「 大怪獣のあとしまつ 」 松竹と東映の大型共同プロジェクト。 日本で破壊の限りを尽くした大怪獣が突如死んで、 その死体をどう処理するのかというプロットの映画です。 予告が面白そうだったので見に行きました。 監督脚本は三木聡さん。 シンゴジラてきなもののパロディを出されると思っていましたが、 少し違って、風変わりな深夜ドラマみたいな痒いギャグと へんてこな人間関係を延々と見せられて終わりました。 一応起承転結があります。 早くも「令和のデビルマン」の称号が授けられそうですが、 デビルマンほどではないです。 あ、嘔吐シーンがありますのでご注意。 ラストまでバレ みなさんdisりつつもオチに言及している人は見かけない。 マナーがよい。 シンゴジラてきなもののパロディですが、 ユーモアのセンスが独特というかなんというかで、 陰毛で石鹸を泡立てるとよく泡立つとか、別れた彼女にかかった金額をセックスした回数で割るとか、 怪獣から発生するガスのにおいがウンコなのかゲロなのか国民の皆様にはっきり伝えないととか、 あきらかに蓮舫議員がモデルの女性がひっくり返ってパンツが丸見えになるとか(止める人はおらんかったのか) 北朝鮮がモデルと思しき国が怪獣の起源を主張したりとか(止め) なんかそういう昭和の中高生ノリの冗談がゆるゆる繰り出されます。 それと若者が赤紙で招集されて、多数の死者が出ているらしく、 怪獣が死んで、第二次大戦の頃のアメリカのパロディもありますが なんか低俗ジョークとの相性悪く、もぞもぞした。 あと唐突な、ヒロインの旦那の意味のない不倫とかが入って謎だった。 「怪獣の名は希望であります」は予告で見たときは面白かったし 客席でも笑っている人がいたけど、本編はそこへ行くまでに客席が冷えきってしまって 私の見た回は、上映中1度も笑いが起きませんでした……他人事ながらつらい………。 なにかと批判もでているが、福田雄一さんや堤幸彦さんは 小さい笑いで堅実に客席を温めてからのドーン、は案外基本に忠実だし、 ジョークの種類も幾つか用意してある。 しかし三木聡さんは、本当に独特なのだ。 「時効警察」とかでも、今回の窓の向こうのヒロインみたいに三日月さんの奇妙な動きのギャグがあったが 劇場でやると、客が音速で引いて行く気配が私にも感じ取れた。 そういえば「時効警察」主人公の霧山さんは謎多き男で、三日月さんは1回他の男と結婚するが離婚、 霧山さんにベタ惚れで、ずっと押しまくっている。一方的に霧山さんをライバル視する男も出てくる。 監督のサビなのだろう。この映画が「劇場版 時効警察」だったら誰も怒らなかったのに。 この映画は売り方を間違った、もしくは監督の人選を間違った。 粟根まことさんが出ておられた。 それと最高にもったいない使い方で染谷将太さんも出ておられた。 あと東映と松竹の偉い人は「シン・ゴジラみたいなものは、まあ誰でも撮れるだろう」と 思ってるかもしれないが、誰でもは撮れないからね。 2022.02.06 サイトに掲載 2023.05.07 再掲載 戻る |