「オールド」










M・ナイト・シャマラン監督。
シャマラン映画好きなら、下記は読まずになるべくお早くどうぞ。

海辺のリッチなホテルに宿泊に来た一家。
支配人から特別に案内された神秘的なプライベートビーチで
ゆっくりと過ごすつもりだった夫妻と子供たちだが
どうも様子がおかしい。しきりと空腹を訴える子供。
やがて女性の死体が漂ってきて……というあらすじ。

フレデリック・ペータースとピエール・オスカル・レヴィーの
グラフィックノベル「Sandcastle」にインスパイアを受けたそうです。

どういう話になるか分からず、ハラハラドキドキするし、
登場人物の妙な味わいのセリフは相変わらず、
残酷なんだけど暖かさもあって、後味は妙にいいという
大満足のシャマラン作品でした。
以前シャマラン監督のファンは
混沌奇妙派閥と、大オチ秩序派閥と、抒情派閥の3派閥に分れるというようなことを書いたけど、
今回は大オチ秩序派閥と抒情派閥が気に入る傾向の作品だと思う。

今回の監督はカメオというか、登場人物だよ。
あと冒頭に心温まるご挨拶がある。
これを口に出して言うのがシャマラン監督だし、
胸の内に秘めるのがノーラン監督。
(どっちも好き)

残酷描写あり。
統合失調症に関するテンプレ描写の苦手な人は注意。

オチばれ

あのトルネード死体、諸星大二郎先生のヒルコを思い出した…。

「Sandcastle」は、時間の早く過ぎる海岸の話だけども
謎の鼻血や、崖の上の監視員の設定はあるらしく、
それを伏線にして監督が真相を付けたしたらしい。すごいな!?

南国のリゾートホテルがとても素敵で、旅行に行けない2021年現在
ちょっと心が慰められます。ドミニカ共和国のプラヤエルバジェというビーチらしい。
ただ今後、海の高級リゾートホテルに泊まった時、この映画の事をふと思い出しそう(笑)。

シャマラン映画の登場人物の、とぼけた味わいが好きなんですが、
あの、お父さんがパンフを見ながら
「明日は子供立ち入り禁止だって!大人デーらしい。
まあ人生ってそんなもんだよ」とかふざけて言って
子供がキャアキャア怒るのとか、
癲癇の発作が収まったあとでゲストの妻が
「今度は首を1回転させるわ」って言うのとかが、相変わらずいいなあって思います。
ビーチで起こることは悲惨の一言に尽きますが、
お腹が大きくなったあれ、「10回くらいするんじゃないの?」で笑ってしまった。
あそこは誰も叱らなかったの、良かった。誰も悪くないもんね。予想もつかないもの。
お子同士が仲良くなる時の、
「1000ピースのパズル仕上げたよ!」「珍しい貝を46個も集めたよ!」(うろおぼえ)
とかカマし合うノリ、大人になっても書けるもんだな。
あと悪人たちが死んだ家族に、しおらしく黙祷するの、人間ぽかった。
書き割りの「あくにん」じゃないんだよな。
結局お父さんとお母さんは、何事もなかったら帰って離婚して
たぶん不幸な人生が待っていたわけで、
旅に出たことでその運命を逃れて愛を深め、子に看取られながら人生を終えた。
サスペンスに不似合いな優しいシーンだった。
なので見終わったあとそんなに暗い気持ちにはならない。

あんなにたくさんの人数を処理しきれるかなあ…?とは思うけど。
ところで2019年にドミニカ共和国で、アメリカ人観光客が連続で亡くなる事件があって、
何故かみんなミニバーを利用したあとで具合が悪くなったらしいですね?
https://news.livedoor.com/article/detail/16614706/










2021.08.29 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





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