「 ライダーズ・オブ・ジャスティス 」










マッツ・ミケルセン主演のデンマーク映画。
軍人である主人公は派遣先で、妻が列車事故で亡くなったという知らせを受ける。
母親と一緒に事故に遭い、生き残った娘と途方に暮れているところに
車両に乗っていたという統計学者が訪ねてきて、あれは事故ではないと主人公に告げる。
彼は妻を殺した連中への復讐を始める…というあらすじ。

妻殺され復讐バイオレンスね、ハイハイ…って思っていたら、なんだか違った。
妻を殺されて即座に殺人に走る人というのは、元々どこか病んでいて、
そんな彼が社会で普通に生きてはいけない人々と寄り添って再生する、
その過程でなんかめちゃ人が死ぬ、奇妙な映画だった。
これまでに見たデンマーク映画のなかでは一番好きかもしれない。
「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」原作と「96時間」を無理やり鋳熔かして固めた感じ。
冷蔵庫の女が多すぎですが、男性同士で癒し合って問題を解決しようとする姿勢やよし。

「アダムズ・アップル」を撮ったアナス・トマス・イェンセン監督。
嘔吐、暴力表現、父親から娘への怒号あり。

ラストばれ

Little Drummer Boyに始まってLittle Drummer Boyに終わる。
3人の博士は3賢者なのかな?と思ったけど、演奏も博士がやってるからどうかな。
「アダムズ・アップル」も信仰と性虐待が題材として扱われていたけど今回もそうです。
この監督はマッツをいたぶるのが性癖なのだな。

いろいろあって捻じれてしまった人たちが、互いの歪みを許容し合って生きている様子は
優しいけどなんだか痛ましかった。
顔認証システムエンジニアがパニックを起こした時、
統計学者が決まった手順で背中をトントンしてあげるのとか。

主人公の娘のボーイフレンドが、「君は僕が守る!」って感じじゃなくて
スーパーリベラルなのは面白かった。若いデンマーク男子、いまああいうひとが多いんだろうか。
でも顔面をもろに軍人パンチされて、指の骨を折られてまだ娘さんとお付き合いしているのは
わりと骨のある人だと思う。それとは別に、インスタに上げるんじゃねえ。専門家も注意しろ。

マッツの飲んでいるビール、プールしてあるカールスバーグは分かったけど
メインで飲んでたビールは分からない。
あと、目玉焼きをなぜ食べない。なぜ捨てるのだ。
些末なことながらサンドイッチとジュースで2000円もするの?
(食べ物に執着の強い豚の映画かんそう…)

襲撃の決着では「ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーー!!!!!????」
って思いますよね。司法的にはどういう決着になったんだろう…。
監督の「反社に人権なし」という強い主張が感じ取れる。

クリスマスのダサセーターパーティー、
ここ10年ほどであらゆるフィクションで見かけるようになったが、
デンマークにも伝播してたのか。1980年代のBBCが火付け役らしい。へー。









2022.01.23 サイトに掲載

2023.05.07 再掲載





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