「 ブラック・フォン 」 ジョー ・ヒル原作 スコット・デリクソン監督 父と妹と3人で暮らすフィニィは妹思いの聡明な少年だった。 街では子供が連続で行方不明になる事件が起きており、 フィニィの友人も姿を消す。 ある日、フィニィの前に黒い風船を持った男が現れて…というあらすじ。 今年度ホラー映画暫定NO1です。 死霊が出てくるのですが、 それらは恐怖の対象ではありません。 友情+ホラーが得意な原作者とバディ+ホラーの得意な監督による、 相性のいいコラボでした。 死者はたくさん出ますが、結末のカタルシスと爽やかさがすごい。 注意事項 ・娘をかなり酷く折檻する父親のシーンがあります。 ・子供の暴力シーンが本格的です。 ラストまでばれ 原作の記憶がおぼろげだったので、 どこが変更点か分からなかったのですが、 ブルース以外の子供が映画アレンジだった。 霊たちのアドバイスがどれも上手くいかずにもどかしかったんですが、 最後にああなって、アアー!ってすっきりしました(あれも映画アレンジ)。 肉はちょっと強引カナ?って気はしましたけど(笑)でもいいと思う。 霊に特訓をつけてもらうシーンは燃え&オモロという、不思議な感情がわきました。 (それと、鍵の開いた部屋からフィニィが出てくるのを待っている イーサン・ホークのシーンは、 恐怖&オモロでした) 妹さんがすごく強くて、 岩で躊躇なく頭部を狙っていく獣のようなショットが好きです。 虐待親父が泣いて許された風なのが少し不満で、 治療しないと再発する気もするのですが あの妹さんならあと数年もすればアイロンか何かで反撃しそうな予感もします。 原作と映画なら、映画のほうがよい。 原作はブルース・ヤマダに「えぐい球投げてたな」 と クールな誉め言葉を送られたフィニィが 「いい試合だった」って凡庸な返事をしてしまって、 あとで「ああああ…」ってなっているところが好き。 原作「黒電話」の収録された「20世紀の幽霊たち」の中では 「ポップ・アート」というお話がともかく好きです。 キングの息子さんが小説家になるというのは、 想像を絶するプレッシャーだった思うけど、 「短編の手腕は父親以上」という評価がデビュー時の多数意見で、 心から良かったねえと思った。 2022.07.04 サイトに掲載 2023.05.07 再掲載 戻る |