「東海道四谷怪談」










中川信夫監督
映画化された四谷怪談の中でも、日本の怪談映画の中でも
最高傑作とされている中川信夫監督版の「東海道四谷怪談」を見ました。
貸切ミニシアターの140インチスクリーンで見たので大迫力だった。

この映画を高く評価している著名人に
フランシス・フォード・コッポラ監督や黒沢清監督がおられるようです。
三島由紀夫は本作の伊右衛門を演じた天知茂に惚れたそうですが、
納得の色男ぶりでした。

冒頭、水に映った人物像から始まる、いかにも凝ってる感、
舞台のような横長の構図、長回し、
その凝りようは最後まで続いたのでした。
映す対象の手前に格子戸や、植物や、像などを配置する構図がお好きなのかなと思った。
伊右衛門が2階の賭場に上がるシーンは、カメラが外からシームレスに映し続け、
壁を抜いた2階建て家屋のセットを、数回の短いシーンだけのために組んだの?贅沢〜!ってなりました。

キャラクターは、伊右衛門の悪の部分を直助がほとんど持ってゆき、
伊右衛門はお岩に未練があるような描写で、
終わり方も若干違う、後味のよいものでした(与茂七、お袖てきに)。

特筆すべきは特殊メイク技術で、今から60年も前なのですが
有名な鏡の前でお岩さんが髪をとかすシーン、
髪がごっそり抜けて、その皮膚が裂けて血が流れるところ
すごい!と思った。どうやってるんだろう。
「シェラ・デ・コブレの幽霊」の5年前ですが、
特殊メイク技術では勝っている気がします。

いやでもさすがに現代のホラーと比較できるとかではない。
特にホラーの善し悪しは作劇技術、恐怖表現技術、特殊技術によるところが大きいので。








2019.08.11 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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