「運び屋」












監督イーストウッド、主演イーストウッド。

花を育てるのが生業の園芸家、アールは家族をないがしろにし続けて

とうとう見放され現在は1人、金もない。

孫娘の婚約パーティーからも追い出されるが、

出席者の男に声を掛けられ、それが縁でマフィアの運び屋をすることになる、

というあらすじ。



熟練の腕で作られたおじいちゃんドリ。

洗練されているが(それにしたって

最盛期と比べると随分落ちる)でもおじいちゃんドリだ。

若い女の子に「次は私が相手するのよ」とキャッキヤされるし

なんと2人の若い女の子とベッドシーンもこなす。

イーストウッドは90近くで、もう歩くか座るかの演技しかできないのに。



ラストばれ



ずっと放置していた妻と娘も、結局はおじいちゃんを愛しているし、

戦争を経験していて、死など怖くないおじいちゃんにマフィアも一目置く。

最近の若い夫はインタネットばかりでタイヤ一つ替えられず、

助けてやった若い妻はおじいちゃんステキ!という視線をよこす。

こんな悲しい映画を撮るのはやめてくれ〜。



娘の卒業式とか結婚式とか、大事な行事を全部すっぽかして

それで友達や知り合いにいい顔することに熱心って、そういう人いるよな。

あと短期間に集中して愛情を注ぐことはできても、

長い年月、毎日ちゃんと寄り添って優しくすることはできないというタイプもいる。

同じタイプ同士で結婚すべきだと思う。



私は、何十年かずっと一緒にいてくれて、

最後の1週間だけ何かの事情で一緒にいられない人のほうがいいな…。

人生はゲームじゃないので、効率よく1週間で

数十年分の好感度が上がるボーナスイベントとかはないのだ。



何歳になっても人生やり直せるというテーマのようだが、

アールの運んだ薬物で死んだ人もいただろう。

それで妻とも娘とも和解してハッピーエンドって腑に落ちないわ。












2020.04.12 サイトに掲載

2021.05.05 再掲載





戻る