「天才作家の妻40年目の真実」 原題「The Wife」 スウェーデン・イギリス・アメリカ合衆国製作。 高名な小説家ジョゼフ・キャッスルマンはノーベル文学賞を受け、 授与式のために妻子を伴ってストックホルムに向かう。 しかし移動中の飛行機の中で、作家は記者に声を掛けられる。 記者はとある疑惑を持っており、到着してからも夫妻に付きまとうが…というあらすじ。 だいたいタイトルから想像される通りの話。 複雑な夫婦の愛情が描かれています。 オチを書きます注意 超絶文章力を誇る作品の数々、それは実は妻が書いてましたよ、というやつ。 当時、実力はあっても女流作家の作品など見向きもされなかった時代、 妻子ある担当教授と不倫の末に結婚した女学生だったヒロインは、 やがて夫の代わりに作品を書き始める。 夫は、アイディが優れているが細部が全く詰められないタイプの文字書き。 しかし本物の天才である妻に嫉妬して、彼は次々と浮気を繰り返す。 笑ってしまったのは、夫が「自分の作品のどこが悪いか言ってくれ」と妻に言い 妻が「キャラクターが薄っぺらい」的な事をひとつ言っただけで 「もうじゅうぶんだ!夫を尊敬できない女とは暮らせない!」 ってキレちゃうところ。どんだけ打たれ弱いのか。 あと息子も作家志望で、素晴らしい作品を生み出す父をずっと尊敬してきて、 母のことは愛していたが普通の女性と思って成長したのですが あれを書いた神作家が実は母だったと知らされて彼もキレます。 しかし母が毎日8時間執筆して、父は家事をやっておって、 それに全く気付かなかったなら、残念ながら小説家の才能はないよ息子君…。 語彙とか感性とか色々ヒントもあっただろう。 若い頃の夫妻と今の夫妻、いいことがあると2人でベッドに飛び乗って ぴょんぴょんするところが同じ喜び方で、 小説家のおじいちゃん、もう病気の域で滞在先でも娘より若い女性を口説くのですが 若い頃に教え子だったヒロインを口説いた時と同じやり方なのです。 そういう演出が上品で容赦なかった。 結局夫妻の間には、他人には分からない愛情があったという結末。 私は少々腑に落ちないが、まあそういうのもあるのか(ゴロー)。 2020.04.09 サイトに掲載 2021.05.05 再掲載 戻る |