「 クリーチャー・デザイナーズ
   ハリウッド特殊効果の魔術師たち 」










20世紀末から21世紀初めにかけて特にご活躍なさった
映画に携わる有名造形職人とアーティストが
当時の話をするドキュメンタリー。
ホラー寄りの内容かと思っていたけど、そうでもなかった。
早口で喋りながら、 ろくろを回すポーズをなさるかたが多くて
ほっこりしました。

登場する映画は「エクソシスト」「ザ・フライ」「遊星からの物体X」
「グレムリン」、「アビス」、「ターミネーター2」
「ジュラシック・パーク」、「ヘルボーイ」
「スターシップ・トゥルーパーズ」、「スパイダーマン2」等々。

当たり前ですけど、モンスターデザインに興味のある人むけ。

ラストまでばれ

私はクリストフ・ガンズ監督が元気そうなのが見られて、
デル・トロ監督がいいこと言って、
「ヘルボーイ」の死の天使がバラバラのパーツになっているところを見られて満足です。
なんて美しいんだろう死の天使。羽の眼球が個別に動くギミックの素晴らしいこと。

ジュラシックパークの頃が過渡期だったようで、
フィル・ティペット氏は関わっていたジュラシックパークの仕事を
CGが代行すると決定したショックで肺炎になられたらしい。

CGか、 実在物質造形か、というのは全体的なテーマとなっており、
現在は製作期間を短くして費用を絞る方針にCGが合致しているけども、
それは必ずしもCGのほうが優れているわけではなく、
両方によいところがあるので共に必要な技術である、
という結論に納得しました。
逆にCGが手抜きで貧しい技術だとも思わないが、
短納期で仕上げる場合、 作家性が出にくいな、とは思う (私は)。
既視感のあるテクスチャと動作、重力、等々。
それにしても昔のハリウッドはお金があった…。

「ターミネーター2」のT-1000の効果、
破壊されるところは実物で戻るところはCGだったのか、とか
「アビス」の特殊効果、72秒に1年かけたのか、とか
ヨーダのCGの動きはアーティストの皆さんには不評なのか、とか
知らないことが色々ありました。
気になったのは、
ゴムの作品の寿命が来て変形変質しているという発言です。
たかだか数十年前なのに、ゴムって耐久力が低いのか!
石油王のファンよ…作品の保存を…と思いました。

映画音楽作曲家のインタビュー集の時も思ったが、
有名造形アーティスト達も白人男性率9割以上だな。
現在はもう少し偏りがましになっているといいのですが。










2022.05.31 サイトに掲載

2023.05.07 再掲載





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