11月日記

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2017/11/01(水)

主人公のことをダッサ!って感じる人がいる可能性を
1%も意識せずに作っていると、
ヤバイもんが出来上がる可能性がギューン!って急上昇する
(しかしごくまれに傑作が誕生する)ような気がします。

それと同様に、
受のことをキモ!って感じる人を
1%も意識せずに作られた二次創作は
ヤバイもんが出来上がる可能性がギューン!って急上昇する
気がします。個人の意見です。

ダッサ!って思う人、キモ!って思う人に
それでも好きになってもらうにはどうすればいいか考える工程、
これがいい塩加減で全体に効いてくるのではないかと思います。




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2017/11/02(木)

映画かんそう
「ゲット・アウト」

人種差別ホラーとしてちょっと話題の映画。
主人公のクリスは、彼女の実家に初めて訪れる。
自身が有色人種で、
彼女とその両親は白人であることを気にしていたクリスだが、
リベラルな彼等の態度に不安が薄れる。
しかしその家のメイド、庭師が共に有色人種であるのを見て
かすかな違和感を覚える…というあらすじ。
違う人種の恋人を持つ人なら誰でもちょっぴりトラウマになりそうなあらすじです。

監督脚本はジョーダン・ピール。
本職はコメディアンで今作が映画デビュー。すごい完成度です。
「ホラーとコメディは似てる」という監督の意見に同意。似てるー!

オチばれ注意!

おちは若干トンデモ系のように思う。
そ、その処置をその貧相な設備で!?スタッフ1人で!?
って思った。
けど人物描写はとっても良かったです。
男性主人公としては世界トップレベルに空気を読んで我を張らないクリス、
上流階級の高収入カップルそのものの夫婦、
美人で仕事のできるお母さん、じょぶずのコスプレをしているお父さん、
弟は、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズさんだって全然気付かなかった。
随分顔立ちが変わったような。
メイドさんは顔が大写しになっているだけで怖かった。
演技のせいなのか、目鼻立ちが大きすぎるせいなのかは分からない。
終わったあとで調達係の人がヘルシーなドリンクと
なんかカワイイ色のスナックを食べながら、次に備えてネットを見ているシーンとか
小道具が丁寧でよかったです。
背後にトロフィーの写真がずらずら並んでたり。それにしても凄腕ですねあのひと。
そのコミュ力を分けてほしい!

最初にパン側から撮った買い物シーンで、おいしそうって思ったんですが
思えばあれも伏線…?そういえばあれも伏線…?あれも…?
ってあとで考えました。
一番大きなどんでん返しは「実は差別じゃなかった」ってところだと思うんですが、
(だから日本人の田中さんが混ざっている)
(でも差別心もあって、捻じれて奇妙な事になってる)
そういえばタイトルもダブルミーニングになってますね。

後味の悪い話ですが、主人公の親友がめっちゃいいやつで
ラストは割とほのぼのしました。ホラー界にもぽっちゃり天使の波がやってきた。
あと大筋には全く関係ないですが、私の見た洋画の中で
「犬に人間の食べ物をやらないで」って明言したのはこの作品が初めて。

この映画と同じ事を、黒魔術でやっている夫婦が出てくるホラー映画があって、
そちらも人種差別がテーマで終盤に大きなどんでん返しがある秀作なんですが、
タイトルを書くとねたばれになってしまうので、書きません。
おすすめなので、いつか偶然目にされますように!







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2017/11/03(金)

シリル文章更新「バースデーと贈り物3」

3度目のお誕生日です。
魔法が使えても、センスがなければ意味がない場合も
あるのではないか?という短いお話です。

あの2人は相変わらず毎日トマトを焼いたり卵を焼いたりして
楽しく暮らしています。私の脳内で。
不死鳥の騎士団という、有名な児童文学原作の映画が
偶然今日地上波で放映されているようですね。知らんけど。




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2017/11/04(土)

色々感想

Dr.STONE(ジャンプ掲載)
塩酸→クロロ硫酸→水酸化ナトリウムの順番で、ようやく
サルファ剤ゲット!!
面倒すぎて私なら「もういい…菌に負けるまま、皆で死のうよ…」
ってなってるところです。文明よ!衰退しないで!

フューチャー・アベンジャーズ(アニメ)
バッキー奪還回。ラピュタのロボットみたいなのがおる…と思ったらゾラ博士だった!
ウィンターソルジャー時代に散々人を殺したバッキーは、
冷凍処置されるのが妥当であるというロシアのチームに
彼もまた被害者だと訴えるキャップだけども、
それはキャプテンアメリカとしての判断か?と問い掛けられ言葉に詰まるという、
なかなか厳しい展開。
えっとなんか熊に拘束されてメルヘンチックでした。
バッキーはキャップの身柄と引き換えに投降…このステバキステ的な展開!!
次週なんとか解決する筈たぶん!

奥様は、取り扱い注意(ドラマ)
奥様たち家出回!みんなかわいい!!
ビルに忍び込んで、屋上で3人でくっつきあって朝日を見るとか!

広末さん宅の旦那さんが結構なクズだと判明しましたが、
(大学教授が教え子に手を付けて、社会に出したくなくてわざと妊娠させた)
なにか強烈なしっぺ返しが待っている予感。
広末さんの息子さんが「家出するね」ってお母さんが言うと
「気を付けてね」って言う、いい子なのがちょっと救い。

エレメンタリー5(ドラマ)
イスラム文化圏で、身内の女性が婚前交渉を行った場合に
身内の男性が殺人を行う、所謂「名誉殺人」が動機。アメリカ国内で。
うわー…名誉殺人の是非は置くとしても、裁判が面倒そう。
重いと差別問題になるし、軽いと法治国家の面子が保たれないし。
この話の場合はおそらく強制送還されるんだろうけど、
もういっそ手足を鎖で縛ってプールに放り込んで、
浮かんだら無罪、死んだら有罪にしてはどうか。

相棒16(ドラマ)
よかった、ちゃんとした推理回だ…。
悪辣な被害者と良識的な犯人だ…。相棒だ…。

ツイン・ピークス The Return(ドラマ)
モニカ・ベルッチの夢を見たというシーンで
本当にモニカ・ベルッチ様出てた。何という贅沢。
夢のお告げで右手だけスーパーパワーを得たキャラクターが出てきた。
マーベルっぽい!





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2017/11/05(日)

映画かんそう
「HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」

ジャンル民のお供で、先行上映を見てきました。
封切は11月11日です。
THE MOVIE→THE RED RAIN→END OF SKYと続いてきた、
SWORD地区と九龍グループの抗争に、一旦決着がつきます。

これまでは影からSWORD地区の支配を目論んでいた
九龍グループが正面からの攻勢に乗り出し、
コブラは拉致され、無名街は住人の立ち退きが強行される。
そんな中、西郷からの情報で
カジノ建設には政府の陰謀が隠されている事を知った
琥珀、九十九、雨宮兄弟は
事実確認のために動き始める…というあらすじ。

あらすじには「????」という箇所がなくはない、
というか結構多いけど、アクションシーンが格好いい。
もうそれで十分です。アクション監督は「亜人」の大内貴仁さん。

全部ばれ注意

・もうあの、2のエンドロール映像、
 雨宮兄弟を本気で心配してたんですが、
 あの弟の顔にかかった最高の作画の血しぶき、
 お前かよ(笑)!てなりました。
 お前かよ!いや、ありがとよ!
 兄弟ももうちょっと恩に着てもいいんだぞ!
・冒頭の琥珀、九十九、雨宮兄弟っていう、
 ハイロ世界最強の4人のタッグによる格闘シーンが最高でしたね。
 ここで終わっても怒らないよと思ったくらい。
 連携技もありがとうございました!全体的に連携技多かった。
 九十九さんは今回鉄製のスロープ?ステップ?を
 盾に使うアクションでした。九十九さんの戦闘スタイルは
 飄々としていてなんかいい。ややこしい話は聞いてなかったり、
 鬼邪高のみんなに学校どうしたって言う所とか、
 かわいいセリフいっぱいあった。
・雨宮兄弟は、源治戦がよかったんですけど、
 アイコンタクトとか全くなしに、2人とも殴るだけ殴る、
 でも連携がとれてるっていうのがいいですね。
 兄は足場を崩すために踵落しをする瞬間を
 真下から撮ったシーンが神でしたね。
 「(源治さんが)こっちにきた!」とか「ヤギ!」とか
 いちいちかわいい。弟は作画の神に愛されし男。
 あと尊龍disという地雷ありがとうございますモブのかた!
 と思いました。
・源治さんは旧007シリーズのジョーズ的な人になりそうですね。
・最強の4人が活躍するのでSWORDのメンツの時間は減ったというか、
 White Rascalsと達磨一家、鬼邪高が少なかった。
 ラスカルさんたちは前作でメインだったからいいとしても。
・White Rascalsの店、大家さんがめっちゃ義理立てしようとしてたので、
 毎月の賃貸料の払いもよく、中元歳暮の贈り物を欠かさず、
 建物の使い方もきれいで、気に入られてるのかなと思った。
 ロッキーさんそういうところ滅茶苦茶きちんとしそう。
 ていうか賃貸だったのかよ!?
・製薬会社の元職員馬場さんが、公開前に「USBの精霊」って
 噂されてたのを思い出して、ふき出しそうになった。
 IT関連の設定が明らかにガバガバで散々ツッコミを受け、
 「人間と紙にするからいいもん!」 っていう感じだったので、
 USBの精霊説は間違ってなかった。
・SWORDのみんなが走る映像は猛烈に変だったし、
 オレンジの線のところ編集失敗したみたいに見えたし、
 モグラの正体が割れたのに手を打たないのかよ!とか、
 解剖しないのかよ!とか、色々あったけどまあ持ち味だからね。
・舞台挨拶で、このシリーズの撮影は、邦画トップクラスの丁寧さで、
 撮影前にシーンの意味や解釈を話し合う時間があるし、
 撮影時間も長いって客演の方がおっしゃっていて、
 ああ…窪田さん…って思った。
 アクションはまず型を覚えて、それから細かいリハーサルがあるから、
 今回も無理だったのは分かるけども、
 それでも撮り下ろしの格闘シーン見たかったです。
・新しい風が必要だという遺言、コブラさんへの勧誘などを合わせて考えると、
 これはコブラさん九龍グループ入りもありだと思ったんですがどうですかね。

ライブビューイングだったので舞台挨拶も見られたのですが、
笹野さんがほっこりかわいいトークなさっていてにこにこしました。
物凄い細かく気を遣ってくれる、1番心地いい現場だというお話で、
まあリップサービスが入ってるとしても、
普通映画業界ってナード勢で構成されていて、
自分も身に覚えがあるけど我々は基本気遣いは
あまり上手い人種ではないのに対して、
HiGH&LOWは体育会系の人たちが作ってるので、
そりゃあもう先輩への気遣いは空気のように当たり前なんだろうな…って思いました。
あと、客演のひとが観客にセクハラジョークをかましたとき
周囲のほぼ全員からNO!のつっこみ入ったのに安心した。
総監督が途中で泣いてしまって、卒業式っぽい雰囲気になった。監督泣かないでー!




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2017/11/06(月)

映画かんそう
「マイティ・ソー バトルロイヤル」

雷神ソーを主人公としたシリーズ3作目、
マーベルシネマティックユニバースとしては17作目の作品です。

オーディンになりすましたロキの支配するアスガルドは、
それなりに平和だったが、オーディンが封じ込めていた死の女神ヘラが復活し、
ソーとロキの兄弟は共闘せざるを得なくなる…というあらすじ。
脚本のエリック・ピアソンは「エージェントカーター」シリーズを書いていた人、
監督タイカ・ワイティティは脱力系吸血鬼コメディ
「シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア」を撮ったひと。
私は「シェアハウス〜」大好きなんですが、
あまりにもMCUとカラーが違いすぎるので、今回はアカンやつになるんじゃ…
ってハラハラしてました。でも全然そんな事なかったです!よかった!
ワイティティ監督のゆるい大らかな笑いと原始的な生死観が、
人間とは違う、神々の世界の荒々しさとよく合ってました。
これまではシェイクスピア風味を中途半端に引きずってて
方向が定まらなかった印象なんですが、全部ぶっとばして雷神誕生しました。

ラストまで全部ばれ注意
登場人物のメンタルの強さの平均値は、作り手のそれに比例するので、
この作品に登場するキャラクターたちはみんな強いです。
膝を抱えて悲劇のヒロイン気分に浸る人とか1人もいない。
まずそれだけで見てて安心感があります。
バナー博士も図太くなったし、
ハルクも知能がちょっと高くなって友達ができてバトルを楽しんでる。
ロキもなんか楽しそう。
(ロキのメンタルが安定したのは、あにうえが女と別れたからだと思います)
ソーは、父が虐殺者、母は侵略者に殺され、弟は裏切者、
幼いころからの仲間は姉に殺される、姉と殺し合い片目を失い、
故郷を失って放浪、ついでに彼女に振られるっていう、
間違いなくMCU内ダントツの悲劇王なのに、
アッケラカンとしてて、特に誰も憎んだりせず、
ごく当たり前のように民のために戦います。
1作目を思うとものすごい成長だし、お父さんより器が大きいと思います。
(というかオーディンが虐殺と侵略で領土を得て、
それまで利用していた娘を用済みになって幽閉していたとか、
諸悪の根源にも程があるんですが…)

箇条書き
・鎖でグルグル回るソーかわいい。待ってあげるスルト優しい。
 この来るはずのムニョが来ないのを始めとする
 「決めシーンのテンポがずれる」パターンは何度も繰り返されます。
・2で「もしかしてロキどん、親父を殺っちまった…?」って心配してましたが
 老人ホームに捨てただけだった…よかった…!
 (でも監督が違ったら殺してた事になってたかもしれなかった)
 そしてオーディンになりすまして何をしてたかというと
 でっかい自分の銅像を建てて、自分が兄上に看取られるシーンを
 劇場版にして楽しんでただけだった…。ちっちぇ。かわいい。
・マット・デイモンナンデ!?
・ウォーリアーズスリーは…最後に「やれやれ、危なかったぜ…」って
 再登場すると思ってました…。
・ヘラおねいちゃんの「ニール」で笑ってしまった。
 えっ本当に血のつながりはないの!?緑だし黒髪だし!
 たぶん姉弟3人で暮らしたらヘラおねいちゃんとロキは仲が悪いと思う。
 日頃はソーのことバカバカ言ってそうだけど、実質ソーの取り合いになると思う。
・むかしバージョンの宮廷画家、あんまり腕がよくない…。
・ヴァルキリーさんは初登場泥酔、「酒はやめない」ってあたりで
 大好きだったんですが、金髪黒髪百合チラありがとうございます!
 でもオーディンを恨んで暗殺に行かないのは、かなり優しいよこの人。
・今回のおじいちゃんはすぐ分かった。段々演技がうまくなってるおじいちゃん。
・笑いの神完全復活!30分落ちたり、ゴミ投げられたり、
 必殺病人のふりしたり!
 なんかもう子供時代は壮絶に色々色々あって1周回ったあとさらに
 5周くらいして完全に諦めてうまくやってる感じ、とってもいいです。
 ヴァルキリーになりたかった兄上と、すぐ兄を刺しちゃう弟…見たい。
 血と笑いのメモリアル!
・トニー・スタークコスプレとか、僕は博士号を7つ持ってるとか、
 ズボンがきついとか、随分たくましくなったバナー博士。
 ところできついのはお尻?それともお尻じゃないほう?
 認証パスの件で、トニーは本当にバナー博士のこと
 好きだったんだなあって思いました。ハルクもひっくるめて。
 好きな子に逃げられがちなトニー…でもペッパーは傍にいてくれるからね!
・監督は「MCU過去作品一切見てない」とか「8割がアドリブ」とか言ってますが、
 過去作品のねた拾いまくりだし、小道具仕込みの必要なギャグが多いし、
 コッミックネタもあるし、絶対そんな訳ないだろ!?って思います。
 試験前に全然勉強してないよーって言う的な法螺吹き男爵なんかしら…。
 むかしガチでほぼすべてアドリブの映画って見たことありますが、
 見たのを後悔するくらい地獄のようにしょうもない話でしたよ…。
・「エイジ・オブ・ウルトロン」のヘイムダルの台詞と、まあなんとか矛盾なくつながった。
・アスガルド人、明らかに少なくない…?
 バカンスのシーズンでみんな海とかに行ってるの?
・音楽も随分ピコピコした感じになってイメチェンした。宇宙っぽい。
 あと予告編で移民の歌が流れるのは単にインパクトがあるからだと思ってたけど、
 100%内容に合致してたし本編でも流れてめっちゃ格好良かった。





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2017/11/07(火)

映画かんそう
「IT イット "それ"が見えたら、終わり。」

キング原作「IT」2度目の映像化。
田舎町デリーの少年ビルは、幼い弟が行方不明になって以来、
鬱屈した暮らしを送っていた。
しかしふとしたきっかけで知り合った6人の仲間と行動を共にするうち、
27年周期でデリーを襲う大量死事件を知り、
今がその27年目であることに気付く…というあらすじ。

原作は1958年の少年時代を回想する
1985年の大人になった彼等がメインですが、
映画では大人のパートはカット、少年時代の物語になっています。
(続編で大人のパートのみを撮るらしい)

私はピエロが全く怖くないので、青春映画として楽しみました。
それぞれに問題を抱えた少年少女が結束して、
勇気をもって恐怖と立ち向かう過程は、何度見てもいいものです!
ホラー半分、友情物語半分という感じ。
「スタンド・バイ・ミー」もそうですが、
キングの書く繊細な少年主人公は絶品です。

原作、ドラマ版、すべてねたばれ
(キング警察参上!)
やっぱり下水道の暗がりからピエロが顔を出すシーンは
意味が分からなくて最高ですね。
今回のもいいしドラマバージョンもいい。

蜘蛛と亀は出てこず、象徴する物が映りました。
ドラマ版は当時の技術で蜘蛛を出したのが大失敗だったから、
良い判断だったと思います。
この映画の終盤の皆がフワフワ浮いているビジュアルも大変良かった。

子供たちが1人1人仲良くなっていく過程はかなり端折ってます。
ペニー・ワイズが見せる幻覚シーンは半分以上刷新。
いじめでもおふざけでも人種差別的な発言はほぼカット、
あとシルバー号にトランプが挟まってないとか、ベヴのブルズアイがないとか、
ダム造りのシーンがなかったとか(細けぇ)。

私の原作2大地雷である、ベヴァリーが6人全員と
性行為をするシーンはカットされていたので安心しました。
この調子で後篇は不倫をカットしてほしい。
しかし大人時間の彼等の話はかなりビターなんですが、
あれだけで映画化って可能なのかな…?少年時代の回想を挟むのかな?

ちなみにケネディ暗殺を書いたキングの「11/22/63 」に
全員ではないけど彼等がちょこっと出てきます。






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2017/11/08(水)

映画かんそう
「ゴッホ 最期の手紙」

100人以上の画家が集結して油彩画でアニメーションを作った
特殊な映画です。
ゴッホの描いた風景の雲が、星が、木の枝が動き、
肖像画の人物が喋りだします。
なんだか幻覚を見ているようでぞわぞわしました。
すべてのシーンがゴッホの絵の色彩ではなく、
過去回想は実写をモノクロの油彩画風に加工している。

不審な点が多いゴッホの死を、
郵便配達人の息子が解き明かしていくというあらすじ。
生きている間は全く売れずに報われないまま死んだ天才の話はつらい。

内容ばれ
才能はないけど絵を描きたい医者を
猿まね、うそっこ、へたっぴとゴッホが罵倒するシーンがあるんですが、
ゴッホに言われたら、そりゃもうどうしようもないじゃない…
って切なくなりました。
三谷喜幸さんの「コンフィダント・絆」を思い出した。

テオが第3期の梅毒だった話が出て、
気軽に検索して後悔しましたよね…。
皮膚筋肉にゴム状の腫瘍が…。

この映画は説明を読むより映像を見た方が早い。
https://www.youtube.com/watch?v=Q_k7XVuAhJw




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2017/11/09(木)

映画かんそう
「ノクターナル・アニマルズ」

「シングルマン」に続くトム・フォード監督・脚本作品2本目。
原作はオースティン・ライトの小説。
愛情の冷めた家庭で夫と暮らす芸術家のスーザンの自宅に、
ある日、原稿用紙の束が届く。
それは彼女が手酷く傷付けて別れた元夫エドワードからのもので、
小説家志望の彼の手による物語だった。
小説は非常に暴力的な内容で、彼女は戸惑う…というあらすじ。
映画は、現在のスーザン、過去のエドワードとのやり取り、
物語の中での残酷な出来事の3パートに分かれ、
スーザンをエイミー・アダムス、
エドワードと小説の主人公の2役をジェイク・ジレンホールが演じます。

相変わらずファッションや家具、建築物、さり気なく配置されたアート、
隅々まで美意識が張り詰めていて、ピリピリするくらいです。
私は「シングルマン」は好きな映画ですが、これは駄目でした。

ラストばれ

30年近く前に書かれた原作だから仕方ないとはいえ、
深夜乱暴運転のドライバーに絡まれ、
妻と娘を引きずり出されて奪われ、
後日妻も娘も乱暴された全裸死体で見つかった男が
徐々に非日常の狂乱の世界に足を踏み入れて…みたいな内容の小説、
この2017年に読みたくねぇー!
誰の文体だったら読めるだろうって想像したけど誰でも読みたくねぇー!
カズオ・イシグロでも無理だー!
あ、真紅のソファの上の白い死体は美しかったですけど。

小説世界で、ボロボロに心傷付いたジェイク・ジレンホールの入浴シーンを
1カメ、2カメ、3カメと、様々なアングルで捉えていたのはさすがだと思いました。
アーロン・テイラー=ジョンソンの屋外全裸排便シーンも面白かった。
彼も名演でした。

現実世界で、小説をdisる妻に夫が
「徹夜で書いた作品だ。気に入ってほしかった」
って言うシーンがあるんですが、
そういう事を言う人の小説、読みたくねえー!
感想言うなんて絶対いやー!って思いました。
けどまあ、ジェイク・ジレンホールの蔓状に巻いた唇の端を見ていると
なんか小説つまんなくても許すという気になる。

人間にはずっと同じ場所に留まっていられる人と
進まないと死ぬ人がいて、あの2人が合わないのは明らかなので、
私もあのプードルみたいなヘアスタイルをした、
エイミー・アダムスのお母さんと同じことを言いたかった。

ラスト、「えっここで終わり!?ここで!?ここで!?」って思った。
映画なんだし、もうちょっと盛っても罰当たらないんじゃない!?
暗示的なイメージで始まったんだし、ラストも魔女の暗示的な何かで終わったほうがいいよ!?





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2017/11/10(金)

映画かんそう
「女神の見えざる手」

政治家や企業、国家に雇われて、民衆の動向をリサーチ、
あるいはあらゆる手段で情勢を操作するロビイスト、
主人公のエリザベス・スローンは腕利きとして有名な女性で、
オファーが引きも切らなかった。
しかしある日、女性有権者に銃の必要性を訴えてほしいという
依頼を受けた彼女はその仕事を蹴り、逆陣営に雇われる。
圧倒的不利な状況の中、彼女は徐々に票差を詰めていくが
銃規制反対派による妨害工作により思わぬ窮地に立たされる…というあらすじ。

女性主人公の映画って
恋愛もの友情もの家庭そして病気とかそんなのばっかり…。
って不満を言ってたのはつい最近なんですが、どんどん出てくる
冒険活劇にアクションにサスペンス。嬉しい限りです。
この映画のすごい情報量、すごい駆け引き、
猛スピードのチェスを見ているようでした。
食事は単なる栄養補給、睡眠不足は薬で調整して、性欲は男を買って解消、
プライベートはほぼ無いヒロイン、新鮮でした。
逆に、ヒロインの努力や涙やダメなところ、
人間味が見えないと好きになれない…っていう人にはこの映画は合いません。
私は好きです。ドス黒い駆け引きもあったけど、後味は悪くないと思う。

内容ばれ

あれだけ乱射で死んでるのに、どうして登録制にしないんだろう…。
って思ってましたが、
銃支持派によるキャンペーンの予算は、銃の規制派の38倍なんですね。
そして登録制支持派のほうが圧倒的に多いのに、
投票率が36%のために実現しないという!
選挙に行くだけで自分達の生活が飛躍的に安全になるのに!
投票率に関しては他国の事をどうこう言えませんけど…。

議論にもチェスや将棋のように定石があって、
慣れている人なら次に何を言うかが見えるんですね。
フグシェフのところ面白かった。
(フグを調理するには免状が必要=銃を扱うにも登録が必要)

登場人物のほとんどが頭よくて仕事に人生を捧げてるんですが、
主人公を1番敵に回したくないって感じるのは、
それは眠らない人を相手に戦うのは絶対嫌っていうのと
あと道徳上打てない手がほぼないっていうのが無敵だからかなって思います。
主人公は高機能の脳が常に高速で動いていて、
止まるときっとサメみたいに死んでしまうのでしょう。

「アトミック・ブロンド」を力の草薙素子とすると、
これは知の草薙素子だと思う。
多く人と同じ意見ですが、彼女が銃規制に固執する理由を
まったく明かさなかったのはクールだった。

ところであのブリ虫ロボってバルサン焚いたら死ぬのかな?






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2017/11/11(土)

色々感想

ブラックナイトパレード(ヤングジャンプ不定期掲載)
面白いわ。そしてなんかキングスマンみたいになってきた。
お父さんも、あれ何らかの関係者でしょう…。

舞妓さんちのまかないさん(サンデー掲載)
豚の竜田揚げの入ったキヨちゃんのお弁当食べたい…。
あとフルマラソン走ったあとでお座敷に入れる百子さん姉さんすごい。

スタッフがおいしくいただきました(ゲッサン掲載)
体調が悪くなって病院に行ったら鬱だと診断されて、
自分では全然そんな気がしないというカメントツさんが、
とりあえず食生活の改善からしていくという
お料理レポート漫画。まずは卵焼きから。
でも自覚症状が何もないけど鬱病って、そんなことがあるのか。

エレメンタリー5
ほぼ肉に等しい人工培養肉のデータを改竄して、
疑似肉に分類されれば、イスラム教ユダヤ教より
適正食品と認められ、巨額の富を得られる…
という犯行理由は面白かった。
しかしこれもし発覚したら、
拷問の末に殺されるのではないかと思うんだけどどうだろう。

相棒16
わーわーわー!
次回予告に米沢さんが出たよ!!
これはもしかして復活ワンチャンある!?

奥様は、取り扱い注意
学生時代に薬を使って次々に女性に乱暴していた過去が夫にあると知り、
女性として同じ女性の苦しみを見過ごせない妻が、
夫の殺害に協力するというめっちゃ重いテーマ!!
今回格闘シーンはなし!綾瀬さんは犯人を見逃した!
あぶなかった…相棒なら100%逮捕されて、
下手したら右京さんに説教されてるところだぜ。

「男は法律を作るために生まれ、女は自然を保持するために生まれる」
という旦那さんの言葉は、
セギュール夫人の「男は法律をつくり、女は風俗をつくる」が元ネタのようです。
夫人の童話、恥ずかしながら1作も読んだことない。
この前はツルゲーネフ「初恋」を朗読してたし、
旦那様は邦ドラ界の槙島聖護だな。

監獄のお姫さま
財テクは毒父、姐御は夫に裏切られ傷を負った過去がチラっと出つつ、
姫が育ちのいいぼんやりした子で、無実で入所したこと、
検事さんがあほなこと、などが分かってきます。
小泉今日子さんが息子との面会のチャンスを棒に振ってまで
姫を助けてあげようとしたりとか、
あと悩んだ末、妊娠の事実を報告しようとして、
漢字が分からなくて「蛤振してます」という文章になったりとか(ふいた)
体感30分くらいのジェットコースタドラマです。

クドカンも金城さんも突然シスターフッドの物語を始められて、
私がもっと面白い人だったら同一人物説をおしてるところ。





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2017/11/12(日)

ドラマかんそう
「BORDER 贖罪」

頭部に弾丸を受けて以来、
死者の声が聞こえるようになった主人公が
被害者の導きで殺人者を追い詰めるサスペンスの番外編です。
最終回直後から話がスタートするので、
下記ドラマシリーズのねたばれになります。

誘拐殺人犯の安藤を衝動的に殺してしまった主人公は、
その直後から安藤の霊に付きまとわれていた。
そして参考人の安藤が主人公の目の前で死んだ件で、
警察による調査が始まる…というあらすじ。

お金目当てに次々と女を騙して殺して死体を隠す男が登場して、
放映日が数日後だったら、中止になっていたかも…
と思いました。
いつもみたいに主人公と被害者だけの会話じゃなくて
安藤がずっと隣にいるのでなんかうざかった(笑)。

ラストばれ
正義の側にいたあなたがこちら側にククク…
ずっと側にいて見届けますよ…みたいなノリだったのに、
主人公が、実は悩んでない。すっきりした!覚悟が決まった!
って告白したら、あっそうなんだ…ってつまらなそうな顔して
成仏しちゃうの笑いました。苦しんでる主人公萌えだったんだね?

というか続編あるのかな?



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2017/11/13(月)

映画かんそう
「シンクロナイズドモンスター」

カナダ・スペイン製作。
監督・脚本:ナチョ・ビガロンド
今年見た映画の中で、奇抜・オリジナリティ枠はダントツで
「スイス・アーミー・マン」で、
年内はこれに及ぶものは出ないだろうと思ってましたが出た!
なんだこれ!

無職になって1年のヒロインは彼氏の家に居候し、
アルコールに依存しながら暮らしていたが、
度重なる常軌を逸した行動に愛想をつかされ、追い出される。
仕方なく実家に戻り、自堕落な生活を続けるヒロインだが
ある日、衝撃的なニュースが世界を震撼させる。
ソウルに巨大生物が突如出現し、街を破壊したのだ。
怪物の出現は続く。しかし怪物の出現時間とその動きに、
自分との共通点を見出したヒロインは、まさかと思いつつも
ある恐ろしい仮説を立てる…というあらすじ。

巨大生物は出てきますが「パシフィック・リム」みたいなスペクタクルではなく、
駄目人間の内面と成長の話だと思うどっちかというと。
「スイス・アーミー・マン」はちょっと駄目な人々の好意の物語で
主要登場人物のことみんな好きだったけど、
「シンクロナイズドモンスター」はだいぶ駄目な人々の醜い感情の物語で
誰のことも好きになれなかった…。
立派な人間なぞ面白くない!
映画はやっぱり癇癪持ちとかアル中とか駄目な人間の話でないと!
という人はかなりハマると思います。

ラストばれ
最初はいい人として登場するヒロインの幼馴染が、
アル中、癇癪持ち、支配欲求が強い、暴力的、と役満で
クズというか治療が必要な人に見えました。
やらかしたあとはしおらしくなって反省するんだけど、
スイッチが入ると元通りなところとか気持ち悪かった。
私はなんでヒロインが彼を殺さないのか不思議で不思議で
ずっとキル!キル!って心の中でコールしてました。
自分は飽きて捨てられたって言ってた元カノの件も
本当は相手が必死で逃げて今も怯えながら暮らしてるんだよきっと…。

ヒロインも、ものすごく衝動的で
元カレと帰るから!って宣言したとき
何か勝算があるんだ…槍とかチェーンソーとかで殺す気なんだな…
って思ってたらまったくの無策だったので仰天した。
お前たちは人命を何だと…。

田舎のボンクラ仲良し組も、最初は楽しそうだったけど
段々そうじゃなくなってきて、
女性に暴力をふるった友達の尻拭いに来たイケメン君が
困ったように笑ってるのとか怖かった。友達ならビシっと言えよ!
あとラストシーン、報道見て笑ってるのも怖い。
友達は確実に死んでるよね?どういう人間関係だったの。

ラストで大きなカタルシスはありましたが、
行きつくまでの過程で得たストレスがそれを上回った。
でもともかく斬新な作品であることは間違いないし、
アン・ハサウェイの脚本の選択眼は確かだと思う。

布団のこと「フートン」って言うの、ニンジャスレイヤー言語だと思ってたけど、
この映画で普通に言ってたので驚いた。でもあれ布団かな…?




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2017/11/14(火)

映画かんそう
「言の葉の庭」

監督・脚本:新海誠

雨の東京。
強風で吹き流れる雨水、水に映る緑葉、ビニール傘越しの鈍い色彩、
圧倒的な美しさ。
舞台になった新宿御苑の場所の写真を見たけど、
現実の10倍くらいアニメーションの風景のほうが綺麗だったので、
これは映画館で見たかった。惜しい事をした。

靴職人に憧れる主人公は高校生。
母と兄と3人暮らし。
時々学校へ行かずに公園のベンチでスケッチをして過ごしているが
ある日そこでチョコレートのビールを飲む女性と出会う、というあらすじ。

内容ばれ

家事担当で料理得意な主人公の、
母との関係、兄との関係もなんかよかった。
教師と生徒ものじゃなかったら、DVDを買って流しっぱなしにしたかも惜しい。

あまり好きじゃない話のはずなのに
(教師×生徒、成人×未成年は苦手)
作画の美しさにガンガン殴られる感じでした。




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2017/11/15(水)

映画かんそう
「日本で一番悪い奴ら」

2002年に起きた、北海道警察現職警官による
覚せい剤及び拳銃売買事件、通称「稲葉事件」を題材にした
「恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白」が原作。
大きな事件だったと思うんですが、なぜか記憶にないです。
(ビッグジャンルにはまりたての頃だったからかな…)

北海道警察の刑事になった主人公は、
先輩に教えられるまま裏社会に入り込み、
銃検挙のノルマをこなすために密輸に手を染め、
やがてエスカレートして薬物にも手を出す…というあらすじ。

バリバリの体育会系である主人公は、
ともかく先輩の言う事が絶対で、
教えられた内容は何でも全部その通りにして、
転げ落ちるように違法行為に手を染めていく
という風にこの映画では描写してありました。
組織では、こういうタイプが7割くらいいるとやりやすいんでしょうけど、
でも個々に考える能力がないというのはやっぱり危険。

事件後に、主人公の元上司と、
そもそもこの件を告発した元捜査協力者のひとは
どちらも自殺されているんですよね。
なんとなくもやもやする事件です。




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2017/11/16(木)

映画かんそう
「ジグソウ:ソウ・レガシー」

監督マイケル&ピーター・スピエリッグ
2010年に完結した「SAW」シリーズの続編。
そんなこったろうと思ったよ。
推し監督のスピエリッグ兄弟が起用されたので
いそいそ見に行きました。

今回は伏線が丁寧なのでミステリ畑の人にすすめたいのですが、
シリーズ7本見てとは言えないし(途中駄作の乱れ打ち)、
まああと人体切断が多いので、ちょっと無理ですね。
今作は1の次くらいに好きです。
過去に悪を働いた人間に、告白と改心を求める殺人鬼ジグソウ。
彼の死から10年が過ぎた。
しかしジグソウの犯行と思われる死体が発見され…というあらすじ。

ジグソウが復活したのか、あるいは模倣犯か…という謎で
最後までぐいぐい引っ張られます。
悪い噂の絶えない刑事、戦争で心を病んだ監察医、
ジグソウマニアの監察医助手、と容疑者も多い。

オチバレ
叙述トリックです。ふふ、大好き叙述。
ワーキャー言うためにホラー見にきた学生さんたちが
「え…どういうこと…??」ってなってた。
このパターン、何回か見てるとああ、あれかって思うんだけど、
この映画が初めてだったらちょっと分かりにくいかも。

ぐろいシーンはあったけど、痛いシーンはSAWにしては控えめ。

うーん、私はジグソウはあくまでも完全に公平な殺人鬼でいてほしいので、
最後の復讐めいたやつはちょっと違うかなって思いました。
一応やつは犯行の告白をしているし。

ジグソウ、後継者がなかなかピシっと定まらない所は
ジブリみたいですね。初代が異質すぎて越えられない。





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2017/11/17(金)

映画かんそう
「雲のむこう、約束の場所」

監督・脚本:新海誠
南北に分断された日本が舞台で、
この世界での日本は北を共産国家群ユニオン、南はアメリカに統治されている。
主人公の少年2人は秘密裏に飛行機を作っており、
それでいつか北の地にそびえる塔まで飛ぶ計画だった。
いつしか2人は1人の少女に思いを寄せるようになり、
少女も2人の計画を応援していたが、ある日突然少女は姿を消し、
計画も頓挫する…というあらすじ。

「君の名は。」の主役2人が現代っ子っぽかったので、
何となくぼんやりと新海監督もお若い方だと思っていたが、
この映画の少年少女たちは
めっちゃ昭和のジュブナイルちゃんたちだったので、
「あっ違うわ!」と気付いた。
「君の名は。」は、客観的にキャラクターをブラッシュアップして、
話もちゃんと練って、自分の得意分野を押し出した、
当たるように作られたヒット作だったというのが分かった。
素晴らしい事です。

内容ばれ
北と南の戦争とか、
並行世界に浸食されつつある世界とか、
夢を見る事で並行世界を食い止める少女とか、
そのあたりの設定と描写は非常にふんわりとしている。
新海監督はたぶん恋愛描写には執着があるけど、
物語にはさほど興味や情熱がないひとなのではないかと思った。
あと遠く断絶された世界の少年と少女が
想いあうシチュエーションがお好きと見た。

ところで下記は特に読む必要のない下世話な話だけど、
「君の名は。」は250億越えの興収を叩きだしていて、
それはシン・ゴジラの軽く2倍越え、
相棒シリーズのシリーズ映画1本の軽く5倍越えなんだけども、
その放映権をテレ朝が獲得したらしく、
ジブリとはりぽたの放映権を持つ日テレも今後はうかうかしてられないというか、
新海監督作品が今後も当たるとしたら逆転も、ない話ではない。
そんな矢先の新海監督不倫報道で、わあ、これは各方面大変だなあと思った。
監督が否定なさったので、鎮火の方向ですけど。
作品と作者は分けて考えなくてはいけないにしても、
純粋な愛をテーマにしている人が不倫スキャンダルはまずいかもなあと思いました。




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2017/11/18(土)

色々感想

ブラックナイトパレード(ヤンジャン掲載)
ますます「キングスマン」っぽくなってきた。
お父さんが死んで、知らないおじさんに貰った魔法のカード、
困ったときにはこの裏側の番号に電話するんだよ…っていう。
でもお父さん生きてて、何やら雲行きが怪しいけど。

進撃(別マガ掲載)
コミック派のひとが今の部分を一気読みしたら
震えるだろうなあ。
実写化された映像よりも、紙に印刷されたこの漫画の方が
不思議と映画っぽい。
セットの規模とカメラの動きが想像できるほど映画っぽい!

相棒16
右京さんプルプル説教した。
右京さんのプルプル説教、犯罪の残虐性には関係なく、
右京さんが大事だと思ってる社会規範に抵触した場合に
出ると考えていいのかな?
米沢さんカメオ出演みたいだったけど、復活への希望がつなげた。
来週はラムネ回。

奥様は、取り扱い注意
愛する人が好きな音楽は何か、子供の頃に感激した映画は何か
どんな政治信条を持っているか、お気に入りの旅行先はどこか
ちゃんと知っているか。
また自分について相手に伝わっているかどうか。
いいセリフだった。

海水を真水に変えるプランクトンの話を始める人は、
私だったら一切交友を持ちたくないけど(笑)、
でもいいセリフがあると、キャラクターの実在感が増すので、
理解できない行動をとる人でも、その人なりの理屈があるんだろうと思える。

監獄のお姫さま
税金タカイタカーイ!楽しそう。
税種別によってアクションが違うのかな?

視聴率が、「奥様は、取り扱い注意」と比較して
5%ほど差が付いてきた!
うー、あっちは主婦が全員美女揃い、
男性が感情移入できる優位キャラクターもいるからなあ…。
こっちの男性キャラクターは全員クズかアホだからなあ…。
(ただし愛すべきクズアホ)

ツイン・ピークス The Return
クーパー捜査官完全復活!
知能が後退した状態の捜査官を見るのがつらいひとは
16話から見るといいと思います。

「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」
https://twitter.com/fnt_shinpei/status/929185867415146496
ネットで話題になってたので買ってみたけど
めっちゃ面白かったです。犯人大変。
そしてすごく懐かしい。



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2017/11/19(日)

映画かんそう
「ザ・サークル」

地方で望まない仕事をしていた主人公は
友人の紹介で巨大IT企業の面接を受け、見事合格する。
その企業では、すべてをオンライン上で共有する事により、
犯罪や不正がなくなるという理念でSeeChangeというカメラを開発し
世界中にばら撒いていた。
主人公は経営者の提案で、自分の生活のすべてを
カメラで公開しネットで共有する決意をするが、
それは家族や友人たちに思わぬ影響を及ぼし…というあらすじ。
ベストセラー小説の映画化。
エマ・ワトソン、トム・ハンクス、ジョン・ボイエガなど、豪華キャストです。

巨大IT企業サークル(グーグル社がモデルのようです)が気持ち悪くて
金曜夜に帰って月曜朝に出社すると責められて、
もっと社内のコミュニティに参加しろとか、社内で趣味が同じ者と繋がれとか、
社員のSNS上の発信を読めとか言われるんですよ地獄!
でも現実私の職場でもどんどん共有化が進んできて、
その共有ツールが「前回のログインからこんなに時間が空いている」とか
「共有情報が少ない」てきなメッセージを寄越してウボォ…という感じなので、
この映画のサークル社のような職場環境が世界的なスタンダードになるのも、
あり得ない話ではない気がします。

ラストばれ
オンライン上での社会性と、リアル世界での社会性は微妙に違う気がするんですが、
どっちにも共通する事は、自分をさらけだす事の肝要さだと私は思います。
私は致命的にそこが苦手なのでオンライン上でもリアル世界でもコミュ障気味です。
この映画のように「秘密は嘘」(=共有しないのは嘘をつくのと同じ)
という概念が定着したら田舎に隠遁して流木でシャンデリアを作るしかない。

ネット社会を悪と断じる類のよくある映画にはしたくなかったのか、
システムは素晴らしいのに経営陣がだめだという解決方法でした。
しかし友達が死んでるのにそれはちょっと…と、もやもやしたのと、
あと他社に引き抜かれたくないから雇用してるんだろうけど、
どうしてあんな危険人物ボイエガくんをフリーで社内をうろつかせておくんだ?とか、
地下サーバ室のシーンは特に意味がなかったけどカット忘れ?とか、
見終わったあと首をひねる所はありました。
でも優等生的にきっちり仕上がっているので、
出演者の豪華さに反して興行成績がよくないのは不思議です。

主人公の親友がいい人だったので脱社畜して仲直りできてよかった。
身長180センチなのに愛嬌のある甘い顔立ちで、
小柄でクール系の顔立ちのエマさんとの対比がいいです。
MCUでガモーラの妹ネビュラを演じてた人だ。

世界中のフォロワからのメッセージ、
英語をはじめとするアルファベット言語とあと中国語、
アラビア語はあったけど、たぶん日本語はなかった。
実際のネット人口の比率に応じてるのかな?
あと「ニコ」と「ムカ」(Smile・ Frown)があるということは
SNSトゥルーユーには
「いいね!」と「よくないね!」が実装されているということですね。
既存SNSで渇望されている「よくないね!」ボタン…。

はりぽた者的な着目点は、秘密の部屋の中のタイムターナー的オブジェ。



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2017/11/20(月)

映画「ザ・サークル」の中で社内レクリエーションとして
ドッグヨガ(DOGA)が行われていて、
へえ…なにそれ…って思ったんですけど

https://www.youtube.com/watch?v=XpLJbCGMXvA

なんか後半ヨガ関係ないし、これ中に人が入って…?
っていうかシリウス!?
調子が悪くて元に戻れなくなったアニメーガスなのでは!?






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2017/11/21(火)

映画かんそう
「映画 キラキラ☆プリキュアアラモード
パリッと!想い出のミルフィーユ!」

プリキュア映画です。現行プリキュアのお話に、
昨年の魔法組がゲスト出演します。
天才パティシエであるキラ星シエルは、
パリのパティシエコンテストへの出場を考えていたが、
謎のスランプに陥り、かつての修業時代の師匠
ジャン=ピエール・ジルベルスタインに姿勢の甘さを指摘される。
それと同時に、コンテストに参加するパティシエ達にも
異変が起こっていた、というあらすじ。

今回はお話がしっかりしていて、コメディシーンも多く、
女児ちゃん達も楽しめたのではないかと思います。
ミラクルライトを振るシーンも、エネルギー注入だけではなく、
バラエティに富んでいて楽しめた(大人なのでライトもらえないけど)。

内容ばれ
群れる事の弱さを非難するジャン=ピエールに、
自分には人と一緒に作り上げるのが向いてるときちんと反論し、
なおかつ1人で作るジャン=ピエールのやり方も否定しない、と
ちゃんと言葉にしたのは良かった。
いつもだったら被害者は大抵ひたすら弱くて可哀想な人なんですが
ジャン=ピエールは我が道を行っている人で、
見ていて安心感がありました。
頭突きと暗闇でのクッキングは伏線回収くると思ってて、ありましたが
頭の上の大きな薔薇は謎のままでした。あれ一体何だろう…。





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2017/11/22(水)

映画かんそう
「秒速5センチメートル」

監督・脚本:新海誠
東京の小学校で出会った少年と少女が思いを通わせ、
少女が栃木に転校しても気持ちは変わらないまま、
少年は彼女に会いに行き、そこで2人はキスをする。
栃木と鹿児島に別れて暮らす2人だが、
高校生になった少年に片想いをする別の少女が現れても、
少年はずっと彼女のことを想いつづけ
それは彼が社会人になっても変わらなかった。そして…というあらすじ。
3つの短編に分かれています。

監督は物語における恋愛のパワーを純粋に信じているので、
お話としては思い合っている、または片想いをしている描写と、
あと美しい風景の描写しかない。
私は「恋愛は楽しいけど、なくても楽しい。安らかだし」
ってタイプなので、この世界はちょっと恐い。
2話目に出てくる女の子とか、
24時間毎日好きな男の子のことしか考えてないし。
この描写、胸に迫って泣ける人もいらっしゃると思うけど
私には怖い。

内容ばれ
過去の恋愛を美化する能力においては、
到底女性は男性に及ばない気がします。
そして過去に出会った女性を盛りに盛って神聖視して
絶対的女神にする能力もまた然り。
文学界にはそういういきさつで誕生した数々の名作があります。
ダンテ「神曲」とか、ゲーテ「若きウェルテルの悩み」とか
ペトラルカ「カンツォニエーレ」とか。
そして相手は神格化されているので、当然思いは成就しない。

風景の中を走る電車と、車窓からの眺め、とても綺麗でした。
岩舟駅、「花とアリス」でも使われているのですね。





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2017/11/23(木)

フィリーチーズステーキを食べました。
むかし「リトルチャロ」の名物紹介コーナーで出てきて、
最近「エレメンタリー」という洋ドラで出てきた
フィラデルフィアの名物料理です。

見た感じ800カロリーくらいかな?って思ったんですが、
単体で500ほどだそうです。
でもまあポテトも合わせたら結局そのくらいにはなるかな。

焼いた牛肉とチーズをパンにはさむとか、
そんなのおいしくないわけがない!

くらっとくるような脂、塩分、そしてカロリーでした。
時々食べたいです。








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2017/11/24(金)

映画かんそう
「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」

ストップモーションアニメのライカ社の新作。
(コララインとボタンの魔女やパラノーマン ブライス・ホローの謎)
監督トラヴィス・ナイト
脚本クリス・バトラー&マーク・ヘイムズ

父を失い、海辺で母に育てられた少年クボは、
三味線を奏でる事で折り紙に命を吹き込むという不思議な力があった。
日没後は決して外に出てはいけないという母の強い言いつけを
ある日破ってしまった彼は、魔女のような姿をした女性に襲われる、というあらすじ。

とってもよかった。
ストップモーションアニメと王道冒険譚に拒否感のない方は、
上映館が少なめですが、日本が舞台の作品云々関係なく
なんとか頑張って見ていただきたい。
あと見るおつもりの場合は、あまり検索とかされないほうがいいと思います。

オチばれ注意

日本の昔話を意識して単純な構成、
両親から受け継ぐ系のお話にしてあるんですが、
でも現代風のミスディレクションも多用してあって、
鑑賞2回目だと意味合いが変わるシーンがあったり、
ガワがクラシックデザインだけど、ばりばりのハイテク車みたいな
そういう映画です。
私もめっちゃ騙されて、クワガタ…と不倫だと…!?って思ってた(笑)

お母さんすごい強いウィザードで、お父さんはすごい強いサムライ、
2人の血を引き継いだクボがすごい強いウィザードナイトで、
両親の組み合わせによって子供の潜在能力が変わるシミュレーションゲーム…
聖戦の系譜てきなやつをちょっと思い出しました(笑)。
あと母子とも、語り聞かせの才能スゴイ!

洗脳されて少年兵的な仕事に従事させられていた叔母ズが死んで、
諸悪の根源である爺が許されるのはちょっと納得いかぬところがありましたが、
まあいいです。

折り紙の動きが特に心地良かった。
がしゃどくろは、エンドロールでなぜかメイキングがちらっと映りましたが、
想像を越えてでっかかった!(4メートル87だそうです)
日本の文化風土造形については、フフフ…って箇所がなくはなかったけど、
その辺を追求する映画じゃないのは明白なので、私は気にならなかった。

関係ないけど今回初監督のトラヴィス・ナイトはライカ社のCEOで
ナイキ創設者の息子さんというおぼっちゃま!

あと原案・デザイン協力のシャノン・ティンドル氏の過去の仕事に
「Samurai Jack」という作品があって、
(日本でも放映していたらしいです)
これも父を失ったサムライの話でちょっと面白そうと思いました。




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2017/11/25(土)

色々感想

BORUTO(ジャンプ掲載)
カタスケって町山智浩さんがモデルなんですね。知らなかった!
それはそれとして、チャクラで刀身の出るライトセイバーとか、
アメリカの読者大喜びじゃないですか!

宝石の国(アフタヌーン掲載)
みんな離れ離れに…というか私が攻だと思っている子達が
行ってしまったんだけども、これは偶然……?

監獄のお姫さま
童謡「おかあさん」
「この歌、女性蔑視じゃないですか」笑った。
クドカンの女性視点と男性視点のバランスの良さよ!

あと姫のお母さんの、悪い人じゃないんだけど
物を考える習慣があまりなくて、
地位のある人に強く言われると機械的に従ってしまう
そういう生き方をしてきた人のキャラクター造形が絶妙…。

奥様は、取り扱い注意
広末さんが本田さんに「小学生か君は!」って
言ったりするときの雰囲気が好きなんですけど、
いよいよ終わりか〜。さみしい。

相棒16
松尾諭さん演じる連城弁護士登場!
あと右京さんぷるぷる説教!
ラムネの過去話追求!色々ありました。
来週は右京さん昔の男回で、
亀さんの前の相棒がいたらしい。

ツイン・ピークス The Return
謎の女がダイアンになった部分がよく分からなくて
解説サイトを読みに行きました。
そっかー!前回死んだダイアンは分身だったのか!
本体はナイドという女に姿を変えていた。
ナイドはダイアンのアナグラム。
そしてナイド役は裕木奈江さんだったとか、
全然気付かなかったわ…………。
(ナイドは鼻から上が、のっぺらぼう)

「Fire walk with me」懐かしい。
たぶん過去が書き換わって?
ローラ・パーマーは死なずに済んだ?
いやでもまた引っくり返るかも?

ジャウディ=ジュディという邪悪な存在をなんとかするんでしょうね。
うーん、ボブと同じくパンチでやっつけられたらいいんですけどね。







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2017/11/26(日)

映画かんそう
「GODZILLA 怪獣惑星」

突如出現したゴジラをはじめとする巨大生物に
大打撃を受けた地球。
ゴジラの駆逐に助力を申し出た宇宙人と共闘するも、
圧倒的に不足する戦力により惑星からの脱出を余儀なくされる。
20年後、移住予定だった惑星は条件に合致せず、
物資も底を尽きかけていた彼等は、亜空間航行により地球に戻り
2万年が経過していた地球に降り立つが…というあらすじ。

宮野さんや櫻井さんの声が聞きたい人、虚淵さんのファン、
変な髪形のマクギリス・ファリドが見たいひと向け。

よくない感想
どこに向けて作られた映画なのかよく分からないのですが、
アニメをたくさん見ているオタクに向けて作ったのか、
あるいは子供連れも学生もカップルも見るような娯楽作品にしたかったのか
どっちなんだろう。
前者ならまあ成功だけど、後者なら残念な出来だと思います。
なぜならば89分の上映時間のうち、カタルシスを得られるのが2〜3分、
世界には物資がなく、人物は疲弊していてどん詰まり、
主人公は常に落ちこむか怒るかしており、特攻前提の作戦が大好きで、
バカスカ人が死に、好意とか尊敬とかプラスの感情は描かれず、
そしてなんの断りもなく絶体絶命のところで次回作に続くからです。
そう…この映画は完結しません。東〜宝〜お前を許さない…。
30分の無料のアニメなら鬱オンリーも楽しめるけど、
有料の2時間スペクタクルは、鬱もアクションもカタルシスもジョークも
しびれる頭脳戦も入ってないと損した気分になるんですよ私は。

内容ばれ

宇宙人が2種出てくる意味が今回はまったくなかったので、
(2種とも地球の人類と同デザインである意味も…)
次回作でたぶんその設定が生きてくるのだと思う。
メカゴジラも。

東宝は何が何でも映画を前篇と後篇に分けて
ちょっとでも稼ごうとするのをできればやめてほしい。
(「シン・ゴジラ」と「君の名は。」が被害に遭わなかったのは奇跡)

エンドロール後に映像があります。




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2017/11/27(月)

映画かんそう
「ジャスティス・リーグ」

DCFU(DC Films Universeという名称を公式が発表)
5本目の作品です。
お金持ちのバットマンと、異星人のスーパーマン、
半分神様のワンダーウーマン、海棲人のアクアマン、
事故で超スピードを得たフラッシュ、半機械生命体のサイボーグ、
といった面子がチームを組んで侵略者と戦います。

細かいことが気にならない人は、この作品から見て大丈夫。
「えっこの言い争いはどういうこと…?」って感じに気になる人は、
「バットマンvsスーパーマン」「ワンダーウーマン」を先に見てください。

お金持ちだけど不器用なバットマンさん、
落ち着いた大人だけど過去のトラウマを引きずっているワンダーウーマンお姉さん、
ツンデレ髭筋肉王子様アクアマンさん、
1回死んで生き返って人生2周目調整中のサイボーグさん、
元気でオタクで食いしん坊でぼっちで友達募集中のフラッシュくん、
全てを照らす太陽のような人柄のスーパーマンさん。
特にフラッシュくんが、ドジっ子新人役を一手に引き受けてくれて、
彼のおかげで作品のトーンが2段くらい明るくなった。
(あ、でも私はドラマ版のフラッシュが好きなので、
ドラマとは別ユニバースの映画では、友達がいないことになったのは残念だった。
シスコ…。そして映画版のフラッシュのお父さんがDrマンハッタンのひと…
たぶん1人でステッペンウルフ倒せると思う)

内容ばれ

ぎこちなく仲良くなっていくのが大変くすぐったく甘酸っぱかったですね。
任意の話題についてお喋りしてくれたら
2万5千ドルやるって言いきってしまう社長…。そして笑われてしまう社長…。
真実の投げ縄で恥ずかしい本音を言わされてしまうアクアマンさん…。
真実の投げ縄はシリーズで毎回1人を血祭りに上げてほしい…。
(バットマンさんは真実の投げ縄がかかると自動で電流が流れて気絶するギミックを
自分のスーツに仕込んでると思う…)
ところであの縄はラスボス戦で結構いい仕事する武器なのに、
ワンダーウーマン姉さんの足場が崩れて大変惜しいので、
お金持ちの人は早急に地面に杭を打ち込んで姉さんのブーツをホールドする
パイルドライバー付専用固定台を作ってください。

フラッシュの「ペットセメタリー」に大受けしましたが、
たぶん彼の生まれる前の映画ですよね。
アメリカ人の一般教養なのか、彼のホラー映画履修率が高いのかどっちだ。
(原題は映画も小説もペット・セ「マ」タリーだけど、私の耳では聞き分けられず)
そしてパワーバランス的に
スーパーマン>>ワンダー姉さん>>アクアマン>他
という感じだろうか…。
ともかくスーパーマンが桁違いに強くて、この世の光で希望だった。

綺麗さっぱり忘れていて、ネットでのまとめを見て思い出したんですが、
「BvsS」でフラッシュが「鍵はロイスだ」って言ったシーン、
あれが今回の終盤に繋がってるんですね。
(フラッシュは時間と次元を越えられるので、
スーパーマンが暴走した世界から来たのではないかと推測されていた)
ともかく本当にペットセメタリーにならなくてよかったです。

あの宇宙船、電力が落ちてるので大丈夫なんですけど
いまにもエクセルのイルカ的役割のラッセル・クロウお父さんが
ボワーンって出てきそうでドキドキしました。

ザック・スナイダー監督の身の回りでご不幸があって、
撮影の終盤で「アベンジャーズ」を撮ったジョス・ウェドン監督にバトンタッチしました。
なので軽妙で一般向けでバランスよくキャッチーで明るく効率的展開になったけども、
天井画のような画面りょく、重厚さ、苦悩、癖とアクの強さはなくなった。
ザック・スナイダー監督色は50%くらいに減った。
でもどっちもプロなので違和感はなかった。

エンドロール中、後に映像が2回あります。





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2017/11/28(火)

映画かんそう
「ローガン・ラッキー」

将来有望だったフットボールの道を怪我で諦めざるを得なくなった兄、
戦争で片腕を失った弟、不運なローガン兄弟が、
華やかなモーターレースから現金を強奪する計画をたてるが…というあらすじ。
クライム・コメディです。
兄をチャニング・テイタム、弟をアダム・ドライバーが演じます。
金庫破りの名手役にダニエル・クレイグ。

引退宣言をしていたソダーバーグ監督が4年ぶりに帰ってきました。
お帰りなさい監督。
しかし計画的犯行を描いた作品が多いので本人も計画的な人
(引退後の計画もバッチリで、復帰などはしない)
かと思っていたがそうでもないのか。

さすがに犯行の手順、伏線、種明かしは手慣れたもので、
しかも監督の得意分野だけあって肩に力の入らない、
ゆるーい感じに展開します。

内容ばれ
「ゲーム・オブ・スローンズ」って、
刑務所内で暴動が起こっても不思議じゃないほど大人気なの!?
そしてドラマのプロモーションの影響で原作小説執筆が遅れて
刊行予定がずれてるの…ジョージ・R・R・マーティン…気の毒に…。
もうちょっと労わってあげて…。

登場人物全員なんとなく面白い人たちで、
特に兄弟のダメっぽい親密さはいいなあと思いました。
身内を大事にするあのローカル感。
あとダニエル・クレイグの、犯罪者なんだけど
質問されると丁寧に教えてしまう面倒見の良さとか、
セバスチャン・スタンの愉快な真面目さ。

全体として、うーん上手い…という感じの作品です。






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2017/11/29(水)

映画かんそう
「人生はシネマティック!」

英国製作。
1940年、イギリス政府は戦意高揚のためのプロパガンダ映画製作を決定する。
女性の視点も必要とのことで脚本家チームに加えられた主人公は
ダンケルク救出作戦で父の船を操縦し兵を救ったという双子の女性を取材する。
映画の題材は彼女たちに決定し、チームは執筆を開始するが…というあらすじ。

黒板に線を引き、冒頭と結末と途中で起きるイベントを小さなメモに書いて貼って
間を埋めていく作業、ああいうのわくわくします。
フィルム1分間につき脚本およそ1ページ。

役者からの頓珍漢な修正依頼や、
演技のできない軍人を出せというクライアントの無茶な依頼などを
主人公たちは機転と工夫で乗り越えていきます。

ラストばれ

女性監督なので、仕事をする女性の苦難描写がシビアです。
自分の遠方での仕事のために妻は当然仕事を辞めて付いて来るだろうと
全然疑わずに信じている夫、
「ワンワン」というセリフを書くために犬を雇う者はいないというセリフ、
女性脚本家とはまともに話をしない役者、
年寄りと女性に活躍の場が回ってくるのは、若い男がいないからという厳しい現実。

脚本のアイディアでどうしようもなかった部分が格段によくなって、
感動の名シーンになっていく過程は面白かった。
全体的によく練られたお話でした。
1つだけ不満なのは、できればトムと主人公は能力をリスペクトし合う、
最高の仲間のままでいてほしかった、という点。
あらすじが甘くなりすぎるのと、異性運が悪すぎるのと。

この映画には関係ないのですが、
むかし見ていた番組の中盤でヒロインの女優さんが降板し、
テーマが時間ものだったのをうまく生かして、より面白い話になって
「すげえな!」と感心したのを思い出した。
逆に他のドラマで、中盤で主人公役の俳優さんが歩行困難になる怪我をされ、
そちらは脚本ではカバーできずにグダグダになったこともありました。懐かしいです。




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2017/11/30(木)

映画かんそう
「星を追う子ども」

母と2人暮らしの少女が不思議な少年と出会い、
謎の教師と一緒に地下世界へ旅立ち、冒険をするというあらすじ。
端的に言うとラピュタ。
ツカミは「親方!地底から美少年が!」で、
比較的良心的なムスカが、
親から受け継いだ石を持っている女の子と旅をして
自分の目的を果たそうとする話。

ファンタジー方向にハンドルを切ってみたものの、
ちょっと持て余し気味に感じられました。
少年と少女の会話はキラキラしているのに
物語の進行パートになると熱量が減るというか、
既存のイメージで間に合わせちゃいます感があるというか。

内容ばれ

地下に存在する死者の国の例として挙がっていた黄泉の国、冥府、
ハデス、アガルタ、シャンバラ。
(シャンバラはアガルタの首都または入口らしいけど)
アガルタとシャンバラは元々はオカルト文化由来なのか。

夜勤明けのお母さんが家に帰る前に煙草を一服していたり、
小学生の主人公が風呂掃除をしていたり、
ああいう女性に関するフェティッシュな描写はピカイチですね。

監督の主だった作品を一通り見て、
「君の名は。」の次回作を何系にするかがすごく難しいなあと
勝手に心配になりました。
監督が本当に好きな淡々とした報われない恋愛ものは一般受けしない。
かといって、ジブリっぽい冒険譚は不向き。
児童文学かSFから、ほんわかして泣ける原作をもってくるのどうだろう。




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