「スパイの妻」










黒沢清監督

貿易商の夫を持つ妻は何不自由なく暮らしていたが、
社員として働いていた甥が会社を辞め、
何とはなしに不自然な空気を感じていた。
憲兵となった幼馴染からある日、
夫が中国から女性を連れ帰ったことを聞かされ…というあらすじ。

戦前あたりの昭和の服装や生活様式や
当時の男女の関係性のお好きな方にはおすすめ。

予告を見たときは黒沢監督が普通の大作映画っぽいのを撮られてる!
とびっくりしました。
ヴェネチア国際映画祭 銀獅子賞受賞おめでとうございます。
監督はメジャーデビューでちょっと大手と揉めてご苦労なさいましたが
ご立派になられて…。
でも私は監督の、幽霊が出る系作品のほうが好きなので、
幽霊もまたひとつお願いします!テへ!

オチばれ

妻ちゃんの悪夢の部屋のライティングと、
証拠映像は抑えがたいホラーテイストで笑顔になりました。
話の骨子は、社会情勢を知らず理念も何も持たない
ただただ愛情深い妻が、夫に騙され捨て駒扱いにされ、
それでも「以前より強いつながり」を信じて愛情を貫くという話で、
あまり私向けではなかった。
でもナレ死ならぬナレ(テロップ)ハッピーエンドで
黒沢監督なりにエンタテインメント配慮なさったのでしょう。
(穿った見方をすると、殺しに行ったとも考えられますが)

東出さんのビンタは痛そうだなと思いました。手が長いから…。
関係ないけど私、指の爪を3回剥いだことがあって
(趣味ではなく過失で)
あの拷問なら耐えられるのではないかという根拠ない自信があります。
ちなみに2回同じ爪を刺いだらその指は死体の爪みたいなのが生えてきて
伸びなくなりました。最初は指を切断してるんだと思ったら違ったのでよかった。

予告編を見たときはタイトルがダブルミーニングになっていて
てっきりスパイなのは妻で、全部妻の誘導オチだと思ったらこれもまた違った。











2020.10.20 サイトに掲載

2021.05.05 再掲載





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