「天才たちの頭の中 世界を面白くする107のヒント」










英国屈指のメジャー広告代理店勤務の監督が
創造とは何かという疑問を抱いて、世界の様々な業界のトップランナーに
「なぜあなたはクリエイティブなのか?」という疑問を投げかけるドキュメンタリー。
会社のコネがなければ成立しないコンセプトだと思うけど
20年以上かけたインタビューはさすがに豪華。
(ただしちょっと映るだけの人もいます)
デビッド・ボウイ、オノ・ヨーコ、
スティーブン・ホーキング、ビル・ゲイツ、ダライ・ラマ、
クエンティン・タランティーノ、スパイク・リー、デヴィッド・リンチ、
イアン・マッケッラン、サミュエル・ジャクソン、ウィレム・デフォー、
山本耀司、ヴィヴィアン・ウェストウッド、
ネルソン・マンデラ、ミハイル・ゴルバチョフ、ヤーセル・アラファト、
ジョージ・ブッシュ、ウンベルト・エーコ、ジョージ・R・R・マーティン等々、
故人含む107人の回答映像が流れます。

ざっくり分けると
「才能を与えられたから」
「みんなでなんかするのが楽しいから」
が2大派閥。もちろんそれ以外の回答も色々とありますけど。

「凡人は奇抜なアイディアを垂れ流すだけだがクリエイターは
それに秩序を与えて形にする事ができる」
「創造には善が必要」
「公共的平等さなど馬鹿馬鹿しい」
色々なスタンスが聞けました。

多彩な年齢の人が回答する様子を見ていて、
・美や善や才能など様々な抽象概念について考える習慣があるか、
・人の質問を正確に理解できるか、
・適切な言葉を選ぶスピード、
は如実に出るなあと思いました。
中にはやっぱりちょっと的外れな回答もあった。
ジョージ・ブッシュさんは、体調が悪いのかどうしたのか、大丈夫か?と思った。

内容ばれ
回答がキレキレだったのはホーキング博士で
「どこかに着くよりも楽しい旅を続けたい」
「創造性のない科学など、古い数式をこねくり回すだけだ」
あの回答が、打合せなしに瞬間的にあの場で出たものなら
頭の中がどうなっておられるのか。
あとマンデラ元大統領、
めちゃくちゃ不意をつかれた質問にもかかわらず早く鋭い回答、
私が仮に英語話者でも元大統領と対等に会話が交わせたように思えない。

しかし質問者が途中で
「性と創造とは」「科学と創造とは」「政治と創造とは」
と微妙に質問の内容を変えるのはどうかと思った。

デヴィッド・リンチ監督が「みんなでものをつくるの楽しいから」派だったのは
なんとなく意外だったけど、リンチ監督のインタビューのときだけ
照明の調子が悪くなったのはちょっと面白かったですね。

あとRRマーティンは才能を受けたから派なんだけど
「突然才能がなくなって書けなくなるかも…」
っておっしゃっていて、私からするとバリバリの技巧派に見えるのですが
先生は才能で書いておられる感覚なのね。これも意外。










2019.11.06 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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