「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」 モリーとエイミーは成績優秀な女子高生でイェール大学への進学も決まっていた。 将来のキャリアのために努力を積み重ねてきた2人、とくにモリーは 遊んでばかりのクラスメイト達を落伍者として見下していたが 彼らがそれぞれ一流大学や企業に進路決定していることを知りショックを受ける。 それでクラスの人気者が主催する卒業前夜パーティーに乗り込んで行き、 勉強ばかりではなく遊びもこなしているところを自他ともに証明しようとするが… というあらすじ。 青春コメディです。女子同士の青春コメディというと、 おしゃれに恋にパーティーデビュー、とキラキラしたものが多かった。 でもこの映画は譬えるならサイモン・ペグとニック・フロスト、 セス・ローゲンといったナード同士、 やや癖の強い、あるいはちょっと駄目な親友同士が、 恋が上手くいかなくったって、お前がいれば人生最高だぜ!イエーイ! ってやるような作品、ああいうカテゴリです。 これは本当に珍しく、他には1本も思いつきません(私は)。 あと大人が単なるモブではなく、それぞれ人生があって、 できる範囲で子供のために何かしようとして、 でもやらかしもするところよかった。 嘔吐シーンがあります。 内容ばれ RBGやミシェル・オバマの写真を飾り、 マララさんをリスペクトするモリー、 クラスメイトの性指向について特に過剰反応はなく、 トイレがジェンダーレストイレの学校、 同性愛者の娘を応援するクリスチャンの親、等々 たぶん2人の家庭が中流以上のリベラル、 学校もランクが上なんでしょうけど(クラスメイトみんなお金持ちだ)、 ここ数年間に見た学園ものからまた1、2歩進んでいるので わーって思いました。 でもホグワーツの寮分け話題っていまだに定番なんですね(笑) つよい…。 エイミーのプールの潜水シーン、とても奇麗だった。 あんなに切ない失恋をしたのに親友のことを思い遣れる強い子。 そこからのクラスメイトとの口論、からの性の暴走、 そして定番の初心者ゆえの失敗、なにもかも甘酸っぱい。 話は脱線しますが、今回コメディ部分はもっとやれる!がんばれ! って思ったんですが、世界的に見ても女性のコメディアンが少ないのは ねたが難しいっていうのがある気がするんですよね。 定番の全裸ネタや性器ネタでも、 男性が言うのと女性が言うのでは意味合いが変わってしまう。 それからジョークって一種攻撃的な部分があるんですけど、 そのせいか、ジョークがキレキレの女性って 異性に、または場合によっては同性にも敬遠される傾向にあるように思う。 (あ、キレキレのジョークと、単にツッコミきついだけとは違いますよ) なので女性によるギャグの定型の蓄積ってあまりないような…。 (2人が薬で見る幻覚のシーンや、衣装を変えるたびに褒めまくるシーンとか ああいうの今後増えて洗練されていってほしい) コメディ以外の、面として捉えてたクラスメイト達を 1つ1つの点として認識すると、誰一人として同じ人間なんかいないし それぞれの人生があるっていう収束のつけかたは安定してた。 ピザの配達人さんすごい意識高い!って思ったらオチで笑った。 笑ったといえば、どこにでも出てくるジジ、ホラーめいてたけど キャリー・フィッシャーの娘さんだったの! ちょっと大人顔だけど高校生に見えたよ。 ラストにほんの少し音声ネタがあります。 2020.08.23 サイトに掲載 2021.05.05 再掲載 戻る |