「ブリット=マリーの幸せなひとりだち」










スウェーデンでめちゃくちゃに売れた小説の映画化。
ブリット=マリーは63歳、料理は絶品で掃除は完璧な家事上手。
しかし40年連れ添った夫とは碌に会話もない。
あるとき急病で病院に運ばれた夫の病室に駆け付けると、
そこには付き添っていた愛人がいて、
ブリット=マリーは家を出るというお話。

不倫じいはブリット=マリーを追いかけてきて、
戻ってくれー、あの女とは何でもないんだーとか言うのですが、
これアメリカの映画だったら、当然許されるわけもなく
不倫じいの車がクマに襲われて大破するくらいはあると思います。
でもスウェーデンにおける夫婦の倫理がどんなもんか分からないので、
どうなるのだと少しハラハラしました。

ラストまでばれ

高齢男性が現役として活躍するエンタテインメント作品は
日本にもありますが、
高齢の人物の人生を描く大ヒット作品は男女ともに思い当たりません。
これは大作邦画には芸能事務所とスポンサーの意向が大きく反映され、
事務所の売り出したい役者さんは若手というのが理由かな、
などと考えます。
(でも今後人口における老人と若者の比率がどんどん偏っていくと、
老人の人生映画は増えるかも)

ブリット=マリーは職安で「63歳となると就職口は少ない」
と言われるのですが、少々意外でした。
スウェーデンは61歳以上は希望すれば年金受給をスタートできるらしいから
それで働かなくても大丈夫ってことなのかな?
日本のように老後保障年齢が年々上がっていくうえに
働き口が少ないってことではないといいんだけど。

あの「許可証を持ってないと大会には出られないよ」って
勧告に来たあと放置して、大会直前に
「出られないって言ったよね」ってなったとき、
ひどい!あ
んまりだ!ってワーワーなったの、ちょっと不思議な感じがした。
なんで放置した…あの時点で誰かに相談していたら
もっとスムーズだったのでは…これは日本人的な感覚かもだけど…。

このお話、邦画だったら確実に誠実で優しい警官さんと一緒になって、
子供たちと楽しく暮らしました…ってなってた気がするのですが
そうはならないところが北欧なのか?と思いました。








2021.09.29 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





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