「マティアス&マキシム」











昔から仲の良い友人グループと時々集まっては騒いでいたマティアス。
仲間の1人の妹の自主製作映画に出ることになった彼だが、
幼馴染のマキシムとキスシーンを演じる羽目になり、
そのキスがきっかけでお互いに意識しあうようになる。
恋人のいるマティアスは自分の感情に戸惑うが、
マキシムは仕事を探すためにオーストラリアへ渡ると決めており
彼の出発の日が近付いてくるが…というあらすじ。

グループのみんながとても仲良しで、
彼等のキャッキャするシーンがたくさんあります。
あと青年たちのお母さんが皆元気で、
息子の友達のことを身内同様にかわいがっていて、ほほえましい。
マティアスは自分の気持ちを認めたくないのか
情緒不安定になりますが、それを繊細に描写するのが
ドラン監督の得意分野のように思います。

というか監督、脚本、マキシム役がグザヴィエ・ドランで、
まだ31歳なの!?才能の福袋か!?

なんらかの依存症の毒親が、成人した息子を詰めまくり
暴力をふるう場面があります。あと軽い嘔吐。ご注意。

内容ばれ

こらマティアス〜〜その逃亡癖をどうにかしなさ〜い!
…って何回か思いましたが、
その善良で親しみやすい彫像のような顔面りょくで許してしまう。
でもマティアスは付き合ったら面倒くさいかもよマキシム…。

グループのみんなすごく仲良いので、
あの中の全員が他のだれかと恋に落ちる可能性もあったと思う。
マキシムの指吸いの癖が出たとき、
隣に座ってた長髪の子が無言で抜いてあげる描写が好き。

ドラン監督は「たかが世界の終わり」しか見たことがないのですが、
優しい人が家族にゴリゴリ削られる描写がお好きなのか?と思いました。
同じく幼馴染の同性に恋をする
「ムーンライト」も毒母が出てきましたが、あれを越えた。
しかし老女の力で投げてあそこまで酷いケガになるとは、
毒母の腕力がゴリラなのか、キャナダのリモコンがステンレス製なのかどっちだろう…。

細かいねたですが、
内緒話をするとき「秘密の守り人さん」って言ってた。
はりぽた原作ネタですね。監督直撃世代かな。
原語では何と言ってたか聞き取れなかったので意訳かもしれないけど。
あとドラゴンボールのベジータ、ゲースロなどの名称が出ていました。

マキシムの後ろを上手から下手に歩いていく動物、
マティアスの後ろを下手から上手に歩いていく犬が映りました、
しおれた観葉植物と撤去された観葉植物、
マキシムのことをなぜかじっと見てくる男性のシーンも2回、
特に伏線ではなかったんだけど、何だったんだろう。演出の癖かな?









2020.10.01 サイトに掲載

2021.05.05 再掲載





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