「ビリーブ 未来への大逆転」 合衆国最高裁判所陪審判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏が 手がけた男女不平等裁判をメインにした実話映画。 彼女がハーバード法科大学院に入学した年、 500人の生徒の中で女性は9人だけ。 女学生を歓迎するタ食会が開かれるのですが 大学の偉い人に 「男子学生の勉強する機会を奪ってまで入学した理由を開かせてもらおう」 と言われて、1人1人回答させられ、 「父親の法律事務所の手伝いをしたい」 「同じ法学部生の夫を理解したい」 という理由はOKで 「仕事がしたい。教師にはなりたくない」という理由は 面と向かって悔辱されるというなかなかの地獄行事でした。 しかしハーバード法科大学院の学長でも、 ベつに時代を先取りする感覚に優れているわけではないんだなーと思ったりした (そうしてのちに映画の嫌な奴にされたりするわけですが) 内容ばれ 癌の旦那様の看病をして、育児もしつつ、 自分の授業を受けて、旦那様の授業も代わりに受けるというのは スーパーレディすぎる!と思いました。噂に聞く睡眠時間2時間時代のお話ですね。 おそらく彼女は生涯にわたって睡眠時間を削り 勉強して、勉強して、勉強しまくったのでしょうけど、 それで現在ご健康でいらっしゃるのは素晴らしいことです。 しかし先に「RBG 最強の85才」という 同じくルース・ベイダー・ギンズバーグ氏のドキュメンタリーを見ていたため、 私の中に、柔和で柔軟だけれども、言葉選びが的確で効率的、常に冷静で意志が強く、 タフで粘り強い、絶対敵に回したくないルース像が出来上がっていたので、 気持ちが揺れやすく夫に守られ、夫の助言で苦難を切り抜ける、 ヒロイン演出の彼女と合致しなくてちょっと戸惑いました。 (脚本はRBGの身内のかただったようですが) RBGの偉業<夫婦愛という感じかな。 RBG(ルース・ベイダー・ギンズバーグ)氏 関連の映画を2本見て思ったんですが、 10年後くらいには、 「当時の日本のジェンダーギャップ指数の順位の低さは 日本の女性が、良く言えば控えめ、 悪く言えば向上心がなく、 ほかの女性との連帯が苦手だったせいである」 ということに、しれっとなってそうだな…。 これはある意味100%間違いという訳ではなくて、 たとえばアメリカでも初めから 「さあさあどうぞ!発言なさってください!活躍してください!」 と場が与えられたわけではなく 猛烈な差別や嫉妬や集団の攻撃に耐えて戦って現在があるわけなので。 日本の女性は「自分が我慢して場が丸く収まるならそれでいい」 という気性の人が多い気がする。 それは男性も同じで、戦って権利を守るという気質があまりない。 大昔はカジュアルに打ちこわしなどを行っていたので どのあたりから大人しくなったんだろう。 やっぱり明治あたりだろうか。 ゆえに我慢できない性分の女性に対し 「あの女は変だ!他の女はにこにこしているのに!」 と風当たりが余計にきつくなる、というのはあるかもしれない。 2020.04.06 サイトに掲載 2021.05.05 再掲載 戻る |