「タクティクス・オウガ」
右:カノープス・ウォルフ
左:ランスロット・ハミルトン
オウガ・シリーズの2作目で、その完璧なクオリティは
今も信者の間に語り継がれています。 .
私はこの作品を監督した松野さんという方のファンなのですが
もうともかくキッツイ筋書きを書かれるので有名で(笑)、
疲れている時にプレーすると、ときどき魂がすっぽ抜けそうに
なるくらいです。例えば章のタイトル。 .
「駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは犬と豚」 .
これ!これ少年少女がプレーするゲームだよ!!
うわお!でも内容とぴったり合ってるヨ!(笑)
中身はウォー・シミュレーションですが、筋がね……
カオスルート・ロウルート・ニュートラルルートと3つ物語があって
「自国の戦意が高揚しないので、街ひとつを焼き払って
敵国の仕業とする」工作を命じられて従うか従わないか
yesとno選択で未来が決まったりするんだよ!!!
(どこかでそれ聞いた…という方、こっちが元)
下記ネタバレ反転 .
ここで焼き払わないと、幼馴染が絞首刑になって、聖騎士様が
敵に捕まって拷問されて廃人になってしまうというのを
知っていても、街に火をつけて人民を虐殺するなんて事は
出来ませんでした……例えゲームの話でも。その聖騎士様は
左側のランスロットさんという人で、寡黙な猟犬のようないい人で
カノープスさんは戦乱が済んでも彼を捜し続けるのですが、
それでも、それでもです。かのように人の心に負担を強いるのが
上手なのです。 .
あと松野氏は人間の嫌な面をチラっと!さらっと!描写するのが
超絶上手なんですが、(じっくりたっぷりなら比較的容易だけど)
特に女のそれが絶妙でねえ。何がすごいって主人公の姉。 .
「うわ!最悪!でも実際こういう人いるし、 .
私も彼女の気持ち、分からなくはないわー」みたいな。 .
大切にされることに対して貪欲で、ブタのように飢えている&
うんざりするくらい感情的でそのくせ知恵が廻る、感じが!
でも悪役じゃないんですよ!てかヒロイン!!(笑) .
何て言うか悪い性格、ではなく .
生理的嫌悪を催す性格、の描写がうまい。 .
開発チームがこの作品発表後に四角社へ引き抜かれたので、
細かい話をすると「取り敢えず退職した松野氏を四角が誘った。松野氏がスタッフに転職を勧めた」
が正解らしいですね。「1人につき外車1台だったとか1人につき家を1軒建てた」とか当時色んな噂が。
完全に続編と言える作品が出る事は二度とありません(と私は思う)。
だから余計に幻の名作!という感じがします。FF12に期待。
(松野氏は、今はFFの指揮をやってらっしゃいます)
(クエスト・ゲーム・シミュレーション)