「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」










NHKで定期ドラマ化されている「岸辺露伴は動かない」シリーズ初の映画化。
ルーブル美術館でロケが行われたようです。

漫画家の岸辺露伴は、オークションで手に入れた漆黒の絵をきっかけに、
昔ある人物に教えられた「この世で最も黒い絵」の話を思い出す。
そして絵画が原因のトラブルに巻き込まれた露伴は、
ルーブル美術館へ件の絵を探しに行くこととなる…というあらすじ。

オークション会場や、露伴先生の祖母宅などとても雰囲気がありました。
ロケ地のホテルニューグランド、会津東山温泉向瀧、どちらも行ってみたくなりました。

脚本は小林靖子さん。
少しホラーっぽい表現があります。虫が苦手な人は無理かもだ。

ラストまでばれ

原作は映像にすると40分くらいのボリュームしかないので、
映画にするにはあと1時間強、 何かを足さないといけなかったのですが、
私は絵のホラー部分(死者の数と地下室の攻防、
露伴先生のホラーとんち)を増やすか、
露伴先生と年上の女性とのしっとり初恋部分、
どちらかを水増しすると思ってました。
しかし違った! そういう…因縁部分を深堀りか……。

色気とエキセントリックさが物凄かった原作奈々瀬さんと比べて
映画奈々瀬さんはちょっと上品で神秘的なのがよかったですね。
原稿のビリビリ度合いも少し手加減を感じました。
露伴先生は年上の女性に可愛がられる傾向にあります。
原作にはない、贋作絵師や黒幕鑑定家、
御用絵師一族と病身の妻の話を、すっと自然に挿入したところはなるほどなという感じだったんですが、
この話の肝の部分、地下倉庫の攻防が突然しょぼくなって、予算が切れたのかと思いました。
あと描かれたかたには申し訳ないけど仁左右衛門の絵がイラストタッチで、ガクーっとなった。
描いてあるものが読み取れない、でもどこか美しい、ぞっとするような絵が良かったな…。

原作の黒の絵には、オートマティックに、善人でも誰でも触れれば殺す、みたいな怖さがありましたが、
映画版は理が前面に出てきて、怖さは薄れた気がする。

映画第二弾がもしあるとしたら、みんな待ってる密漁編、
潜水撮影が予算の都合で厳しいのでは…と私は思ってるのですが、
今度はイタリアロケにして、泉編集とトニオさんの店に行って、
虫歯と肩こりと睡眠不足を治してもらって、それで密漁に行こうぜ!

原作ルーヴルに行くは所々露伴先生のポーズが、
絵画モチーフとなっている遊びがあるとのことですが、私は全然気付かなかった。
相似形を見つけるのとかが苦手なのかもしれません…知能。










2023.05.31 サイトに掲載

2024.05.07 再掲載





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