10月日記

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2014/10/01(水)

俳優の福本清三さんと殺陣師の清家三彦さん、
お2人による講演会に行ってきました。

口伝で引き継がれてきた殺陣の技をそのまま守り続けている自分達は
ワイヤーやCGをほとんど使用しないというお話をされて、
昨日書いた谷垣さんのお話を思い出したりしました。
どちら話も成程、と思うし、それぞれの良さがあるので
どれが正しいとか悪いとかではない気がしました。
「るろうに剣心」「イン・ザ・ヒーロー」「太秦ライムライト」は
セットで3本見るとそれぞれのアクションが比較できるのでおすすめです。

樫の木を手作業で削って銀箔を貼った竹光は、
金属の模造刀よりも高価で(2万5千円〜3万円ほど)、
強くぶつけるとすぐに銀箔が剥がれてしまうそうで、
なので、やはり刀同士は当てないように訓練するそうです。
あと、チャンバラは周囲に人がたくさんいる状態が多いので、
後ろにいる仕事仲間の顔に当たらないよう、
振りかぶりなどの動作は制限されるとのこと。
安全面のほかにもカメラ写りや、セットへの配慮など、
殺陣には様々なお約束や工夫が盛り込まれているのですね。

痩せていると腰骨のところに刀の鞘がめり込んで青痣ができるらしいので
ちょっとお肉がある方がいいらしいです。
本当は体の中心線に束頭がくるくらいが定位置だそうですが
体質で太れない福本先生は鞘が腰骨に当たらないよう90度角度を変えて
お腹に添わせて剣を佩いているとのこと。



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2014/10/02(木)

映画かんそう
「アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜」

代々男性にだけタイムトラベル能力が受け継がれる一族の青年が、
その能力を使って恋愛や周囲の人々の為に奔走し、
やがては人生について、家族について考えるようになるという内容です。
主人公も、その彼女も、妹も、お父さんもお母さんも伯父さんも下宿先のおじさんも、
みんなキュートでちょっと(かなり)変わっていて、ユーモアのセンスがあるので、
好きにならずにはいられません。
理不尽な不幸の起こらない、人間の嫌な面が描かれない「バタフライ・エフェクト」という感じです。
そのかわり時間遡行の法則は、ちょっとゆるめ。
主人公はビル・ウィズリーを演じた人ですよ。このひと不思議にウィズリー顔だわ。

「ラブ・アクチュアリー」の監督脚本リチャード・カーティスさんの作品なので
あれが好きな人はこれもお気に召すかと思います。
昨年「アバウト・タイムで引退するー」って発言なさったそうなので、
もしかするとこれが最後の作品かもしれません。

ラストばれ

主人公の家族が最高です。たとえどんな天候でも
毎日海辺でピクニックを楽しみ、週に一度は庭で映画の上映会をする。
伯父はいつもフォーマルスーツだし、妹はいつも裸足。父は卓球が大好き。
お父さんのビル・ナイが特にいいです。
この能力で金儲けをしようとすると不幸になると主人公にアドバイスをして、
自分自身は能力を読書のために使ったという、無欲で妻を心から愛するお父さん。
お母さんも面白い。やっぱり夫を愛していて、
息子の連れてきた彼女に「美人すぎる子はだめ。ユーモアのセンスを磨かないし心はねじれていくし」
「それであなたの欠点は何?男を操作する手管は?」とか言い放っちゃうお母さん。

主人公の下宿先の脚本家ハリーもかなりいい味のひとです。
最初は「お前なんかしらん!出て行け!」という最悪な出会いだったんですが
いつしか主人公とも仲良くなって(たぶん)
主人公はハリーの為に自分の恋愛のチャンスを1度潰してしまうし、
ハリーも文句を垂れながら主人公の子供の誕生会に参加したりする。
というか主人公の一家のイベントごとに100%参加です。

メインの主人公の恋愛は文句なくかわいい。
能力を使って彼女の好むように幾らでもやり直せるので
そこのところはちょっと洗脳っぽいと思わなくもないですが
再会した初恋の金髪美女に泊まって行けと言われて、
はねのけて彼女の元に帰れたというのは並大抵のことではないので許す。
あと交際期間の長い彼女のストリップにあれだけ興奮できるとは天晴れなやつだ(笑)。

時間移動については「戻るだけじゃなくて帰ってこられるのかよ?」
「1人限定じゃなくて他人も連れて行けるのかよ?」
とか、
赤ちゃんが生まれる前に戻ると、赤ちゃんが違う子になっちゃうというお約束も、
ラスト主人公が少年時代に戻っちゃってたのは、
あれはお父さんの力を使ったからセーフということ?
等々、ちょっとゆるいめだなあという気はしましたが、
メインは男女愛と家族愛だろうので、まあいいです。
あと最初に娘ちゃんが息子ちゃんになったときにやったように、お父さんに会ってから、
更に戻ってタイムスリップをとりやめたことにすればいつでも会えるのでは…と。


時間もの洋画の個人的リスト
「バタフライ・エフェクト」
「イルマーレ」
「ジャケット」
ドニー・ダーコ」ねたばれかもしれないので伏せる。
「シャッフル」
「きみがぼくを見つけた日」
「オール・ユー・ニード・イズ・キル」
「アバウト・タイム 〜愛おしい時間について〜」←new




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2014/10/03(金)

地方のオクトーバーフェストというかビールフェスティバルというか
なんかそんな感じのものに行ってきました。
ビール系祭典定番の「乾杯の歌」等を生演奏しているのですが、
バンドは日本のひとだし、
フードのブースは縁日で出ているようなテントで、
日本の文化に根付いて変容しつつある感じで面白かったです。
でも、ちゃんとしたオクトーバーフェストだと大盛況すぎて
日陰の席は大抵全部埋まっていて、いつも直射日光で火あぶりですが、
お昼からのんびり行って涼しい席に座れて、
しかもビールの値段が半額くらいなので、
だらだらオタク話をしながらたくさん飲めて良かったです。
お酒メインの縁日みたいで、あれはあれでいいと思う。




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2014/10/04(土)

色々感想

鎧武(最終回)
うん…無難に綺麗にまとまりましたね。
途中から思ってたのですが、もしや虚淵さんの脚本は
実写には向かないのかもしれません。
アニメだったら過剰な表情の変化で
キャラクターが何を考えているかある程度分かるもしくは
見ている人間が補完しやすいのですが、
アニメより顔の変化の乏しいリアル人間しかも演技デビューしたばかりの新人さんが演じると
何を考えておるのかさっぱり分からない、心を病んだ人に見えるという。

ブドウくんに関してはインターネット殺人事件さん(たしかリンクページから行ける筈)
の書かれた鎧武感想に全文同意です。

軍師官兵衛
わしの次に天下人になる器量を持つのは官兵衛だ、
と秀吉が言ったというのは史実らしいですが
こういう場合、本当のことを言うケースと
一番言っても問題のない名前を挙げるケースがあるので
これはどっちだったのかなあ等と考えます。
でもめっちゃ緊迫した演出とか、
家督を息子に譲った件と関連付けたりとか上手かったですね。

官兵衛をいびっておいて、いざ引退すると言われたら
駄目だ駄目だと駄々をこねる秀吉、
諌めた石田三成に
「これ以上わしと官兵衛のことに口を出すな!」と激怒、
言われた光秀も額に青筋立ててワナワナ。
この演出の意図ってなんなの…。

アオイホノオ(最終回)
ジャンプに掲載されたところで時間が飛んで、
未来のホノオくんターンになるという終わり方でした。

バイク屋のおやじ、舞台系の役者さんだと思ったら島本先生だった!わー!
カメオ出演のダイエットで有名な人、なんかリバウンドなさって…?

この番組で庵野監督役の安田顕さんのファンになりましたが
このかた役柄によって全然顔が変わるんだよなあ…。

ファミ通
ホラーゲームの歴史の特集で、
「ファミコン探偵倶楽部」「弟切草」「クロックタワー」「スプラッターハウス」
があるのに「スウィートホーム」がスルーされてた…。あり得ない。
ホラーゲーム黎明期の傑作やぞ…。
元になった映画が裁判沙汰になったから、映画がなかった扱いなのは仕方ないとして、
ゲームの記事くらいはいいじゃないの別に。

次クールはドラマ6本アニメ5本ニチアサ3本でスタートしますが
これ多すぎるのであと3本ほど切りたい。
タイバニの方は、さとう監督の「神撃のバハムート」と
西田さん脚本の「信長協奏曲」があるので豊作の秋ですね。
私は西田さんはオリジナル脚本をやってほしい派ですけど…。

それともう約1年読んでいるので言ってしまってもいいと思うけど読売新聞朝刊連載小説の「消滅〜VANISHING POINT」が面白くない…。
仮定の話が長すぎるのや…。




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2014/10/05(日)

コンサートで、クライスラーの曲の演奏前に
ちょっとしたクライスラーの経歴紹介をなさったのですが、
7歳で特例としてウィーン高等音楽院に入学して10歳で卒業、
パリ国立高等音楽院に入学して12歳で首席で卒業という、
超のいっぱい付く天才です。

そのあと軍人になって出征するけれど大怪我を負って帰国、奇跡の復活、
交通事故に遭って重傷を負うけれどリハビリの末、奇跡の復活。
どんだけ起伏の激しい人生なのか!

面白かったのは、クライスラーさんは
パクリの逆の「偽作」をされていたというエピソードで、
パクリの逆とは…?と思ったんですが、
自分の作曲した曲を、過去の作曲家(コンサート先の出身者など)の
作品であると偽って演奏なさってたんですね。
長年ばれずに演奏していたそうですが、
楽譜も資料も見つからないことから、
とうとう発覚してしまったそうです。
「どうしてこんなことをしたんですか?」という質問に、
「だってパンフレットに私の名前が並んでいるより、
色々な作曲家の名前があった方がお客さんが楽しいでしょう?」
とお答えになったそう。

しかし「前奏とアレグロ」、これはプニャーニ作曲であると偽ってらしたそうですが、
私が何かの間違いでこんな神曲を作曲できたとしたら
「わたし!わたし!わたしが作りました!天才のわたくし、ここに在り!」
って全世界へ叫ばずにはいられないと思うんですが、
才能が有り余って、色々越えちゃっている人にはきっとどうでもいい事なのでしょう。

才能がなくてそれを自覚している人がやらかすのがパクリで、
才能が有りすぎて無我の境地に行った人がやるのが偽作(ただし利益には影響ないタイプの)か…。
覚えた。



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2014/10/06(月)

映画かんそう
「記憶探偵と鍵のかかった少女」ホルヘ・ドラド監督 アメリカ・スペイン合作

人の記憶を覗く能力で事件の全貌を調査する探偵がいて、
証拠能力としては弱いけれど社会的に認知されているという設定。
主人公は妻を亡くして休養していた探偵。
復帰して最初の仕事は
学校で3人を殺害しようとし、
自宅で軟禁されている富豪の娘の記憶を視ることだった。
果たして少女は被害者なのか?それとも邪悪なサイコパスか?
というあらすじ。

スペインの監督さんで、たぶん本作がハリウッドデビュー。
油絵のような重い色調が美しかったです。

オチばれー

「イノセントガーデン」7割と「インセプション」3割な感じ。
サイコパス無双。
まあでもあんなピュアそうな人生に疲れた美禿中年探偵がやってきたら
私でも「こいつはちょろいな」って思います。

私の見ている範囲では、評価イマイチ100%だったので
ハードルを最低値にして見に行ったのですが
それが幸いしたのか結構楽しめました。
おまけのプチデザート的などんでん返しもあったし、
後味も何故かそんなにわるくなかったですし。うん。

つい最近ソシオパスの人のAsk Me Anythingを読んだばかりなのですが、
専門医にかかっている。そうでなければ何人か殺していただろう。
友人はいる。しかし彼等を含めて周囲の人間に対しては何の感情もない。
時々彼等をコントロールして争わせたり競わせたりするって書いてたなあ…
などと思い出しました。

普通の人間がソシオパスにコントロールされるのを防ぐのは確か非常に難しくて、
1人の人間だけと長期間頻繁に会う状況を作らないようにするという対策しかないと
何かで読みましたが(色々な人間に会うようにする。頻繁に会わない。期間をあける)
この映画のマーク・ストロングさんはあまりに無防備だし、
病み上がりをあんなやばいのにぶち当てるとか、どう考えても社長が悪いよね。
あと利害のない多数決はやっぱり正しい。




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2014/10/07(火)

映画かんそう
「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々/魔の海」

原作でも少しだるい所のある話なので、
別の巻と合体してまとめてしまってもいいかな…?
と思ってたのですが、そのまま映画化。
出来具合はちょっと…やばめ…。
続編もあやしい気がする。
シリーズとしてはとっても面白いんですけどね!

ハリポタや指輪の成功の陰で消えて行く、
幾つものファンタジーシリーズのうちの1つになったら悲しい…。
(エラゴンとかダレン・シャンとかライラの冒険とか)

パーシーの弟君は
それこそハグリッドの弟みたいにマジ巨人、
マジサイクロプスを想像してましたが、意外やカワイイ系だった。

あと悲劇の悪役ルークが、色々迂闊すぎてコントみたいになっちゃってて
ちょっとプププ…ってなりました。がんばれ。

そしていつの間にか原作の次のシリーズ
「オリンポスの神々と7人の英雄」が3巻まで翻訳されていたので、
アメリカの小説家さんは働き者だなあと思った。
(原書は今月最終巻が発売)翻訳5巻揃ったら一気読みするかな…。






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2014/10/08(水)

読書かんそう
「希望の格闘技」中井祐樹さん

現日本修斗協会会長、元日本ブラジリアン柔術連盟会長である作者が
これまでの簡単な来歴と、格闘技で学んだ人生の教訓てきなものを綴られます。
読売新聞の書評欄で取り上げられていて興味を持ちました。

高校でレスリング、大学で七帝柔道、そのあと修斗ウェルター級王者となって、
次はブラジリアン柔術を学ばれます。
日本では1つのことに専念し、長く耐える行為に価値があると考えられているが
そうではなく、様々なスタイルを学び、自分に合った形を見つけるのが肝要であるという、
たぶん格闘家としては随分と柔らかい哲学を持っておられます。
練習も、全員で一つのプログラムをこなすのは時代遅れなので、
少人数ごとに教え、それぞれのメニューも違い、
または見学するだけのスペースも設けるようにしているとのこと。

若い頃の試合で片目を潰されて失明し、選手生命を断たれるも
特に相手を恨む気持ちはなく、新しい流派を学ぼうとされるなど
メンタルの強い方なのだなという印象です。

面白かったのは総合マーシャルアーツ界において、
グレイシー柔術が無敵の勝利スタイルを確立して
無双状態が続いていたが、
やがては研究されて、有効な返し技が編み出されるところ。
ちょっとチェスや将棋に似ているなと思いました。

体育会系の方なので、ときどき主旨が分からなかったり、
重複している部分があったり、
インドア系ナードには納得できなかったりする結論の文章もありますが、
普段全然なじみのないジャンルなので勉強になりました。





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2014/10/09(木)

映画かんそう
「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」 イギリス

スカーレット・ヨハンソンが美しくセクシーな宇宙人を演じます。
スコットランドで大型バンを乗り回す美女。
彼女は街の男を物色し、家族のいない独り身の男性を選んで車に乗せ、
自分の家へと誘い込んでいた。
下着姿の妖艶な女に興奮する男たちは夢中で服を脱ぎ
そして床に吸収されてしまいます。一体彼女の目的は何かというお話。

うー…ん?
スカヨハのフルヌードや萌え袖が見られるので
15歳以上の(R15+)学生男子とかにはいいかもしれないけど
深夜にテレビでやっている10年前のエロティックSFホラー映画っぽいので、
映画館で見たりレンタルしたりする必要は特に感じません。
むしろスカヨハは何でこんな映画出たし。

オチばれ(ほめてない)

下着スカヨハ→男が死ぬ、というパターンを数度繰り返し、
(男たちはバラされて、彼女の所属する大企業が食品として本星に送っている@原作)
病気か怪我で顔の歪んだ男を引っ掛けたあたりからスカヨハの様子がおかしくなります。
転んで立ち上がれなくなったり、
言葉も、最初はちゃんと喋っていたのに喋れなくなり、知能も怪しい感じに。
そうするうちに、バスで声をかけてきたおじさんに拾われて、
彼のおうちに行くと、食べ物を出してくれたり、
寝室を貸してくれて、でも手は出してこなかったり、
お散歩の時に水溜りで足が濡れないようにお姫様だっこしてくれたりします。
それでよく分からないんですが、スカヨハがOKっぽい雰囲気になって
ベッドで交わろうとするのですが、スカヨハは宇宙人なので性器がない。
ショックを受けたスカヨハは森に逃げます。
公共の小屋の中で眠っていたスカヨハ、ちかんにあって怯えて逃げます。
そうしたら今度は男に襲われて(さっきのちかんと同じ人?)森の中で押し倒されます。
押し倒されたり服を破かれたりした衝撃でスカヨハの皮が破れて中から宇宙人の姿が出てきます。
びっくりした暴行魔は一旦逃げますが戻ってきてスカヨハに油をかけて燃やします。
おしまい。

……えっ!?
宇宙人がなぜ森でちかんにあわないといけないのか、
どうして逃げるのか、なぜ武器を携帯しないのか、
どうして腕力設定が地球人の女と同じになっているのか、
色々分からないですが、
下着姿が何度か出てからフルヌードとか、
イケメンは出てこない所とか、無意味な性犯罪シーンとか、
エロゲだと考えると納得がいきます。というかこれエロゲだったら
(そしてヒロインが15歳くらいだったら、日本では)神作品扱いだったろうな。
長回しをちょっと多用してみたり、風景を写したりして
オシャンティ映画っぽくしてもエロゲはエロゲだよ?
あるいはあれか、めたふぁーってやつか。

原作ではスカヨハ演じる宇宙人の女性にはしっかりとした自我があり、
徐々に心境に変化があって、自分が受け持っている仕事の全工程を知ってショックを受けたり
死んだ被害者の犬を車から逃がしてやったり、そういうかなりセンチメンタルな宇宙人のようです。
そして作品全体が大企業の末端の小さな一部分である人間や、農業の工場化を風刺しているらしい。
かなり違う。





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2014/10/10(金)

文楽かんそう
「三谷文楽 其礼成心中(それなりしんじゅう)」

三谷さんが文楽の脚本を書かれた舞台です。
近松の書いた「曽根崎心中」の大ヒットのせいで
心中ブームが巻き起こった曽根崎、天神の森。
そこで饅頭屋を営む初老の夫婦は、
連続する心中事件のせいで饅頭が売れなくなり、
困り果てた末に、森をパトロールして
心中しようとする男女を見つけては説教をして帰していた。
しかしいつしかその説教がブームとなり、饅頭屋は大繁盛するが…というあらすじ。

外来語も若者言葉も飛び出す、型破りな文楽でした。
そしてなるべく現代人でも分かるように喋ってほしいと注文を付けられたそうで、
分かり易かったです。
饅頭屋の主人がちょっと目を離すと店内でも心中しようとする男女の様子など、
コメディシーンは馴染みのあるNHK三谷さん人形劇の世界そのもので、
不思議な感じがしました。

内容ばれ

古典文楽には絶対なかったであろう、
水底のシーンがすごかったです。水中撮影みたいだった。
きっと色々試行錯誤があったんだろうな。

三谷さんは、実際に人形に水を掛けたりしたら面白いだろうと提案なさったそうなのですが、
文楽というのは現実を出来るだけ排除するというエンタメなので、
あくまで偽物ででもリアルに見えるよう工夫なさったとのこと。

熟年夫婦の愛情もののお芝居なのでかわいかった。
特にラスト。





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2014/10/11(土)

色々感想

七つの大罪(アニメ)
とりあえず1話だけ見てみました。
ケルト音楽っぽい曲が1つ流れましたが、
すごく世界観に合ってるなと思いました。
そしてアニメになるとふしぎに香る鳥山テイスト…。
あっ、そうそう、全編ややセクハラねたが多めなので、
1話を見て不愉快だと思った方はたぶん合わないと思います。
さてどのへんまでやるのかな。

ワールドトリガー(アニメ)
とりあえず1話だけ見てみました。
これ…予算…。
登場人物の知能水準が高く、情緒が安定していて、
戦闘でも会話でも駆け引きの楽しめる作品なので
気になった方は原作を一気読みしてみるのもありだと思います!よ!

神撃のバハムート(アニメ)
とりあえず1話だけ見てみました。
すごくよくわかる予算の潤沢さ…。
元がカードゲームだからなのかな?

オレん家のフロ事情(アニメ)
とりあえず1話だけ見てみました。
男の人魚を拾ったので、家のお風呂にとりあえず住まわせる男の子の話のようです。
5分アニメ。

PSYCHO-PASS 2(アニメ)
あれー虚淵さんが降りた?
シリーズ構成が冲方丁さん、脚本は熊谷純さん。
お仕事を見たら「Persona4」「人類は衰退しました」
「革命機ヴァルヴレイヴ」「残響のテロル」がありました。

あかねさんが随分立派な上司になっておられて、
喜ばしい感じでした。とりあえず継続視聴します。

fate/stay night(アニメ)
すごくよく動くし、エフェクトも派手でいいですね。
っていうか脳内のセーブデータをものすごく頑張って呼び出した。
そうか、私はzeroの小説を一気読みして、
stay nightはほとんど見てないのでした。継続視聴します。

仮面ライダー ドライブ
過去の事件で同僚を守れなくて心に傷を負った主人公とか、初回からガンガン来た。
ベルトさんがすごく美声なのですが、クリス・ペプラーというかたらしい。

人形シャーロックホームズの放送予定(公式より)

第01回 10月12日最初の冒険 前編
第02回 10月19日最初の冒険 後編
第03回 10月26日困った校長先生の冒険
第04回 11月02日消えたボーイフレンドの冒険
第05回 11月09日赤毛クラブの冒険
第06回 11月16日生真面目な証人の冒険
第07回 11月23日イヌ語通訳の冒険
第08回 11月30日愉快な四人組の冒険 前編
第09回 12月07日愉快な四人組の冒険 後編
第10回 12月14日失礼な似顔絵の冒険
第11回 12月21日まだらの紐の冒険
第12回 01月04日バスカーヴィル君と犬の冒険 前編
第13回 01月11日バスカーヴィル君と犬の冒険 後編
第14回 01月18日百匹のおたまじゃくしの冒険
第15回 01月25日青いシロクマの冒険
第16回 02月01日ダグラスさんのお屋敷の冒険
第17回 02月08日本当に困った校長先生の冒険
第18回 02月15日最後の冒険


明日に続く





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2014/10/12(日)

(続き)

ナルト(ジャンプ45号)
あと5週で終了するという公式発表がありました。
最終回は11月10日とのこと。
いま本誌ではナルトとサスケが戦い始めました。

ところで今週のサスケくんの言っている事、
全然わからなかったんですが、
つまりは色々な勢力があると殺し合い、悲劇が起きるから
俺が独裁して恨みを一身に受けるということ?
サスケくん、突出した人物が1人いても意味ないのよ…。
システムを作らなきゃ…。
お兄さんは弟可愛さのあまり、ちょっと頭をピュアに育てすぎた…。

ワールドトリガー(ジャンプ45号)
わー!下書きが載っちゃったー!
おねがい先生を休ませてあげてー!1箇月ほど休みをあげてー!

進撃の巨人(別マガ)
私はこういう展開は大好きだけど、苦手な人は大丈夫だろうか。
Dの食卓とか思い出した…。
それより諌山先生が締め切り3日前で残り27ページとか書いてらして
それでも間に合うのか……ってびっくりした。1日9ページか……。

ファミ通
スクウェアエニックスが、100%子会社「シンラ・テクノロジー」を設立したらしい。
エイプリルフールのねたみたいな話ですね。
クラウドゲーム事業の会社らしいので、大企業ジョークなのかな…。
漢字はもちろん「神羅」
(ゲームまったく知らない方に説明すると
FF7に出てくる諸悪の根源の企業が神羅カンパニー)

山賊の娘ローニャ(アニメ)
リンドグレーン原作、宮崎ごろうさん監督のアニメ。
山賊のおかしらに可愛い娘ちゃんが生まれ、
山賊達のアイドルになるという1話でした。
家族愛のはなしだそうなので、ローニャはたぶんずっと山賊団の中にいるんだろう。
1話と予告を見た限りではなかなかよかった。鳥おんなのデザインとか好きです。

エレメンタリー2
レストレード警部とマイクロフト登場。
マイクロフトは国家の安全保障関係の仕事には携わってないっぽい(今のところ)。
ほかのホームズ作品(BBCとか映画とか)に比べると人間らしい兄弟関係。

レストレードは英国時代のホームズの相棒で、
また自分に手柄をくれとホームズに要求します。
ホームズはレストレードを身代りにして、名声の中毒から身を守ったという表現をしていて
それは面白い考え方だなと思いました。

1話はロンドン編だったのですが、アメリカに戻ってしまったので
(マイクロフト曰く「気をつけて植民地へ帰れ」)
マイクロフトとレストレードはレギュラーにはならない感じ。
でもまた出てきそうです。

ワンス・アポン・ア・タイム2
死神クィ・シェンが、デザインといい、魂を吸収するとき顔がモヤモヤするところといい
ディメンターにそっくり!

ジャンプ46号後記コメント
麻生先生、7キロ太ってまだあと標準体重まで11キロってどんだけ痩せてらっしゃるのか。




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2014/10/13(月)

読書かんそう
「無貌伝〜奪われた顔〜」

今月、来月と連続で刊行してそれでラストだそうです。
2009年から続いてきたシリーズもとうとう終り。
ここにきてシリーズ通しての大どんでん返しがきたので感想が書けないという…。

内容ばれ

作家さんがこんな風に時間を巻いて、良いエピソードを惜しみなくバンバン投下する時は、
絶対さいごに破局か喪失が来るんですよね。知ってます。
3人の時間がかわいかったので、過去パートが終わるのが残念でした。

助手に嫉妬する遥さんに
「あなたの先生をとったりはしませんから」
って言う助手くん、お茶目だな。

別に男勝りという設定でも残酷という設定でもないけど、
躊躇なく巾裂に「殺せ」って命令する遥さん好き。しかも4回も。
シリーズ全巻初版で持ってるはずなので、伏線があるか確認の再読したいな…。

このシリーズ、独創的だし決して地味じゃないし、中2要素もあるし、
マスコット的ゆるキャラもいるし、腐萌えもできるし、男女カプもいいし、
格好いい熟女もいるしでアニメ化したら売れると思うんだけどな。
ブームにならないかな。




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2014/10/14(火)

映画「キャプテン・アメリカ」のサイトを新しく作りました。
リンクページから行けます。パスワードを入力して入る方式なので
9月3日あたりの日記を読んで映画を見て下さった方、
よろしければご覧ください。
(見たのに入れない…という方がもしいらしたらメルフォからご質問下さい)
緑蜂やえくすめんと同じく、作品倉庫みたいな感じになります。
いまのところ文章9本と、漫画3つ、雑感1つ。
何か変なところがあったら教えていただけると喜びます。

私は何を書いてもしりるになるというか
エリチャエリもかなりシリルシリでしたが、
キャプテンアメリカも相当なシリルです…ハハハ。
でも、片方の人がシリウスでもありルーピン先生でもある感じで、
そのひとを天使が癒す、みたいなそういう話だな(分からん)。
ねたばれカプなので、カプの名前書けないし、
日記で萌え話とかできないのがちょっと残念です。




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2014/10/15(水)

「迷探偵シャーロック・ホームズ 最後の冒険」1988年

本当に名推理をしていたのは実はワトソン博士のほうで、
ホームズはただの雇われた役者でしたというコメディです。
ハンサムだけどあほの子ホームズはマイケル・ケイン。
ホームズが全然言う事を聞かなくて振り回され気味のワトソンにベン・キングズレー。
ベン・キングズレーさんといえば国籍不明のあやしい魔術師的な容姿をなさってますが
わりと堅実そうなワトソン役にもハマっておられました。

事実を知っているのはベイカー街遊撃隊の子供達とハドソンさん。
あとモリアーティもそこのところ、ちゃんと把握していて
ワトソンを宿敵と考えています。

内容ばれ

ワトソンが偽装死するのですが、
ホームズはショックで酒びたりになり、首をくくろうとします。
(もちろん失敗しますが)
とってもかわいい感じでしたが、まあ、正直ちょっと
ざまあ……
とおもわなくもなかったですね。
というかね、BBCシャーロックを見た時も思ったんですが
原典のホームズの偽装死に子供の頃モヤっとした人って世界中に1万人以上いるね!
この映画の製作者も、きっとそのうちの1人ですよ。
私はどっちかというとあのホームズ映像化の最高傑作
グラナダ版のドラマで最高にモヤっとした派ですけどね。






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2014/10/16(木)

映画かんそう
「リアル〜完全なる首長竜の日〜」黒沢清監督

少女漫画家である恋人が自殺未遂を起こして意識不明になった男性が
センシングという技術を使って彼女の意識下に侵入し、
彼女を目覚めさせようとするお話です。

原作は小説的な面白さのある作品でしたが、映画は映画で面白かったです。
やっぱり小説の面白さと、映画の面白さは全然違う。
原作の設定は姉と弟の話で主人公は姉でしたが、
映画は恋人同士の話で、主人公は男性です。
しかし佐藤健くんの謎の弟力(おとうとりょく)により、
異様な姉弟感が出てました。ちなみに彼女役は綾瀬はるかさん。

あまり重要でない脇役にオダギリジョーさん、 染谷将太さん、
中谷美紀さんと、ものすごく豪華です。

オチばれ

黒沢監督なので、ネガティブオチくるかな?と構えてたらハッピーエンドでした!
お仕事に徹しなさったのかも。

ところで漫画家の部屋から未発表原稿が出たとしても
それをゲットして無断で出版する権利は出版社にはないですよね?
現実じゃないとはいえ悲鳴あげた。

「アンの世界地図」2巻発売ですよ〜。




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2014/10/17(金)

映画かんそう
「荒野はつらいよ〜アリゾナより愛をこめて〜」

「TED」のセス・マクファーレン監督主演作品です。
西部劇コメディというか、邦画で譬えるなら「清洲会議」みたいな…。
羊飼いの主人公はその優柔不断な性格のせいで、付き合っていた彼女に捨てられる。
彼女を取り戻そうと奮闘している彼のところに謎の美女が現れて…というあらすじ。

前作より下ネタがパワーアップしていて
性差別、人種差別(あとでフォロー入るけど)、性器、大便、小便ねたに加えて、
割と人間がぽんぽこ死んで、腕や足が飛んで頭が潰れます。
つまりデートや家族向けではない。(R15+)

あとこの監督の萌えは、中年ダメ男の世話を焼いてくれるハイスペック美女なのですが
監督が主演してしまったため、ドリ臭が半端ないです。これは残念。
ヒロインは凛々しくて格好いいです。

内容ばれ

うーん、「TED」には、どうしようもない友情とか
「フラッシュ・ゴードン」への妙な愛情とか
そういう憎めない部分が色々あったので、私は前作の方が好きかな…。

脱糞シーンが1分ほどあって、大便そのものも画面に出るので
これ男性でも平成生まれにはきついんじゃないかしら……。
デイジーのねたは笑いました。

リーアム・ニーソンの生尻アップがあるのでファンの人は見るべきなのと、
あと「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の熱烈なファンの人も見るべき。




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2014/10/18(土)

色々感想

絶チル
これまた思いきった舵切りを…。
本格的に学園ものになるのか?兵部サンが生徒会長で登場したよ…。
でも私が何か見間違えたのかも…。

曇天に笑う
琵琶湖の真ん中に刑務所があって、
そこを守護する3兄弟の話、ということで
有頂天家族のようなお話を想像していましたが
あれよりは中2寄りのお話でした。
継続視聴はしません。

仮面ライダー ドライブ
ベルトさん(のOS?)が元人間!?しかも身分卑しからぬ紳士!?
なんという倒錯…。

トッキュウジャー
あ、そういうオチなの!?
みんなすごく大人っぽいじゃない…トカッチ以外は…。

信長協奏曲
武士って、人が切腹するのを見ていたら
ムラムラと自分もやりたくなるものなんだろうか…
もらいゲロ的な……変態だわ…!

大変残念ながら継続視聴はしません…。

相棒13
第一話、脚本担当輿水泰弘さんにも関わらずやや大味なスタート。
カイトくん、ちょっと顔がしゅっとした?
仲間由紀恵さんがレギュラーになられるようです。

ごめんね青春!
クドカン脚本。今期スタートの日本のドラマの中で一番面白い1話でした。
男子が自信の持てない親友男子を壁ドンして、いいところをあげていくけど
あまり思いつけなくて、食べるのが早いとか
ジュース飲むのも早いとか言い始めるところすごくかわいかった。
(結末はなんか切なかったけど)

さて来週スタートの「すべてがFになる」の出来次第では
私の日記が呪詛で埋まる訳ですがどうなるやら。

「アンの世界地図」2巻
途上国に行ったときに、現代日本人である私が
平均的な初等教育で教わる事の膨大さに気付いてびっくりしたことがあるのですが、
この2巻を読んで、家庭で教わることも同じくらい膨大だなそういえば、と思いました。
機能不全家族で育った女の子が思春期になって、
血のつながりはないけれど家族になれるかもしれない人物と出会い
人生を取り戻していく話なのですが、
生い立ち故に彼女に欠けている部分もきっちりと描かれます。
人との適切な距離の取り方だったり、食事の所作やマナーだったり、
人前で使っても問題ない言葉遣いであったり、色々。
でもキラキラした希望に満ちた話です。

後半は映画「バルトの楽園」で知った
徳島県の板東俘虜収容所のエピソードになってちょっとびっくりしました。





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2014/10/19(日)

読書かんそう
「とっぴんぱらりの風太郎」万城目学先生

主人公のニート忍者、風太郎は
特別腕が立つ訳でもなく、知略に長けている訳でもないが
肺だけが丈夫で、それで生き延びてきた。
とある失態で厄介払いされた彼は、京の都で無為の生活を送っていたが、
妙な縁から仕事を依頼されて……というお話。

忍者活劇です。前半は「働くわたしと生きがい・人生・自分探し」みたいな
(戦闘もありつつ)呑気なお話なのですが、徐々に深刻になってきて
後半は怒涛の展開です。ラストとかはもう…割と、あれです(←?)。

万城目さんなので、主人公のキャラクターの
ふにゃふにゃしていて危なっかしくて放っておけない感じは絶妙ですし、
周囲の人々も魅力的です。
嫌なやつでさえ、ちゃんと倫理的な一線があって、憎めない感じ。

ラストばれー

妙にひょうたんに詳しくなりました。

おじいちゃんたちお茶目で可愛いけど、ちょっと酷いじゃないの!
私はおじいちゃんたちが全部元通りにしてくれると思ってたよ!

本の中では黒弓が好きなのですが、
あんなに好き好き言っていた常世殿への態度の豹変だけは
ちょっと納得いかなかったのですよね。
なので最後常世殿を誘うところはじーんときました。
もし映画化したら
「男の俺でもどきりとするほど、常世は美しい顔をしていた」
と朴念仁の風太郎にさえ言わしめた常世殿は誰が演じるんでしょうね。

あ、これ万城目さんの別の小説に繋がる!って気付いたとき、
うぉぉぉーって思った。




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2014/10/20(月)

映画かんそう
「FRANK フランク」

実在の音楽コメディアン、フランク・サイドボトムを元に、
子供の頃から頭に張りぼての人形の頭部をかぶって生きている
フランクという天才音楽家と、
偶然彼と知り合った凡人のアマチュア音楽家の男の交流を描きます。

会社員をやりながら音楽を続ける主人公は
浜辺で救出される自殺未遂者を目撃する。
それはバンドのキーボードで、ライブ当日だったそのバンドは
新しいキーボードとして主人公を雇う、というあらすじ。

コメディっぽく宣伝をうっていますがコメディではないです。
エンタメ文脈によって進行しないので、
フランク役のファスベンダーさんファンか、
もしくは英国映画好きの方にはおすすめしますが
一般映画ファン向きではない。
(私はファスベンダーさんファンだけど、付き合ってもらった友達は
特にファスベンダーさんに興味なかったので悪い事をした…)

内容ばれ

フランクは天才で、周囲に影響を及ぼして、
見ず知らずの主婦を、会話しただけでハッピーにしたり、
あるいはバンドのキーボードが2人連続で自殺を図ったりするけど、
エンタメの物語に出てくる天才みたいに、
万人がその才能にひれ伏したり、トラウマが語られたり、
彼の圧倒的なサウンドが映像で表現されたりはしない。
ただ周囲の人がひっそりと彼の才能を知っているだけ。
彼の恐怖症の始まりも、特に理由はなく
父親が子供のためを思って作った仮装用のかぶり物が
小さなきっかけになっただけ。
そして、そのちっともエンタメ的ではないけども
閉じて完成していた世界を、
平凡で善良な主人公が純粋な好意で、悪意なく破壊します。
(でも彼は平凡で善良で才能に恵まれなかった故に自殺せずに済んだ)
(主人公も金銭や職や、多くを失ったけど)

ファスベンダーさんは被害者顔、悲劇顔、犠牲者顔を作る天才ですが、
よく聞くと声までものすごく寂しい悲しい声なんですよ。しかも歌が上手い!
お母さんが息子を語るところの横顔とか、本当にいい仕事なさってた。
繰り返しますがマイケル・ファスベンダーと彼の演技を見に行くなら、
これはとても良い映画です。

ところで英国には火葬許可証に類するものってないの?






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2014/10/21(火)

映画かんそう
「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」

バレリーナを目指していた少女が
原因不明の足の病気により踊れなくなり、
幻影帝国の悪者がそんな彼女が踊れる世界を創造し
そこへプリキュアをおびき寄せるというお話です。

プリキュアを挫折させるのがテーマだったようですが、
ガチ挫折だと女児が泣いちゃうし、という
なんだか苦労の忍ばれるお話でした。

内容ばれ

みんなをハッピーにしたい!と公言しているめぐみに対して、
じゃあ私の足を治してよ!私をハッピーにしてよ!と
感情をぶつける少女。落ち込むめぐみ。
これなかなか難しいテーマですが、
足の病気が悪者の仕業だったので、アッサリ解決です。
まあな、そうなるよな。

お隣の席の男子が、ヒメのギャグシーンに全部ふきだして
泣けるシーンでは泣いてらっしゃったので、
このかた女児以上にプリキュアを満喫している…!と思いました。
かくいう私達は、ブルーがミラクルライト配布係になっていたところでマジ笑いした。
年齢によって笑いツボはちがう……。

プリキュアオールスターズの宣伝が入りましたが、
どうやら登場人物が増えすぎて物語をつけることが不可能になったようで
歌と踊りを披露するみたいです。(現段階ではそんなように見えた)
3Dデータがあるだろうので、製作期間は短くて済みそうですが、
90分、歌ばっかりでもつのか…?






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2014/10/22(水)

世にも奇妙な物語’14 秋の特別編の感想
「サプライズ」
「走る取的」原作:筒井康隆
「未来ドロボウ」原作:藤子F不二雄
「冷える」
「ファナモ」

ショートフィルム
「インターホン」 
「シャドーボクシング」
「クリームソーダ」
「捨てられない女」
「標識の人」

今回は「ファナモ」が突出していて他はいまいち…という感じ。
人体改造については色々な切り口の作品がありますが
排便に特化したのは珍しいというか唯一じゃないでしょうか。
差別や貧富の格差の拡大、トイレの撤去、介護の負担軽減まで言及したのは凄いと思う。

「冷える」は、事故で体質が変化するというパターンは
アメコミヒーローの誕生エピソードでよく使われますが
子持ちの主婦という点が面白かったのに最後のオチで台無しに。

ショートフィルムがおまけについていたのが、
すごい昔の世にも奇妙な物語みたいで懐かしかった。
(毎回OPに短いのが1本あった)
シャドーボクシングは寺山修司の「二頭女 影の映画」を思い出した。
(影と実像がずれるというテーマで撮られた映像が印象的。おすすめ)
ところで「インターホン」の貞子はちゃんと許可とって使用してるのか(笑)。 

ウェルズとパウリのお話、知らなかったので興味わいた。







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2014/10/23(木)

映画かんそう
「誰よりも狙われた男」

「裏切りのサーカス(Tinker, Tailor, Soldier, Spy)」原作ル・カレの同名小説の映画化。
ドイツの国家安全対策チームの主人公は、密入国してきたイスラム過激派の青年を餌に
テロ組織への大がかりな資金援助を行っている慈善活動家との接触を図ろうとするが
ドイツの警察組織やCIAの干渉により計画は難航する。というあらすじ。
亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンの最後の主演作品です。

主人公の率いるチームは合法違法に全然頓着しないので、
当たり前のように盗聴&盗撮するし、拉致監禁・恫喝何でもやる。
でも仕事がすごい早いので、シーンの進みが早く見ていて一種爽快です。
画面が切り替わったらもうすでに色々設置済だったり。
うだうだとした葛藤とかは一切ない。
でも映画としての後味はあまりよくないです。

おちばれ

主人公は頭のよい人ですが、世界の難易度設定がそれを凌駕して高い。
あ、しかし不用心だなとは最終シーンで思ったんですよ。
主人公がバンの外に煙草を吸いに出たところ、
車に乗った男が2人、何をするでもなく主人公を見ていて、
私は「これ、殺されるんじゃないか」と思いました。
うーん、仕事で時々ああいう感じの状況って見掛けますけど、
根回しが足りなかったというか、
さらに上から筋を通して(釘を刺して)おくべきだったのかな?

我々(テロ対策に携わる人間)は情報提供者を得るためなら
彼等の兄弟になり恋人にもなる。必要なら何にでもなる。っていう主人公のセリフですが
実際主人公は情報提供者のイスラム教徒の青年に対して父親のような態度を取り
彼をコントロールしています。
国家の安全のために全てを捨てる熱意がありつつ、
でも敵に対する憎しみがあってはいけないのですね。
でなければ相手の望むままの姿になって支配することができない。
見つかりにくい人材だろうなきっと。

しかし人間を操って道具にする所業は、確実にどこかが歪むと思うんですが
それが彼の場合、酒と煙草に出てるのでしょう。
あんなに煙草を吸うシーンの多い映画は久しぶりに見た。







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2014/10/24(金)

昨日の映画でふと思いついたのですが、
もし意地悪な映画ファンに
「好きな映画ってなに?」
って聞かれて、なんか相手は回答を馬鹿にする気満々で、
この場を切り抜けたい!相手を黙らせたい!助けてドラえもーん!
というピンチに陥った場合(すごく限定的な状況)
完全無欠の答えは
「裏切りのサーカス」だと私は思います。

この映画は男同士のカップルが登場して、
しかしあくまでさり気なく上品で物悲しく、腐女子映画としてもべらぼうに評価が高いのですが、
それを越えて一般映画ファンにもものすごく大絶賛されていて、
もはや貶すやつは頭が悪い、くらいの勢いで神格化されています。
ゆえに、あなたがこの映画の名前をあげると、
相手は単なる腐女子か、それとも映画通なのか判別がつかず
うかつな質問が入れられなくなります。
そんな状況は滅多にないでしょうけど、覚えておいてご活用くださいね!
(もちろん1度は映画をご覧ください)

でももしその映画ファンが悪い人ではなかった場合、
心の友よ!って言われてマシンガントークを2時間聞かされたりするかもしれませんが
当方では責任を負えないので諦めて友達になってあげて下さい。




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2014/10/25(土)

色々感想

暗殺教室
渚くんの家庭事情が出ました。
酷過ぎて嘘くさくもないし、軽すぎもしない、絶妙な虐待だなあ…。
先生、駄目な親を描くのが本当に上手い。
なんというかもしかしたら自分でもやってしまうかも、みたいな身近さがあるのですよね。

仮面ライダー ドライブ
先代ライダーが殉職していて、闇落ち展開なのかな?

プリキュア
上と同じく先輩プリキュアが闇落ち展開?

来期のプリキュアは思い切った変更をして、
プリキュアかどうか微妙なくらいになるかも…
みたいな記事を読みました。
なかなかシェア争いが苛烈のようですね。
戦隊みたいにSF系に行ったり忍者になったりするのかな?

ザフォロウィング2(最終回)
あ、うん、そうですか…という感じの最終回だった。
シーズン3もあるらしい

エレメンタリー2
「博士の愛した数式」
数学の超難問P対NP問題の解明が原因で起こった殺人事件と、
ワトソンがお金の無心をされている件にホームズが不器用な干渉をするという
2つがまざった話。

しかし個人年金の貯蓄に資産を移したばかりとはいえ
5千ドルを払うのに借金しないといけないってどういう…。
不意の事故や病気や天災のために少しばかり現金を残しておかないか?
アメリカ人の金銭感覚は本当に分からない

「誰がために」
ハッカー集団VSホームズ。面白かった。
既存の情報保護の倫理観をぶち壊すくらいの超スーパーハッカーが
色欲に負けて女を殺してしまうトホホ感…。
ワトソンの実力がホームズに迫るくらいに成長しているのが嬉しい。

ごめんね青春!
2話目もぶっ通しのハイスピード展開で面白かった。
普通なら終盤までひっぱる親友とその彼女を、2話目でもう出してきた!


すべてがFになる(原作のオチバレを書くので注意)

なぜかFの冒頭のシーンのあと、
冷たい密室と博士たちが始まった。
最後にFを持ってくるのかな?
冷たい密室と博士たちは話が地味だけど、ツカミの視聴率大丈夫かな?

冒頭の萌絵と真賀田博士の会談、
テロップに「真賀田 四季」って出て、始まって数十秒で噴いた。
テロップは地の文みたいなものだから、
事実でないことを書いたらアンフェアだよ…。
(いやもしかしたら、原作とは真相を変えてあって、
真賀田博士の最初の計画通りにするのかもしれないけどさ)

犀川先生は、見事に全然違うけどもういい。
国枝先生は、別に毒舌強気キャラクターではないと思うけど
なんかテンプレっぽい鬼のような女性になってた。容姿のイメージは近いです。

えーと、このおじさんは喜多先生ではないだろう、うん。と
無理やり思い込んでスルーしようとしたらテロップで名前が出たよ。
喜多先生かよ!びっくりだよ!

諏訪野さんは出てこないのかしら…。





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2014/10/26(日)

読書かんそう
「思い出のマーニー」

病気の療養のためにノーフォーク地方の漁村で滞在するアンナという少女が
湿地の古びた館で暮らすマーニーという美しい少女と出会い、友情を結ぶのが前半、
後半はなぞ解きパートになります。
海辺の風景描写は美しく、繊細な少女たちの友情は時に悲痛で、
英国児童文学にはつきものの
「なんか名前だけでもおいしそうな食べ物描写」もしっかりあります。

ジブリの映画では舞台が日本に移っているので、その辻褄合わせ部分は違いますが
それ以外の前半のエピソードは思ったより細かく拾ってありました。

内容ばれ

後半は、原作では重要な役割を負うリンゼイ家の人々が
映画ではクローズアップされず、
プリシラ=彩香が1人でその役をこなすので
かなり印象が違います。この改変は一長一短のように私は思う。
原作のあの、みんなで集まって謎解きをするわくわくする感じは失われますが、
しかし原作のアンナは、彼女が自信を取り戻し周囲の人をきちんと見る余裕が生まれたのは
リンゼイ家に帰属出来たからで、それは彼女の努力や成長によるところではなく、
単にリンゼイ家のひとびとが対人スキルの超超高い家族だったからでは…?
あと別に人間は必ずしもどこかに帰属しなくてもいいのでは…?
など、色々考えてしまいます。

私がちょっと原作アンナに点が辛いのは、
お 家 の 財 布 か ら 金 を 抜 い て た か ら
なんですが…。(あとで謝って、返すって言ったけど)
あとリンゼイ家の所有する物品が欲しくて隠匿したりとかして…。
(リンゼイ家のひとはいいのよって言ってくれたけど)
当時のイギリスでは子供はまあやりますよね…的な感覚でしょうか。
(いや、家の財布からお金を抜いた経験の持ち主って、現代日本で何割くらいなの…)

映画の名ゼリフ「太っちょ豚」ですが、
原作では「でぶっちょの豚むすめ」でした。
映画の信子は擁護非難半々くらいの絶妙な無神経ぶりでしたが
原作のサンドラは明確に嫌なやつでした。
ああ、でもあのシーンは嫌だったな。
リンゼイ家の人と3人でキャッキャ買い物をしている時に偶然サンドラとばったり会って、
アンナが余裕を持ってサンドラに言葉をかけて相手が何も言えないところ。
映画ではアンナの盗み等々はカットされてます。
そのほうがいい……。
でも原作アンナは映画のアンナのように自分を憎んでいないので、
そこのところは良かったです。

時間ものとも考えられるし、ゴーストものともとれるし、
合理的な説明のつく現実的な話にも解釈できる、
綺麗な物語でした。




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2014/10/27(月)

山のぼり その8

いつもの山に登ってみました。
春以来行ってなかったので、いますごい筋肉痛です。
イテテテテ…。
数か月前は2回連続で登り降りできたのに、
今は登って降りるだけでこの体たらく…。

相変わらず外国のかたが多く、
とりわけ今回は白人黒人黄人グループという
バラエティ豊かな一団が強烈でした。
そのグループは、笑い袋のように始終笑っている人、
アヒルや狼など、絶えず動物の鳴きまねをしている人、
なんか冗談を言っている人、と
みなさん賑やかで、
キノコでも決めたのか?
というくらいの大騒ぎだったのですが、
他の登山者と すれ違う時は「コンニチハー」と挨拶してらしたので、
楽しそうで何よりですよ…と暖かい目で見守りました。

あと彫りの深い白人ランナーが飛び出てきて駆けて行った時は
「天狗……」と思いました。
試みに私も障害物の比較的少ない所で走ってみたら
1歩で2mくらい飛べて(下りだから)「宮崎映画!!」って感じでしたが
確実に転ぶ未来が予想されたので、すぐやめました。

ヒラコー先生の「ドリフターズ」4巻、本日発売ー!
なんとなく昨今流行の(特定の作品を指していません)歴史上の有名人物をとりあえずカタログ状態で出す系統の作品とは
一線を画する愛情と知識とぶっ飛び具合。面白かったです。






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2014/10/28(火)

映画かんそう
「ジャージー・ボーイズ」

ヒットナンバーを次々と世に送り出した人気グループ、フォー・シーズンズの
栄光と不和、解散を描いたミュージカルの映画化。イーストウッド監督です。
時々登場人物が観客に対して語りかけてくるなど舞台的な(メタ的な?)表現もあります。
バンドメンバーの仲が壊れていくあたりは結構重いですが、
音楽の力が強くて、見ていて辛いという事は全然ないです。

メインボーカルのフランキーの扱いが凄くて、
両親からも、街の不良たちからも、そればかりかマフィアのドンからも
猫可愛がりされて天使ポジションの青年なんか、BL以外で初めて見たわ!

ラストの演出が最高です。ファー!って盛り上げておいて
さらにとどめのもう一撃きますからね…。舞台のままなのか映画オリジナルかは分かりませんが
これ舞台だったら立ち上がって拍手してたな。

内容ばれ

フォー・シーズンズのメンバーチェンジは本当はもっと複雑で細かいようですが
分かり易く4人で固定してありました。

一般家庭育ちの天才2人、音楽のできるゴロツキ1人、平均的な男1人、
これでうまくいく訳がない…。
トニーの作った借金が主な原因となってグループは崩壊し、
後半はずっとその借金を分割で返すフランキーの話です。
(全部あわせて6千万円くらいだったかな…?)

話し合いの途中でニックがぶち切れて激白するシーンですが
10年間ずっとツアーではトニーと同室だったけど
タオルを全部びしょびしょにされて、バスルームの使い方は汚いし、最悪だった!
って怒鳴って、その剣幕にマフィアのボスも黙ってしまうくらいで、
それは辛かったね…というのと、
でもなぜ今、巨額の借金の話をしている時に…というのと、
それ女性同士ではひそかに軋轢の原因になることが多いけど、男性でもそうなんだ…というのと、
ここ笑うところなのかシリアスなシーンなのかどっちやねん…というのが入り混じった
名シーンだと思います(笑)

マフィアのボスといえば、借金の件で仕切りを頼んだ時に
今後はグループがマフィアの食い物にされるんだろうか…と思ったら
純粋に借金の仲裁だけで、その後もフランキーの庇護者の立場に徹したという…。
ボスのフランキーへの慈愛は本物。
あと見栄っ張りで嘘つきでだらしがなくて攻撃的なトニーですが
フランキーへの愛情は矢張り本物だったと思うのです。
フランキーは「クリスマスにカードひとつ、プレゼントひとつくれたことがあったか?
子供の話を聞いてくれたことがあったか?」と切って捨てていましたけども…。
(アメリカの男性の友情を測る尺度はそこなのか?)

色々切ないですが、名曲が生まれる瞬間の電気が走るような衝撃、
メンバー全員がそれを名曲だと分かっている、共犯である、
でも憑りつかれたような、熱にうかされたような短い時間を表現してあってわくわくしました。






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2014/10/29(水)

アメコミかんそう
「ロケット・ラクーン&グルート」

映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の
最萌えカプと噂も高い、気性の荒いアライグマのロケットと、
樹木の形をした、単語を3つしか話せないグルートの登場作品ばかりを集めた
非常に商売上手な1冊です。貸してもらって読んだ!

初期の作品などは1959年だったりするので、
グルートは怪奇映画のモンスターのようで、
しかも流暢に喋ったりしているのもまた趣があります。

ロケットは、なんか変なヒーローものの
ゲストキャラとして初登場したのかなこれ?
そののちハルクと共闘したり、
ロケットの故郷の惑星が、何故言葉の喋れるモフモフ動物たちがいっぱいいるのかという
謎解きもされます。
(しかしこれ現在の倫理観だとアウトな内容なのでそのまま映画続編の設定に使うのは無理だ)

そしてミニョーラの2011年の作品では、ロケットの可愛さ全開。
GOGは解散しているようですが、
ロケットは企業のメッセンジャーボーイをしています。
(アメリカの物語内で挫折したひとの職業のメッセンジャーボーイ率の高さよ!)
それは!なんと!愛らしい姿で社員を癒すという福利厚生の一環で(震)…!

内容ばれ

思っていた以上にロケットとグルートが相思相愛で逆に冷静になりました。
処刑のために鎖で繋がれたグルートをロケットが助けに行ったり、
精神世界に囚われたロケットをグルートが助けに行ったり。
あと「アイ・アム・グルート」としか喋れないグルートの言葉、
ロケットだけは話の内容を理解できるのを知ってましたが、
グルートと同族のほかの樹木の喋る内容は、ロケットも分からないんですよ!なにそれ…。

あと挿木をすることで生物を操ったり、木を遠隔操作したり
念力を使ったり、巨大化したりでグルート万能にして無敵…。
一生守ってもらいなよロケット……。

ロケットの故郷ハーフワールドの過去の設定をうまく織り込んで
現代風にアレンジした新設定は上手かったな。




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2014/10/30(木)

読書かんそう
「悪童日記」アゴタ・クリストフ

戦争で、食べるものがなくなった母親が
双子の息子を故郷の母親に預けるところから話が始まります。
1人で農園を営む老女は、預かった双子の少年たちを下男のように扱い、暴力をふるいます。
少年たちは寒さや飢え、周囲からの性的な虐待、日夜の爆撃などをじっと観察し、
淡々とノートに綴ります。
彼等は寒さに耐える訓練、酷い言葉に耐える訓練、飢えに耐える訓練、生き物を殺す訓練など、
2人で取り決めた日課に励み、学校でしていたような勉強も忘れません。
しかしやがて解放軍がやってきて、彼等の日常は意外な終わりを迎えます。
というあらすじ。

感情的な表現は全く用いられないため、
むごい、悲惨な、目を覆うような、といった印象はかなり薄まっています。
文章は双子の一人称ですが、彼らの名前は記されず、
またどちらがどちらという区別もありません。

内容ばれ

子供への性的な虐待、私の基準でぎりぎりセーフでした。
若い女性から少年への性的虐待と、将校からの性的な虐待。
将校の望みは双子「に」鞭でぶたれるというのと、
あと双子の尿を顔に掛けさせるというものでした。
それだって子供の性格形成においては有害ですが…ええと…うん…。
その将校は最近19歳の彼氏が死んだらしく未練たらたらで
それに嫉妬する友人といつも痴話げんかをしています…。

物語の舞台がどこかというのは具体的には書かれていませんが、
解説によれば、おそらく主人公たちの国はハンガリーで、
最初に彼等の国を占領していたのはドイツ、
後からやっていきた「解放軍」はロシアだろうということでした。
作者はそののちのハンガリー動乱で国外に亡命しています。
そして彼女は習得したフランス語でこの小説を書くのですが、
母国語でない言葉で長編小説を書くというのは凄いですね。(悪童日記は三部作の一冊目)
国同士が地面で繋がってるとか、本当こわいのでやめてほしい!(島国)

おばあちゃんが何かいいんですよ。性格異常者で、過去に夫を毒殺していて、
孫のことをこき使って暴力も振るうんですけど、
そして孫の殺人とかも知っていて容認するんですけど、
でも愛情があるんですよね。
これ現代の基準だと虐待で、速攻で子供は引き離される案件だと思うんですけど。
双子は、頼る人がほかにいないとか肉親への盲愛とか愛情欲しさとか、
そういう幼い理由でなく、大人のようにきちんと判断して祖母を愛しています。

あと彼女の農園には豚、ヤギ、兎、鶏、アヒルがいて、果物、野菜、葡萄畑があります。
それら家畜の世話と農作業を一人でこなしていた訳で、どんな労働量だよ!と思います。
あと戦争中はやっぱり農家が強いですね…(よみがえる火垂るの墓の記憶…)
年金生活にもし入れたら、搾乳用のヤギを飼おうかな…。






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2014/10/31(金)

ハロウィン恒例吸血鬼しりるですが、間に合いませんでした!すみません。
作品を見に来られた方は、1週間後とかに来てくださったら出来上がっていると思います…。

映画かんそう
「悪童日記」

同名小説の映画化です。
戦火の激しくなる都会から、双子の息子を疎開させた母親が
長年交流のなかった郷里の老母に預けるのですが、老女は双子を虐待し、
2人の少年は暴力や寒さや飢えに対する訓練を始める、というあらすじです。

ちなみに悪童日記という言葉は非常に素敵ですが
あまり内容に即しているようには思えません。(原題は「大きなノート」)
昔の翻訳小説のタイトルは鮮烈で痺れるけど
内容とはちょっと違う…というものが結構ありますね

忠実な映画化です。トーンが非常に淡々としているので
話の重さがかなり軽減されます。
双子の、整った顔立ちの中のぽっかりと空洞のような暗い目が印象的です。
1点だけ原作と違うのは、双子が最初は愛情深い子供たちだったという設定です。

おばあちゃん役の人がものすごい怪演です。
体型は原作と真逆ですが、夫だけじゃなくてあと5人くらい殺してるように見えた。
家の中に入ったら現代でもあるあるのゴミ屋敷状態だし
ニワトリが床を歩いているし、こりゃもうだめだ…という感じだった。

内容ばれ

当然ながら原作の少年たちへの性的な虐待は一切カットです。
あと犬猫への虐待もカット。(鶏はOKなのね)
お金を着服するのもカット。
途中で出てくるユダヤ人の?女の子もカット。
でも性的なシーンを描かずに、エロスを表現していたのは凄いと思いました。
特に将校が、寝ている双子の顔に触れるシーン。思わず拳を握りしめた(笑)
将校の友人役の人も、登場しただけで「同性愛関係にあるのですね、ハイ」って分かる顔。

教会の若い女中さんは、最初天女みたいにきれいで優しい人だなー…と
思わせておいてからの差別行為、密告は強烈なインパクトがありました。
原作だと双子の行動が行き過ぎに思えたんですが、映画版だと納得できる。

映画のおばあちゃん、前半は怖くて仕方ないんですが
後半からは段々頼もしく見えてきます。
目の前で爆死した自分の娘を、
双子には見るなって命じて、一晩かかって埋葬してぶっ倒れるの、
めっちゃ格好いいんですけど。
彼女のやっているのは孫への虐待ですが、
でも歪んだ、奇妙な愛情もちゃんと表現されている。

あと2人のノートが禍々しく美しかったですね。
写真のコラージュや、殺した虫の死骸や、残酷な絵で埋まったノート。

優れた映画ですが、見るのには体力が必要です。



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