「 犬王 」 原作:古川日出男さん「平家物語 犬王の巻」 監督:湯浅政明さん 脚本:野木亜紀子さん キャラクター原案:松本大洋さん 壇ノ浦に沈んだ三種の神器の呪いで視力を失った友魚は 琵琶法師となって流浪するが、 京の都で異様な体を持つ犬王と出会い、意気投合し、 彼等のパフォーマンスで新しい平家物語を表現しようとする…というあらすじ。 実在の能役者、比叡座の犬王を題材とした伝奇ものです。 めちゃくちゃ人を選ぶし、欠点は幾つもありますが私は好きです。 類似作品が他にない。 強いて言うなら「どろろ」と「グレイテストショーマン」を混ぜたような話でした。 あと、ながいけん「まんがでよくわからない日本史」を混ぜて、 そこにBLを足した感じ。 平家物語が好きな人は見に行くといいと思います。 繰り返しますが普通の楽しさを求めて見る映画ではない。 反体制的という意味で非常に中世パンクな作品。 ボーイがガールにミーツして記憶を失ったり時間を越えたり おしゃれな音楽が鳴って、ピュアでエモで、 そういう一切合切、しゃらくせえ!という人むけ。 全員同じ方向を目指すのは非効率的だと思うので 湯浅監督、正解だし誰かお金を出してあげてほしい。 今年はイヤー・オブ・平家物語で アニメ「平家物語」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、 ジャンプ連載漫画「逃げ上手の若君」(100年以上あとの北条時行主人公。2021年より連載) いずれもトップレベルの娯楽作品ですが、この映画も面白かった! ゴア表現があるのでお子様向けではありません注意。 内容ばれ 犬王、腕の形と位置が左右対称ではなく、 顔も頭部はそのままで顔面だけ90度歪んでいる造形ですが 主人公2人が盲目と異形って、そんなアニメこれまでにあったろうか。 あと冒頭から南北朝の説明が始まって、やばい感がありました。 ショー演出は、途中まで中世の技術でなんとか対応してましたが 竜はもう超常現象の域だった。いや、全然いいです。 中盤以降、歌とループに頼った映像が増え、 予算が尽きたのか…?と思ったので、今度は倍額あげてほしい。 犬王と友魚の出会い、琵琶とダンスのセッションで 運命の出会いと好意を表現していて良かった。 別にいいけど、かつて見た中で一番荷物のでかい壇ノ浦入水だった。 三種の神器、過剰包装じゃない?冷蔵庫かと思ったよ。 劇中歌「腕塚」歌詞付き映像 https://www.youtube.com/watch?v=b3tP4huFvlE 平家物語を読んでから見ると、ますます楽しめるが 忙しい現代人、そうもいかないだろうから、このへんが知識にあるといいですよ。 湯浅監督のTwitterより https://twitter.com/masaakiyuasa/status/1528288397537648640 https://twitter.com/masaakiyuasa/status/1528151065509564416 2022.05.29 サイトに掲載 2023.05.07 再掲載 戻る |