「HiGH&LOW THE WORST」










仮想日本の関東で群雄割拠が繰り広げられるSWORD地区、
その一角を治める鬼邪高校を舞台にしたスピンオフ映画。
同名のドラマ版があって、この映画はその続きの話となります。
しかしドラマ版とは関係ないエピソードが半分を占めるので
この映画版をお試しに見てみるのもよいかもしれません。
それでアクションと世界観が気にいったらHiGH&LOW THE MOVIEへ、
鬼邪高の生徒が気になったらTHE WORSTドラマ版へ(huluで視聴可)
鳳仙の生徒が気になったら漫画「クローズ」へどうぞ。

エグザイルを擁するLDHには謎の資金力があって、
美術とアクションが邦画にあるまじき出来栄えです。
芳醇な予算の香りを感じて頂きたい。予算の香りはフルーティですよ。
老舗芸能事務所の売り出しタレントがねじ込まれたりもしないので、
キャラクターも比較的自由度が高い。

校舎と体育館と団地をよく見てください。作画コスト……ってなります。
アクションのアイディアも豊富だし、新しい事をやろうという姿勢が強い。
なによりカメラワークがすごい。
もうちょっと引いてほしいとかズームしてほしいとか不満が一切ない。
めちゃくちゃリズムよく動くし、まさにそこ!というタイミングでピタっと止まる。
特に地獄河原の決闘の序盤がゾクゾクしました。
団地戦は城攻めっぽくて燃えた。

ただ、ヤンキー価値観を基準に考えられた話なので、
ドラマ部分がクラシックすぎて人を選ぶのと、
ヤンキーが大声で怒鳴ったり、小突き合ったりするのが苦手なひとには
おすすめしません。

あらすじ
鬼邪高と鳳仙が戦うヨ!
(東映の「仮面ライダーVSスーパー戦隊」的に)

内容ばれ

予算、いくらあっても爆発!!とか空撮!!とか首都高速封鎖!!とか
そういうのじゃない。そういうのじゃないんですよ。
LDHはお金の使い方がうまいんですよ。

このドラマ版がスタートする前は、「轟さんが噛ませになって、
新しい登場人物にボコボコしされたら嫌だね」って言ってたんですが、
むしろ新しい登場人物全員に狙われ、
村山さんに人生を変える諫言を貰い(ドラマで)少し学び、
ちょっとだけ仲良しができて、また少し学ぶという
轟さん成長の物語でもあったので、心から良かったなあって思ってます。
(それに結局村山さん以外には負けてないしね!)

村山さんは基本的に人が好きで、興味があって、
戦う人とか、その理由とか、勝った瞬間とか負けた人とかを見るのが
とても楽しそうなんだけど
轟さんはべつに人とか嫌いで興味なくて殴っても勝っても負けても
楽しくないんだろうな、そこが違うんだろうなと思います。
でも今後は変わるのかも。高校生だもんね。

ところでドラマだけだと、ふじつかコンビ一強に思えたんですが
映画をみると、ふじさち、ふじとど、ふじあら、
と対抗カプが百花繚乱、これは血を見るのでは!?って
ジャンル識者に聞いたら、そうでもないそうです。

ん?という点は、ドラマ版から思ってたけど、
共働きの家は貧乏、お母さんが夜まで仕事してるのは貧乏かつ不幸って、
何世紀あたりからまろびでた価値観なのか。
あとお母さんの医療費、上限以上は還付金で返ってくる筈だけど、
健康保険制度がないのか(暴対法はあるのに)?
保険対象外の癌なのか?だったら300万なんか秒で消えますぞ。
それと人の心のない冷たいエリートは不良より不幸とか、
エリートは不良に憧れるとかは、ふふって思いますけど
指導室で突然曲がったキュウリの話を始める生徒はこわいし、
先生の世代だと金八先生を思い出すんじゃなかろうか。
そしてあの世界に妹は一体何人いるのか(お姉ちゃんはおらんor死んだ)。

村山さんがこれで卒業らしいと聞いて淋しいのですが、
SWORDが交替するのがすごく嫌なんですよ!
仕方ないとはいえ客演のひとから抜けていくのも嫌だ〜。




追記

行った事なかった応援上映というものに初めて行きました。
全然勝手が分からなかったんですが、
ケミカルライトは持って行ったほうがよいとのことで、 器用な鬼邪高の女が文字入れをしてくれました。

楽しかったのは、鬼邪高のシーンでは赤、
鳳仙のシーンでは白、団地組のシーンでは緑(きゅうり)、
村山さん(定時)のシーンは青に色を切り替えて応援するやつ。
テーマパークの沿道のダンスでは
必ず周囲から一拍遅れるどんくさい私は、
関係ない黄色とか紫とかを光らせてアワアワしながら応援しました。
面白かった。やっぱり村山さん、轟くん、ふじおくん、やすし、
サッチー、小田島くんの人気が凄いですね。
顔がいいとか作画がいいとか、
今日は勝てるよとかイチゴ気を付けてとか、
エア監督か先祖の霊みたいになって好きなことを叫びます。
人の叫びで「なるほど」と気付きを得たりもした。

最後のシーンで、みんなで青のライト振って、
お祝いできたのはよかったなあ。
いやまだちょっと納得できない気持ちはあるんですけどね。

お客の男女比率は9:1くらいで女性が多かったです。
男女カップルで村山さん完コスのひとたちもいた。










2019.10.08 サイトに掲載

2020.01.01 再掲載





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