「悪魔と夜ふかし」











1970年代、深夜バラエティ番組「ナイトオウル」は視聴率低迷で苦戦していた。
起死回生の一手として、悪魔憑きの少女をゲストに呼び、
そこで悪魔召喚の一部始終を生中継しようとするが、前代未聞の放送事故を起こす。
そのノーカット版の映像が発見され、それを視聴するという設定。

コリン・ケアンズ、キャメロン・ケアンズ監督脚本。
おそらくめちゃくちゃに予算が少ないのだが、舞台を1か所に限定、
年代を1970年代にして映像もどことなく古めかしいものに、
特殊メイクやVFXを当時のものっぽくしてあって、全体的に調和している。
うまい節約方法だなと思いました。
なんとなく夜中にテレビを見ている感じがした。
私は舞台が一か所に限定されている話が好きだ。

ラストまでばれ

ホラー映画をある程度見ている人には
冒頭の設定紹介でラストの展開が読めてしまうのだが、
番組の顔役にすべてを投げうたせて視聴率を取り、
使えなくなれば挿げ替えて続けていく現実の局とスポンサーへの風刺ともとれる。
(藤本タツキさんがこの作品を褒めておられたが、たしかにチェンソーマン2部と
かぶるところがあるから、お好きなのも納得)

主役の人、いかにも半世紀前の人気司会者という感じのお顔とトーク。
たぶん悪い人ではなかったんだろう。放送業界に呑まれてしまっただけで。
人災発生のプロセスを追う90分とも言える。ガスが一番気の毒だった。
やめたほうがいいって何度も言ったのに。
私なら少女に「心配しなくてもあなたは成功するし、すごい有名人になる」
って言われただけでびびってやめる。
霊能者の人もかわいそうだった。
ホラー映画でナレ死って結構珍しい(正確にはナレーションでなく伝聞死。
リアルタイム進行ホラーではあんまりない)。
マジシャン兼超常現象研究家の人は別にかわいそうではない。
でも彼が「嘘だ!トリックだ!意義あり!意義あり!」って吠えまくって、
逆にリアリティと緊張感が出た気がする。

ただ一点、終盤あたり、主人公の見ている幻覚が、
発見されたフィルムという設定の映像にも映っているのは、ちょっと理屈が分からなかった。

これ系の話の教訓は、契約は慎重に、条件はなるべく細かく決めよう、だと思う。
(一応叶ったといえば叶った)









2024.10.06 サイトに掲載

2025.12.30 再掲載





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