「悪魔はいつもそこに」










田舎で生まれた善良な少年が、
ある種運命のような成り行きで非情な選択を迫られる。
湿度低く淡々と撮られており、渋めの作品。
しかし下衆がゲスゲス出てくるゲスカーニバルのうえに
一般的に苦手とされる要素が多いのでご注意。
主演はみんなの甥、世界の孫トム・ホランドさん。
なお、ロバート・パティンソンがグレート・ザ・ゲス役で出てくるので
「テネット」でポーっとなっている時は見ないほうがいいと思う。

苦手な人が多そうな点を箇条書きにします
(ちょっとねたばれかも)

・犬が非常に残酷な死に方をします。
・人間の残酷な状態の死体も幾つかあります。
・虫注意。
・牧師が未成年を性虐待します。
・嘔吐あり(胃液)。

牧師の性虐待、強要された少女たちが
みなパティンソン牧師に夢中になる描写が
いかにもペドの夢見そうなペドドリームで、
私はそれがきつかったですね…。

ラストまでばれ

あまりにも一部地域に基地外とゲスが集中しすぎじゃないかしら…?
って思いましたが、冒頭に、大半が血族…てきな説明があったので、
血が濃いのとそれと戦争のせいでしょうか。
トム・ホランドくん演じる主人公、人間としてすごくできたひとで、
祖母思い妹に優しい、寡黙だけど善良でマッチョではない、
でも屈辱に黙って耐えるわけでもない、
とキングの小説の主人公みたいでした。
そしておそらく人を殺す才能があり、兵士に向いている
(最後にナレーションでも言ってる)。

この映画のテーマからは外れますが、
やっぱり銃はあると使っちゃうんですよね。
殺人へのハードルが低くなってしまう。
アメリカ映画で時々ある、父親が息子に銃を撃たせるシーン、
あるいは暴力を強くすすめるシーン、出くわすたびに私は
「さてこの監督はこの儀式をバカの継承として撮るのか、
それとも美しい郷愁、親子愛として撮るのか」って思って見てます。
まあ勿論この映画で主人公に降りかかる不幸はあまりに惨いので
黙って打たれるままになれとも思いませんけど
(主人公は神を信じませんが、信仰があればすべて許せるのかな。ロリペド牧師とかも)

ペド牧師といえば、あんな田舎の信仰深い相互監視共同体で
ドラマもラノべもなく、
自由時間は教会にせっせと通って母のお墓とお話しするような十代の少女に
恋愛に憧れるような下地ができるだろうか?
ちょっとあの一連はペド脳の見る世界っぽくて引きました。

信仰も暴力も、等しく人間を狂わせるもののように思えます。
あまり私向きの映画ではなかった。
推し(セバスチャン・スタン)と孫が目当てだったのでまあいいけど。










2020.09.25 サイトに掲載

2021.05.05 再掲載





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