「屋根裏のラジャー」










百瀬義行監督

父を亡くした少女が作り出したイマジナリーフレンド、ラジャーは
屋根裏部屋で少女と日々冒険を繰り広げていた。
ラジャーは少女以外、誰の目にも見えない存在だった。
しかしある日、不審な男が少女の家を訪ねてきたことで
彼等の生活に影が差す…というあらすじ。
原作は児童書「ぼくが消えないうちに」

ポノックの作品の中で一番好きです。
てっきり大人になった少女のイマジナリーフレンドが
消えまいとしてあがく、不可逆の残酷さみたいな話かと思ってましたが
全く違いました。バリバリのヴィランが出てくる冒険譚だった。
怖がりのお子さんには、このヴィランがちょっとつらいかも。

児童文学王道の、いい脚本なので、
なんとか興行的に健闘してほしい。

内容ばれ

図書館の設定がわくわくした。
みんながあそこに辿り着けるといいんだけど。
(しかし他人のイマジナリーが自分のイマジナリーになる理屈は分からん。
マッチングアプリによるセカンドラブてきな?)
図書館の入口と、イマジナリーの食べ方に
ワーナー版ハリポタっぽさを感じた。

ミスター・バンティング、彼は原作にいるんだろうか。
私の話になりますが、
私の空想世界は固定のキャラクターではなく、
ビジュアルの簡素な、フレーム画とテキストの踊るような世界で
現実と二重写しになっていて、消えるとか衰えるとかいう気は全然しないので
彼の気持ちは全く分からない。
エネルギーを自給自足できないなら諦めて大人になればいいのに。
でも最後に「ねえねえどんな気持ち?悲しい?痛い?くやしい?」
って聞いてみたくはあった。

登場時からエミリがお母さんのイマジナリだと思ってた!
だから2人だけが人の形なんだと。

ラジャーの顔はアマンダそのままだと思ったけど、
性別が変わると違う顔になるのが面白かった。









2023.12.18 サイトに掲載

2024.05.07 再掲載





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