「 バビロン 」 デイミアン・チャゼル監督 サイレント映画の時代、パーティーと薬物とアルコール、 人命軽視の現場、そこから生み出される傑作、という狂乱を メキシコ出身の青年と、女優を夢見る女、大スターの男性、 トランペット奏者の男性、字幕技術者の女性、などを軸に描く。 注意 大便まみれあり 尿まみれあり 全裸性器あり 大大大嘔吐あり吐瀉物まみれあり 薬物摂取描写あり 動物が残酷に死にます あらすじはセンチメンタルだが表現が過剰なうえに3時間あるので 体力のないひとにはきついかもしれない。 ラストまでばれ 気の優しい男性が振り回される、成功への夢、昔の恋人を思うほろ苦エンド、 またそれかよ!と言われるのを恐れて違う味付けにしたら、 唐辛子を入れすぎて激辛になった…みたいな印象。 ああいう頭のおかしいような表現、チャゼル監督の元々の芸風では全然ないけど、 やってみたらできた、という感じなのはすごいですね。 でもめちゃ理論武装したうえ隣で反応をうかがっている気配があり キャハー☆!頭がおかしいー!というノリでは見られない。 あと大いなるものの一部になりたい、 映画は民衆の味方(金持ち年寄りの娯楽の舞台とは違って)、 技術的革新が進みスターは理由なく飽きられあざけりの対象となるが その輝きは永久に保存される、等々の映画愛、 よく考えると噛み合ってなくてしかも悪趣味演出とマッチしているとは思えませんが でもマーゴット・ロビーが何度も泣いて、エキストラが事故死し、 大スターは泥酔しているのに、圧倒的な美の瞬間がカメラに収まってしまうあのシーン、 高まっていくリズムが、チャゼル監督十八番という感じでした。 サイコパスマフィア、トビー・マグワイア氏の演技最高でした。 「エスターの話をしてるのかな?」と思った(笑) しかしあの先天性異常の人たちを見世物にする暗黒ダンジョン描写、 あれは必要だったろうか???あそこでリアリティレベルがドーンと落ちたような。 (インスパイア元と言われる「ブギーナイツ」未見) ラストで様々な革新的映画の断片が流れるシーンで帰っていったお客さんがいた。 キャメロン監督作品が2作あったが、長らく技術刷新の牽引役だったのだな。 あと「アンダルシアの犬」の例の眼球のシーンがあって、フフって思った。 2023.02.12 サイトに掲載 2024.05.07 再掲載 戻る |