「 NOPE ノープ 」 人種差別への風刺のきいたホラー映画を一貫して撮ってこられた ジョーダン・ピール監督の新作。 広大な土地で何頭もの馬を飼育し、映画への撮影協力を生業としてきた一家。 しかしある日、突然空から降り注いだ細かい部品のようなものが 父親の頭部を直撃し、息子が牧場を経営することになる。 息子は、部品の四散が飛行機によるものだという見解に疑いを持っており… というあらすじ。 予告の映像から、宇宙人が関係するんだろうなーと思ってました。 なんだこれは!?っていう、他にないテイストが好きな人におすすめ。 見終わったあと、すごく空が気になって見てしまいます。 注意:動物は無事じゃないです。 エンドロール後に微妙に1カットあります。 おちばれ あの空飛ぶ円盤を1体の巨大生物と表現しているのは初めて見た気がする。 なので、宇宙人ホラーというより巨大生物パニックホラーものなんだけど それを書くとねたばれなので書けない。 UFOにどんどん人間が吸引される「フォーガットン」みたいな映画だと思ってたけど違った。 空から肉やカエルや魚が降ってくる謎の現象ファフロツキーズの、 監督なりの独自解釈が面白い。(消化できないものの排泄) というかめちゃくちゃバカ映画になりそうな設定を ここまで重厚に撮れてしまうのはさすがの技術だ。 この映画のテーマは序盤で引用されるナホム書の一説にある通り 生物を見世物にする行為と、 それはしばしば最悪の事態を引き起こすという事だろう。 架空のシットコムで起こったチンパンジーの件はモデルとなった事件があり、 友人の飼っていたチンパンジーに顔を剥ぎ取られた女性がいるのだが 迂闊に検索すると事件直後の写真がたくさん出てくるので注意です。 あの事件現場で靴が倒立してたのが理解できず、超自然的なあれかと思ったんですが 検索するとあの靴は偶然倒立して、あれに注目していたジュープは 意識せず、「チンパンジーと眼を合わせない」というセオリーを守り命が助かったが、 そのために彼は自分が人外の生物とコンタクトをとれると己を過信し、 あの空の上のものも飼いならせると勘違いしてしまった…という解釈を読んで なるほどな…?それかな…?と思ったのでした。 しかしチンパンジー事件で助かった女性、結局巨大生物に捕食されて死んだのは気の毒だ。 ファイナル・デスティネーションかよ。 理解できないと言えばあのやたら美声の撮影監督の人、 撮影終了したのに突然ウォォォォ!って突撃して行って吸われて、 笑ってしまったけど、彼はたぶん捕食マニアで、 捕食されたくてたまらん己の欲求に抗えなかったのだと思います。 お前の人生なのだから、好きに生き、好きに死ぬがいい。 電気屋の店員さんも一瞬食われて、 アフリカン以外死ぬ死ぬムービーかと思ったけど助かって良かった。 マジカルホワイトでいいひとだもんね彼。 (追記:ホワイトと書きましたが誤りでした) 妙な味わいに少しシャマラン風味を感じる。 巨大生物が紐を食べたがらないの、「気管が詰まる」って言ってたけど 紐を飲み込んだネコチャンの大腸が切れちゃうやつみたいで微妙にかわいい気もする。 それとあの「コカカカカカッ」って声、 別の宇宙人にあんな声のやつがいた気がするんですけど 「メッセージ」のヘプタポットだっけ…「囚われた国家」の統治者…? 「スカイライン」…それとも伽椰子…? 私の記憶、テキスト>画>音の順番に精度が下がっていくので全然思い出せません。 2022.08.24 サイトに掲載 2023.05.07 再掲載 戻る |