「 ナイトメア・アリー 」 ギレルモ・デル・トロ監督の新作です。 見世物小屋の団長に拾われた主人公は、読心と交霊のトリックを学び やがて女性団員と駆け落ちして透視ショーを行うようになるが、 交霊術にも手を出し始めたあたりから歯車が狂って…というあらすじ。 移動式見世物の世界がたっぷりと描写されます。 美術がとても優れていた。 ヘルハウス内部が特に好きですが、ほかにもショーの背景や 教授の部屋の内装、彼等のホテルの部屋など、どれもよかった。 ウィレム・デフォー、ロン・パールマン、トニ・コレットなど、脇が渋い。 怪奇趣味だけどホラーというほどではない。 動物が死ぬシーン、人が死ぬシーンはあります。 どちらかといえば陰鬱な話なので、 山師が成功して美女たちとよろしくやって大勝利する映画が好きな人向けではない。 ラストまでばれ 山師の破滅を描く映画だからね。 二度目の映画化なのだそうですが、前作映画は見てません。原作未読。 空襲で企みがばれて、ラストは獣人なんだろうなと思ってましたが 片方ハズレだった。 リッター博士にもうちょっと比重を置いて、 復讐譚にしたらラストでややカタルシスがあったのではなかろうか。 例えどんな親であれ、親と良好な関係を築けなかった子供は不幸になる、不幸をもたらす話なので なんとなく残酷な印象。 ケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、どちらも美しく撮られてましたが 特にルーニー・マーラは、ああいう賢い妖精めいた女性が トロ監督の性癖なのだな…と思った。 2022.03.27 サイトに掲載 2023.05.07 再掲載 戻る |