「 トップガン マーヴェリック 」










36年前の大ヒット映画「トップガン」の続編。
輝かしい戦歴とフライトテクニックを持つピートは
生来の無鉄砲を発揮し、危く職を失いそうになるが
エースパイロットたちの教官として迎え入れられる。
そこにはかつての相棒、グースの息子がいた…というあらすじ。

前作の登場人物が引き続き出ているので、前作を忘れている人は見たほうがいいかも。
(回想シーンや説明台詞でフォローはしてくれるけども)
36年間で撮影技術は格段に向上しているので
戦闘機の位置や動きが分かりやすく、なおかつ迫力もあった。
飛行機好きにおすすめです。
奇をてらわない王道の、見本のような良い続編でした。
が、若い人がどう感じるかは正直分かりません。

ラストまでバレ

このシリーズは、ピートがいなくなった男性をずっと思っている。
前回は父、今作はグースを。
そして毎回親しい男性との別離がある。
前作では俺が!俺が!俺が!という性格だったピートだけど
今作では大人の落ち着きを身に付けていて、
特に対人は、後進を案じ、親友の息子を案じ、
女性に対しても引き際と遠慮を心得ていたのが大変良かった。
若者が圧倒的に強いお年寄りをチヤホヤする内容の映画が時々ありますが
ああいうのでなくて安心しました。

冒頭の、誘導員と戦闘機の水平ショットで
おっ!この映画、旧作へのリスペクトが極大値…?と思いました。
そしてダークスターのデザインや軌跡や背景がとても奇麗だった。
空のシーンはシミュレートを含めどれもよかったが、
あの、機首を90度上げると空気抵抗によって極端に減速する、あれが派手でよかった。
コブラ機動って言うんですね。編み出されたのがそれほど昔ではないようですが
思いついた人は頭がおかしいな。
あとピートのミサイルをかわした第五世代機の動きも良かった。
神フライトテクってコントロールされた墜落だなと思いました。
それと、ルースターのためにフレアを発射するところ、
翼で雛を守る母鳥のようで、空中戦の構図は全部決まってました。

前作はホモソーシャルりょくが高くてちょっと胸やけがしたビーチバレーのシーン、
今作のアメフトは淡白に仕上がっていて、ニッコリ笑顔でした。
女子が混ざっているからとかではなく、なんとなく牧歌的というか。
ピートが保護者目線で見守っているからかな?
あとヒロイン交代は少し残念でしたが、ペニーは前作でピートが狙ってた女子の1人なんですね。
主人公男性の命懸けの終盤の闘い、
邦画だとヒロインが祈ったり、泣きながら出迎えたりしますが、
この映画のペニーはクルージングに出かけてて
帰ってきたピートがアッルェ〜?って顔しているのも、おかしみがあっていいです。
ヒロインにはヒロインの人生がある感。

ピンチの時、難易度の高い飛行をしている時、
もちろんピートは緊張してるんだけど、
同時に一瞬笑っているような、幸福そうな顔に見える時があって、
演技力なのかトム・クルーズの人生なのか分からなくなることが何度かあった。

さすがに今回の敵国は国名を言わないし
人種も分からないようにしてあった…。イランではないかという話だけども。










2022.05.30 サイトに掲載

2023.05.07 再掲載





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