「ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実」










実話に着想を得た話。
ベトナム戦争でパラレスキュー部隊に所属し、
7人の人命を救って命を失ったウィリアム・H・ピッツェンバーガー。
彼の両親や戦友たちは30年以上経っても、
彼への名誉勲章の授与を望んでいたが、それは果たされていなかった。
審議を担当するペンタゴンの官僚である主人公は
乗り気ではなかった聞き取り調査を行っているうちに、
授与の申請が通らなかった理由に行き当たる……というあらすじ。
タイトルはリンカーンの演説の一節から。

セバスチャン・スタン初主演作品。
彼は、主人公の苛烈な感情を柔らかく受け止めてくれる
記憶の中の聖域のような男を印象的に演じる役者さんですが、
今回も主演ながら周囲を振り回すような人物ではなく、
傷付いた人々に寄り添う役柄でした。

助演陣がすごくて
クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート、
エド・ハリス、サミュエル・L・ジャクソン、ピーター・フォンダ。
残念ながらお二人亡くなられましたが、
名優たちの演技合戦が堪能できます。

内臓が少し映ります、あと嘔吐あり。

内容ばれ

非暴力主義者で戦闘を拒否しながらも戦友75人を救った
デズモンド・トーマス・ドスを描いた「ハクソー・リッジ」を思い出します。
彼も名誉勲章を授かっている。

ピッツェンバーガーの降臨は後半宗教画のような描かれ方で
聖地のように美しく整えられた降臨跡のシーンは抜群に美しかった。
(ベトナムにとどまるケッパーを「カーツ大佐」と揶揄するシーンがあったが地獄の黙示録ネタ…?)
争いも血も不幸も、美しい男の美しい涙が浄化する的な、
一時期のファスベンダーさんのような撮られ方をしていたので
フフって思いました。
(しかし全編を通してあの戦争はアメリカ側の内政干渉であって
まったく義のない戦争だったという視点がなく、
ただ美しい自然、優しい住民…女子供…という画だったので、そこのところは少々首を傾げた)
セバスチャン・スタン氏が現時点の世界ヒエラルキーの頂点、
異性愛者のパワーエリート白人男性を演じるのは結構珍しい気がするのですが、
序盤は声を濁らせて表情も攻撃的、後半は透明な声でやわらかい表情と、
変化をつけておられるような気がした。

上映館が少なく、最寄り映画館が名古屋になるところでしたが
シネマート心斎橋さんがかけてくださって感謝…!











2021.03.07 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





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