「ロスト・キング 500年越しの運命」 持病があり、能力を発揮できず苦悩する女性が、 あるきっかけで リチャード三世にシンパシィを持つようになり、 醜い姿と残虐性を持つ簒奪者という彼の悪評を 否定したいという願いを持つようになる。 彼女は 「川に流された」 という伝承のある王の遺体を 捜索するプロジェクトを立ち上げるが…というあらすじ。 実話が元になっています。 持病があって、情緒不安定な中年女性主人公の、 可哀そうなお話ではなく何事かを成し遂げる話というのは珍しい。 (男性におけるアカンタレが偉業を成し遂げる系統にあたると思います) 主人公の情緒不安定をサリー・ホーキンスさんが名演しているので こちらもすごく不安になった。 熱中することのある女性にとっては楽しい映画。 特定のタイプの男性鑑賞者はもしかするとイラっとするかも。 ラストまでばれ それにしても500年以上前に死んだ人の、 行方の分からない遺体が見つかるのはすごいことだ。 さすがに映画向けに脚色してあって、あの駐車場にあるのではないかと 論じた人は複数人おられたようだけども、 あの「R」のマークにインスピレーションを得たのは実際あった出来事らしい。 主人公の情緒不安定、 2人の子供の養育と2軒の家を維持するためにも、 別れた夫と主人公で2人分の収入を維持する必要があるのに、 2週間仕事を休んでいる事も、 研修だと嘘をついて推しのために遠征していたことも内緒にしていた主人公に対し 説明を求めている元夫に、 自分の感情の話を一生懸命する主人公のシーン、脂汗が出た (共感性羞恥心かも)。 ある種の人は自分の感情を説明するのにいっぱいいっぱいになり、 その場で自分に開示要求されている情報がどういう種類のものなのか認識できなくなってしまう。 そしてそういうタイプは女性に多いとされている。 そのあとで、「感情の話はしないほうがいい」と別の女性からアドバイスされるシーンがあり、 教訓的なシークエンスだったのか…?と思った。 脚本を書いたかたが夫役もされている。 発掘の費用が3万5千ポンドで、「足りる!?」と驚いた。 油圧ショベル含む機材のレンタル、アスファルト撤去&再舗装、 廃棄物の処分、スタッフの日当、 代換駐車場代…… 思わず価格と期間を調べて試算してしまったわ。 大学がちょい悪めに描かれている。 あの、何も貢献してないのに結果が出たとたん前にグイグイ出てくる人物の 世界共通の声のでかさよ。 実際のラングリーさんはもうちょっとガッツのあるタイプに見える。 2012年からヘンリー1世捜索プロジェクトを立ち上げなさったらしい。 2023.09.25 サイトに掲載 2024.05.07 再掲載 戻る |