|
「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」 ヌミディア(アフリカ北部)で妻と暮らしていたルシアスはローマからの侵略軍と戦い、 敗北し奴隷となる。コロッセオの手配師に買われ、 剣闘士となるルシアスだが、彼にはある秘密があった…というあらすじ。 約24年前の「グラディエーター」の続編です。 最低限の説明はあるので、前作未視聴でもギリ理解できるかな?という感じ。 でも前作は超リッチな予算の、主人公総モテスペクタクル歴史映画なのでおすすめです。 高齢の監督が、おじいちゃんモテモテ最強映画を撮りがちなのに反して、 重厚な貴種流離譚を撮ってみせるリドリー・スコット監督(86)、おさすがです。 しかも闘技場の趣向は、いい意味で過激さを増している。 元奴隷で現在はコロッセオの手配師を演じる デンゼル・ワシントンが裏主人公的な存在感でした。彼には彼の復讐があった。 ラストまでばれ ペルシャ軍との海戦を模した戦いの画がすごかった! 実際のコロッセオには細かく区画割りされた地下があって、 水を張るのは不可能だと思いますがでも大迫力だった。 主人公ルシアスを演じるポール・メスカル氏、 「異人たち」の彼氏役の人か!今回殺陣の組み立てがとてもよかったが、 メスカル氏はアクションもこなせる俳優さんだったんだな。 (アメコミ映画界隈からお誘いがきそう) もう一人の主人公デンゼル・ワシントン氏、 屈託のない笑顔からの突然のマッコールさんムーブ。 アウレリウスの剣闘士としてずっと皇帝を憎んでいたのか、 それともある時点で失望したのか。 若き日の彼はジョン・デヴィッド・ワシントン氏の姿をしているのでしょう。 ところで斬り合いの際の砂による目つぶし、最初にやったフィクションは何でしょうね。 私が見た中で一番古いものは「平家女護島 俊寛」(1719年)です。 美術も良かったし、何気ないシーンも小道具が凝っていました(鼠が走ったりとか)。 前作好きとしては、彼がマキシマスの息子だったという後付け設定は、 仕方ないとはいえ、うーん…でしたけども。(前作で彼の息子は焼き殺されているので) それと主人公がローマ皇帝の血を引く設定にされたことで、 ローマに侵略された国の剣闘士たちが、 なぜかローマを救済するために戦わせられるのは気の毒でした。 冒頭の、土地を武力で奪い領土拡大することを「平和」だと言っている、 というような作中のローマへの批判は、リアル世界の状態に対する皮肉に思えたけどどうだろう。 それにしても人権という概念が発明され、発達してよかった。 当時の人にとって人間の死は娯楽だったんだなあとこのシリーズを見ると思い出す。 そういえば先日見た「動物界」でも 「むかしの聖ヨハネ祭では猫を火に投げ込んでそれを皆で楽しんだ」というセリフがあった。 昨今、人権をなんとか縮小しようという働きがあちこちの国で見られるが、 人間が殺し合うのを見て楽しむ世界が来ないように、皆で努力したいですね本当。 2024.11.17 サイトに掲載 2025.12.30 再掲載 戻る |