「家族を想うとき」










夫と妻と息子と娘の4人家族が暮らしている。
夫は転職したばかりで宅配のドライバーをやっている。
妻は訪問介護。2人とも朝から晩まで休みなく働いている。
夫は14時間トイレにも行けないほど忙しく、
休みも1週間に1度ほどしかない。
しかし息子は荒れ、夫婦はあまりにも時間がなく、
おいつめられていく…というあらすじ。

貧困を描くケン・ローチ監督です。英国は超階級社会で、
労働者階級は長時間勤務しても収入に限界があり、
かといって生まれついた階級から上に昇るのは難しい
という問題があるのだと思う(英国だけの問題ではない)。

ラストまでばれ

しかし親の苦労を見て育った息子ですら、
自己責任論というか貧乏なのは努力が足りないせいで、
好きで貧乏をやっているという考え方なのはやりきれない。
どこの国も宅配ドライバー業務は勤務条件が厳しいと思うけどでも、
逮捕された息子を警察署まで引き取りに行かないとならないのに
休憩が許されないというのは、何らかの法に触れないのか?
個人事業主たちが集団訴訟したら勝てないかしら?

あとあの上司は、
共感能力のない人間のほうが業績はあげやすいという典型例だと思う。
でも人間を次々使い潰して利益に換えるあんなやり方は、
止めないと、結局は社会が食い荒らされてしまう。
どの国もそれぞれ問題があって、
飛びぬけて成功している場所はないので
各国の良い手法を少しずつ真似し合って
理想に近付いていくしかないと感じる。
こういう時に目がくらんで、
一挙解決に賭けるとろくなことにならないので注意が必要だ。

お父さんは、ちょっと頭に血が上りやすいけど
(そしてそれは息子に遺伝しているけど)いいお父さんだし、
お母さんはめちゃくちゃに優しい人だし、
お兄ちゃんも、ちょっと頭に血が上りやすいけど根はいい子だし、
妹ちゃんは100万点の天使だし、
本当に何でこんなことに…という感じです。
現実がそうであるように、この映画も特に何も解決しないまま終わります。









2021.08.05 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





戻る