「 ミナリ 」 韓国からのアメリカ移民第一世代のお話。 タイトルは「芹」の意味で、二度目の収穫のほうが味が良いことから、 子世代の繁栄を思って懸命に働く親世代の象徴らしい。 残念ながら私向けではなかった。 コメディシーンで飲尿表現あり注意。 not for me感想。 おばあちゃんと孫の交流は微笑ましかったし、 花札を始めるとおばあちゃんの語彙が ヤクザになってしまうのも良かった。 しかし 私は人が過失によって大きな被害を出すところを見るのが少し苦手だし、 めちゃくちゃになるのが他人の努力の結晶だとますます嫌だし、 その損失が解決しないまま終わるともう駄目です。 あとこの家庭の問題は父親が 「家族は父親を支え、父親の決定に従うべき」と 無意識に考えているところにある、ように思う。 「農業を諦めて引っ越そう」という妻の願いに 「親の成功した姿を子に見せたい」というような事を言うのですが、 子世代の繁栄のために懸命に働く、というのとは少々違うのでは?と思いました、 父親が劇的に変化して終わると予想していたが、劇的というほどでもなく、 むしろあの火災でうやむやになった感じ。 それとこの映画に出てくる長女さんは、 幼い息子くんが1人で行動するには無理のある箇所だけ機能する装置に近いので、 魅力的な個性はほとんど付与されないのですが、 「82年生まれ、キム・ジヨン」で提議された諸問題 (たとえば家族の意識は常に長男に向いていて、 父は娘の好物も知らない) を監督がとくに問題視していない、 というか長女のキャラクターの造形にそのまま出ていて 創作って怖い面もあるなと思ったりなどしました。 でもアジアの家族ものを見ると、 やはり男女観が似通っているなー、と思います。 韓国はキリスト教の信者が多いはずなのに、男女観は儒教色のほうが強く感じられる。 2022.06.02 サイトに掲載 2023.05.07 再掲載 戻る |