「DUNE デューン 砂の惑星」 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督 1965年フランク・ハーバートによるSF小説の2度目の映画化。 前回映画は1984年デイヴィッド・リンチ監督。 私は原作未読、前回映画は視聴済、ドラマ版未見。 後続の作品で影響を受けたものが数多くあるので (私は今回「宮崎駿さんは、めちゃくちゃこの小説に影響を受けたんだな…」と思った) 若い人は「よくあるパターンで構成された普通のSFですね」って感じるかも。 でも1965年、いまから半世紀以上前の小説なのです。 公家の台頭を懸念する皇帝の策略により、領地替えで砂の惑星アラキスに配属されたアトレイデ家。 その嫡男であるポールは、不思議な夢をよく見るようになっていた。 「スパイス」と呼ばれる貴重資源を産むアラキスを失ったハルコンネン家は、 夜陰に乗じてアトレイデ家を滅ぼそうとするが…というあらすじ。 シリーズ化する予定だとかで、完結していません。 リンチ版ポール役のカイル・マクラクランも少女のような美しさがありましたが 今回のポールを演じるティモシー・シャラメ、CGか人形のような美しさ。 あとスケールどでかい話なのですが、衣装、美術が頑張って 重厚な世界観を作り出していた。 1965年版はリンチ監督が個性派作家すぎて、 気の毒なほど作品の傾向に合ってなかったですけど、 今回のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版、彼で駄目なら 今回の予算と期間では誰にも無理だろう、という人選なので、健闘した。 (あるいはJJを引っ張ってきてドカンボカン系SFにするか) 私の感想は、がんばったな!という感じ…。 内容ばれ ダンカン役のジェイソン・モモアが格好良かったです。 それとお父さん役のオスカー・アイザック。 なぜか全裸に剥かれてしまって (体に何か仕込まれるのを警戒したとか?) 何かこれ見た事あるな…?って考えましたが何ですかね。 「マラーの死」かな?カラヴァッジオの「ホロフェルネスの首〜」? 採用されたエピソードが無印とだいたい同じで 演出の違いを比較すると2重に楽しめます。 旧作ハルコンネン伯爵の 「醜くてサディストで女性や小動物を虐待し、同性愛者」っていう、 明らかに同性愛を悪役演出の1つにしていたのをなくしたのはいい判断でした。 私は無印で唯一しっかり覚えてたのは鉄のパンツの男のことだけなんですが 今回は登場しませんでした。続編で出るのか?そして鉄のパンツを穿くのか? リンチ版は巻きに巻いて復讐の成就まで詰め込んだんですが、あれは狂気のスピードでした。 しかし今回、丁寧に描いているがラストのカタルシスがないのも一長一短。 それはそうと星間飛行をする科学力があるのに、 なんで地平をワーワー走る白兵戦やってるのかな?って疑問でしたが、 あのバリア、瞬間的なエネルギーを遮るから人力の刃でしか殺せないのですね。 納得です。投石器で鉄骨でも打ち出したらどうかね。油を放出して火を放つとか。 最後の決闘裁判と連続して見たのですが 要するに諸侯の領地争いとか、印章による書類押印とか、 共通点がちょっとあって面白かった。 2021.10.18 サイトに掲載 2022.05.08 再掲載 戻る |