「 ノック 終末の訪問者 」










(原題Knock at the Cabin)

シャマラン監督の新作です。
親子3人が湖のそばのキャビンでバカンスを楽しんでいると、
斧を持った4人組の男女が無理やり押し入ってくる。
彼らは「君たち3人は1人を選び、生贄としなければならない。
そうしなければ世界が滅ぶ」と主張する…というあらすじ。

シャマラン以外には撮れないだろう不思議な話。
極限状況の人間の心の動きと行動を見るタイプの映画。
シャマラン過去作品で言うと「Old」型。
家に押し入ってきた人たちが丁寧に自己紹介するところが怖かった。
今後自宅敷地内に武装して侵入してきた人がもしいたら、
絶対に躊躇せず殺そう!と思いました。

人により苦手要素になるかもなのですがねたばれなのでテキスト色を変えます

津波の映像が長めに映ります
虫のアップ
同性愛差別の暴力
直接的映像ではない殺人

ラストまでばれ注意

「ミスト」のラストが100分間になったみたいな…。
でも時々挿入される3人の過去は暖かく愛情にあふれたもので
異なる2種類の情報に混乱しました。
夫婦がゲイカップルなのには明確な意味があって、
親の無理解、社会からのヘイトクライムに痛めつけられたアンドリューとエリックが、
(おそらく)先天性異常で引き取り先がまだ見つかっていなかったウエンと出会い、
互いを愛し合う親子になって幸福に暮らしていたからこそ、
そんな彼等が果たして世界を救う選択をするだろうか?という展開が重くなる訳ですが
でもシャマラン監督は計算でそういうキャラクター設定をする人ではないので
たぶんなんとなくなんでしょうね。
あとこれ男女の夫婦で妻があの選択をしていたら
いかにも(アンドリューが言ったミソジニーの滲んだ意見のように)なんでも信じる若い女の、
母性万歳映画になっていただろう。
彼らは男性カップルで、子供は血がつながっていない必要があったのだ。

しかし神(?)は、最初からアンドリューやエリックにビジョンを見せればいいものを
特に殺人をしたくない普通の人を使徒に仕立て、
そのうえ異性愛者の、4世代くらいの大家族からの生贄でなく
この世からつまはじきにされた互いしかいないような同性愛者の家庭からの生贄を望まれるわけで、
そんなのは邪神じゃないの?2週間後にまた「生贄ほしい」って言いださない保証ある?
駆除したほうがよくない?と思いました。
(私の脳の5割は少年ジャンプなので)
(そういえば2023年現在、創造主殺しを目的とする時間もの&能力バトル漫画が連載中)
また同時に、神が捧げ主にとって
一番しょぼい捧げものを喜ばれたり望んだりする話を寡聞にして知らないので、
少なくともこの世界の神は同性愛差別主義者ではないんだろうねとも思った。

しかしこの話を、全員正気で、最終的にすべて受諾する方向で描くシャマランは
唯一無二の監督だなあ…。









2023.04.09 サイトに掲載

2024.05.07 再掲載





戻る