「ドント・ヘルプ」










(原題: EL HABITANTE)

借金の取り立てに苦しんでいた姉妹は悩んだ末、豪邸への強盗を決行する。
住人の夫妻を縛り上げたあと、姉妹は地下室に少女が監禁されている事に気付き、
夫妻の制止を無視して彼女を救出するが、
不気味なことが起こり始め…というあらすじのメキシコのホラー。
タイトルが「ドント・ブリーズ」のパチものっぽい邦題だし、
(原題は「住人」)ちゃちなホラーかもなー…と思っていましたが
わりと堅い造りのエクソシストものでした。
怪現象ではなく言葉で人間を追いこむ悪魔のやりくちが容赦ない。

悪魔の姿が、変なテカテカラテックスではなく、
シンプルにまっ黒い影で表現されている所、
予算を考えると逆に良かったです。

ラストばれ

長女と次女はむかし父親から虐待を受けていて、
長女は妊娠に気付いたのをきっかけに父を金槌でメッタ打ちにする。
その時の子供が三女で、実は姉ではなく母で、
お前は罪の子だと悪魔に知らされた三女は自殺。
そして次女は裁判で虐待の事実はなかったと
虚偽の証言をした事を黙っていたがそれを悪魔にばらされ、
8年服役していた姉は激怒、次女に暴力を振るって家を飛び出し自殺
残った次女は「お前が父に虐待されている時、神は何をしてくれた?
神の創った地獄に耐える必要はない。お前は何も悪くない」
と悪魔に言われる。(悪魔さん優しい)

悪魔祓いの枢機卿が夫妻に「神を信じて祈りなさい」って言うんだけど、
夫妻は「それはもう試した」と反論。
難病の娘を救いたくて7年祈り続けた夫妻が絶望して
とうとう悪魔を呼び出し、
枢機卿をおびき寄せる代わりに娘に普通の体を与えるという
取引をしたというのが真相なのですが、
これでもかと信仰の絶望が描かれます。

虐待父は、姉妹に性的に興奮するたびに
お前が誘惑するから悪いんだ!とベルトで鞭打ってから暴行するクズなのですが、
なんか「俺をこんな気分にさせるお前が悪いんだ」攻と
言ってることが同じで、フフって思いました。
世界的に人気の高いキメ台詞なのか?

父親を殺せという悪魔の誘惑に屈せず、
彼を赦した次女ちゃんが悪魔から逃れて、
父親を金槌でぶん殴った長女ちゃんが死んだのは
ちょっと納得いかないというか、男性監督だなあ…という感じですが、
エクソシストものとしてはなかなかよかったです。

悪魔に混乱させられた枢機卿が、私の仕える神は1人ではない。
百人おられる。的なことを言い出すシーン、
たぶんキリスト教の人にとっては衝撃的なセリフなんでしょうけど、
多神教になじみの深い身にはフーン…以外のなにものでもなかった。









2019.08.30 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





戻る