「アンモナイトの目覚め」











19世紀中ごろ、英国の海辺の小さな町で土産物の化石を売って生計を立てている
古生物学者のメアリー・アニングのところに、化石発掘を見学するために学者がやってくる。
学者は妻を旅に同行させていたが、精神的にまいっていた妻を町に残し
その面倒を見てほしいと報酬をメアリーに渡して去ってしまう。
最初は互いに馴染めなかった2人だが、徐々に打ち解け、
やがて愛し合うようになる…というあらすじです。
「ゴッズ・オウン・カントリー」のフランシス・リー監督。

実在の女性古生物学者で、発掘実績は優れているものの女性であるために
学者としての活動はほぼ禁じられていたメアリー・アニングを演じるのは
ケイト・ウィンスレット。
美しき人妻を演じるのはシアーシャ・ローナン。
(メアリー・アニングが同性愛者であったという資料は特になく、
実在のマーチソン夫人と同性愛の関係にあったというのも同じく監督の創作だそうです)
ベッドシーンは結構がっつりあるので、ご家族でのご鑑賞向きではない。

内容ばれ

偶然だろうけど、最近見た「燃ゆる女の肖像」と話の流れが同じだ。
職業を持つ女性と、婚約者または夫を持つ女性が
最初はうまくコミュニケーションを取れないがやがて愛し合う。
しかし別れが訪れ、ラストに対峙する。

ところで同性の恋愛映画、近年私が劇場で見たのは
「アンモナイトの目覚め」「燃ゆる女の肖像」「マティアス&マキシム」
「劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜」「ゴッズ・オウン・カントリー」
「君の名前で僕を呼んで」ですけど、
配偶者または婚約者のいるパターン多すぎじゃないですかね。6本中4本。
そしてラストで別離、または関係が続かないのも6本中4本。
同性愛は倫理観を欠く、普通ではない連中による一過性のもの…
という偏見を強化してしまうのではないかしらと
余計なことながら心配してしまいます。
(過去の女性を描く場合、誰かの妻になる以外の生活の手段がないとかで仕方ないかもですが)
精神の安定したフリーの人同士が、ハッピーな関係を築く同性愛映画が
もうちょっと増えてもいいのではないか。









2021.04.12 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





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