「 ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス 」 「マーベル・シネマティック・ユニバース」の28作品目。 ドクター・ストレンジシリーズとしては2作目。 監督はサム・ライミ。 ストレンジは異世界の怪物に追われ、守護していた少女を やむを得ず裏切る夢を見て飛び起きる。 かつての恋人であったクリスティーンの結婚式に参列し、 内心の未練を隠して平静にふるまうストレンジだが 式の最中NYに、夢に見た怪物と少女が出現し…というあらすじ。 サム・ライミ監督色が相当強い。 監督のカラーとMCUが上手く融合してます、 フェーズ4のメインテーマであるマルチバース設定に踏み込み、 ストレンジ先生の内心の屈託を描写し、 なおかつホラー表現とバトルが合体した、これまでのMCUにないテイストで 「絶対に飽きさせない」という強い意志を感じました。 見ておいたほうがいい作品は前作の「ドクターストレンジ」。 余裕があればドラマ「ワンダヴィジョン」も。 ちょっとしたゴア表現と嘔吐シーンがあります。 エンドロールの途中とラストに1シーンあります。 ラストまでばれ 「キャプテン・スーパーマーケット」じゃん! いやでも100%サム・ライミ監督のやりたいように撮っておられたら たぶんこうはなってなかった(もっと人を選ぶ内容になっていた) 気がするので、絶妙なバランスだと思います。 ゾンビの目がキリッとしたヒーローの目なのと、 ぶちぎれたクリスティーンの反撃がオラオラしていたところと、 最後の「やっと終わった!」という(ブルース・キャンベルさん!)自虐ジョークに サム・ライミ監督っぽさを感じた。(分かる人だけ分かってください) 死体トンチも好き。 アベンジャーズは合意なく奪われた宇宙の半数の生命体を救ったけど、 代償も大きくて、何名かは命を落としたし、 ワンダのように愛する者の命を奪うという苦痛に耐えた人もいた。 力を持ったものは全員、自己犠牲に生きろとか、 強い精神力で苦難に耐えて当然とか、言う権利は誰にもないので ましてや不幸にして子供時代に家族を奪われたワンダに 高潔であれ、理性的であれとは言えないよなあと思いました。 恨みに狂うアベンジャーズが出るのも仕方がない。 彼女の怒りや執着と、ホラー表現がよくマッチしてました。 対抗する先生は、ゲートを使った戦闘表現はNWHのほうが上だけど、 まあ今回はゾンビ&悪霊バトルが最高なのでね。 ライミ監督は人の美貌にさほど興味ない印象だったのですが 今回のMoMはカンバーバッチさんが美しかった。特に冒頭。 元カノの結婚式場で変身して巨大生物と戦うって、 MCUのツカミは相変わらずレベルが高い。 ところでクリスティーンの結婚式について、 出席したことをウォンさんが驚くコミカルなシーン、 以前にプライベートについてウォンさんに話したのかな? もしかして事前に相談したりしたのかも…。 そういえば考えたこともなかったけど、 指パチンで消えた人の飼っていたペットは 外飼いとかでない限りほぼ100%死ぬことになるな。 下手すると声の出せない、身動きの出来ない要介護の人間も。 今回の最大のサプライズはイルミナティ。 サーが「出演はしてない」と言っておられましたが 例のガー氏以来、もう誰のことも信じてないので(笑) ほらね!ほらね!と思ってました。 キャプテンが「I can do this all day.」を言ってくれて キャー!(気絶)ってなりました。 背中のジェットパックはストンパーの応用なのかどうなのか。 マリアがキャプテン・マーベルなのも白目になりましたが、 (キャロルはどうなった世界…?) あそこまで無慈悲な退場だと、むしろ笑いました。 あっでもFOX勢を刺激しないで…!!!!とも思った。 ブラックボルトについては、お好きなかたには申し訳ないですが 私のMCUワースト作品は「マーベル インヒューマンズ」なので、 ちょっと爽快でした…。 チャベスさんは、久しぶりに見た 制御できないスーパーパワーによって強大なヴィランに追われるティーンですが、 散々性格に問題のある描写をされている先生、 なんのかんの言って未成年は無条件で助けてくれるんですよね。 (チャベスさんのご両親、女性カップルですがまたもや中国で削られるのか?) めちゃくちゃやりたい放題やっている印象のこの映画、 自分がメスを握らないと気が済まない先生の性分、 世界のための犠牲は仕方ないという先生の考え、 ウォンさんへの友情と敬意、クリスティーンへの思いの決着、 自分は幸せか?という問いの答え、 劇中で起こる出来事をきっかけに先生が変遷し 答えを得ていく様子が案外細やかに描写されています。 なので見終わったあと、そんなに暗い印象はない。 (私はワンダが生きていると考えるので) クリスティーンとはうまくいかなかったけど 先生にはウォンさんとマントちゃんがいるからね! シャーリーズ・セロンさん参戦! わー!アンジーと戦ってほしい。 2022.05.05 サイトに掲載 2023.05.07 再掲載 戻る |