「偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)」 劇団☆新感線 脚本:中島かずき 時は平安末期、打倒平家を掲げて挙兵した源頼朝の軍勢は、 着実に包囲を狭めていた。 奥州を治める奥華一族は中央に対し不干渉を貫いていたが 客人として預かっていた遮那王牛若の狼藉を諫めようとした 嫡男、奥華玄久郎国衡は誤って牛若を殺してしまう。 頼朝との戦を恐れた奥華一族と、従者の弁慶、海尊は 密談の上、玄久郎国衡を牛若であると偽って 頼朝に謁見させようとする……というあらすじ。 新型ウィルスの影響を受けて一部中止になった舞台劇が劇場公開されました。 華やかで、美男美女が出てきて、殺陣は派手で 舞台美術は華麗で、びっくりするような演出があり、 ギャグがたっぷり、歌あり、踊りあり。 サービス満点の、the大衆演劇!という感じの楽しい舞台でした。 あと熟女主従百合が始まったので好きな人あちまれー! 内容ばれ 早乙女友貴さんは、お兄さんの殺陣より スピード重視な気がする。やっぱり回転のキレが他の人とは違った。 牛若、手に負えない無法者なんだけど、 コミカルなシーンも多く、憎めない感じ…。 弁慶も海尊も、主人公を殺したけど悪人という描かれかたでもなく、 先祖の皆さんも、先代と先々代が生前は 己の攻撃性と残忍さを抑えていたのが逆に凄いなと思うし、 頼朝ももちろんそうで、登場人物を善悪で二分してない (公家坊主さんたちは単純な悪だったけど。 あの衣装と屏風の背景はたぶんクリムトイメージですね。好き) 白装束のセフィロスみたいなのがいっぱい出てきて格好いいし、 ミイラが並んでる洞窟ってそれだけでテンション上がるし、 燃えるところは本物の炎に見えた。 あとイノシシ凄かった。中に何人入ってるんだろう。動きも機敏だった。 前足は棒で操作してるのかな?と思うが、 あんなに跳ね上げても中が見えないのはどういう仕組みなのか。 今回、あっ変わった!と思ったのは女性の描きかた。 熟女主従百合…! 黄泉津の方が今際の際に 「悪かったな、付き合わせて」って内容のセリフを言うの、 湿度低くてよかった。 あと、政子&亀コンビも、 年増の女性が若い女に嫉妬するギャグはこれまで何度もあったけど、 正妻と側女の間にリスペクトと友情が生まれて、 殿が置いていかれるパターンは、初めてではないだろうか? 劇団新感線、誕生から40年を経てまだまだアップデートしてて凄い。 2020.11.02 サイトに掲載 2021.05.05 再掲載 戻る |