「スタントウーマン
    ハリウッドの知られざるヒーローたち」










女性スタント史を黎明期から現在まで、
記録映像と証言によって学べるドキュメンタリー。
といっても堅苦しい内容でなく、
知ってるアクション映画がじゃんじゃんでてくるので
瞬きもできないくらい集中するし、
昔のスタント事情はびっくりするような人権無視現場なので
退屈するどころではありませんでした。
アクション映画の好きな人向け。

映画がまだ興行として成り立つかどうかの瀬戸際のころ、
生命の危険を伴うような仕事を女性や有色人種がやっていた…
っていう映像のところ、「落下の王国」を見ているので恐ろしかった。
亡くなったり、重度の障害を負ったりした人がいると思う。

若いスタント女性が、大先輩のお話を聞く形式なのですが
双方にリスペクトと仕事への愛があって聞いていて楽しい対談でした。

現代映画の映像は、
おなじみマーベル映画、DC映画、マトリックスやチャーリーズエンジェル、
ゴーストバスターズ2016、キル・ビル、スコット・スチュワート監督のプリースト、
ワイルドスピード、なんとテルマ&ルイーズまで(たぶん)。
再び大画面で見られて嬉しいヒロインたちばかりでした。

内容ばれ

格闘技に加えて、車やバイクの運転、時に乗馬も、
落下や火や水に耐える身体能力や技術のために
彼女達は日々ひたすら鍛錬に励みます。
男性は服の面積が多いためプロテクターを仕込めるが
肘や膝の出た衣装の多い女性はそうはいきません。
なおかつ女優さんの体型に合わせるため減量が必要だったり
ヒールを履いてのスタントをしなければならなかったりします。
(短いドレスのスタントでは、めくれ防止でテープを貼ったりするそう)

しかしスタントの世界は白人男性優位社会で
男性なら見過ごされるようなミスも女性であれば囃し立てられ、
組合にも加入させてもらえず、ならばと女性スタント組合を立ち上げると
5年仕事を干されるような環境で、それでも彼女たちは実力を示し
とうとう女性アクション監督を輩出するまでになりました。
ものすごく優秀な人たちが世代ごとに不断の努力を見せたからだと思います。
(業界に薬物が横行してキマった状態で仕事をする人がいて事故が起きたし、
告発するとやはり締め出しをくらった、というのは20世紀の人権意識ィ…)

危険な仕事なので事故の話は多かったですが、
直感を信じろ、一連の流れをイメージできないときは
必ずアクションのどこかに不可能な部分があるので事故が起きる、
という話は面白かった。

監督としてスタントを語る人でヴァーホーヴェン監督が出ておられましたが
「男だとできるのに、女性スタントではできないアクションがあるんだよねー」
ってめちゃくちゃ空気読まない発言なさってて、むしろ笑った。
もちろんあとはずっと女性スタントを称賛しておられましたけど。
ポール・フェイグ監督も語っておられましたが、さすがおしゃれ番長、
すごい色のスーツとネクタイの着こなしぶりに目が吸い寄せられて
発言が半分くらい頭に入らなかった。

私はMCUでブラックウィドウのスタントをされている
ハイディ・マネーメイカーさんが好きですが
(ジョン・ウィックで暗殺者の1人をなさっている)
妹さんもスタントをされていて、姉の過激なスタントを劇場で見て
「おねえちゃん!?(死!?)って言った」って話は可愛かった。
ワイスピスカイミッションのキャットファイトスタントは
姉妹によるものだそうです。へー!











2021.01.10 サイトに掲載

2022.05.08 再掲載





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