「キューブリックに魅せられた男」










監督トニー・ジエラ
「バリー・リンドン」に起用された若手役者レオン・ビターリさんが
キューブリックの才能に心酔して彼に弟子入りし、
監督が亡くなるまで右腕として働き続けた経過を追うドキュメンタリー。
天才の天才たるエピソード満載で、
キューブリック作品の撮影風景がふんだんに使われています。
完全にファン向け。
(しかし仕事で追い詰められている人は見ないほうがいいかも…)

気さくで人懐こい面がある一方で、表現者としてのキューブリックは
完全主義者で妥協を許さないし、
人が100%の力を出しても決して満足しない。
なぜなら天才の彼が映画に対してすべてを捧げているから。
セリフをトチった役者をすぐにクビにして、
美術監督を精神失調に追い込んだ監督の冷酷な面が描かれます。
キューブリック作品の撮影風景が幾つか映り、
現在のハートマン軍曹役のかたや、
ダニー・トランス役のかたがインタビューに答えます。

睡眠時間2時間の激務に耐え、
ドアマットの上で眠り、体重は落ち、それでも彼は忠実に監督に仕えます。
周囲の人曰く「奴隷のように」。

内容ばれ

この人を、監督あるいは撮影監督として育て、
独立させてあげることもできたと思うけど、
キューブリック監督はそうしなかった。
監督の死後、生活に困窮して息子を頼るほどの賃金しか与えず、
またキューブリックのイベントから存在を無視される程度の
権限しか持たせなかった。1人の人間の人生を使い潰した。
なぜならたぶん監督には才能がありすぎて、体が1つでは足らなかったから。
サブの体として最後まで使いたかった。
それでもレオン・ビターリさんは、天才の仕事に関われて幸せだと語ります。
凄まじい話。
でも激務に耐え、70を越えていまもお元気そうなのはよかった。
きっと頑丈でいらっしゃるのだろう。
キューブリック監督の仕事を、平均的に才能のある8人くらいで分担すれば、
奴隷労働は必要ないと思うけど、8人分の成果を1人であげちゃうのが
天才ってものなのかも。つまりはコスパがいいってことなのかも。

子供の頃、戦争で人格の変わった父からの虐待に怯えていた
レオンさんのエピソードが語られ、
観客になんらかの結論を導き出させようとするこの…
うん…何が言いたいかは分かりますよ。

余談だけど「ROOM237」の話がチラッとでていたけど、
スーパー深読みに対してはプススス、という感じでした。そりゃそうだよね。
あと日本語のフルメタルジャケットの宣伝が流れた。









2019.11.20 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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