「ボルベール〈帰郷〉」










ペドロ・アルモドバル監督
父と母を火災で失った姉妹は、
記憶力の衰えた伯母を引き取ろうとしていた。
しかし伯母は姉妹の申し出を断り、息を引き取る。
妹は伯母の家で幽霊を見る……という、
女性3代にわたる笑いあり、サスペンスあり、涙ありの家族の物語。

スペインの村の人たち、明るくて優しくておおらかだけど、
強引で詮索好きで陰口が娯楽で気分屋で忘れっぽい。
長所と欠点は表裏一体。

あまり好きではない系の話だが、
ぐいぐいと展開して引き付けられてしまうのは監督の手腕だろう。

ラストまでばれ

死体を埋めに行くシーンで国民性が出るなあと思ったんですが
私だったら死体を埋めるのに近所の人の助けは借りないし
墓標とかも絶対に彫らないわ。

なぜ産むのかよく分からない。
当時スペインの中絶が規制されてたとかだろうか。
こういう畜生、1人ならばまあ人生の苦難の象徴としてバランスが取れるけど
2人以上出てくると、
隙あらば卵を産み付けようとするフェイスハガーが人情ドラマに閲入して
ウロウロしている感じで、
男はつらいよ、旅と女とエイリアン、という印象になってくる。
まずフェイスハガーを全員燃やせ。話はそれからだ。(全員死んだけど)

タフな女系家族3代にわたる家族記で、
娘ちゃんの心配はしなくてもたぶん大丈夫だろう。
彼女は今後も強く生きていけるし、エイリアンに出会ったら燃やせる。









2021.09.30 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





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