「ノー・サレンダー」










2018年エジプト作品。
1940年、いまだ英国軍はエジプトに駐在していたが、
兵士が集団でエジプトの少女に乱暴するという事件が起きる。
犯人は逮捕されるが、英軍総督の甥だったため、英国から引き渡し要請が来る。
しかし警察所長は要求を拒否し、英国軍とエジプト警察の全面戦争となる、というあらすじ。
ちなみにスコット・アドキンスが準主役のような宣伝ですが、
登場時間は10分もない。彼の出てるシーンのアクションはよいですけど。
エジプトの娯楽映画を観るのはたぶん初めて。

色々驚いたんですが、最初会話するたびにさしたる理由もなく
家族の女性をビンタする中年男性が出てきて、
悪役ね、と思ったら主役で、
強いリーダーシップを持つ頼りがいのある男という演出だったようです。
あと、英国人に乱暴された少女はすぐ自殺しようとした設定だし、
娼婦のキャラクターは何故か「自分は汚い、でも食べていけないから仕方なく…」
てきな独白を始めるし、当然女性キャラクターは微塵も活躍しない。
ははーん、さてはジェンダーギャップ指数が低いな?と思ったら、
エジプトは2019年に134位でした(日本は121位)。
まあ!日本より低いなんて!
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒とか、
チャーリーズ・エンジェル2020とかご覧になったら、
きっとショックで気絶するか、猛烈なバッシングをされますね…。

内容ばれ
ハリウッド的エンタテインメントを目指されているとしたら、
ストーリーのレベルは赤ちゃん段階だと思う。
キャラクター成形がほぼ為されてないし、人物の行動に無駄筋が多い。
でも決戦前夜に皆がこれまでの行いを悔い改めて神に祈るのは独自路線という気もした。

途中、主役が英国軍総督に
「ここはエジプトだぞ。アラビア語で喋れ!」
と格好よく捨て台詞を吐くのですが、
主役は英語を喋っているので
「???」
と思ったら私の見ていたのは英語吹き替え版なのでした。
よく見たら台詞と口の形が合ってなかった。










2020.03.23 サイトに掲載

2021.05.05 再掲載





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