「ジェントルメン」










監督脚本ガイ・リッチー

英国任侠もの、あるいは英国HiGH&LOW。
肉体的暴力は少し減り、銃による暴力が少し増えた気がする。
テーマによるものか監督の加齢によるものかは分からない。
アラジンで抑えた分、ガイガイ&リッチーリッチーしています。

低所得の家からオックスフォードへ進んだ主人公は校内で大麻の売買を覚え、
それを生涯の生業と決めて大学と故郷を捨てた。
大成した彼は引退を考えていたが…というあらすじ。
相変わらず一人称小説の文章のようなスタイルです。
チャーリー・ハナム演じる腹心がすごくよくて、
冷静で計算高いが、変な人だな!?というところわくわくした。

内容ばれ

「へロインキライキライ!ギーッ!」てなってたところが好きです。
しかしいつの間に自動小銃を装備したんだろう。
椅子に座った時にはなかった…?2回見たら分かる?
いや、乱射のところ完全にジョークシーンだろうから、
そんな真面目に考えてはいけないんだろうけども。
コーチ率いるボクシングジム軍団(スポーツクラブ?)は
序盤から筆が乗りまくって、
「それ以上やったら話が2つに割れるからだめ!」って思ったんですが、
まあギリギリセーフで収まりました。
スピンオフにしても面白そうでした。あ、ドラマ化するそうですね。

スタイリッシュ小2ジョークは全部いい感じだった。
赤痢ドヴァァァァァとか、電車ブッチィィィィとか
いつものトップボトムとか、和牛とか、
コードネーム U.N.C.L.E.のポスターがスッ…と貼ってあったり。
大麻の栽培スペースの驚きの確保方法とか、とっても英国ネタだった。

ボスが唯一崇拝するワイフの描き方もクールだったが
ただ、貞操危機一髪で旦那が助けるシーンのところだけ能力下方修正されて、
そこはちょっと納得いかなかった。なんで弾数宣言しちゃうの…。

人種差別のセリフについては英国のあの階層の空気感を表現したそうなんだけども、
堂々と差別発言する英国スタイルは
ヤバくて格好いいというニュアンスに感じられたので(私は)
有色人種としてはNO。
エンタメ警察としては、あのやりとり不要なので矢張りNO。
あの場で両人ともウゼェからビンタして泣かすとかではだめだったのか…?

それ以外はなんとなく好きですね。
ところで今回出てきた英国の下層階級の人々が、
無印「キングスマン」の主人公を想起させるので、
マシュー・ヴォーン監督への何らかのメッセージ性を考えてしまいました。

ものすごい超げろがあります。注意。










2021.06.02 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





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