「リアリティ REALITY」










国家安全保障局の契約社員が
2016年の大統領選に関して
業務上知り得た機密をマスコミに流し
有罪判決を受けて4年服役したという、
実際にあった事件のFBI捜査官の取り調べを完全再現した映画。
音声記録をもとに撮られていますが、
時々実際の音声も流れます。

被告人リアリティ・ウィナーが買い物から帰ると
見知らぬ男性が声をかけてきて
あなたの機密の取り扱いに問題があり、
捜査令状が出ている。
これから家の中に入るという説明を始めます。

誰もフィクションの捜査官のように怒鳴ったりしないし
被告の女性も泣きわめいたりしない。
(彼女は元空軍所属で4か国語をマスターしている)
静かな会話で進行していきます。
でも駆け引きは確実にあって、それが面白かった。

ラストまでばれ

最初に捜査官が「自分も保護犬を飼ってて」
って発言した時は
「はい、嘘〜。被疑者を油断させるための嘘〜」
って思ったけど、 最後まで見ると、
あれ…嘘じゃなかった…?と思いました。

FBI捜査官のひとたち、本当に言葉の調子がソフトで、
逆に怖かったです。
君のこと大物スパイだとか黒幕だとか思ってない。
ただミスをしたなと思ってる。
って先生みたいに優しく繰り返す。
(当局が恐れていたのは被疑者の後ろに
凄腕のハンドラーがいて、
その子飼いの密告者がウジャウジャいることだろうけど)
すごく丁寧に、水飲む?座る?どこで話す?
と何度も言ってくれる。あれも話術の一種なんだろうか。

被疑者は始終冷静だけど、
やばいなと思ったところだけ笑顔になる演技が良かった。
怖いといえば、自宅の敷地をあんなふうに
「犯罪現場」 の黄色いテープでぐるぐる巻かれたら、
もうあそこは引っ越すしかない。
あとノートにこっそり描いてたナウシカのイラストとか、
残さなくてもいいやんね…
機密漏洩とかするときは創作物は全部燃やしてからやれ。
冷蔵庫のマグネットとかオタクグッズも
捜査資料として残されたくなかったら燃やせ。
それとTorブラウザ、インストールしているだけで
何らかの嫌疑がかけられたとき不利になるっぽいぞ!

被告は有能な人なのに、なんで消印のこととか配慮せず、
残りの封筒も持ちっぱなしだったのか不思議だったんですが、
どちらかというとインターセプトが
密告者に関する情報を漏らしたのが異常なのか。
そりゃあそうだよね、もう誰も危ない橋を渡って
インターセプトに情報を渡したりしないだろうし
それどころか報道機関への信頼が下がって内部告発だって減るだろう。

告発内容は、ロシアがアメリカの大統領選に干渉しようと
ハッキングをかけていた事実に関して。
演出として、 極秘情報部分になると
言葉が途切れるのはわかるんですが、
人物もドゥー…ンと消えてしまうのは、
なんだかゲームのおもしろバグみたいでした(笑)。

最後にアメリカは地球の害悪とまで言った!









2023.11.27 サイトに掲載

2024.05.07 再掲載





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