「異端の鳥」 キッツイ映画として話題になった作品。 動物の惨殺が何回かあるのと、 人間のグロシーンと、子供の性虐待と、 全部書いたら寿限無になりそうな勢いなので、耐性最強な人向け。 スカトロはない。 第二次世界大戦時、ユダヤ人である主人公の少年は 東欧の叔母の家に匿われていたが、叔母が自然死し、 ショックを受けた少年がランプを落としたため家が全焼してしまい、 彼は流浪することになる。 しかし彼を待ち受けていたのは虐待につぐ虐待だった…というあらすじ。 イェジー・コシンスキの小説を映画化。 自伝小説風ではあるが、自伝ではなかったらしい。 あと小説内には特に少年の人種について触れられていないそうだが、 映画では彼の親がユダヤ人である描写があった。 好意的なことはあまり書きません。 ラストまでバレ 物静かで優しい子供だった少年が、あらゆる暴力を受け、 邪悪なふるまいを学習していくという趣旨は分かるのですが、 虐待シーン、性的な虐待シーン、虐待シーン、 性的な虐待シーンと次々シーンが移っていって、 そのつなぎ目が雑なので、なんだかこれポルノの構成では…? って思いました。 主人公がやたら縛り上げられ、裸にされたりとか、 最後の方の孤児院の拘束助走鞭打ちシーンって必要あります? 完全にフェティッシュの世界では? もとより物語の進行を移動に頼っている話は原始的だと思っているのですが、 少年が川に突き落とされてそのまま流れて次の章にいったときは ちょっとポカーンとした。 あとあんなに連続で淫乱1、ペドフィリア、 淫乱2にエンカウントするってどういう世界? (1つの国に特定できないよう、人工言語が使われているそうです) 住人全員がハードな趣味を持つマニアックランドなん? 申し訳ないがこの映画は私には 児童虐待で興奮する性癖の人が作った趣味の映画にしか見えなかった。 何かを上げるために何かを下げるが、 同じ系列でも「悪童日記」はシーン同士のつながりがなめらかだった。 見るなら「悪童日記」をおすすめするかな…私は。 些末なことだけどヤギの頭部のゴッドファーザーストライクについては、 少年の、男へ向けた暴力が報復・防衛なのに対して 女への暴力は恥をかかせた処罰なのは非対称で(お手本があったとはいえ)、 作者も制作もこれ無意識だろうなと思った。 2021.12.15 サイトに掲載 2022.05.08 再掲載 戻る |