとはすごく多いのだろうな…。








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2022/03/25(金)

読書かんそう
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」上
アンディ・ウィアーさん

「火星の人」のアンディ・ウィアーさんの新作。
絶対にハズレではないと分かっているので、
昨年末に買って、ゆっくり読んでいました。やっぱり面白かった。

主人公は閉鎖空間で目を覚ますが、ここはどこで自分が誰かを思い出せない。
ロッボットのサポートを受けて養生するうちに、彼は様々な事実を思い出すが…という
ウィアー氏の得意とする、ポジティブで倫理観の高い、
不屈のユーモアを持った主人公です。
そして相変わらず頭の良い人しか出てこない。ストレスがない。
利益の対立する人はいるが、計算ができるので交渉の余地がある。
メンツや思い込みや妄想で動く政治家が存在しない。
現実がこの小説の世界みたいであればよかったのに。

難しい内容を分かり易く書くことにかけては彼の右に出るひとがいないので、
物理学から基礎科学まで「なにがなんだかぜんぜんわからん??」ということはなかった。
下巻も面白いオーラがムンムンしてます。

全部ばれ

もしかすると三体を読まれたのではなかろうか…。
比較すると本当に興味深いというか、
宇宙人って作者の性格や人生観やその他様々なものが出るような気がする。
なにせ「三体」では、宇宙の知的生命体はすべて
他の知的生命体を絶滅させるのが最適な行動とされており
自分の生息する惑星の座標を知られることはすなわち攻撃と破壊を受けることを意味しているので。

アストロファージの設定、解析の過程、そして驚くべき起死回生の利用法はワクワクした。
宇宙全体の危機の説得力ある設定も。あとロッキーの星の設定と生体の設定も!
地球より進んだ科学を持ちながらある重要な知識が欠けているところとか、
科学系の素養がないのでこういう設定は思いつけないなあ…。
生死があるというのと、死に対する感情、時間の感覚(遅刻を怒ったり)ああいうのは、
やや人間に寄せてあるなと思ったが、伏線の可能性もある。
ロッキーの姿は、なんとなくフチコマで想像してます(笑)
あと音のやりとりは「未知との遭遇」を思い出しました。
それから主人公が地球の代表になって意見を求められる流れですが、
選ばれた理由としてはまあ納得のいくものでした。
かわいい僕好みの女の子を連れてきてくれ!とか言わなかったのも偉い(偉いのか?)
いや、三体の悪口はこれくらいにしよう。

ただ実際に宇宙からの地球の侵略が起きて、
奇跡的なアイディアを出す10名の代表を選抜しなければならない、
という事態になったら私は劉氏を推します。
でも小説の新作が楽しみなのと、サインを頂きたいのはウィアー氏だけども。

意思の疎通がうまくいかないやりとりのことを
「異星種族間アボット&コステロふう掛け合い」と表現している箇所があって
「メッセージ」でも宇宙人の名前をアボット&コステロとしていたが、
有名なディスコミュニケーションコントがあるからだろうか。










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2022/03/26(土)

色々感想

波よ聞いてくれ(アフタヌーン掲載)
熊の肛門にネギを刺すという退治方法が本当にあるのかと思った。

ミナレさん、訓練を積んでいる訳でもないのに
ヒールの靴でハイキックキメても体幹が全くぶれない。
格闘技の天才だな。

ブルーピリオド(アフタヌーン掲載)
わっ。アート作品を発表している人に出身大学をまず聞く
そういう価値観の教授に物を教わるのは結構嫌だな。
まあ、様々な意味づけを学ばないとスカスカの作品になるという
主張なのかもだけど、
インチキマナー講師とは違うと言い切れるだろうか。

金カム(ヤンジャン掲載)
さらば尾形!いや、まさか最後に突然自我が分裂して、
自分のしてきたことは全く無駄だったと自らに納得させられて自死するとは思わなかった…。
というかあの勇作さんは霊ではなく内なる尾形だと私は思うけどどうなのかな。

相棒(最終回)
冠城さん、ふと決心して転職なさるエンド、ドラマがない…と思ったけど、
まあ闇落ちしたり信念が食い違ったりするよりは平和的でいいかもしれない。

杉下さんが追いすがって振られたみたいになってるの、結構面白かったです。

コンドームを使わない女性は、過去に仕事で腹を刺されて子供を産めなくなったという伏線で、
未来の自分の子供の敵討ちというのが犯行動機か。
なるほど、そういう女性もいるかもしれない。
ただ、性感染症のことはまったく念頭にない…?っていうのと、
仕事で精巣を吹き飛ばされた男が、未来に作る筈だった子供の敵討ちで
殺人を計画するプロットをどう思う?っていうのの2点を
輿水さんに聞いてみたい。
青木さんはなんか大きな事件の関係者になって退場なさると思ってたけど、
生きて卒業できて何よりですね。

鎌倉殿
義経の諸々、中世の野蛮さだと思ってたけど、
もしかして社会性人格障害として描かれてるのだろうか…?
それとも幼児の残虐性だろうか。
あと善児は最終回まで引っ張りそうですよね。
お話の中のすべての悲劇に関与する人物になるか、
名前の通り善に目覚めるか…どちらにしろ生き残りそう。

じさまの描き方は複雑で良かったが(娘を物扱いして殺そうとしたが、根っからの悪人ではない)
大河ファンてきにはどうなんだろう?
もっとテンプレのリーダーっぽい将軍や、
テンプレの悪人、しとやかで優しい姫などが増えたほうが面白く感じる…?







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2022/03/27(日)

映画かんそう
「ナイトメア・アリー」

ギレルモ・デル・トロ監督の新作です。
見世物小屋の団長に拾われた主人公は、読心と交霊のトリックを学び
やがて女性団員と駆け落ちして透視ショーを行うようになるが、
交霊術にも手を出し始めたあたりから歯車が狂って…というあらすじ。

移動式見世物の世界がたっぷりと描写されます。
美術がとても優れていた。
ヘルハウス内部が特に好きですが、ほかにもショーの背景や
教授の部屋の内装、彼等のホテルの部屋など、どれもよかった。

ウィレム・デフォー、ロン・パールマン、トニ・コレットなど、脇が渋い。
怪奇趣味だけどホラーというほどではない。
動物が死ぬシーン、人が死ぬシーンはあります。
どちらかといえば陰鬱な話なので、
山師が成功して美女たちとよろしくやって大勝利する映画が好きな人向けではない。

ラストまでばれ

山師の破滅を描く映画だからね。

二度目の映画化なのだそうですが、前作映画は見てません。原作未読。
空襲で企みがばれて、ラストは獣人なんだろうなと思ってましたが
片方ハズレだった。
リッター博士にもうちょっと比重を置いて、
復讐譚にしたらラストでややカタルシスがあったのではなかろうか。

例えどんな親であれ、親と良好な関係を築けなかった子供は不幸になる、不幸をもたらす話なので
なんとなく残酷な印象。

ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、どちらも美しく撮られてましたが
特にルーニー・マーラは、ああいう賢い妖精めいた女性が
トロ監督の性癖なのだな…と思った。





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2022/03/28(月)

「ミラベルと魔法の家」に出てきたアレパを焼いた。
トウモロコシの粉を牛乳で溶いて焼くだけの簡単主食です。
10分くらいで出来上がってらくちん!
(生地を休ませる必要があるので20分ほど別計算です)
コロンビアやベネズエラの料理。
とっても香ばしいし腹もちが良い。チーズやツナを乗せてもよさそう。



ちなみに一緒に盛り付けているチリコンカンは、
メキシコからテキサスに伝わり、アメリカの郷土料理になったらしい。
全然国籍の違う料理ですが、なかなかアレパに合います。
私はソーセージやズッキーニー、しめじなど、
フリーダムに入れたいものを入れている。





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2022/03/29(火)

ドキュメンタリーかんそう
「フリーポート 美術品が眠る謎の倉庫」

映画「TENET」で私はフリーポートという施設を初めて知ったのですが、
本来は輸送中の品物の一時預かり所のような場所の筈でした。
しかし世界的に、銀行の海外口座の監視の目が厳しくなるにつれて、
各国の資産家が金を絵画や宝石やワインに換えて秘密裏に隠すようになりました。
税もかからないし、犯罪組織や経済制裁の対象に資金を流すことも可能です。
間にペーパーカンパニーを挟んでおけば、追跡調査はされないのです。
現在スイスやシンガポール、ドイツなどあちこちにあるようです。
運輸会社が始めたそうですが、金儲けの天才っているものですね。
フリーポートのために作曲させた曲を、管弦団に演奏させるという
大時代的な落成式をやっていた。
税金という形ではなく、贅沢に金銭を使って平民に還元するのは
むかしの王侯貴族のようです。
大抵は取材拒否なのですが、インタビューに答えている広報係さんも少数いて、
カメラを凝視して「資産隠しとか、うちとは無縁ですね」
「無知なのでそういう疑いを持つんですね」と答える顔付きは凄味がありました。
今後摘発されたらこの映像、ネットミームになるかもだよ。

「TENET」のフリーポートのシーンは、
もしかして平民が見てスカッとする意図で撮られてた…?と
公開1年以上たって気付いたりした。
まあでも私のような凡人が思いつくのは精々ロケット砲で打ったら面白い、くらいだけど、
まさかアレをアレするとはね…。









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2022/03/30(水)

映画かんそう
「私ときどきレッサーパンダ」(原題:Turning Red)
監督・脚本 ドミー・シー

レッサーパンダを祭る、フロリダの古い寺の子供であるメイメイは、
母親の大きな期待に応えて成績優秀、家業の手伝いも真面目にこなしていた。
しかしある日、メイメイは自分の体が
少しずつレッサーパンダに変化しているのに気付いてパニックを起こす…
というあらすじ。

予告で見た時は教室でレッサーパンダに変身してしまって、
ごまかすために遁走するシーンがあったように思う。
なので正体がバレるバレないハラハラものかと思っていたら違って、
母と娘の関係がメインでした。
メイメイの友達がみんないい子で仲良くキャッキャしているのを見るのは楽しかったです。

問題としては劇場が予告を打って宣伝協力をしていたのに配信のみに変更したところ。
そういう非道を働いていると罰が当たって配信戦争に敗れ、
配信部門をネットフリックスに売却することになりますよ。

良い点としては、ごく普通のアジア人の少女(中国の少女)が主人公になった。
監督も、中国出身のカナダの女性。

エンドロール後にワンシーンあります。

ラストまでばれ

母親の娘に対する過干渉、もしかすると他の人種よりも
アジア人のほうが少しだけ多いのかもしれない。
女性の地位の低さと比例するのかも。どうだろう。
この監督さんは短編アニメ「Bao」を制作されたらしい。
親と子の関係に並々ならぬ思い入れがおありのようだ。

メイメイたちの学校生活、
カーストやいじめの描かれない世界で安心した。
推し活たのしそうだった…。
アメリカにもああいう大人気アイドルグループがあるんだろうか。
それとも韓流アイドルブームが来てるのかな?
やっぱり同担拒否とか学級会とか推し燃ゆとかあるんだろうか(よしなさいよ)。

そして絵を描く女子が気になる男の子を人魚にするのは遺伝子に刻まれてるんだろうか?
チケット2万円で、直前でも買えるというのはものすごく良心的な事務所ですよね。
それともチケット争奪戦で
人海戦術とか開始1分で完売とかやってるのは日本だけなんだろうか…。
ただ気になったのは、多くのファンが楽しみにしていたコンサートと会場のドームをぶち壊して、
まったく気にしている様子のない一家とメイメイには、ちょっとモヤ…としました。
いやこれは私が「個 < 公」という思想にとらわれすぎかもですが。
補修費は保険でまかなえて、振替追加コンサートが開催されているといいんですけど。

親族の女性たちの変身シーン、中高年のプリキュアみたいで格好良かったです。








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2022/03/31(木)

ふと気が向いて、ピクサーとディズニーの(どっちもディズニー資本ですが)
長編アニメ過去作10本の主役の人種について書き出してみました。

(ピクサー)
アーロと少年
ファインディング・ドリー
カーズ/クロスロード
リメンバー・ミー
インクレディブル・ファミリー
トイ・ストーリー4
2分の1の魔法
ソウルフル・ワールド
あの夏のルカ
私ときどきレッサーパンダ

(ディズニー)
くまのプーさん
シュガー・ラッシュ
アナと雪の女王
ベイマックス
ズートピア
モアナと伝説の海
シュガー・ラッシュ:オンライン
アナと雪の女王2
ラーヤと龍の王国
ミラベルと魔法だらけの家

動物やゲームキャラクター、おもちゃなどを除いた人間だけで考えると
ピクサーは「インクレディブル・ファミリー」のみ、
ディズニーは「アナと雪の女王」1&2、合計3本が白色人種主人公、
そして
「リメンバー・ミー」「ソウルフル・ワールド」「私ときどきレッサーパンダ」
「ベイマックス」「モアナと伝説の海」「ラーヤと龍の王国」
「ミラベルと魔法だらけの家」計7本が有色人種主人公です。

(私は20本中「あの夏のルカ」と2011年の「くまのプーさん」のみ未見で、
内容などから、人魚のルカとプーさんが主人公と考えました)
深く考えてなかったけど、ずいぶん前から配慮されてきたのだな。






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