「ターミネーター ニュー・フェイト」 ターミネーター6作目にしてキャメロン復活(製作ですけど)。 「T2の正当な続編!」という宣伝文句で、 新シリーズも視野に入れた展開です。 監督ティム・ミラー、脚本デヴィッド・S・ゴイヤー他2名。 メキシコの自動車工場で弟と一緒に働くダニエラは ごく普通の女性だったが、そこに殺人マシーンが現れ 彼女に襲い掛かる。間一髪彼女を助けたのは 長身金髪の女性だった…というあらすじ。 序盤はT1そのままの展開ですが、徐々に変奏曲になり、 そして懐かしい登場人物が出てきます。 今回の敵Rev-9、固体から液体への変化が可能で 更に骨格とそれ以外に分かれて活動する事ができます。 破壊が難しいので、ひたすらずっと追いかけてきますが グレースの鉄槌アクションが特に良かった。 あとやっぱりサラ・コナー。 重火器をぶっ放すクールな初老の女性で 味方でメインキャラクターなのって本当に希少なので (あとは「MMFR」「RED」、「リメイク版ハロウィン」くらい?) それだけで加点30点! T2に思い入れの深い人(私もです)は ちょっと歯を食いしばれ。でもこの映画好きです。 (予告は見ないほうがよかったな…と思った) オチばれ注意! 3、4、5は無かった扱いとなった。 これまで修羅の道を歩んできた全時空、全アースのジョン・コナーに お疲れ様って言いたい…。 そしてすごい百合を見せてもらいましたけど、 あとは百合に任せておやすみジョン・コナー。 この世界のタイムリープの法則は上書き形式で、 スカイネットの誕生を阻止したにも関わらず ジョンが消えていないことから、タイムマシンによって起こった出来事は 変更不能というのが6のルールなのだと思います。 故に、スカイネットが消える前に あちこちの時間に複数のT−800を送り出したなら それが消えずに出てくるのはまあ納得。 ただ、グレースの上司が、協力者の位置を刺青にしたのに、 サラに関してまったく申し送りがなかったのは不可解です。 あそこで協力関係になれなかったら危なかった。 どうでもいいですがタイムマシン、マッパと光球は同じ仕様なのに 高低の算出だけ甘くなってない!?地面に出してあげなよ! あとRev-9の骨格分離、質量保存の法則は気になりました。 「ただの凡人」とか「聖母の座は譲るわ」とかがミスディレクションで、 ちょっとしたどんでん返しがあるんですが、 女性に大きく作用するカタルシスで、 男性のほうはたぶんイマイチぴんとこないのではないかと思います。 あとこういうSFアクション大作で感情移入できる男性キャラクター不在、 という例がほぼないため、投影なしに映画を見ることのできる一部の男性以外には 不評だろうなと思いました(何度か同じことを書いてますけど)。 逆に言えばシスターフッド、女子エンパワメントを描いた映画で SFアクション大作は少ないので希少な映画だと思います。 キャメロン御大がプロットにどの程度関与なさったか分かりませんが まあ昔から女鬼軍曹好きですもんね…。 でもジョン・コナーと同じで、一体どういう心境で送り出したのか気になります。 (山奥に隠れて過ごすのは御免、ってあれT3への皮肉かな…) しかし結局ジョン・コナーがいなくても、次の指導者が現れ、 その指導者が倒れても結局誰かが人類を勝利に導くような気がします。 むしろタイムマシンに頼るのは敗北フラグだよAI…。 2019.11.11 サイトに掲載 2020.01.01 再掲載 戻る |